2024年10月27日(日)、韓国・ウォンジュのチアク体育館にて『ROAD FC 070』が開催され、63kgトーナメント準決勝にキム・スーチョル(韓国)が出場。
9月29日の『RIZIN.48』で井上直樹を相手に「RIZINバンタム級(61.0kg)王座決定戦」を戦い、1R TKO負けから、わずか1カ月の連戦で、MMA3勝1敗のキム・ヒョンウ(韓国)と対戦した。
ヒョンウは、8月に『5.18 UAE Warriors 50』でTKO勝ちしたばかりのルーカス・ペレイラに1R 三角絞めで一本勝ちしている。
序盤からヒョンウのレバー打ち、ヒザ蹴りに苦しんだスーチョルはテイクダウンの際でクリンチボクシングも被弾し、右目を腫らせたが、左の蹴りからテイクダウン&パウンド、バックコントロールで制し、判定3-0で勝利。
試合後は、準決勝を相手の失格により、決勝進出していたキム・ジヨンとフェイスオフ。12月29日 の『ROAD FC 071』での完全復活を誓った。
▼63キロトーナメント準決勝 5分3R〇キム・スーチョル(韓国)23勝7敗1分[判定3-0]×キム・ヒョンウ(韓国)3勝2敗※決勝でキム・ジヨンと対戦へ
1R、ともにオーソドックス構え。先に詰めるスーチョル。パンチのフェイントから右カーフ。ヒョンウのは右から左ボディ。スーチョルの左に右ボディストレートを合わせる。
動じず右で飛び込むスーチョルは左ハイで上体を浮かせてからシングルレッグも切るヒョンウが詰めてワンツーに押し戻すスーチョル。しかしヒョンウは右を額に当てる。右カーフ後、ダブルレッグテイクダウンはスーチョル。
フルガードのヒョンウはラバーガード。スーチョルはケージまで運んで上体を起こすとヒザ蹴り。そこで立つヒョンウは右から左アッパー! さらに右から左ボディ打ち! 下がり気味に回るスーチョルだが、向かい合うと、右からボディの打ち返し。
シングルレッグは切られるが、ジャブ&ローで作り直し、右ふっくを打ち込む。しかしヒョンウも右ジャブ、左ハイでゴング。9月29日のRIZINから連戦のスーチョルは動きが良くない。
2R、ワンツーのスーチョルに左右を細かく打ち返すヒョンウは左回り。左ハイ、右ロー、シングルレッグのスーチョルに片足立ちで右のクリンチボクシングのヒョンウ! スーチョルは何とかテイクダウン。ヒョンウのフルガードの中に入る。細かいパウンドのスーチョルをラバーガードでスペースを埋めるヒョンウ。
ラバーガードを外したヒョンウ」はスーチョルの細かいパウンドにケージまで這って立ち上がり。
左ボディを突くスーチョルに、左右から左ヒザを当てるヒョンウ! 一瞬動きが止まったスーチョルだが、ダブルレッグテイクダウン! フルガードのヒョンウを金網まで詰めて鉄槌を突くスーチョル! 頭を押さえつけて下から腕十字を狙うヒョンウ。切るスーチョルに足を手繰るヒョンウだが、それを剥がしてスーチョルがパウンドでゴング。
3R、ヒョンウのワンツーを掻い潜って早々にダブルレッグテイクダウンを決めるスーチョル。
金網で上体を立てるヒョンウは立ち上がり、体を入れ替え。金網背に四つのスーチョルに離れるヒョンウ。左ローを突くスーチョルに、左ローを返すヒョンウはさらに左ヒザ! それを掴んでダブルレッグテイクダウンはスーチョル。
ケージで立つヒョンウをバッククリンチから崩して座るヒョンウに右足をかけて右手でパウンド。ヒョンウの立ち際をなおも崩してバックから細かくパウンド。
ついに両足をかけるとバックマウントからパウンド。身体を起こすヒョンウに腕十字も狙いつつ、バックマウントに戻して4の字ロック。背後からリアネイキドチョークを狙いつつパウンド。最後は危なげなくラウンドを終えた。
右目を腫らしたスーチョルだが、判定3-0で勝利。キム・ジヨンが待つ決勝に駒を進めた。息を切らしてマイクを持ったスーチョルは涙ながらに「ごめんなさい、何もいうことはありません。私は厳しいプロセスの真っ只中にいました。監督、チームの皆さん、そしてその厳しさに気付いていた妻と子供に、ありがとうございます。次はベテランがどれだけ強いかをお見せします」と語り、マットにヒザを着いた。ケージインしたジヨンは「今日のあなたの試合にはほんとうに感動しました。一生懸命戦ったことを尊敬します、兄貴」と語り、フェイスオフでは、スーチョルが拳を合わせてジヨンの肩をポンと叩いた。
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▼63キロトーナメント準決勝 5分3Rヤン・ジヨン(韓国)9勝2敗コシェン・アカノフ(カザフスタン)5勝0敗 ※失格
※アカノフが体調不良で計量会場に現れず失格。試合結果に関係なくヤン・ジヨンのトーナメント決勝進出が発表されていたが、アカノフは試合をしないことを選択。
ジヨンは2023年6月のRAOD FCでラジャブアリ・シェイドゥラエフに一本負けも、その後は3連勝。2024年9月のRIZINで倉本一真にスプリット判定負けしたが、8月の前戦『ROAD FC 69』でアレクセイ・インデンコに1R TKO勝ちしている。
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▼65kg契約 5分3R〇パク・ヒョングン(韓国)37歳 6勝5敗2分 1KO 1SUB[1R 三角絞め]×黒井海成(日本/BRAVE)23歳 6勝2敗 4KO
1R、サウスポー構えのヒョングンは左インロー。オーソの黒井の右の蹴り終わりを掴んで、右フックを叩き込むと、ボディロックテイクで組んで小外がけを合わせてテイクダウン。
黒井は下からシングルレッグもそこに三角絞めを合わせるヒョングン。右腕が中に入っている黒井。まだ四角の段階で左手で大丈夫と示すが、ヒョングンは右足を引き付けてヒザ裏で組むことに成功すると、最後はマウントになって極めた。
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▼70kgトーナメント準決勝 5分3R〇カミル・マゴメドフ(バーレーン)18勝4敗[判定2-1]×ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)15勝9敗
1R、ともにオーソドックス構え。右ハイを突くマゴメドフは低いダブルレッグからからドライブして金網に詰めてボディロックで崩してバックへ。送り手をコントロールしてリアネイキドチョーク狙いからマウント狙い。
その際で足を戻したナンディンエルデンはフルガードに入れる。クローズドにしたナンディンエルデンに中腰からパウンドのマゴメドフはいったん上体を離して足をさばこうとするが足を戻すナンディンエルデン。
2R、慎重な展開。オーソから左ミドルのマゴメドフに、ヒザを突き、左ミドルを返すナンディンエルデンだが、2発目を掴んだマゴメドフがテイクダウン。サイドを奪うとマウントも、ここも足を戻したナンディンエルデンが立ち上がり、右ストレートで詰めてゴング。
3R、右の後ろ廻し蹴りを放つマゴメドフは左差しも突き放して詰めるナンディンエルデンの左右に組んで引き込んだマゴメドフ。いったん蹴り上げでナンディンエルデンはの身体が離れるも立ち上がりをしないマゴメドフは疲弊か。腕十字狙い。クローズドに入れるが、ナンディンエルデンは離れてスタンドを要求。
ワンツーも軸がブレるマゴメドフ。ダブルレッグから引き込み。再三、手首を掴んで腰を切り頭にかけて腕十字狙いも深く組ませないナンディンエルデンは飛び込んでのパウンド。マゴメドフが左足を手繰りうつ伏せで足関節狙いもゴング。
判定は2-1で前半を優位に進めたマゴメドフが勝利した。
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▼70kgトーナメント準決勝 5分3R〇アルトゥル・ソロヴィエフ(ロシア)14勝6敗[1R ギロチンチョーク]×シン・ドンガク(韓国)6勝7敗
1R、ともにオーソドックス構え。中央を取るソロヴィエフは右ロー。金網に詰まり前蹴りのドンガクを掴んで崩したソロヴィエフだが、ドンガクの下からの足の手繰りに離れる。
ドンガクのワンツースリーフォーをバックステップでかわすソロヴィエフ。右の後ろ蹴り、右カーフを当てて、ドンガクがシングルレッグに来たところにノーアームギロチンチョーク! ネックロックのように捻りを失神させた。
この結果、70kgトーナメント決勝はマゴメドフvs.ソロヴィエフとなった。
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▼ROAD FCアトム級王座決定戦 5分3R〇パク・ジョンウン(韓国)10勝7敗1分[1R TKO]×アコ(日本)0勝1敗
当初、シン・ユジン(3勝無敗)と対戦予定だったパク・ジョンウン。ユジンの負傷欠場により、日本のアコと対戦に変更。アコは今回がプロMMAデビュー戦だという。“リトルウルフ”ジョンウンは、2023年5月のDEEP JEWELSでの須田萌里戦以来の試合。須田に1R、右ストレートからのパウンドでTKO勝ち後、2024年3月にHIMEと対戦予定もジョンウンが負傷欠場し、キャンセルされていた。
1R、サウスポー構えのアコは左インローから。オーソのジョンウンは右ストレートでダウンを奪うと立つアコにワンツーで金網に詰めて右ハイ。さらに左右ラッシュで金網背に防戦一方となったところでレフェリーが間に入った。