2025年2月8日(土)日本時間朝10時からタイ・バンコクで『ONE Fight Night 28』(U-NEXT配信)が開催された。
▼ONEムエタイ世界ストロー級タイトルマッチ 3分5R〇プラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ/王者)125lbs[4R 1分55秒 TKO] ※レフェリーストップ×エリス・バダ・バルボーサ(英国/挑戦者)122.75lbs※プラジャンチャイが王座防衛
ONEストロー級ムエタイ世界タイトルマッチ3分5Rは、王者プラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ)がエリス・バダ・バルボーサ(英国)の挑戦を受け2度目の防衛戦に臨む。
プラジャンチャイは元ラジャダムナンスタジアム認定フライ級王者、元ルンピニースタジアム認定バンタム級&スーパーバンタム級王者。ボクシングでもWBAサウスアジア・バンタム級&フェザー級王座に就いている。スピードがあり、ハイレベルなテクニシャンタイプのムエタイトップファイターの一人。
2021年7月のONE初参戦で、いきなりサムエーに挑戦して判定勝ちでストロー級ムエタイ世界王座に就いたが、2022年5月の初防衛戦でジョセフ・ラシリにTKO負けで陥落。2023年6月にサムエーをKOして暫定王座に就くと、12月にラシリとの王座統一戦を初回KOでリベンジに成功し、王座返り咲きを果たした。
さらに2024年6月には“人生無敗の男”ジョナサン・ディベラに挑戦し、判定勝ちでストロー級キックボクシング世界王座も奪取している。戦績は340勝52敗3分。ONEでは6勝1敗。また、プロボクシングでも3戦3勝。
元WBCムエタイ欧州王者バルボーサはフェアテックストレーニングセンターでムエタイの修行を積み、2023年12月からONEに参戦。初戦は両者計量失敗によるキャッチウェイト戦に変更され、トンプーンにボディブローでKO勝ちしたが、試合後に禁止薬物の陽性反応が出たため無効試合に。
2戦目は2024年7月で、アリーフにスプリット判定で勝利した。プラジャンチャイに挑戦するには実績不足な感は否めないが、大番狂わせを起こすことが出来るか。
なお、プラジャンチャイはフライ級に階級を上げることを示唆しており、「フライ級に転向したら初戦で武尊と戦いたい」と発言。この試合を最後にフライ級に転向となれば新たな敵が武尊の前に立ちはだかることになる。
1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブをこつこつ突いて、左ローのバルボーサ。ガード高くプラジャンチャイは右カーフ。慎重な入りのバルボーサはガード上にローと同じ初動で左ミドル。プラジャンチャイの右ミドルを掴んでヒジを突く。さらに右ストレート、左は相打ちに。
圧力をかけるのはバルボーサ。プラジャンチャイも圧力をかけ直すと左ローから右の対角線攻撃で詰めてヒジもゴング。しかし首相撲に両者離れない。
2R、中央を取るバルボーサ。右ロー。中央を取り返すプラジャンチャイは右ミドル。そこにクリンチのバルボーサはヒジ狙いもブレーク。
ノーモーションの左から前手を伸ばしてバルボーサの前進を阻み組むプラジャンチャイ。組んで左ヒザを当て、ヒジでバルボーサを出血させる。バルボーサの蹴り終わりに詰めて首相撲ヒジを狙う。
3R、右ミドルのプラジャンチャイ。さらに右アッパー、左ヒジ。ジャブの刺し合いから右を突くプラジャンチャイは左縦ヒジも。
ジャブから右ボディストレートのバルボーサにヒジでブロックのプラジャンチャイは、両手を前に出しながらヒジを狙う。さらにバルボーサの入りに右アッパー、左フック。
前に出るバルボーサは右ボディも、左から右を返すプラジャンチャイ、右ローの打ち合いから、左ジャブのダブルも当てるのはプラジャンチャイ。バルボーサも下がらず前に出るが、プラジャンチャイが左ヒザを当てる。
4R、中央を取るプラジャンチャイ。左前蹴りはローブローに。再開。
前に出て左ジャブを連打するバルボーサに、右ストレートを入れるが、バルボーサも右アッパー。しかすすぐに左右を返すプラジャンチャイ。
右ヒジに「切った」とアピールするプラジャンチャイ。ワンツーから右に、再びバルボーサがカット。左目をドクターがチェック。試合ストップ。プラジャンチャイがTKO勝ち。10万ドルのボーナスを獲得した。試合後、プラジャンチャイは「このベルトをできるだけ長く保持したい」と語った。
[nextpage]▼ONEフライ級 ムエタイ 3分3R〇ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)135lbs[判定2-1]×ノンオー・ハマ(タイ)134lbs
第10試合ではゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)がノンオー・ハマ(タイ)とフライ級ムエタイ3分3Rで対戦。
ゴントーラニーは2018年にラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王座、2022年に同ライト級王座に就いているサウスポー。サオトーとサオエークにも勝利し、2021年4月にギンサンレックに敗れるも2022年3月の再戦ではTKO勝ちで制している。
2023年2月の『ONE Friday Fights 6』に初参戦すると、ギンサンレックを左フックでKOして返り討ちにし、その後は内藤大樹やジャオスアヤイを相手に破竹の6連勝。しかし2024年6月、スーパーレックに判定で敗れて連勝がストップ。その後はタギール・カリロフ、ナックロップに再び連勝している。71勝16敗。同級4位。
ノンオーは38歳で266勝57敗10分の驚異的な戦歴を誇り、ルンピニースタジアムでスーパーバンタム級からライト級まで四階級制覇、ラジャダムナンスタジアムのベルトも獲得している、まさにムエタイの伝説的存在だ。
2019年2月にONEムエタイ世界バンタム級王者となり、鈴木博昭、セーマペッチ、ロードレック、リアム・ハリソンらを相手に7度の防衛に成功して絶対王者と呼ばれていたが、2023年4月の8度目の防衛戦でジョナサン・ハガティーにKOで敗れ王座陥落。
12月にはニコ・カリロにもKO負けしてまさかの連敗を喫したが、2024年4月にクラップダムを技術で封じ込めて判定勝ちで再起したのも束の間、9月にカムラン・ナバティに判定負けを喫した。今回よりフライ級に階級を下げる。
1R、先に前に出るサウスポー構えのゴントーラニーは左ハイ。右ロー。オーソのノンオーも右ハイ、右ミドルを返す。
左ストレート、奥足ローで詰めてハイのゴントーラニー。ノンオーも右ミドル、右ハイをガード上に当てる。しかしノンオーも右の蹴りを上下に突いてロープに詰めると、右ストレートで押してゴントーラーニーを崩すもゴング。
2R、グローブタッチからすぐに右前蹴りを突くノンオー。ともにオーソドックス構えになり、右の蹴りの蹴り返し。右カーフのノンオーは右ミドルから飛び込み。足をシャッフルさせて右ハイのノンオーに、ゴントーラーニーは左ストレートを狙う。
右の蹴りを上下に突いて右ヒジはノンオー。左ミドルの打ち終わりにゴントーラーニーは右ストレート。そこから押し込んで蹴りまで繋ぐが、サークリングのノンオーは避ける。
右ミドルをガード上に当てていくノンオー。右ストレートを合わせて尻餅を着かせるが、すぐに立つノンオー。左ミドルのゴントーラーニーに、右ミドルで腕を削るノンオー。
3R、再びサウスポー構えになるゴントーラーニー。右ミドルのノンオーを組んでこかす。
右ミドルのダブルのノンオー! ゴントーラーニーも左ミドルを放つが、チェックするノンオーは右ミドルの連打。その蹴りにゴントーラーニーは右を突いて尻餅を着かせる。
右の蹴り合いは尻餅を着くゴントーラーニー。サウスポー構えから左ミドルを突くゴントーラーニー。ブロッキングのノンオーは右ミドル。ゴントーラーニーも左ミドルもチェックする。ノンオーは踏み込み右ミドル。首相撲もブレーク。
中央を取るノンオー。ゴントーラーニーの左ミドルをスウェイバックでかわして前に。ミドルを突き、ゴング。判定は2-1でリズム良く攻めたゴントーラーニーが勝利。
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▼キャッチウェイト81kg契約 5分3R×手塚裕之(日本)178lbs ※インタビュー[1R 2分06秒 TKO]〇ジャン・リーポン(中国)177.1lbs
“ジャパニーズ・ビースト”こと手塚裕之はMMA14勝5敗。2019年にPANCRASEウェルター級王座を獲得すると、同年10月にONEデビュー。ONEでは、6勝(5フィニッシュ)2敗の戦績を持つ。
2021年11月のアギラン・ターニ戦から、エドソン・マルケスをともに3R TKO後、ジン・テホとアブラーオ・アモリムの両者を1R 腕十字に極め、2024年4月にはヴァミール・ダ・シウバを2R ノースサウスチョークでフィニュシュと、5試合連続フィニュシュをマークしたが、2024年9月の前戦でMMA9勝1敗のイシ・フィティケフに判定負けで連勝が5でストップした。34歳。
対するジャン・リーポン(中国)はUFCで2勝2敗、ONEで3勝2敗の強豪で、MMA34勝(25フィニュシュ)13敗2分の強打者。2014年のTUF Chinaライト級(70.3kg)決勝でサイ・ワンにスプリット判定勝ちで優勝し、UFCと契約。
デビュー戦でブレンダン・オレイリーに判定勝ちも、クリス・ウェイド、ケイジャン・ジョンソンに判定負けでリリース。その後、Kunlun Fightで連勝を重ね、2021年のエドゥアルド・フォラヤン戦の判定勝ちでONEデビュー。
以降、ルスラン・エミベック・ウフール、ティモフィ・ナシューヒンを初回KOに下すなど、強い体幹から放たれる打撃で強豪を下している。
前戦は2024年5月のモーリス・アベビ戦で体重超過のアベビを相手に174ポンドのキャッチウェイトで対戦。激しいスクランブル戦の末に判定負けを喫している。手塚と同じ34歳。ONEライト級(※77.1kg)から、今回は手塚と81kgのキャッチウェイトで戦う(※ちなみにONEの戻し体重は契約体重の5%まで)。
1R、手塚、ともにオーソドックス構え。先に右ローを当てる。左を見せると、リーポンも右を狙う。右ボディから左の手塚。リーポンは右カーフを当てる。そこに左を突く手塚。
ワンツーの右を伸ばす手塚。リーポンは右前蹴り。カウンターの左前手を狙うがかわす手塚。リーポンは手塚の入りに左ジャブを当てて手塚の腰を落とさせると、手塚の右ローをチェックしながら左前手フック! 手塚がダウンし、そこにリーポンは鉄槌連打。
手塚が動かず、すぐにレフェリーが間に入った。1R 2分06秒、リーポンがKO勝ち。中国国旗を掲げたリーポンは5万ドルのボーナスを獲得した。
隆起した身体でガッツポーズの勝者は「この試合のために正月も家に帰らずに練習した。明けましておめでとう。手塚よりも速く動けるし、パンチも狙っていた。いまの階級がとても心地よいです。5万ドルボーナスありがとう。昨日お祝いの食事の夢を見たばかりなんだ」と正夢になったと語った。
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▼ONEフライ級 ムエタイ 3分3R〇ショーン・クリマコ(フィリピン/米国)134.25lbs[判定2-1]×ディエゴ・パエス(コロンビア/米国)135lbs
第8試合のフライ級ムエタイ3分3Rでは、ショーン・クリマコ(フィリピン/米国)とディエゴ・パエス(コロンビア/米国)が対戦。
クリマコは2024年5月の『ONE Fight Night 22』に初参戦すると、ホスエ・クルスを1RでKO。9月の『ONE 168』で本戦初出場を果たすもジョハン・エストゥピニャンにKO負け。パエスは今回がONE初参戦。
1R、サウスポー構えのクリマコにオーソのパエス。クリマコは左ミドルを見せる。パエスは左右ロー。クリマコは左の蹴りのダブル。
右インローのパエス。ワンツーの右も。パエスも左ミドルを当ててインローを返すと、パエスは右バックスピンエルボー。ブロッキングのパエスに再び回転ヒジもゴング。
2R、オーソから左ローで牽制のパエス。圧力をかけるクリマコは左ミドル。その前進にバックヒジをまた見せるパエス。左インロー、ミドルと上下に蹴りを打ち分けるクリマコ。右ハイをアゴ先にかすめるパエスだが、クリマコは左ミドルで前に。パエスは首相撲ヒザからヒジも、突き放したクリマコは左ミドルをこつこつ当てる。パエスも右ミドルを返してゴング。
3R、圧力をかけるクリマコに、嫌って左前蹴りで距離を取るパエス。詰めるクリマコは左ローでパエスのバランスを崩す。
追って左ミドルを淡々と突くクリマコ。右ボディストレートのパエスだが単発。バックヒジもブロッキングしたクリマコは左ミドル。そこを詰めて首相撲ヒザも続かず。
パエスの右フックに若干後退したクリマコだが、すぐにプレッシャーをかけ直して、パエスの関節蹴りに構わず前進。パエスは右ストレートでクリマコに尻餅を着かせるがタイミングによるもの。ゴング。判定は2-1に割れて、クリマコが勝利、ONE2勝1敗とした。パエスはONEデビュー戦勝利ならず。両者の対戦はクリマコが2勝1分けに。
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▼ONEストロー級(※56.7kg)MMA 5分3R×リト・アディワン(フィリピン)124lbs[判定0-3]〇山北渓人(日本)124.1lbs ※インタビュー
山北は、2024年1月の東京大会でボカン・マスンヤネに判定負けするまで8戦無敗。
3月のカタール大会でジェレミー・ミアドを相手に1R ブルドッグチョークで一本勝ちし、早々に再起を遂げると、8月に猿田洋祐と日本人対決に臨み、ノンストップアクションの激闘の末、スプリット判定勝ち。ONEストロー級4位につけている。
対するアディワンは3連勝中。2021年にジャレッド・ブルックスに肩固めで敗れ、2022年にジェレミー・ミドにアクシデントによる負傷TKO負けで連敗したものの、2023年9月にエイドリアン・マティスに1R TKO勝ちすると、11月にミアドにカーフを効かせて判定勝ちでリベンジ。
2024年2月にダニエル・ウィリアムスからダウンを奪う判定勝ちで3連勝をマークした。対日本人では2勝1敗、2019年に仙三に負傷TKO勝ち、2020年に箕輪ひろばにスプリット判定負け、2021年に川原波輝を2R TKOに下している。
右の強打を持つ危険なストライカーで極めも持つアディワンを相手に、打撃向上が著しい山北はいかに立ち合い、組み勝つか。
2025年1月11日の『ONE Fight Night 27』ではフライ級からストロー級転向の和田竜光が、MMA12戦無敗サンザール・ザキロフ(ウズベキスタン)に判定負けしており、ストロー級は日本人選手でも苛烈なトップ争いが続く。
1R、ともにオーソドックス構え。右前蹴りから入るアディワン。右から左。ブロッキングの山北はシングルレッグでロープまでドライブ。ダブルレッグで足を掴んだまま前転して戻していつものように上に。
首と左足を抱えて押さえ込む山北。アディワンも下から鉄槌。アディワンは下からシングルレッグも左足を着けずにスクランブルできず。そこに右ヒザを突く山北はアームロック。
アディワンの立ち上がりにハイエルボーのギロチンチョークを合わせる山北。首を抜いたアディワンに山北も立ち上がり。
すぐに右を突いて、ダブルレッグテイクダウン。サイドに回り、ヒザ。アディワンが立ち上がると再びノーアームのギロチンチョークで絞めてゴング。
2R、アディワンの右跳びヒザを潜ってシングルレッグから引き込みすぐにトップ奪う山北! スクランブルにバック、さらにサイドバックでブルドッグチョーク!
アディワンは仰向けになってずらすとバックに移行。両足は胴に巻かず、クルスフィックス。
腕を抜いたアディワンもグラウンドに飛び込みバック狙い。山北はシングルレッグでスイープ。アディワンの立ち際にダースチョーク狙い、さらにグラウンドヒザ!
スクランブルで立つアディワンを追い、がぶりヒザ。首を抜いたアディワンは右ヒザ。かわした山北に、左右フック、右ボディのアディワンに崩れながらもローシングルで巻き込んで倒した山北! ゴング。
3R、遠間でステップする山北。右を突く。アディワンは左ボディから右の飛び込み! 被弾した山北はすぐにシングルレッグ、がぶりからヒザのアディワン! 山北を突き放すが、山北は休まずすぐに右オーバーハンドからダブルレッグテイクダウン!
背中を着かせるとハーフから左で差して右前腕を首もとに押し込みヒジ。コーナーに押し込み、右ヒジ、ONEで許されているグラウンドヒザを突き、鉄槌も。
下からヒジを突くアディワンだが、山北は押し込んでヒザ! アディワンが上体を立てようとするギロチンチョークを狙う。再び背中を着けたアディワン。ヒザを立てて立ち上がるも、がぶりからシングルレッグの山北、
そこにヒジを突くアディワンだが、山北は右足を左足にかけて寝かせてトップに。グラウンドヒザを左右で連打する山北! ジャンプしながら両ヒザを突く山北がそのままゴングを効いた。
判定は3-0で山北が勝利。打撃でアグレッシブなアディワンを山北は3R、スタミナ切らさず組んで動き続けて文句無しの勝利、3連勝をマークした。
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▼ONEバンタム級 ムエタイ 3分3R〇フェリペ・ロボ(ブラジル)143.75lbs[3R 2分22秒 TKO]×セーマペッチ・フェアテックス(タイ)144.25lbs
第5試合のバンタム級ムエタイでは、フェリペ・ロボ(ブラジル)とセーマペッチ・フェアテックス(タイ)が対戦。
ロボは2020年9月からONEに参戦すると、ヨードパノンムラン、ロートレックに判定勝ち。2022年3月、挑戦者の欠場を受けて急遽当時の王者であるノンオーの挑戦者に抜擢されたがKO負け。
2023年4月の再起戦でセーマペッチをKOし、2024年2月にONEバンタム級ムエタイ世界王者ジョナサン・ハガティーに挑戦し、多彩なボクシング技術でハガティーを苦しめ、右アッパーで先制のダウンを奪うも3Rに逆転TKO負けを喫した。2024年8月にナビル・アナンに判定で敗れて以来の試合となる。
セーマペッチは17歳でタイの「タイガー・セメント・トーナメント」で優勝。2018年4月には、英国を拠点とした団体「ムエタイグランプリ(MTGP)」ウェルター級世界王者に。
2018年7月にONEに参戦。これまでロドレック、クラップダム、リッテワダ、ジャン・チェンロン、ガオナーらに勝利し、2024年2月のモハメド・ユネス・ラバーとの再戦で初回KO勝ちでリベンジを果たすも、7月にニコ・カリロにKO負け。
両者は2023年4月に対戦し、ロボが3R1分26秒、右ストレートでKO勝ちしており、セーマペッチにとってはリベンジマッチとなる。
1R、先にオーソから右ミドルのロボ。サウスポー構えのセーマペッチは右ローも外すロボ。頭を上下に下げながら右の蹴りのロボをさばくセーマペッチは左で飛び込み、左ミドル。
ロボの右ミドルに左ストレートを合わせるセーマペッチ。詰めるロボは左ヒジで飛び込み。セーマペッチも左の攻撃で押し戻す。
2R、交差して左のラボーナを蹴るロボ。さらに右ヒジを突くとセーマペッチはクリンチ。離れて左ミドル。左から入って詰めるロボに左ハイはスウェイでかわして左ストレートを狙うセーマペッチ。
しかし、左ミドルで入ったところに左回りで左を突いたロボの左を被弾してダウンを喫したセーマペッチ! 立ち上がり左ミドルを突くセーマペッチだが、続くミドルに再び左ストレートを合わせて2度目のダウンを奪うロボ! 立ち上がるセーマペッチを詰めて右ハイ。スウェイでかわしたセーマペッチ。
3R、あとがないセーマペッチは前に出る。押し戻すロボは左から右で詰めて3度目のダウンを奪う。
立つセーマペッチは左ミドル。ロボは右ハイ、右ミドル。チェックするセーマペッチは左ミドルも、そこに左にステップするロボ。右ストレートで前に出るロボに、下がるセーマペッチ。コーナーに詰まるとロボの右の連打にダウン。ロボがTKO勝ち。
ロボはONE7戦目で4勝3敗に。セーマペッチはニコ・カリロ戦に続く連敗。
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▼ONEフライ級(61.2kg)MMA 5分3R〇ジェレミー・ミアド(フィリピン)133.25lbs[判定3-0]×ギルバート・ナカタニ(米国)134.25lbs
ONEでの勝利はすべてKO・TKOのミアド。現在は4連敗中で山北渓人、箕輪ひろばに敗れている。ナカタニの前戦は12月に若松佑弥に判定負け。
1R、ともにオーソドックス構え。ミアドは右アッパー、右ロー。その蹴り足を掴みに行くナカタニを切るミアド。ナカタニは右フックを振り組むが、投げて崩すミアド。
なおも組んでダブルレッグテイクダウンのナカタニ。ミアドの立ち際に首を狙う。立つミアドが圧力。左右ジャブ。右アッパー、左。ナカタニは左右ボディ打ち。
ミアドは左を軸に右まで繋ぎ、右カーフも。右ストレートのミアド。ナカタニも右を返して左の蹴りでサウスポー構えも見せる。ナカタニの右ローに右ストレートを合わせたミアド! ナカタニの組みを2度切り前に。
跳びヒザにシングルレッグのナカタニはコーナーに押し込み引出し、ミアドに片ヒザを着かせるとバックに。背中に乗るが着地したところにミアドが正対して左右を突いてゴング。
2R、サウスポー構えになるナカタニ。ミドルから組んで行くが、突き放すミアド。右で差してからダブルレッグに移行のナカタニをスプロールで切って、右三日月蹴り。
左ジャブから、ナカタニのワンツーをさばいて左を当てるミアド。右から左を返したナカタニ。右を強振したミアドを潜って組むが、ここも切るミアド。出血するナカタニ。右バックヒジも。シングルレッグから引き出すが、片足立ちで、切るミアドは右ストレートで前に!
ナカタニも右ヒザで押し戻すと、ミアドの右のバックフィストをかわしてカポエイラのようにサイドから崩して投げてバックに! 亀になるミアドに連打するが、ゴング。
3R、サウスポー構えのナカタニ。ミアドも慎重な出足から、ナカタニは右オーバーハンド。そこに右を狙うミアド。左縦ヒジも。
ナカタニは右ストレートからシングルレッグも切るミアドが左アッパー、右。前に出続けるナカタニはローシングルから引き出して回してテイクダウン! 背中を着かせて右で枕でハーフからパウンド! 右で差してきたミアドを左小手で絞りパウンド。
足を手繰り立ち上がるミアド。ナカタニはがぶりきれず。スタンドでジャブの刺し合い。右を突いてダブルレッグテイクダウンはナカタニ! ニアマウントからパウンド、右ヒジを落として足を戻したミアドをさばいて左右のパウンドで飛び込みゴング!
判定は3-0で序盤からスタンド打撃を当てたミアドがフライ級で勝利し、連敗4でストップ。2R後半からタフなテイクダウンとパウンドで反撃したナカタニだが届かず。4連勝からの2連敗となった。
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▼ONEバンタム級(※65.8kg)MMA 5分3R〇カルロ・ブーミナアン(フィリピン)145lbs[1R 0分53秒 TKO]×ソン・ミンジョン(韓国)144lbs
1R、ともにサウスポー構え。左の攻撃で攻めるブーミナアン。ミンジョンの右をもらいながらも前進。
左フック、左アッパー、さらに左ヒザを効かせてミンジョンを崩すと、亀のミンジョンにヒザ! 立ち上がりを連打し、レフェリーが間に入った。ブーミナアンはONE6勝1敗。ミンジョンはONE5勝2敗に。
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▼フェザー級 サブミッション・グラップリング 1R10分〇ガブリエル・ソウザ(ブラジル)155lbs[判定2-1]×ジアニ・グリッポ(米国)154lbs
両者はこれまで3度戦い、ソウザが全勝。
ブラジル・フォルタレザ出身のソウザは、幼い頃にフットサルをやっていたが、12歳からブラジリアン柔術に打ち込み、紫帯と茶帯で14回、表彰台の頂きに立っている。
ルーカス・ホシャから黒帯を授与され、サブミッショングラップリングトーナメントでも17回トップ3に輝いた。2021年9月の「Who's Number One」でマイキー・ムスメシにノースサウスチョークで一本勝ちも、2024年にONEでムスメシにカーフスライサーでリベンジを許している。
ブラジリアン柔術黒帯のグリッポは、ノーギでも道衣のごとく渋いファイトで結果を残してきた。10歳でニューヨークのレンゾ・グレイシー・アカデミーでBJJの道を歩み始め、同時に水泳選手として若くして成功した経歴も持つ。BJJと並行してジュニアオリンピックの水泳競技で3度の優勝も。
BJJでは青帯、紫帯、茶帯でIBJJF世界選手権で優勝。その後、グリッポは2013年に黒帯になり、IBJJFノーギ世界選手権に出場し、トーナメントで2回優勝した。
ベリンボロやレッグドラッグガードパスなどの熟練したテクニックで知られるグリッポは、ONEでフェザー級グラップリング部門にサブミッションスキルを持ち込むか。
1R、レッグドラッグで引き込んだグリッポ。下からデラヒーバ狙いも正対するソウザ。グリッポの足をさばいてパスから上四方狙いもすぐに足を戻すグリッポ。
上四方になりかけるソウザだが、一瞬亀になりかけてすぐに仰向けに。その際でパスしたソウザはサイドも、グリッポは長い手を入れてすぐに足をもどし、左足にからむ。
グリッポは50/50から足をサドルに組むが、足を抜いたソウザがトーホールド狙いも抜いてトップを選択したグリッポ。ハーフ、ニーシールドから立つソウザをすぐに追うグリッポ。そこでスクランブルするソウザが上に。草刈からトップになるグリッポ。
ソウザは下から煽って潜り、50/50からバック狙い。さらにヒザ十字も狙う。回って抜いたソウザにグリッポも足関節を狙うがゴング。
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▼キャッチウェイト(-57.83kg)ムエタイ 3分3R〇アリーフ・ソー・デチャパン(タイ/マレーシア)127lbs[1R 1分10秒 TKO]×シャミル・アドコフ(ロシア)127lbs
大会のオープニングを飾る第1試合では、キャッチウェイト(-57.83kg)ムエタイ3分3Rで、アリーフ・ソー・デチャパン(タイ/マレーシア)がシャミル・アドコフ(ロシア)と対戦。
アリーフは2023年4月のONE Friday Fightsから参戦し、4連勝(2KO)を飾ったが2024年4月にジャン・ペイメンに判定負け。
続く7月のエリス・バルボーサ戦も判定2-1で敗れたが、8月にザカリア・ジャマリをKOして再起した。11月にはボルター・ゴンサルベスに判定勝ちで連勝。177cmの長身でまだ21歳。戦績は59勝9敗。ロシアのアドコフは今回がONE初参戦の22歳。
1R、ともにオーソドックス構え。アドコフは右ローから。さらに後ろ蹴りもかわすアリーフ。左前蹴りのアドコフの蹴り足を掴んでワンツーを打ち込むアリーフ。
アドコフの左ミドルに左フックを合わせて、右ストレート! ダウンしたアドコフは尻餅をついたまま後ずさりして立とうとするが、足がもつれ、レフェリーが試合を止めた。