KNOCK OUT「K.O CLIMAX 20242024年12月30日(月)神奈川・横浜武道館※U-NEXTにてLIVE配信
▼メインイベント(第15試合)KNOCK OUT-BLACKウェルター級王座決定トーナメント決勝戦 3分3R延長1R×渡部太基(TEAM TEPPEN)KO 1R 2分41秒 ※3ノックダウン〇中島 玲(フリー)※中島が新王座に就く。
渡部は藤原ジム所属として2006年3月に全日本キックでプロデビュー。Krush、M-1、REBELS、RISEなど様々なリングで活躍し、2011年1月にトーナメントで優勝して初代WPMF日本ウェルター級王者となり、2016年1月にはKrush同級王座を奪取。2024年で引退することを表明し、2月に漁鬼に判定負け、4月はCAZ JANJIRAにKO勝ち、6月は小川悠太に延長戦の末に判定負け。10月の1回戦では西川康平と倒し倒されの激闘を演じ、初回KO勝ちで決勝へ。戦績は26勝(15KO)31敗2分。
中島は2019年にボクシングでプロデビュー。2020年10月にプロ4戦目にして前OPBF東洋太平洋ミドル級王者・細川チャーリー忍を判定に破る大金星をあげて注目を浴びる。2023年4月には日本スーパーウェルター級暫定王者決定戦でTKO勝ち。2024年1月9日にボクシングで最後の試合を行い、6勝(1KO)2敗の戦績を残してキックボクシングに転向した。3月20日の『K-1 WORLD MAX』でヴィクトル・アキモフにKO負けも、6月のKNOCK OUT初参戦でKNOCK OUT-REDスーパーライト級王者・バズーカ巧樹をTKOに破った。10月の1回戦では漁鬼とダウン応酬の熱闘を繰り広げ判定勝ち。
1R、まずは渡部が左ハイ、左前蹴り。中島はステップで左へ回り込んでいき、飛び込んでの左フックでいきなりダウンを奪う。立ち上がった渡部は再び前へ出るが、中島は相手をよく見ながらステップで左へ回り込んでいき、渡部が追いかけてきたところへ狙いすました右ストレートで2度目のダウンを奪う。
渡部は左ストレートを繰り出していくが中島がステップで回り込んでかわす。その中島の右ストレートをかわして左ストレートを打つ渡部。ダメージがあるのか渡部は足がおいついていないが、前へ出て左ストレートを打って行く。中島は回り込んでの左フック、そして飛び込んでの右フック。渡部はフラフラと後退し、3度目のダウンを喫した。
3ノックダウンで中島がKO勝ち、渡部をばっさりと介錯し、キックボクシングで初めてのベルトを巻いた。
「皆さん、始めましてボクシング界から来ましたキックボクサーの中島玲です。カッコよかったっしょ。いろいろないい試合があったと思いますけれどMVPは中島玲でしょ。そして明日は我らが鈴木千裕のタイトルマッチということで、鈴木選手は明日クレベル選手にしっかり勝ってもらって、僕と鈴木千裕選手のKNOCK OUTの防衛戦の相手は俺しかおらんでしょう。僕がKNOCK OUTを引っ張っていくのでよろしくお願いします」と、鈴木千裕戦をアピールした。
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▼セミファイナル(第14試合)KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座決定トーナメント決勝戦 3分3R延長1R〇久井大夢(TEAM TAIMU/KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級&ライト級王者)判定2-0 ※29-29、30-28、29-28×下地奏人(RIOT GYM)※久井が新王座に就く。
1回戦でピッチをKOした久井と、ロムイーサンをKOした下地の日本人対決となった。
1R、下地は飛びヒザ蹴りから右ストレート、久井はかわすとジャブを突く。両者とも相手の出方を待って慎重な出足。ジャブを伸ばす久井に下地が右ハイキック、久井はぎりぎり片腕でブロックして組み付く。久井がジャブを伸ばすとすぐに左右フックで前へ出る下地。組むと下地がヒザ蹴り、久井がヒザを蹴り返す。久井はジャブを出してかと思うとそのまま回転しての胴廻し回転蹴り。下地は左右フックで前へ出ていく。
2R、久井は首相撲に活路を求めジャブから組みに行く。下地もヒザを蹴るが、徐々に久井がヒザを蹴る数が増えていく。下地が右ミドル、右ボディストレート、久井はしつこく首相撲。離れると久井が右フック、左ストレートをヒットさせて首相撲からヒザに行く。ラウンド終了間際には久井が胴廻し回転蹴りを放ち、優勢を印象付けた。
3R、右ミドルを蹴る下地に久井は首相撲に持ち込む。ヒザを蹴り、崩す久井。徹底した首相撲で下地を削っていく久井が下地に反撃をさせない。久井はロックして頭を下地のアゴに押し付けていく。下地は右ヒジを打ち、右ミドルを蹴る。
判定は2-0で久井が勝利。トーナメントを制し、REDとBLACKの統一王者となった。マイクを持った久井は「今年いっぱい試合させてもらってありがとうございました。年間MVPは僕で決まりじゃないですかね。今年はほんまにいろいろな経験をさせてもらいました。その中で勝ち負けもありました。その中で強くさせてもらえたのは負けた試合で、お父さんと帰って練習して克服して今があると思います。
僕はほんまにキックボクシングが強くないし上手くないけれど、頑張っていればこうやっていいことがあります。毎日頑張っていたらいいことあるなって思いました。明日、RIZINの王者でKNOCK OUTの王者である鈴木千裕選手の防衛戦があります。みんなで応援しましょう!」と語った。
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▼第13試合 KICKBOXING JAPAN CUPスーパーバンタム級トーナメント決勝戦 3分3R延長1R×壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム/KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者)KO 2R 1分55秒 ※3ノックダウン〇森岡悠樹(北流会君津ジム/スック・ワンキントーン・スーパーバンタム級王者)※森岡がトーナメント優勝。
11月に開幕した“ヒジあり”-55kg国内最強決定戦「KICKBOXING JAPAN CUPスーパーバンタム級トーナメント」の決勝は、壱と森岡で争われることとなった。両者は2022年11月に対戦し、壱が判定勝ちしている。
1R、前に出ていくのは森岡、壱はジャブでけん制して左ミドル、右前蹴り。森岡は右を狙うが、壱は右へ回り込んでいく。
2R、壱は左ミドルを蹴っていき、森岡の右を受けると壱がいきなりラッシュをかけてパンチの連打、左ストレートでダウンを奪う。仕留めに行った壱だが、森岡の右フックをもらって今度は壱がダウン。さらに打ち合う両者、森岡の左フックで壱が2度目のダウン。
仕留めに行く森岡だが、そこへ壱の左ストレートがヒットし、2度目のダウンを奪う。打ち合いとなり、森岡が連打で押していき、壱をコーナーへ詰めると連打。壱がこれに崩れ落ち、森岡が3ノックダウンでKO勝ち。優勝を飾った。
森岡はマイクを持つと「1日2試合初めてだったのでどんなもんかと思っていたんですが、最後までやり遂げて試合も盛り上がったのでよかったです。やっぱりこういう試合がプロの格闘技だと思っているので、こういう激しい試合をしてKNOCK OUTと格闘技を盛り上げていこうと思います」と語った。
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▼第12試合 ISKA世界スーパーフェザー級(K-1ルール)王座決定戦 3分5R〇龍聖(Team KNOCK OUT)判定3-0 ※50-47、48-47×2×ブライアン・ガビオ(アルゼンチン)※龍聖が新王座に就く。
龍聖は小学1年生でキックボクシングを始め、アマチュアで多くの経験を積んで2019年4月にプロデビュー。2021年10月にはKNOCK OUT-BLACKフェザー級初代王座に就いた。RIZIN、巌流島でも勝利し、2023年3月にはラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王者ペットセーンセーブと対戦し延長戦でダウンを奪って勝利。6月にはチュームーシーフーにダウンを奪われるも延長戦で逆転勝利、12月にはファク・スアレスをKO。2024年4月にSBの川上叶に判定勝ちとデビュー以来の無敗記録を更新していたが、6月に久井大夢に判定負け。デビュー以来の無敗記録が「17」で途絶えた。
ガビオは龍聖と同じ23歳で、メインイベントチャンピオンシップ63kg級王座、ガラチャンピオンシップ63kg級王座を持ち、戦績は36勝(26KO)2敗。山口元気KNOCK OUT代表によれば「パワフルな選手で身体が龍聖よりもひと回り大きい。減量は大丈夫なのかと再三確認しましたが59kgで大丈夫だとのことでした。まずは計量をクリアしてもらわないといけない相手です」と、フレームの大きさに不安を残しつつもパワフルな強敵だと説明。
1R、前に出るガビオはワンツーと右ロー、龍聖は右カーフを蹴っていく。ガビオがいきなり放った右ハイを軽く受けた龍聖だが蹴り足をキャッチしてコカす。左ボディをヒットさせると龍聖はコンビネーションを回転し始め、左右フックから左ボディ、左右前蹴り、ヒザ蹴りでもボディを攻めていく。ガビオも強打を振ってくる。ガビオの左ボディからの右フックにバランスを崩して転倒した龍聖だがこれはスリップ。
2R、龍聖が左ミドル連打からヒザ、さらに前蹴り。しかしガビオの右ハイをもらってしまう。パンチで詰められてピンチになった龍聖だがジャブと前蹴りで立て直す。龍聖がジャブと前蹴りで先手をとるが、ガビオはそれに左右フックを返してもらいっぱなしにならない。
3R、パンチ主体で前へ出てくるガビオに龍聖はボディから顔面への前蹴り。龍聖はジャブから上にパンチをまとめておいて左ボディを打つ。前蹴り、ヒザ、右ボディストレートとこのラウンドもボディを攻める龍聖。ガビオは手数が減り、龍聖の左ボディに棒立ちとなる。そこへ前蹴り、ヒザ。ガビオはボディをかばってほとんど手が出ない。逆襲のバックハンドブローも空を切った。
4Rも前に出るガビオがパンチを出すが、そこへ龍聖が前蹴りを合わせる。ガビオのジャブに右フック、右アッパー。龍聖は顔面へのパンチを見せておいてボディを攻めていく。ボディ、顔面とパンチを打ち分ける龍聖。サウスポーからの左ストレートをヒットさせる。さらに左の顔面前蹴りも。
5R、ジャブを出して前へ出るガビオに龍聖はヒザ。前蹴りと左ボディ、三日月蹴りの龍聖はバックハンドブローをヒット。それでもガビオは前へ出ていく。そこへ龍聖が顔面前蹴り。右フック、右ストレートとパンチを当てる龍聖は飛びヒザ蹴りを放ったが、ガビオの前蹴りがローブローになってしまい試合は一時中断。再開後、ワンツー、ヒザ、ジャブと当てていく龍聖。ガビオが距離を詰めてくると回り込み、左ボディを打つ。
判定は3-0で龍聖が勝利、ISKA世界王座を手にした。「ただいま。KOでいい姿見せたかったんですけれど不甲斐ない試合ですいません。日本の格闘技、立ち技良くない状況だと思うんですけれど、僕が稼げる業界にまた戻したいと思います。僕には守るべき血が入っているので僕がキックボクシングを守りたいと思います。来年6月、代々木で小僧にやり返すから負けるなよ」と、久井にエールを送った。
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▼第11試合 KNOCK OUT-UNLIMTED -58.0kg契約 3分3R延長1R×栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-BLACKフェザー級王者)判定0-3 ※28-30×3〇カルロス・モタ(ブラジル/元LFAフライ級王者)
栗秋は九州で活躍後、2018年10月に上京してクロスポイント吉祥寺に入門。天性の格闘技センスを生かした左の攻撃を武器とし、飛びヒザ蹴りは一撃必倒のキレと破壊力を秘めている。2023年9月にK-1 GROUPから乗り込んできた第6代Krushフェザー級王者・玖村修平を初回KOに降して評価を一気に高めたが、2024年2月の『ONE Friday Fights』初参戦で判定負け。4月のシュートボクシングでは山田彪太朗に判定負けと連敗。しかし、6月にKNOCK OUT-UNLIMITEDルールで中村優作を1RでKOし、大きなインパクトを残した。10月にはチュームーシーフーを延長戦で破りKNOCK OUT-BLACKフェザー級王座に就いた。戦績は46勝(25KO)23敗3分。
モタはブラジルで8連勝後、2019年11月から『LFA』に参戦。同大会のフライ級王者になっている。さらに2022年8月には『UFC Fight Night』にも参戦を果たした(判定負け)。UFC以降MMAの試合は行っていないようだが、「ぜひやりたい」と申し出があったという。
1R、モタは上下に動くフェイントからいきなりシングルレッグ。スピードのあるテイクダウンで栗秋のバックを奪い、バックマウントからパンチを見舞う。栗秋の上体がロープから出てしまいアウトサイドブレイクに。再開後、栗秋はハイキックから左フックと打撃のプレッシャーをかけるが、モタが再びシングルレッグからテイクダウン。組み付く栗秋を持ち上げてマットに叩きつける。
しかし栗秋がリバーサルに成功して立ち上がり、サッカーキック。モタも負けじとジャンピングハイキックを繰り出す、栗秋も蹴りに行き場内がどっと沸く。モタがまたもテイクダウンに成功するがアクションがなかったためブレイク。栗秋が後ろ廻し蹴りを放つと、モタも左フックから後ろ廻し蹴りを放ち、かわした栗秋は笑顔を見せた。
2R、栗秋が右カーフ、モタは後ろ蹴り。モタがダブルレッグに行くが栗秋がロープの外に出てしまいブレイクに。右カーフから右ミドルを蹴った栗秋だがモタが蹴り足をキャッチしてテイクダウン。栗秋はハーフガードになるがモタはパウンドを打って行く。ブレイク、すぐにダブルレッグでテイクダウンするモタ。これは離れたモタは立ち上がると栗秋と打ち合うが、すぐにダブルレッグでテイクダウン。そしてパウンド。立ち上がったモタは前転して両足のカカトを栗秋に当てる大技を見せる。さらにテイクダウンしてこのラウンドを終えた。
3R、ジャブを突く栗秋が意表を突くダブルレッグでモタをテイクダウン、すかさず蹴りに行く栗秋がいい場面を作ったが、モタがダブルレッグでテイクダウン。マウントを奪う。パウンドを打つモタに栗秋がリバーサルを仕掛けてモタが離れる。立ち上がるとモタがダブルレッグでテイクダウン、バックマウントからパンチを見舞う。なんとか立ち上がろうとする栗秋だがモタは両足を股にかけて固定。さらにマウントを奪ってヒジとパウンド。
ブリッジして立ち上がった栗秋だが、モタはバックからスープレックス。そしてマウントになってパウンドの連打。モタが圧倒して3Rを終えた。
判定は3-0でモタが勝利。奮闘した栗秋だったが、モタがテクニックの差を見せつけた。
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▼第10試合 KNOCK OUT-UNLIMTED -61.5kg契約 3分3R延長1R×重森陽太(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDライト級王者)TKO 2R 2分43秒 ※レフェリーストップ〇倉本一真(リバーサルジム新宿MeWe/MAJESTIC)
第10試合では、“究極打撃格闘技ルール”としてKNOCK OUT-UNLIMTED(オープンフィンガーグローブで戦い、MMAから関節・絞め技を省いたパウンドやサッカーキック、踏み付けありのルール)の試合が行われ、RIZINで活躍中の倉本一真が参戦。KO REDライト級王者の重森陽太と対戦した。
重森は16歳でプロデビューし、10戦目で無敗のまま新日本キックボクシング協会の日本バンタム級王者となり、14戦目で初黒星を喫するまで無敗を保った。20歳で日本フェザー級王者となり二階級制覇を達成。2019年7月にWKBA世界ライト級王座を獲得して三階級制覇。2021年7月にはスアレックから勝利を収め、KNOCK OUT-REDライト級王者にも輝いた。2023年2月、悲願であったラジャダムナンスタジアム王座に挑戦したが、判定負けで奪取ならず。
その後は所属を変えて8月のKNOCK OUTに参戦したが、バットマンに判定負け。11月にオープンフィンガーグローブ戦に初挑戦し、ルンペットを2RでTKOに破った。2024年2月の『RWS JAPAN』ではサミンデットに判定負けを喫したが、4月はセーンダオレックから左フックで2度のダウンを奪って勝利すると6月にレンタを破り国内最強を証明。9月には『ONE Friday Fights』に初出場、シン・ドンヒョンにKO勝ちした。さらに10月はマルコス・リオスに延長戦で判定勝ち、11月にカンボジアでのクンクメールとの対抗戦でも勝利している。戦績は44勝(19KO)8敗6分。
倉本は全日本レスリング選手権大会男子グレコローマン59kg級・60kg級で3連覇を達成。2017年2月に修斗でMMAデビューを果たし、MMA戦績は10勝4敗。近年は加藤ケンジ、魚井フルスイング相手に連勝も、元谷友貴、太田忍に連敗。4月にヤン・ジヨンと激闘を演じ、判定2-1で勝利している。
1R、倉本から先に右ロー。遠間からダブルレッグに、重森は右ヒザも左で差している倉本は、右足を掴んでテイクダウン。しかし、重森の身体が3本目と4本目のロープの間から出てしまう。
これは「ブレーク」となり、スタンドで中央から再開。重森は遠間に立って右ローを空振り。倉本は低いダブルレッグでロープ際までドライブ。コーナー背に左で差し上げて凌ぐ重森に、倉本はシングルレッグで持ち上げて後方に投げ! そのままハーフで上になるが早めのブレーク。
重森はオーソから左のスナップを効かせた蹴りもまだ届かず。倉本は左を振って組んでテイクダウンを奪うと、クローズドガードの重森は倉本の首をアームインで抱えるが、それを持ち上げた倉本は立ち上がり、前方にスラム!
なおもクローズドガードのまま左脇に首を挟んでかんぬきの重森を倉本は再び持ち上げると、今度は後方に脳天からスパイキングのように投げ。しかし重森は首を外さず。マウント状態でパウンドも狙えるが倉本がブリッジしブレーク。
右前蹴りで牽制する重森。左オーバーハンドから組む倉本は、左で差して大腰の投げ狙いから、前方へ振り戻してテイクダウン! すぐにクローズドガードの重森をみたび持ち上げた倉本は、右手を重森の顔の前につけて“砂辺スラム”狙い。しかし重森も顔を倉本の肩に密着させて、右手をアゴもとには入れさせず。 倉本は重森の前頭に右手を置いて、前方にスラム! 顔を剥がされなかった重森はクローズドで受け身。再度の持ち上げに、自ら足を解いて着地し離れる。
左前蹴りの重森。その蹴り足を掴んだ倉本は引き寄せて懐に入り、小内刈テイクダウン。またも首を抱える重森に対角線に跳ぶ倉本だが、ロープにバウンドしてしまう。重森はハーフのままゴング。 2R、右ローを当てる重森。さらに左ハイ狙いはかわす倉本がローシングルへ。これを右に回って切った重森は右のサッカーキックも、ブロックする倉本。
倉本は、いったん背中を見せるバックフィストの動きから近づいて組むと、重森は左ヒザ。倉本は重森の左手を掴むと、レスリング時代から得意の巻き込んでの一本背負い!
マットに手を着いた重森にすぐに倉本はバックを狙うが、重森も際で正対。それを倒してサイドに着いた倉本は仰向けの重森にグラウンドヒザ! さらに鉄槌に背中を向ける形でうつ伏せになった重森。
そこに右のパウンドの倉本はサイドバックから鉄槌連打。両脇に拳を挟んで凌ぐ重森がコーナーに詰まると、ドントムーブでレフェリーは両者を中央に。
倉本は左手首をリストコントロールし、左足を背後から右足にかけてサイドバックから右のパウンドを連打。仰向けも前転も出来ない重森は、コーナー際でコントロールされたまま右のパウンドを浴び続けて、レフェリーが間に入った。倉本がTKO勝ち。 倉本はマイクを持つと「RIZINから送り出してもらった倉本です。年末の大きいイベントに呼んでいただいてありがとうございます。デカいこと言ってエグい試合するとか一発で決めるとか言っちゃったんですけれど、自信はあったけれど重森選手が上手くてそうさせてもらえなかったです。自分は来年もUNLIMTEDで戦いたいのでその時はもっとエグい、もっと面白い試合が出来るようにに頑張るので代表、UNLIMTEDのベルトを作ってもらって自分にチャレンジさせてください。またKNOCK OUTにも出るので名前を覚えておいてください」と、継続参戦をアピールした。
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▼第9試合 KNOCK OUT-UNLIMITED -63.0kg契約 3分3R延長1R×バズーカ巧樹(菅原道場)判定0-3 ※28-29×2、29-30〇大沢文也(ザウルスプロモーション)
バズーカは2020年2月のKNOCK OUT無法島GPの決勝戦で西岡蓮太に判定負けを喫するも大きなインパクトを残して“覚醒”。8月大会でKNOCK OUT-BLACKライト級王座を奪取。2021年10月にはWMAF世界スーパーライト級王座決定戦で勝利し、2023年9月にはKNOCK OUT-REDスーパーライト級王者となって二階級制覇・三冠王を達成した。12月にマルコス・リオスにTKO負け、2024年3月の『ONE Friday Fights 54』ではノンタキットに判定負け、6月に中島玲にTKO負けと連敗中で、今回の究極打撃格闘技ルールで再起をかける。戦績は29勝(11KO)13敗3分。
大沢は小学生の時から始めたボクシングで優れたテクニックを持つベテラン選手。2018年9月にはKrushライト級王座に挑戦してタイトル奪取ならずも、同年12月の「K-1ライト級世界最強決定トーナメント」では準優勝を果たした。2022年4月に瓦田脩二を破り、第7代Krushライト級王座に就くも2023年6月の初防衛戦で1月に無効試合となった里見柚己との再戦に敗れ、王座を失った。前戦は2024年7月にペットサムイ・シムラに判定勝ちで現在2連勝中。戦績は32勝(3KO)21敗3分1無効試合。
リング中央のレフェリーチェックでバズーカが中指を立て、大沢を挑発。それを無視していた大沢だが、バズーカがコーナーへ戻ると大沢が追っていって中指を立てた。
1R、バズーカの蹴りを払った大沢がバズーカを転倒させ、大沢が踏み付け。バズーカも下から蹴り上げて立ち上がる。右カーフを蹴っていくバズーカ、大沢はいつも通り前後に細かいステップを踏み、飛び込んでの右フック。するとバズーカは観客席を指差して“あっちを見ろ”と陽動作戦。
2R、バズーカが右カーフを蹴ると大沢が一瞬タックルへ行くような素振りを見せる。大沢はジャブ、バズーカが右ローを蹴ると大沢が“蹴ってこい”とアピール。するとバズーカも自分の足を叩いて“蹴ってこい”とアピールを返す。大沢が右フックを空振りして両者組みの展開となるがブレイク。大沢が右フックを当てたところで組み付いたバズーカがテイクダウンを奪うがブレイクに。スタンドでは大沢が右フックを当てた。
3R、両者四つに組むがテイクダウンは奪えず。バズーカが右フックからハイキック、大沢は回り込みながらかわす。大沢の右フックにバズーカが突き飛ばし、転倒した大沢へバズーカが踏み付けにいく。しかし大沢が組みつき、ダブルレッグでテイクダウンに成功。立ち上がって蹴りを狙う大沢にバズーカも下か蹴り上げ。立ち上がることに成功する。
バズーカの右をかわした大沢が組み付き、テイクダウンに成功。そのままマウントを奪い、ヒジとパウンドを打って行く決定的なシーンを作り出した。
判定は3-0で大沢が勝利を収めた。「K-1から来ました大沢文也です。スタッフ優しすぎて最高。これ変えてください。ステップ全く踏めない。あと大谷選手いる? 僕、KNOCK OUT継続で試合をしたいので大谷選手、試合をしましょう。去年負けてるけど頭おかしいレフェリーのせいで負けただけだから」とアピール。
大谷がリングに上がると「ベルトとかいらないので来年KNOCK OUTでどうですか。ヒジありでいいのでキックボクシングルールで」と言うと、大谷は「2月に試合が決まっているのでそれしか見てないですが、2月Krushのトーナメントに出場して優勝して6月に代々木でやりましょう」というと、大沢は「トーナメントやるの知らないんですよ」。
大谷が「じゃあ、大沢選手がKrush王者になったらやりましょう」というと、大沢は了承。王者対決として再戦しようと約束した。
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▼第8試合 スーパーファイト KNOCK OUT-RED -58.0kg契約 3分3R延長1R―小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDフェザー級王者)無効試合―チョムラウン・クンクメール(カンボジア/クンクメール)※KO1R 2分28秒から訂正
小笠原はジュニアキックで活躍後、2011年7月にプロデビュー。2013年5月にプロ9戦目でREBELS-MUAYTHAIフライ級王座を獲得したのを皮切りに、REBELS52.5kg級王座、ISKA K-1ルール世界バンタム級王座、KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座、同フェザー級王座を次々と獲得。2023年3月には2022年ムエタイMVPでルンピニースタジアム3階級制覇を達成しているロンナチャイをダウン寸前まで追い込む完勝を収めた。
8月に『ONE Friday Fights』に初参戦するとヨッドウィッタヤに31秒でKO勝ちしたが、11月のOFGマッチでウィンに延長戦で敗れ、12月のONEでもチョーファーにKO負けと連敗。しかし2024年4月にソーンスックノーイを判定で破り、ONEで2勝目をあげた。6月はONEに出場しているデーングリアングライに圧勝したが、9月にONEでリッティデットに判定負け。サウスポーから放たれる左ストレート、左ミドルキックが得意。戦績は45勝(22KO)9敗1分。
チョムラウンは今回が初来日。カンボジアの格闘技クンクメールの選手で、67勝(26KO)32敗のサウスポー。
1R、小笠原は左ローを狙い撃ち、チョムラウンは小笠原を追いかけての飛びヒザ蹴り、小笠原も負けじと首相撲でコカす。ワンツーで前へ出るチョムラウンに小笠原は回り込んで右フック。チョムラウンのワンツー、ヒジの勢いに押され、右フックを空振りして片膝をついた小笠原にチョムラウンが顔面へ蹴り。
試合は続行され、チョムラウンの左ハイに小笠原がダウン。苦笑いして立ち上がった小笠原にチョムラウンが襲い掛かり、転倒を繰り返す小笠原。左フック、左ストレートの連打に小笠原が崩れ落ち、チョムラウンのKO勝ちとなった。 試合後、和田良覚審判部長は「審判団で話合って明らかに審判の過失です。明らかな過失なのでノーコンテストとなります。倒れた相手は蹴ってはいけないし、止めない審判もいけない。興行側にご迷惑をおかけしました。止めなければいけなかった。責任を感じております」と、少白竜レフェリーのレフェリングにミスがあったことを認め、ノーコンテストに裁定が変わったことを発表。クンクメール側も了承しているとのことだ。
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▼第7試合 ISKAインターコンチネンタルバンタム級(K-1ルール)王座決定戦 3分5R―古木誠也(G1 TEAM TAKAGI/KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王者)中止―ドスティン・オルティス(スペイン)
前日計量で古木が1.95kgオーバー、規定時間内にクリアすることができず。これを受けてISKA本部、KNOCK OUT事務局がドスティン・オルティス側、古木側と協議した結果、①第1R、古木は減点3から試合開始②古木は、ペナルティーマネーとしてファイトマネーの50%をオルティス側へ支払う条件で双方合意の上、試合を実施することが決定。しかし、本日会場入りしたオルティス側が試合を拒否。体重ハンデが大きいとの主張から試合が中止となった。
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▼第6試合 KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R〇下地奏人(RIOT GYM)KO 1R 2分20秒 ※右ハイキック×ロムイーサン・TIGER REON(タイ/REON Fighting sports GYM/ムエタイ)※下地が決勝へ進出。
下地はMA日本キックボクシング連盟でバンタム&フェザー級の二階級制覇を達成したRIOTのジム所属で、トレーナーは元WBCムエタイ日本統一フライ級王者でKNOCK OUTでも活躍した仲山大雅。8勝(2KO)無敗で2023年12月の『MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.6』にて栗秋祥梧との対戦が決まっていたが、計量オーバーにより栗秋の不戦勝となっていた。2024年8月の再起戦では髙橋亨汰を延長戦で破る番狂わせ。11月にカンボジアで行われたクンクメールとの対抗戦でも初回KO勝利を収めている。
ロムイーサンは元ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級2位、元BBTVミニフライ級1位の肩書きを持ち、現在は健太率いるREONジムのトレーナーも務める。2021年10月にはスック・ワンキントーン・ライト級王座決定戦をリク・シッソーと争っている(リクのTKO勝ち)。これまで日本の試合では森井洋介、勝次などから勝利を奪い、2024年11月に久井を延長戦の末に判定3-0で破る番狂わせを起こした。
1R、ロムイーサンは右カーフを蹴り、下地は右フックや左ボディを打って行くがロムイーサンは距離でよける。ロムイーサンが右ストレートを伸ばし、組んで押し倒して行く。同じパターンでロムイーサンは右ストレートから組み付き、首相撲に持ち込むとヒザから崩す。しかし、下地は右ストレートからの左フックでダウンを奪う。
再開後、ロムイーサンが右フックで前へ出たところへ下地が右ハイキックをドンピシャのタイミングで蹴り、ロムイーサンは前のめりにダウン。レフェリーが即座に下地のKO勝ちを宣言、下地が番狂わせを起こした。
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▼第5試合 KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R〇久井大夢(TEAM TAIMU/KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級&ライト級王者)TKO 3R 1分04秒 ※レフェリーストップ×ピッチ・ソムパッツ(カンボジア)※久井が決勝へ進出。
久井はKNOCK OUTアマチュアで3階級制覇を達成後、2022年4月大会でプロデビューしてKO勝ち。12月の王座決定戦に大抜擢されると新田宗一朗に2RでKO勝ちし、わずか3戦目でKNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座に就いた。2023年7月にはK-1に乗り込んでBigbangフェザー級王者・龍斗から勝利を収め、9月には大谷翔司に判定勝ちでKNOCK OUT-BLACKライト級王座に就いて17歳にして2階級制覇を達成。
12月にはトンミーチャイに判定勝ちするも、2024年2月のチュームーシーフー戦で敗れ2度目の黒星。6月にNJKFにてテーパブットに延長戦で勝利すると、同じ6月に緊急参戦で龍聖とKNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級王座決定戦を争い、17戦無敗だった龍聖に初黒星を付けて三冠を達成した。8月にはクンクメールのチョット・サレイヴァントンを胴廻し回転蹴りで初回KO、9月にはペップンソン・フォームドジムにも判定勝ちと勢いに乗っていたが、11月にロムイーサンに延長戦で判定負け。連勝がストップした。戦績は12勝(4KO)3敗。
ピッチは21歳で71勝(44KO)4敗3分。カンボジアのムエタイと呼ばれるクンクメールの選手で、カンボジアでの試合で久井大夢から勝利を奪っている。2024年8月、KNOCK OUTに初来日すると小森玲哉を打ち合いでTKOした。
1R、久井はいつも通りゴングと同時にダッシュして奇襲攻撃。サウスポーの久井はジャブで距離を作り、ピッチのパンチをかわしてヒザ、首相撲でピッチをコカす。久井はジャブか右ストレートを当てて離れる、ピッチが入ってくるとヒザを合わせると上手さを見せる。久井が左ストレートから組んでのヒザ。パンチを繰り出して前へ出てくるピッチだが、久井はボディ以外はかわす。首相撲で久井がコカす場面が多く見られた。
2Rも前に出てくるピッチに久井は左ストレート、ヒザを合わせ、ピッチが打ち合いに来ると首相撲に持ち込んで追撃を許さない。どんどん前へ出るピッチを首相撲からのヒザで迎え撃つ久井。ジャブから首相撲、そしてヒザ。離れると片手倒立のセンチャイキックも繰り出す。コーナーを背負ったピッチには左ストレート。
3R、久井は右拳を突き上げて観客にアピール。ジャブで距離をとり、ピッチが入ってくると首相撲に持ち込んでゼロ距離にしてしまう久井。ジャブで動きを止め、前へ出ようとしたピッチへ左ストレートをジャストミートさせ、久井がダウンを奪う。立ち上がったピッチはフラフラ、そこへ久井がラッシュを仕掛けレフェリーがストップ。
久井がTKO勝ちでピッチにリベンジを果たし、決勝へ進出した。
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▼第4試合 KICKBOXING JAPAN CUP スーパーバンタム級トーナメント準決勝 3分3R延長1R×古村 光(FURUMURA-GYM/元KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者)判定0-3 ※25-30×3〇森岡悠樹(北流会君津ジム/スック・ワンキントーン・スーパーバンタム級王者)※森岡が決勝へ進出。
古村はタイ・ラジャダムナンスタジアムのリング(新人戦)にも上がり、勝利を収めている。2019年に選手発掘のため行われた『K.O TRYOUT』でTRYOUT生に選ばれたサウスポー。2023年8月、壱を判定2-1で破りKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座を奪取したが、2024年4月の再戦では判定で敗れ王座を奪われた。11月の1回戦では佐野祐馬に2RでTKO勝ち。戦績は9勝(7KO)4敗1分。
森岡はKNOCK OUTを主戦場とし、2023年に「スックワンキントーン」にてスーパーバンタム級トーナメントを全試合KOで制して自身初のベルトを獲得。8月にはK-1 GROUPとの対抗戦で内田晶を初回KOに仕留めて殺傷能力の高さを証明したが、9月に古木誠也に初回KO負けを喫した。2024年5月の『ONE Friday Fights 62』に初参戦すると、ペイマン・ゾルファガリにダウンを奪われる劣勢もノーモーションの右ストレートで逆転KO勝ち。6月にシュートボクシングに初参戦するも山田虎矢太にTKOで敗れた。11月の1回戦では真琴の規定体重オーバーによる失格で準決勝へ進出(ワンマッチで真琴とドロー)。戦績は16勝(9KO)10敗2分。
1R、古村がサウスポーから左ロー、左ストレート。森岡が前へ出ようとしたところに古村が右フックを見舞って森岡はバランスを崩す。さらに左ストレート、左ボディストレート、左ヒジと攻め込む古村に森岡が右ストレートで反撃。パンチとヒジをまとめて古村にロープを背負わせた。前へ出る森岡に古村は左ミドル、左ボディストレート。打ち合いに行く森岡が左フックをヒットさせるが、古村が首相撲で崩す。打ち合いで森岡が右フックをヒットさせ、古村がふらついて下がったところに森岡が追撃。右フックでダウンを奪う。
2R、古村はジャブを伸ばしていきローを蹴る。森岡は前へ出て右ストレート。古村はステップで回り込みながらジャブ、前蹴り。左ミドルを蹴る古村に森岡が前へ詰めてのジャブ、右ストレート、左フック、さらにヒジ。古村は打ち合わずに離れて前蹴り。森岡は右ボディストレートも打つ。古村が左ストレートを打つと森岡は4連打で前へ出て、近距離になると右ヒジ。森岡の攻勢で試合は進む。
3Rも前に出るのは森岡で古村は回り込んでいくが、サウスポーのセオリーではない左回りだ。森岡が右ミドルを蹴ると右フックを合わせにいく古村。森岡は左フックに右ヒジを合わせに行く。右ミドルを蹴って前へ出る森岡。コーナーを背負った古村が左ローを出したところに森岡が右ストレートを合わせてダウンを奪う。ラッシュする森岡がパンチとヒジ、古村は右フックと左ストレート出すが森岡の勢いは止まらず、右ストレートを連打して前へ出る。
2度のダウンを奪った森岡が大差の判定3-0で勝利。壱の待つ決勝へコマを進めた。
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▼第3試合 KICKBOXING JAPAN CUP スーパーバンタム級トーナメント準決勝 3分3R延長1R〇壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム/KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者)延長R 判定3-0 ※10-9×3×前田大尊(マイウェイジム/KIフェザー級1位)※壱が決勝戦へ進出。本戦の判定は29-28、29-29×2。
沖縄出身の壱は空手をベースに持ち、ボクシングを経て上京してムエタイを始めた。2008年11月の『MuayThaiOpen』でLPJNバンタム級王座に就き、2019年12月に岩浪悠弥に敗れるまで14連勝をマーク。2022年11月に「第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座決定トーナメント」を制して王者となった。2023年8月の初防衛戦で古村光に敗れて王座を失ったが、2024年4月のリマッチで王座奪還。6月にはムエタイの激闘王と呼ばれたチョークディーから勝利を収め、7月の『ONE Friday Fights』で初参戦初勝利。11月の1回戦では嵐に判定勝ちした。戦績は28勝(10KO)9敗1分。
前田は小学1年生でキックボクシングを始め、アマチュアで4冠王に。プロでは2023年7月に一航からハイキックでダウンを奪っての勝利で名を挙げ、2024年2月にはWBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王座決定戦も行っている(判定負け)。11月の1回戦では一航を返り討ちにした。戦績は8勝(1KO)3敗の19歳。
1R、前田はヒザへの前蹴りから右ミドル、サウスポーの壱は左ミドルをフェイントに左ストレート。壱がワンツーで入って来ると前田はバックスピンエルボーで迎え撃つ。前田は右ハイを蹴ってブロックさせると右三日月、壱は組むと前田を崩し倒す。首相撲になるとヒザからヒジを狙う壱に前田もヒザで対抗。壱がヒザで飛び込んでくるところには前田が右アッパーを突き上げた。
2R、前田は右の三日月、壱は前蹴りと左ミドルで前へ出始める。壱は右手を動かしてからの左縦ヒジ、組んでヒザ。挑発する用に前蹴りを連打する壱はヒジか左ストレートで飛び込み、前田が蹴ってくると蹴り足をキャッチして転倒させる。壱は左ストレート、左縦ヒジ、左手からの組みを使い分けて前田を翻弄する。前田はバックハンドブローを放つが壱は右腕でブロック。
3Rが始まると壱が一気に前へ出てパンチとヒジ、前田が離れて右ミドルを蹴ると壱は左ミドルを蹴り返す。さらに組んでのヒザは壱が優勢。前田のバックハンドブローに組み付いてすかさずヒザを蹴る壱。前田も右ヒジで反撃、壱の左ストレートをかわして右を打ち返す。壱は左目上から出血する。左右のストレートを伸ばす前田に壱が前蹴りを連発、前田の右が壱を捉える。
ジャッジ1名が壱を支持したがドロー。延長戦へ突入する。前へ出るのは壱で前蹴り、左ストレートから組んでのヒザ。圧をかける壱のヒザが鋭く前田のボディに突き刺さる。左フックで反撃する前田だが壱に組まれ、ヒザをもらう。前蹴りとワンツーの壱に前田は右ストレートとヒジを繰り出すが、壱が組んでのヒザを容赦なく突き刺していき、離れ際にはヒジ打ちも。さらに前蹴りでボディを攻めていく壱。明らかに疲労が見える前田に対し、壱が攻め込んで延長戦が終了。
判定3-0で壱が延長戦で差をつけた。
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▼第2試合 KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級 3分3R延長1R△MASATO BRAVELY(BRAVELY GYM)ドロー 負傷判定1-0 ※20-19、20-20×2△蛇鬼将矢(team阿修羅道/TOPGUNGYM)※蛇鬼が試合続行不可能のため2R2分22秒の時点での判定。
1R、蛇鬼は腰を落として両手を上下させるトリッキーな動きからワンツー、MASATO右ロー、右ミドルを蹴る。前蹴りを2発蹴ったMASATOに蛇鬼が飛び込もうとするとMASATOは左縦ヒジを合わせに行く。蛇鬼は右ローを2連打、バックスピンエルボーも繰り出す。
2R、蛇鬼は両手を上下させて挑発。ジャブで前へ出る蛇鬼は左インローと右カーフ、MASATOは組んでのヒザ蹴りに活路を求める。MASATOが蛇鬼のミドルをキャッチしての軸足払いで転倒させる。蛇鬼の右フックでバランスを崩すMASATO、組みに行ったところでMASATOの指が蛇鬼の左目に入ってしまい、中断となる。
インターバルがとられたが、蛇鬼は左目が開けられない状態が続き、試合続行不可能で試合終了。負傷判定でドローとなった。
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▼第1試合 KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座決定トーナメントリザーブマッチ 3分3R延長1R×小森玲哉(ONE`S GOAL)判定0-3 ※29-30×3〇優翔(team NOVA)※優翔がリザーバーに決定。
1R、前へ出るのは小森だが下がりながら右ローを蹴るのは優翔。首相撲になると優翔がリード、ヒザを入れて小森を崩し倒す。小森は左ローを蹴りながら前進するが、身長とリーチで優る優翔がなかなか入れさせず、小森が入ろうとすると右ヒジを振り下ろす。
2Rは優翔が前へ出て小森が左インローを蹴りながら下がる。前蹴りを多用して自分の距離を保つ優翔に小森は右カーフ、右の三日月気味のミドルを蹴る。首相撲になるとヒザを綺麗に当てるのは優翔、小森は太ももへのヒザで応戦。
3R、ローの蹴り合いから優翔が右ハイを蹴って小森を脅かす。前に出る小森が右ロー、左インロー。前に出て攻める小森を優翔が前蹴りと左ミドルで迎え撃ち、大きな展開がないまま試合終了。
判定3-0で優翔がリザーバーに決まった。
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▼プレリミナリーファイト第3試合 KNOCK OUT-UNLIMTEDスーパーライト級 3分2R〇木村亮彦(クロスポイント大泉)KO 2分33秒 ※パウンド×平石公介(和術慧舟會 HEARTS)
1R、ローの蹴り合いから木村が右ストレートで仕掛けるが、平石の左フックをもらって転倒。パウンドを打つ平石に木村はダブルレッグで組み付いてピンチをしのぐ。ブレイクとなると両者フックで殴り合い木村は右ローと右フック、平石がタックルへ行こうとしたところに木村が右アッパーのカウンター。
これに平石がダウンし、木村がマウントをとってのパウンド連打。レフェリーがストップし、木村の逆転KO勝ちとなった。
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▼プレリミナリーファイト第2試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級 3分3R×横山太一朗(クロスポイント大泉)TKO 1R 2分32秒 ※レフェリーストップ〇辰次郎(Sports 24)
1R、辰次郎は蹴りを多用し、前蹴りで横山を突き放す。勢いよく前に出る辰次郎の頭が横山に当たってしまい試合は中断。再開後も蹴りを使いながらワンツーを打つ辰次郎に、横山は右カーフからの左フック。横山はこの左フックを狙い撃ちする。横山が右フックをヒットさせてラッシュをかけるが、ロープを背にした辰次郎が相打ちの左フックでダウンを奪う。
ダメージの色が濃い横山に辰次郎がラッシュを仕掛けたところでレフェリーがストップ。辰次郎が4勝(3KO)無敗に戦績を伸ばした。
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▼プレリミナリーファイト第1試合 KNOCK OUT-RED-54.5kg契約(OFG) 3分3R×前田翔太(WSRフェアテックス三ノ輪)TKO 2R 1分57秒 ※レフェリーストップ〇蒔・センチャイジム(センチャイムエタイジム)
1R、ローの蹴り合いから蒔が右ストレート、前田は組んで蒔をロープに押し付けてのヒザ蹴り。互いに粗いパンチを繰り出す。蒔が左右フックで前へ出て首相撲からのヒザ、ヒジ。両者組んでのヒザを蹴り合う。
2R、いきなり組んでヒジを打つ蒔。前へ出る蒔が右ストレート、前蹴り、右ローから組んでヒザ。両者ヒジを振り合い、組むと蒔がヒザでリードする。蒔が左右ヒザの連打でダウンを奪い、前田は流血。立ち上がる前田に襲い掛かる蒔。前田の流血の量がおびただしく、蒔のTKO勝ちとなった。