MMA
インタビュー

【UFC】マネル・ケイプ「朝倉海がパント―ジャに勝つと信じていたから、海にベットしていた」「俺の夢は『マネル・ケイプvs.朝倉海 3』をUFC JAPANでやること!」=12月15日(日)シウバと対戦

2024/12/12 18:12
  2024年12月14日(日本時間15日)米国フロリダ州タンパのアマリーアリーナで開催される『UFC Fight Night: Covington vs. Buckley』(U-NEXT配信)にて、フライ級でマネル・ケイプ(ポルトガル)がブルーノ・シウバ(ブラジル)と対戦する。 ▼フライ級 5分3Rマネル・ケイプ(ポルトガル)19勝7敗(UFC4勝3敗)ブルーノ・シウバ(ブラジル)14勝5敗(UFC4勝2敗)※UFC4連勝中 (C)Zuffa LLC/UFC  現UFCフライ級9位のケイプに対し、12位のシウバは4連勝中。ラスベガスを拠点にトレーニングに励むケイプは、現王者のアレッシャンドリ・パントージャとUFCデビューした朝倉海の両者と対戦しており、7日のタイトルマッチも現地で生観戦している。  朝倉海と同じ元RIZINバンタム級王者のケイプは、海の挑戦をどう見たか。本誌の取材にケイプは朝倉勝利を信じて賭けていたこと、そして、強豪シウバとの試合、パントージャとの再戦と日本大会の実現に向けて意欲を語った。 俺はフライ級転向前に2度シミュレーションした。海はバンタム級の方がいいかもしれない ──ラスベガスで練習するマネル・ケイプ選手は『UFC310』ラスベガス大会を現地観戦して、フロリダ入りしたのですよね。 「そうだね。いつものようにエクストリーム・クートゥアー、UFC PI等でエリック・ニックシックの指導のもとパッチー・ミックスらと練習してきたよ。追い込みも終えて、ラスベガスでは朝倉海の試合を観て来た」 ──フライ級王者パントージャに挑戦した朝倉海選手の試合についてどう思われましたか。 「会場で少し話したように、1Rは朝倉海も悪くなかった。いいヒザ蹴りも出していたし、とてもアグレッシブに動けていた。あの試合の一番大きな問題はやはり減量だと思っている。タイトルマッチの125ポンド(※王座戦は56.7kgでプラス1ポンド規定無し)に初めて落としただろう? その経験は無かったと思う。彼を見た時、あまり健康状態が良くないように見えた。バンタム級で戦っていた時に比べてね。125ポンドに落とすというのをもうちょっと前からやっているならもっと状態は違ったんじゃないかな」 ──ケイプ選手もRIZINバンタム級王者からUFCではフライ級に落として参戦しました。同様に問題を感じましたか? 「その問題は自分にはなかったよ。なぜならそれを経験できる環境を作ったから。2回ね。トレーニングの時に57kgに落とすという事をしている。その後もしっかりリカバリーをする。そしてまた57kgまで落とす、そういう風にして身体を適応させたんだ。それから本番の試合で57kgまで落として減量をしてもしっかり健康的に動けるようにしている」 ──たしかに、本誌が朝倉海選手に試合1カ月半前の時点でシミュレーションについて聞いたときに「もうその時間はない」と言っていました。朝倉海選手はパントージャのテイクダウン狙いをカットして、スタンド勝負したかったわけですが、一本負けしました。そこにも減量の影響があったと? 「俺は海とパント―ジャの両者と戦った事があるから、すごくよく聞かれるんだけど、海はテイクダウンディフェンスにおいては世界でも一番上手いと思う。日本でもラスベガスでも俺はそれを見ているからね。それを知っているから、俺が今回海が負けたのは減量が原因だと言っていることの裏付けになっているんだ。  海はバンタム級で戦っていたときほどの強さはなかった。本来はパント―ジャのテイクダウンももっとカットできるはずだった。パント―ジャはレスラーじゃないんだ、柔術家だろう? 彼のテイクダウンはそこまでアグレッシブじゃない。他の今まで戦ったレスラーたちと比較すると自分がそう感じたんだ。自分がパント―ジャと戦ったときに彼のテイクダウンにそこまでプレッシャーは感じなかったし、俺自身も2回パント―ジャをテイクダウンしているからね。そうした事を全部踏まえると、朝倉海は減量に失敗したか、フライ級が向いていないのかもしれない。バンタム級に上がった方がいいんじゃないかな」 ──対レスラーという意味では、ケイプ選手が前戦ムハンマド・モカエフとの試合で、テイクダウンされながらもディープハーフガードからカーフスライサー狙いのトランジションで立ったシーンが印象的でした。あなたはボクシングベースでありながらレスリング、柔術も出来ることが強みになっていますか。 「そうだね。俺は自分で信じていた。モカエフにテイクダウンはされないという事を。彼はとてもレスリングが強いレスラーの一人だけれど、グラウンドにいっても、俺は柔術のブラックベルトだから俺のフィールドになる。彼のレスリングは自分には通用しないし、それが前回の試合で見せられたと思う。ただ彼は俺のショーツを掴んだよね。もしレフェリーがフェアだったら減点すべきだった」 ──あの試合でケイプ選手はモカエフからのテイクダウンに対処し、プレッシャーはかけてもそこから決定打とはなりませんでした。モカエフがアウトレスリング、アウトキックで消極的だったこともありますが……。あの試合から得た事は? 「何も学んでないよ。だって彼は常に逃げてただろう?“ファイト”しなかったんだ。俺が向かって行っても奴は逃げるだけだ。とにかくキックを出してきて、しかもそのキックは俺を痛めつけるためのキックじゃなくて自分が逃げる為のキックなんだ。一番大きな瞬間が俺がフィニッシュしようとしていた時なんだけれど、その時に彼が俺のショーツを掴んだことだ。だから一般的にいってもヤツは試合はしていなかったと思う」 [nextpage] 海にベットしたお金を返してもらわないと。2000ドル負けたよ(笑) ──そんな相手にも勝ち切る必要があるのが難しいところですが、その点、今回の対戦相手のブルーノ・シウバはヘンリー・セフードのスパーリングパートナーで、前戦ではコディ・ダーデンを詰めて右アッパーで逆転KO勝ちするなど近い距離でも戦います。どんな印象を? 「ブルーノはいい選手だよね。とてもいいマッチアップだと思う。ブルーノは近距離で戦うのが好きだしそれは俺にとってはとてもいい事だ。モカエフみたいに逃げられるよりずっといい。だから近距離で戦うようなファイターで、実際にファイトしてきて、顔面にパンチが入っても気にせずに果敢に戦いにくる選手は素晴らしいよね。それが仕事なんだ。俺はまだKOされた事がない、彼はKOされた記録はあるはずだよ。 (C)Zuffa LLC/UFC  それに、ブレーノのボクシングについて話すと、彼はボクシングが上手いとは思っている。ただ彼はまだMMAキャリアでは6フィニッシュくらいしかしていないだろう? 自分は13フィニッシュしている。だから今回のようなインファイトでは俺が相手を落とせるんじゃないかな」 ──現在フライ級9位。その上には、パントージャ、ブランドン・ロイバル、モレノの3強以外にも、日本の平良達郎選手が5位にいます。彼のロイバルとの試合はどう見ましたか。 「達郎の事で分かったのは、彼は若くていい選手ということ。だが、5R向きの選手ではない。彼は3R向きの選手だ。それが分かった。彼は少し間違いを犯したが、まだ若い。経験が足りないだけだ。彼はオクタゴンの中では素晴らしい選手だと思うよ。間違い、というのは、彼はもう少しボクシングスキルを上達させて、スタンドのバリエーション、そしてヘッドムーブを上達させて5Rに備える必要があると思う」 ──ケイプ選手にとっては、今回の試合で勝利し、王座戦線にからみたいところですね。 「もちろん、将来またパント―ジャと戦うとしたら、それはまた厳しいファイトになると思うが、俺は5Rファイターだから。毎ラウンド強くなっていく。前回のパント―ジャ戦でも俺は2Rと3Rは勝っていたと思うんだ。1R目は彼がどのように出てくるのかを様子を見ていた。2Rで少しウォームアップができて、3R目は取れていたと思う。パント―ジャの5Rの試合でロイバル戦や他の選手との試合を見てみると、彼は後半にパンチも脆くなる。だから次もし戦う事があったら王者になれるという自信があるよ」 【写真】2021年2月のUFCデビュー戦で後の王者パントージャと対戦したケイプ ──たしかにパントージャはスタミナと精神力もすごいですが、5R戦の後半は動きも粗くなります。後半に強いケイプ選手にとってはそこに勝機を見出せるということですね。ところで、UFC日本大会の話が出るなか、ケイプ選手も再び日本で試合をしたいという気持ちもありますか。 「俺の夢の試合は……俺は、朝倉海がパント―ジャに勝つと信じていたんだ。海にベットもしていたから賭けにも負けたんだ。海にお金を返してもらわないと。2000ドル(約30万円)負けたよ(笑)。海がベルトを獲ったら、日本で海とUFCを日本のさいたまスーパーアリーナに持って行って……俺の本当のファン達は日本にいると思っている。それが自分を代表する一つの事でもあるんだ。何て言うのかな、愛される時は本当にお母さんのように無慈悲であって。そんな愛を日本のファンからは感じている。俺を育ててくれた。そのエネルギーが常に自分の中にあるんだ。だから海との試合を日本でやる事はものすごく願っていた事だ。残念ながら叶わなかったけど、でも将来はもしかしたら叶うかもしれない。『マネル・ケイプ対朝倉海3』をUFC JAPANでやること!」 ──朝倉海選手との3戦目を日本で実現させたいと。最後に日本のファンにメッセージを。 「日本のファンには、いつも応援してくれてありがとう。そしていつか日本人選手がUFCのベルトを獲ってベルトと栄光を持ち帰れる日が来るという事は信じ続けて欲しいな。日本は世界でも格闘技が一番強い国でもあるんだから。今週の僕の試合にも注目してほしい。ありがとう」
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