2024年12月21日(土)千葉・幕張メッセイベントホール『ABEMA presents RISE WORLD SERIES 2024 FINAL』にて行われる「GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRANDPRIX」に出場する、イ・ソンヒョン(韓国/RAON)のインタビューが主催者を通じて届いた。
“コリアンモンスター“ソンヒョンは日本ではRISEで活躍、世界を股にかけて戦い、世界の70kgのトップファイターを次々と撃破し、2019年7月には松倉信太郎と第4代RISEミドル級王座決定戦を争い、第2代ライト級王座に続いての2階級制覇を達成。2023年3月、RISEミドル級王座の初防衛戦に臨んだが、海人に敗れて王座を失った。7月にウェルター級に階級を下げて中野椋太と対戦するもKO負け。2024年3月、白鳥大珠を判定で破り連敗を脱出した。9月には中野にリベンジを果たしている。戦績は69勝(17KO)11敗2分。
僕は今の自分が全盛期だと思っている
――2つ目のジムがオープンしたばかりで忙しいと聞きましたがいかがでしょうか?
「チームの仕事をしながら、訓練もしながらなのでずっと忙しい日々を過ごしています」
――2号店の方も会員さんは集まってきていますか?
「幸いな事にすごく集まっています」
――第2のイ・ソンヒョンはその中から生まれそうですか?
「まだ選手志望の人はいなくて、ただ運動しに来ているだけの人が集まっています」
――ぜひ強いプロのキックボクサーを育ててほしいです」
「ありがとうございます。僕もRAONジムから強い選手をたくさん輩出できたらと思っています」
――先日、『GLORY×RISEフェザー級世界トーナメント』の組み合わせ抽選会が行われて組み合わせが決まりましたが、改めてこの組み合わせを見ていかがですか?
「すごくドキドキしましたし、自分の名前が最後に出たのでドキドキが続きました(笑)」
――組み合わせが決まって、自分の対戦相手がべルジャン・ペポシだと分かった時はどんな気持ちでしたか?
「個人的にはペポシ選手やヴィダレス選手を考えていましたが、そうでなかったらペットパノムルン選手を選ぶつもりでした」
――ペットパノムルン選手と1回戦で戦いたかった理由はなんですか?
「トーナメントの中でも1番強いですし、GLORYでもチャンピオンなので、そんな選手と1回戦ってみたいという気持ちがありまして、1回戦で相手を選べていたらペットパノムルン選手を指名する予定でした」
――ペポシ選手への対策は既に考えてありますか?
「対策はしていますし、ペポシ選手のファイトスタイルは自分とも似ていると思います。相性も良いと思うので、今回の試合でKOしたいという気持ちがあります」
――ペポシ選手の過去の試合映像を見ると、ハイキックや左フックによるKOが多いのですが、彼の得意技はどういう風に分析していますか?
「自分は最近の試合だけを見ていて、KOしている試合は特に見ていませんでしたが、最新の試合を見て分析をしています。なので過去のKO映像は見ていないです」
――ペポシ選手はソンヒョン選手よりちょうど10歳年下なのですが、年齢差は気になりますか?
「僕は今の自分が全盛期だと思っているので、年は全く気にしていないです」
――今回は勝ち上がったら最大3試合まで行われる1DAYトーナメントになります。確かキャリアではトーナメントを何度か経験していると思いますが、このトーナメントという部分についてはいかがでしょうか?
「トーナメントの経験は、1DAYの4人で行われたトーナメントと8人で行われたトーナメントの2つを経験しています。まずは1回戦に集中して、もし勝ち上がったならその日に次の試合を考えるつもりで戦っています。だからと言って全く対策をしていない訳ではないのですが、その日に行われる1回戦をちゃんと対策して、勝ち上がったら次に戦う相手に力を注ぐという形で考えています」
――経験者として、1回勝ち上がって次の試合を待つ時の心境というのはどんな感じなんですか?
「待っている間に次の試合についても考えますが、まずは怪我はないかなど自分のコンディションをチェックします。ちなみに前回のトーナメントでは全部の試合が終わった後、すごく寒さを感じました。だから体調管理を考えてしまいます」
――通常のワンマッチと比べると体力も気力の消耗も激しいですか?
「始まる前は体力面の心配はありますけど、いざ1回戦を勝ち上がってみれば体力や精神的な部分も全然問題なくて、むしろ『これはいけるな』っていうのをトーナメントの時に感じました」
――今まで経験してきたトーナメントの中で、1番記憶に残っているのはどのトーナメントですか?
「12,13年前に行われた、K-1MAXアジアトーナメントがすごく印象に残っていまして、その時に決勝戦でタイの選手と戦った試合が1番記憶に残っています」
――それだけ激しい試合だったという事ですね。
「そのタイ人の選手はトーナメントを全てKOで勝ち上がってきていて、キックもすごく強かったのでとても警戒していました」
――1日でトーナメントを勝ち上がって優勝した時の気持ちというのは、ワンマッチで勝利した時とは別の気持ちなんですか?
「その日に3回勝てるという事で、やっぱり3倍の喜びがあります。今回のトーナメントは自分が経験してきたトーナメントの中でも1番大きいタイトルなので、優勝したらすごく大きな喜びになると思います」
――優勝賞金の使い道なども考えていますか?
「賞金は家を買う事に使うつもりなのですが、すぐには家を買うことはできないので、まずは貯蓄して後々家を買う資金にするつもりです」
――ちなみにそういったお金は奥様が管理されているんですか?
「奥さんに管理されています(笑)」
――優勝賞金の何パーセントかをソンヒョン選手が自由に使うことはできますか?
「賞金をもらう時に奥さんに事前に相談して、どういう使い方をするかを説明して、その金額を引いて奥さんに残りを渡します(笑)」
――今回は自分で使う分については考えていますか?
「チームに使うこともあると思いますし、個人的に使うこともあるかと思います」
――優勝したら家族で最高のクリスマスを過ごすことができそうですね。
「すごいクリスマスになると思いますし、ベルトと共に忘れられないクリスマスになると思います」
――子供達も高価なクリスマスプレゼントを狙ってくるんじゃないですか?
「子供の年齢もあるので、そこは自分が調整して考えながら渡します」
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欧米の選手とはすごく相性が良い
――トーナメントの話に戻りたいと思います。準決勝には白鳥選手とペットパノムルン選手のどちらが勝ち上がってくると思いますか?
「自分を含めチャンヒョンやほとんどの選手がペットパノムルン選手を優勢と見ています。ただ白鳥選手は身長も高いですしサウスポーなので、予想外の何かが起こるんじゃないかと思っています。なので個人的には50対50で半々と見ています」
――巷の予想ではペットパノムルン選手の方が優勢とされていますが、白鳥選手が勝ち上がってくる可能性もあると見ている訳ですね。
「白鳥選手が勝つ可能性も全然あると思いますし、普通のキックボクサーではなくサウスポーなので、ペットパノムルン選手が入って来たところに思いもよらぬフックをもらって、もしかしたら負けるのではないかという予想もあります」
――現時点でどちらの選手と戦いたいなど希望はありますか?
「白鳥選手とは1度対戦経験がありますが、トーナメントは何が起こるか分からないので、どんな試合展開になるかも予想ができません。ペットパノムルン選手は自分が引退する前に対戦したい選手でもあるんですけど、どちらが勝ち上がってきても良いです」
――もう片方のブロックについては決勝まで誰が勝ち上がってくると予想されますか?
「チャド・コリンズ選手かミゲール選手だと思います。トーナメントを勝ち上がる要素を持っているので、どちらかの1人になるんじゃないかと思います」
――そうすると準決勝でチャド・コリンズ選手とミゲール選手が戦うと、どんな試合になると予想しますか?
「決勝戦みたいに大きい戦いになると思います。まず1回戦目を早く終われるかどうかで、その日の展開は全く違うものになると思います。だからまだ分からないですね」
――今回の試合は通常のRISEのルールではなく、GLORYのルールも加味されたルールになると聞いています。ワンキャッチワンアタックではなく、GLORYの「首相撲は攻撃している限りそれが許される」というルールについてはいかがですか?
「もし1回戦でペットパノムルン選手かチャド・コリンズ選手が相手だったら、厳しい戦いになると思いますけど、ペポシ選手なのでそのルールについては考えていないです。準決勝でペットパノムルン選手に当たるようなことがあれば、そのルールに苦戦すると思いますが、1回戦ではそのルールに関しては考えていないです」
――これからペットパノムルン選手対策としての首相撲も練習していくわけですね。
「首相撲の対策は元々しています。あとは1回戦がペポシ選手なのでそこに照準を合わせています。ペポシ選手に勝ったら、その日に対策を考えます」
――ソンヒョン選手は過去に欧米系の選手と何度も戦っていますが、アジア系の選手と戦う時は何か違いはありますか?
「アジアの日本の選手は技術があってすごく速い印象で、欧米の選手に対してはRAONジムのスタイルがピッタリ合うと思っています。なので、自分が今までやってきた事を出せれば、欧米の選手とはすごく相性が良いと思います。だからそこの違いはありますね」
――それはフィジカルでも負けないという事ですか?
「もちろん自信はありますし、70kgの選手と戦ってきましたし、もっと大きい欧米の選手とも戦ったことがあるので、今回のペポシ選手に対してもそのイメージは描かれています」
――プロデビューしたのが2009年でキャリアが15年になりますが、このトーナメントが1つの集大成になりそうですか?
「今回のトーナメントが今までで1番大きい試合になりますし、トーナメントに出場する選手たちもすごいメンバーが揃っています。今回の試合が選手として頂点を取る、集大成になると思います」
――それだけ気合が入るという事ですね。
「デビュー戦のように気合が入っているので、その日を思い出しながら試合に挑みます」
――プロの戦歴が今で82戦ですが、勝ち上がっていくと85戦になります。近い将来100戦以上戦いそうな気配はありますか?
「100戦目は自分の中でふざけながら考えることはしていました(笑)。この先についてはトーナメントの終わり方次第で、もっと続けるかこれで終わるか決まると思います」
――このトーナメントについて、チームメイトのチャンヒョン・リー選手は何か言っていますか?
「トーナメントではなくても、試合が決まったらチャンヒョン・リー選手と話し合います。今回はペポシ選手と試合が決まったので、そこに照準を合わしてやり取りをしています」
――奥様からはどのような激励がありましたか?
「なかったです(笑)」
――どちらかと言うと、恐妻家のようなイメージがありますが実際はどうですか?
「いつもの僕は奥さんにスキンシップを自ら先にやるんですけど、ジムを運営してからはそれを疎かにしている部分があります(笑)」
――その辺りもケアして頑張ってください。
「がんばります(笑)」
――最後に今回のトーナメントでの活躍を期待しているソンヒョン選手とRISEファンの皆さまにメッセージをお願いします。
「日本人ではない外国人選手と戦うのが今回のRISEの大会で2,3回目になります。そのメンバーの中でも1番年上でベテランですけど、ファンの皆さんにイ・ソンヒョンっていう選手はこういう選手だっていう事をしっかり認識させるような試合にしたいと思います。皆さん是非応援よろしくお願いします」