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【修斗COLORS】パク・ソヨンが檜山美樹子に1R 腕十字でインフィニティリーグ全勝優勝! 16歳・NOELが20歳の平田彩音を絞め落として逆転勝ち

2024/12/19 11:12
 2024年12月15日(日)新宿FACEにて女子プロ修斗公式戦『COLORS Produce by SHOOTO Vol.4』(ABEMA配信)が開催された。1年に渡り熱戦が展開されてきた「epsomsalt seacrystals Presents インフィニティリーグ2024 女子アトム級」優勝決定戦が行われた。  1位で並ぶパク・ソヨン(勝ち点4/韓国・ROAD GUNSANジム)と平田彩音(勝ち点4/BURST)。そしてそれを追いかけるNOEL(勝ち点2/AACC)の3名に優勝の可能性が残っている。最も優勝に近いのがパク・ソヨン。檜山との最終戦で1Rでフィニュシュした瞬間に優勝が決定。そして檜山の勝利、もしくは2Rフィニッシュ勝利、判定までもつれた場合、平田とNOELに優勝する可能性が出て来る。  毎年最終戦までもつれ、最後まで目が離せないインフィニティリーグ。「より多くより早く勝利」した者が制するハイリスクハイリターンなリーグ戦。優勝賞金100万円を手にするのはパクか、平田か。それともNOELが逆転優勝するか。 ▼第9試合 epsomsalt seacrystals Presents インフィニティリーグ2024 女子アトム級 5分2R〇パク・ソヨン(勝ち点8/韓国・ROAD GUNSANジム) 47.5kg[1R 0分32秒 腕十字]×檜山美樹子(勝ち点0/NFC) 47.4kg※勝利した赤:パクのインフィニティリーグ2024女子アトム級優勝が決定  ソヨンはMMA4勝4敗。モデファイドルールのARCで黒星デビュー後、ROAD FCで判定勝ち。2022年の修斗初参戦から黒部三奈、古賀愛蘭、KARENと強豪ばかりと戦い3連敗を喫したが、ROAD FCでの育成マッチを挟んで、インフィニティリーグ参戦。2024年8月に平田彩音に判定勝ちすると、9月にNOELにも判定勝ち。今回の優勝を決める最終戦に臨む。  対するナゴヤファイトクラブの檜山は、2016年の浅倉カンナ戦でプロデビュー。インフィニティリーグでは、2024年8月のNOEL戦で判定負け後、9月に平田彩音に1R KO負け。ソヨンにとって自力優勝を決める1Rを檜山はいかにたたかうか。  1R、グローブタッチ。中央を取るソヨンが檜山の左ジャブの打ち終わりに右ストレート、右ミドル、左ミドルを当てる。檜山の右の打ち返しは避けたソヨンは左ミドル。  その蹴り終わりに組んだ檜山に首相撲ヒザはソヨン。そこからスタンドサイドに回り、ボディロックテイクダウン。そのままサイドを奪取したソヨンは、頭を抱えたままの檜山の右脇が開いているところを首横で固定し、体をまたいで迷わず腕十字へ。  クラッチする檜山の腕を剥がし、耐える檜山の右腕を自身の左横に捩じりタップを奪った。わずか32秒でタップを奪ったソヨンは笑顔は見せず。四方に礼をし、正座した檜山に手を合わせて頭を下げた。これでソヨンは、リーグ戦を3戦3勝=勝ち点8とし、メインの前にインフィニティリーグ優勝を決めた。 [nextpage] 左で押し込む平田にNOELがスタンドスリーパー! グラウンドに引きずり込んで絞め落とす  メイン前にパク・ソヨンの全勝優勝が決まったインフィニティリーグ最終戦。  BURSTの平田は、フルコンタクト空手出身。8月にパク・ソヨンに判定0-2負けから、檜山に1R 33秒KO勝ち。左ストレートを効かせてからの左フックの4連打KOで会場を震撼させた。  AACCのNOELは、8月に檜山に判定勝ち後、9月にパク・ソヨンに判定負けを喫している。10月のJMAEXPOではQUINTETに出場し、城戸ユカリをギロチンチョークで極めている。平田とは初対決となる。 ▼第10試合 epsomsalt seacrystals Presents インフィニティリーグ2024 女子アトム級 5分2R×平田彩音(勝ち点4/BURST) 46.9kg[1R 4分55秒 リアネイキドチョーク]〇NOEL(勝ち点6/AACC) 47.5kg  1R、ゴングと同時に中央に走り込んで前蹴りで飛び込む平田。かわして組んだNOELが左で差してロープに押し込む。右で小手巻く平田にクラッチしているNOELだが、解除し、平田の左差しをおっつけて、手首を掴み脇を開けない。コーナーに押し込み、レフェリーがブレーク。  平田が圧力をかけてワンツー、得意の左フックでNOELをコーナーに追い込むと、NOELも左フックを見せて押し戻す。  飛び込んだ平田が右を差し組んで押し込み、左ヒザ。右ヒザを返すNOELは、平田の左手首を掴み差させない。頭をアゴ下に入れて押し込み、右足でNOELの左足を3度踏む平田。さらに右ヒザ。受け身のNOELに近距離で左も打ち込む平田は押し込み右インローも。左右ヒザも打つがブレーク。  スタンド再開。平田は右ローを当てる。さらに向き合ってから右ミドルを放つが、これを待ち構えていたかのようにキャッチしたNOELは、そのままシングルレッグから右手で左軸足も押さえてテイクダウン!  首に足をかけようとした平田をかつぎパスしたNOELはサイドに。左腕を掴んでアームロック狙いに平田をかわしてサイドバックから左のパウンドのNOELは、被弾しながら亀から立ち上がる平田の立ち際に左の背後からのパンチをそのまま首に巻いて、スタンドでリアネイキドチョークへ。  後ろ頭で組めているNOELは、後方に引きずり込み、両足もかけてバックマウントから絞めて、平田を失神させた。  NOELは勝ち点4を追加も合計6点で、セミで8点を獲得していたパク・ソヨンには届かず。しかし、MMA4戦目の16歳・NOELと、5戦目の20歳・平田のインフィニティリーグ最終戦は、新世代の台頭を印象づけるメインとなった。 [nextpage] 元RISE王者erikaがMMAデビュー、ローで削り吉成のテイクダウンに立ち上がり判定勝ち ▼第7試合 ストロー級 5分2R×吉成はるか(パラエストラ小岩) 52.0kg[判定 0-3] ※18-20×3〇 erika(THE BLACKBELT JAPAN) 51.9kg  第7試合では、キックからMMA転向を表明した第2代RISE QUEENミニフライ級王者“三児のヒロイン”erika(THE BLACKBELT JAPAN)がプロMMAデビュー。吉成はるか(パラエストラ小岩)と対戦した。  erikaはキックボクシングを引退し、MMA転向を表明。早々に2024全日本アマチュア修斗選手権を制し今回のプロデビュー戦を迎えることとなった。全日本の決勝ではパンチで秒殺KOし、アグレッシブなファイトスタイルは健在だ。  対する吉成は、2023年のインフィニティリーグで優勝した藤野恵実(JAPAN TOP TEAM)らとも真っ向勝負を挑んだハートの強さを持ち、今回のerika戦も躊躇することなく即決した。藤野戦後の5月の前戦はTORAOで宝珠山桃花に判定負け。  erikaにはTBBJ沖縄の松根代表、吉成にはパラエストラ小岩の大内代表がつく。  1R、ともにサウスポー構えから。erikaは左ローから、サークリングする吉成を追い、左ロー、左ミドル。前蹴り。ワンツーで詰める吉成にerikaは右で差して首投げ狙い。それを外して首相撲ヒザのerikaは左を突くと、吉成が離れる。  ワンツーの左で前に出るerikaは、左フックを当ててコーナーに詰めるが抜ける吉成は左回り。追うerikaの左ストレートを浴びた吉成はダブルレッグへ。顔をはがそうとするerikaに吉成はバック狙いも正対。コーナー背に残すerikaに両差しで崩そうとする吉成だが、erikaはクラッチを切って前に。  左ローから左ストレートで前に出るerikaに吉成はダブルレッグで組んで上組み、首投げも投げ切れず。首を抜いたerikaが左で前に、なおも組む吉成はバッククリンチから後方に投げてパウンド! erikaが足を効かせてガードにするとその右足を掴んでストレートフットロックに入ってゴング。  2R、erikaが中央に出て左ローから細かいワンツーの左を伸ばす。前蹴りから左ローのダブルで吉成を下がらせるerikaは、右ミドルも。左ローをこつこつ打つerika。左から右インローも。左回りにサークリングから吉成。  距離を詰めて左を狙うerikaはサウスポー構えから右ミドルも。吉成も右ジャブを突いてコーナー際に押し込み首投げも体を残すerika。離れたerikaにダブルレッグから腕を手繰ろうとする吉成を突き放すerikaは左ミドル、さらに左右。吉成はダブルレッグから上で組むが突き放すerikaは右ローも。その打ち終わりに吉成は飛び込みダブルレッグテイクダウン! 尻を着いたerikaの腰を抱き引き寄せようとするが、上半身をロープで立てたerikaは立ち上がり、すぐにそこにシングルレッグの吉成は中央にテイクダウンもなおも残すerikaはコーナー背に際でがぶってゴング。  判定3-0(20-18×3)のフルマークでerikaが判定勝ち。MMAデビュー戦を勝利で飾ったerikaは「アマチュア修斗からいちからヒッソリと始めたかったんですけど、RISEの名前が大きすぎて皆に期待されてしまって緊張した試合になりました。すみません、ほんとうは打撃をバチッと決めて“おお、さすが”と言ってもらいたかったんですけど、もっと打撃が光るように練習していきます。これからも応答よろしくお願いします」と語った。 [nextpage] オーソから左ハイの高本に、裏拳・テイクダウン&パウンドの杉本。高本も下から十字&鉄槌で判定ドローに  第8試合では、ストロー級(5分2R)3位の高本千代(高本道場)と、4位の杉本恵(AACC)が対戦した。  インフィニティリーグ2019優勝から常に女子修斗のトップ戦線で戦ってきた杉本は、2024年5月の前戦「ストロー級世界王座決定戦」で藤野恵美と大熱戦の末、3R TKO負けで戴冠ならず。7カ月ぶりの再起戦となる。  対する高本は、8.3『COLORS Vol.3』で宝珠山桃花と対戦し、予想以上に善戦。引き分けに持ち込み、関係者から高い高評価を得た。定評のある寝技に加え、立ち技ではオーソから左の蹴りも打つなど成長著しい高本が世代交代を果たすか。それともレスリングベースの杉本恵が華麗なる復活を見せるか。 ▼第8試合 ストロー級 5分2R△高本千代(同級世界3位/高本道場) 51.7kg[判定0-0 ドロー]△杉本 恵(同級世界4位/AACC) 51.8kg [レフェリー]内田龍介[サブレフェリー]片岡 誠人 19-19(1R 10-9/2R 9-10)出合 淳  19-19(1R 10-9/2R 9-10)安芸 佳孝 19-19(1R 10-9/2R 9-10)  1R、サウスポー構えの高本は右ロー。オーソの杉本も左右ローを返す。高本の左ハイをかわした杉本は左ロー。高本も左インロー。ワンツーの左はまだ遠いが、左ミドルハイは杉本のガード上に当てると歩いて左右の蹴りで前に。  そこに組んだ杉本は四つに。ロープに押し込み、ヒザ。体を入れ替えた高本だが、再び入れ替えた杉本に右に回して崩した高本がバック狙いも右小手に巻いて回らせない杉本。正対し押し込んでブレーク。  右回りの高本に右バックフィストをヒットさせた杉本! しかし下がらない高本は歩いて左ハイ! ここは杉本が四つに持ち込み、押し込み。高本も体を入れ替えたところでブレーク。  左右の蹴りからまたも左ハイで杉本をとらえる高本。杉本は左ジャブ、高本も左ミドル、左前手フックで応戦してゴング。  2R、互いに前足の蹴りから。高本が右に回りながら右ロー、杉本はスーパーマンパンチからボディロックテイクダウンで背中を着かせる。フルガードで手首を掴む高本に、左手を抜いて中央からパウンドする杉本。高本の腕十字狙いに早めに体を離し、再びガードの中に入って行く。  外に手を置けない杉本の腹の上の手を掴んで下から右でパウンド、ヒジの高本。座ったままの杉本も時折、鉄槌。下からのパンチで杉本は鼻血。しかし、杉本もベースを崩さず、パウンドの数を増やす。  腰を切って腕十字を狙う高本。中央に戻る杉本。残り30秒。高本は立たずに下から勝負。最後に杉本が中腰になってゴング。高本は先にガッツポーズを見せる。  ジャッジは両者が1Rずつを取り合い、19-19×3のドローとなった。 [nextpage] グラップリング戦は藤野恵実と前澤智がドロー ▼第5試合 54kg契約グラップリングルール 8分1R△藤野恵実(世界ストロー級チャンピオン/JAPAN TOP TEAM) 53.9kg[ドロー]△前澤 智(リバーサルジム東京スタンドアウト) 52.4kg  現修斗ストロー級世界王者・藤野恵実(JAPAN TOP TEAM)と、第6代DEEP JEWELSアトム級王者前澤智(リバーサルジム東京スタンドアウト)のグラップリングマッチ。日本女子MMA界の歴史を作り上げてきた「二人の女王」による新宿のリンググラップリングでは、より寝技の攻防となるか。前澤は11月のJBJJFのDEEP柔術カップ女子マスター2黒帯フェザーで準優勝。藤野は9月のPANCRASEで2団体同時王者を狙ったが、ソルトに判定負け。  1R、先に詰めて組むのは前澤。両脇を差して押し込むが、体を入れ替える藤野がコーナーに押し込む。ここは突き放した前澤。左差しで押し込むと押し戻してきた藤野の左差しを小手に巻いて払い腰狙い。これは残す藤野。前澤の前進の頭がバッティングとなり中断、再開。  組手争い。押し込む藤野をいなしてバッククリンチに持ち込む前澤。たすきからロープを背に藤野の背中に跳び乗る。両手で背後の前澤の右手を掴んで前に落とそうとする藤野。前澤は足を4の字に巻き、左手でリアネイキドチョーク狙い。前に落ち際に右足を顔にかけて腕十字を仕掛ける前澤に、外す藤野。  トップになるが蹴り上げてスペースを作って立ち上がる前澤が前に。組みて争いから跳びつき十字の前澤を潰してハーフで押さえ込む藤野。逞しい上半身で左手で枕、右で脇差しでパスを狙うが、左を差し返した前澤に、藤野は左をギロチンに変えて右小手巻きで牛殺しを狙う。首を抜く前澤。  なおもトップの藤野に、前澤はフルガードから手首を掴んで腕十字狙い、上体を立てた藤野にそのスペースで立ち上がる前澤。ダブルレッグで詰める前澤をギロチン狙う藤野。前澤は仰向けになって防ぐが下になる。 上四方の藤野に腰を切り足を戻す前澤。ハーフで押さえ込む藤野に、下からキムラクラッチを組んだ前澤。腕をクラッチし、上四方に回り外した藤野。前澤は亀から立とうとするが、そのバックを狙う藤野は右足をかけるが、左足はかけさせない前澤が横に落としてハーフで上に。  右で脇を差しに行く前澤に差させない藤野。ならばとニンジャチョークも狙う前澤は、ハーフから外がけ外ヒール狙いもそこで上体を立てた藤野のヒザは曲がっている。藤野も前澤の左足を脇に挟みストレートフットロック狙いも、ヒザを曲げている前澤。足を抜いて下から三角絞めへ。かつぎパスを狙う藤野に、前澤もさせず。ゴングが鳴らされた。判定無しのドローとなった。  前澤は「引き分けでした。応援の仲間のみんなすみません。でも藤野さん、現役のチャンピオンで、素晴らしい選手なんで、MMAファイターとしてグラップリングをやっていただいてすごく感謝しています。ありがとうございます。私事ですがYouTubeを始めました。ちょもTubeと言います。ほんとうは勝ってみんなに『いいね』してもらいたかったのですが、また強くなって戻ってくるので、いいねとチャンネル登録をお願いします」と挨拶。  藤野は「ご来場ありがとうございます。ちょっと疲れました。前澤さん強くて。お互いに極めが無く申し訳なかったですけど、私は来年、(ストロー級王座を)しっかり防衛して修斗の女子としてちゃんと強さを証明していきたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします」と語った。 ▼第6試合 ストロー級 5分2R△高田暖妃(AACC) 52.1kg[判定1-0 ドロー] ※20-18, 19-19×2△チョン・チャヒョン(韓国・ユンジュチーム) 51.3kg[レフェリー]内田龍介[サブレフェリー]片岡誠人 20-18(1R 10-9/2R 10-9)鍋久保雄太 19-19(1R 10-9/2R 9-10)安芸佳孝 19-19(1R 10-9/2R 9-10) ▼第4試合 63.4kg契約 5分2R×愛日(パラエストラ小岩) 63.4kgkg[1R 1分15秒 TKO] ※パウンド◯中尾 あづき(AACC) 59.9kg※赤:愛日が規定ウェイトを通過出来なかった為、試合は参考試合として63.4kg契約にて実施。※※赤:愛日にはラウンド毎に1点減点。 ▼第3試合 58kg契約グラップリングルール 8分1R△植木くるみ(MMAZジム) 57.6kg[ドロー]△植田 咲(AACC) 56.4kg ▼第2試合 COLORSグラップリングマッチ 48kg契約 4分1R×小笠原颯希(X-TREME EBINA) 47.4kg[1R 3分40秒 腕十字固め]◯遠藤ジュリアン桜(リバーサルジム立川ALPHA) 45.2kg ▼第1試合 COLORSグラップリングマッチ 35kg契約 4分1R◯吉村柚咲(X-TREME EBINA) 31.3kg[1R 0分19秒 腕十字固め]×笠井遥月(MMAZジム) 33.6kg
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