2025年2月22日(日本時間23日)米国ワシントン州シアトルのクライメット・プレッジ・アリーナで開催される『UFC Fight Night』のバンタム級で復帰予定だったドミニク・クルーズ(米国)が負傷欠場、7日、引退を表明した。
WEC世界バンタム級王座を獲得し、UFC世界バンタム級王者に2度輝いたドミニクは「バンタム級史上最も偉大な選手」と呼ばれた名選手。“ザ・ドミネーター(支配者)”の異名を持ち、独自のスイッチスタンスとステップをMMAのテイクダウンのレベルチェンジと融合させて、“何が来るか分からない”変化自在の動きで対戦相手を支配してきた。プロMMA20年のキャリアに終止符を打ったドミニクは7日、以下のコメントをXに投稿している。
「世界中のファンの皆様へ
私はこの25年間、このスポーツに全力を注いできました。最後の試合ができることを心から願っていましたが、残念ながら8カ月間で2度の肩の脱臼により、この男のキャリアは終わりを迎えました。
私はこの試合のために、自分のすべてを捧げて準備とトレーニングに取り組みました。過去1年間、心肺機能と身体のトレーニングに注力してきました。しかし、時々、身体が言うことを聞いてくれないのです。
肩が元の位置に戻ったので痛みはそれほどひどくありませんが、2回目の脱臼は最初のものよりはるかに複雑でした。
このスポーツは私にとってすべてであり、私がどんな人間であるかを形成するのに役立っています。
このプラットフォームを構築し、私やその他多くのファイターのために道を開いてくれた @ufc に感謝します。UFCは、ファイターとしての私たちだけではなく、障壁を打ち破って舞台を整えてくれました。また、私たちのスポーツが米国、そして今や世界で合法的に行われるよう、政治を通して築かれた橋を渡って彼らに続いてくれたすべてのMMAスポーツ組織にも感謝します。
私を応援するためにチケット、ホテル、フライトを予約してくれた皆さんに心から感謝しています。すべての瞬間、すべての勝利、すべての困難に立ち会ってくれた皆さんに感謝します。皆さんのおかげでこの旅は忘れられないものになりました。愛とサポートに感謝します。私はいつもそれを心に留めています。
愛を込めて、ドミニク」
クルーズは、MMA24勝4敗、UFC7勝3敗。WEC最後のバンタム級王者として、UFC初代バンタム級王者に認定。ユライア・フェイバー、デメトリアス・ジョンソンを相手に2度の防衛に成功した後、3年近い長期欠場に。復帰戦で水垣偉弥にKO勝ちすると、さらに王者TJ.ディラショーにもスプリット判定勝ちで王座を奪還した。
しかし、2016年12月にコディ・ガーブラント相手に約10年ぶりの敗北を喫すると、そこからまた3年の長期欠場。再起戦はジョゼ・アルドの代役としてヘンリー・セフードの王座に挑戦したが2R TKO負け。2021年にケイシー・ケニー、ペドロ・ムニョスに判定で競り勝ち2連勝したが、2022年8月の前戦でマルロン・ヴェラに4R 左ハイキックでKO負けを喫している。2月22日のシアトル大会で復帰し、UFCバンタム級最多タイ記録を持つ37歳のロブ・フォントと同世代対決の予定も肩の負傷で欠場が報じられていた。現役選手とともにUFCの解説も務め、MMAテクニックの奥深さを視聴者に伝えており、3月9日に40歳になる。