27勝(25KO)無敗と驚異の戦績を誇るターザン(C)K-1
2025年2月9日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館『K-1 WORLD MAX 2025』の追加対戦カードが発表された。
K-1クルーザー級3分3R延長1Rで、ティアン・ターザン(オランダ/Luc Verheije Fight Club)vs.カルロス・ブディオ(ブラジル/ブラジリアンタイ)が決定。
ターザンはヨーロッパを中心に驚異のKO率(27勝25KO無敗。そのほとんどが1RでKO)を誇り、まだ23歳と若く身長188cm・体重90kg。子供の頃から陸上競技をしており、オランダとゼーラントで優勝経験あり。12歳からは体操も経験。キックボクシング歴は5年で、Enfusion世界ライトヘビー級&クルーザー級王座の2階級制覇、特技は「ノックアウト」。2024年7月の『LEGEND vol.1』に初来日を果たし、遊笑に初回KO勝ち。12月のK-1に再来日すると、RUIを1Rわずか27秒、左ストレートでKOして自身21回目の初回KO勝ちを飾った。
いま注目のターザンを迎え撃つブディオはFIGHT DRAGON BRASIL-90kg王者、KTK WORLDヘビー級王者で、2018年10月のHOOST CUPで谷川聖哉に判定勝ち、2022年8月のRISEでは安ジェスにKO勝ちして2022年12月にK-1初参戦。クルーザー級王者シナ・カリミアンと対戦して1Rに強烈なパンチでダウンを奪ってKO寸前まで追い込んだものの、2Rに後頭部へのパンチを放ってしまい、反則負けを喫してしまった。2023年7月の2度目のK-1参戦では星龍之介を1Rわずか58秒で3度のダウンを奪ってKO勝ちしている。戦績は19勝(14KO)3敗とこちらもKO率はかなり高い。
前の試合を共に秒殺KOで終わらせている両者。KO必至の激突となった。
2025年も世界トーナメント開催が予定されているスーパー・ウェルター級では、モハメド・ブタザ(オランダ/Southpaw Gym)vs.璃久(HIGHSPEED GYM)が決定。
ブタザは元Enfusion -67kg世界王者で、現GLORY世界フェザー級7位のアフマド・チク・ムーサには2度勝利。2022年5月からは『ONE』に参戦。初戦でダビット・キリアに勝利してみせたが、シッティチャイ、モハメド・シアサラニには判定負け。2023年9月にフルカン・カラバフから1年4カ月ぶりの白星を勝ち取ると、2024年2月にドミトリー・チャンゲリアにも勝利してONE戦績を3勝2敗とした。11月23日にはドイツの『Fair FC 18』にて海人と2023年12月に対戦したジェームズ・コンデに勝利。2024年12月、シュートボクシングで海人との対戦が決まっていたが、練習中の怪我で欠場となり試合は実現しなかった。戦績は17勝(4KO)2敗。
ONEでの試合では頻繁にスイッチし、飛びヒザ蹴りをいきなり放つなどアグレッシブな戦いぶりを見せており、海人は「正直、苦手なタイプやと思います。距離を上手にとるし、トリッキーなところもあるので」と評していた。
璃久は2019年4月に『S-BATTLE』でプロデビュー。2戦目からはシュートボクシングを主戦場とし、4勝1敗の戦績を残す。『NO KICK NO LIFE』や『HOOST CUP』、『NJKF』などに出場し、2023年7月にKrush初参戦を果たすと森田奈男樹を3RでKOしてインパクトを残した。続けて12月のK-1ではアビラル・ヒマラヤン・チーターからダウンを奪って殊勲の勝利。2024年3月の「K-1 WORLD MAX -70kg世界最強決定トーナメント」に抜擢されたが、デング・シルバにTKO負けを喫した。5月・8月に行われた「第5代Krushスーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」では決勝進出も小田尋久に敗れ戴冠ならず。11月のKrushで匡志YAMATOから左フックでダウンを奪っての勝利で再起した。アグレッシブかつ攻撃力の強さを発揮している。戦績は11勝(5KO)4敗1分。
世界トップクラスの一角と対戦することになった璃久。ここで大きな勝利を手にし、世界トーナメント出場へ名乗りをあげられるか。
フェザー級では石田龍大(POWER OF DREAM)が永坂吏羅(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と対戦。
石田は2020年2月にKrushでプロデビューしたサウスポーで、2戦目で髙橋直輝に判定で敗れたが、以後は連勝で9勝(4KO)1敗の戦績を誇る。2024年の「第9代Krushフェザー級王座決定トーナメント」を制し、9月に王座に就いた。今回が王者としての第一戦。
永坂は全日本テコンドー選手権大会2連覇&MVP受賞、全九州テコンドー選手権大会7回優勝の実績を持ち、2018年11月からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2戦目で璃明武、5戦目で小倉尚也に敗れるも、その後は3連勝。2022年5月大会では第6代Krushバンタム級王者の吉岡ビギンを2RでKOし、7月大会では「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」に出場した内田晶もKOした。2023年7月、Krushスーパー・バンタム級王座に挑んだが、王者・璃明武に判定負け。しかし9月のK-1では元バンタム級王者・池田幸司とのダウン応酬の激闘を初回KOで制した。戦績は7勝(7KO)4敗1分と勝利は全てKO勝ち。
永坂は階級を上げての第一戦、石田としてはKrush王者としての真価を試される一戦となった。