キックボクシング
レポート

【FIGHT CLUB】YURAが木村ケルベロスにダウンを奪われながらも逆転KO、YA-MANは「僕はやってもいいですけどね」、阿部大治と山口裕人は判定勝ち

2024/10/06 03:10
FIGHT CLUB.22024年10月5日(土)会場非公開 ▼第6試合 -65kg契約 3分3R×木村”ケルベロス”颯太(心将塾/第3代DEEP☆KICK-65kg王者)KO 3R 0分14秒 ※左フック〇YURA(ダイアタイガージム/RISEスーパーライト級10位)  木村は「ウルトラマンに憧れ、戦いごっこの延長でキックを始めた」という個性派。2021年11月のDEEP☆KICKでトーナメントを制してDEEP☆KICK-65kg王座に就くと、2022年2月の『RISE FIGHT CLUB』に参戦。山口侑馬にオープンフィンガーグローブマッチで判定勝ちして名を上げた。2023年4月のRIZIN大阪大会では進撃の祐基にTKO勝ち、5月のRIZINでは城戸康裕からダウンを奪って勝利する大金星。2023年11月の『FIGHT CLUB』にはYA-MAN軍団の一員として参戦し、記者会見で朝倉未来に詰め寄られたことが大きな話題に。試合では白川陸斗と時間切れ引き分けとなった。2024年1月にチャッピー吉沼に判定勝ちして以来の試合となる。戦績は14勝(4KO)4敗2分。  YURAはK-1甲子園準優勝、第4代IKCウェルター級王座、初代ジャパンカップ同級王座、突破70㎏以下級王座、RKSウェルター級王座を獲得。「一番手っ取り早く有名になるため」の手段としてBreakingDown出場を選び、2023年5月から出場。これまで3勝2敗の戦績を残し、2024年2月には西谷大成にもKO勝ちしている。2023年12月の『RISE WEST』に出場し、ねぎ魔神とダウン応酬の末に判定勝ちしてRISEミドル級15位にランキング入り。2024年3月には9位のKENTAからも勝利を奪い現在は10位に。プロ戦績は13勝(5KO)無敗だが、2024年5月のBreakingDownライト級トーナメント準決勝で山本隆寛に敗れた。  1R、YURAがジャブを突くと木村は右ロー。YURAも右カーフを蹴る。YURAは左ミドル、木村は右ロー。スピードのあるワンツーを繰り出すYURAだが、木村もかわす。危険な右の交差があり、YURAの鋭いワンツーがヒット。しかし、木村は下がらずジリジリと前に出る。コーナーを背負ったYURAに木村が打ちに行き、打ち合いになったところで木村が右ストレートでダウンを奪う。立ち上がるとジャブ、ワンツーを打つYURA。  2R、YURAが飛び込んでのワンツーをヒットさせるとさらにワンツーで畳みかける。木村はそこで下がらず右で打ち合う。YURAは左ミドルを蹴っての右ストレート。YURAのワンツーが木村を捉えるが、木村は退かない。木村も右カーフから右ストレートで逆襲。YURAはワンツーを打ち、木村が右ローを蹴ってきたところに右ストレートを打ち抜いてダウンを奪う。YURAの右ストレート、左フックヒットすると木村も打ち合うが、右ストレートで2度目のダウンを奪われる。  3R始まってすぐ、出てきた木村にYURAが右ストレートを打ち抜き、木村が打ち合おうとしたところへ左フックを打ち抜いて木村が豪快にダウン。レフェリーが即座にストップした。  YURAはマイクを持つと「いまプロでやりながらBreakingDownに出させてもらっていて。BreakingDownに出ていてプロでやっていけるのかって言われているんですけれど、このままRISEで65kgで王者になりたいと思っているのでよろしくお願いします」と話した。  これに解説を務めていたYA-MANは「全然、僕はやってもいいですけどね。今の試合見て一番強いと思いましたね。やるならYURA選手になるんじゃないですかね」と、自分が保持するRISE OFGM -65kg級王座への挑戦を受けると断言した。 [nextpage] ▼第5試合 -84kg契約 3分3R×コントゥアラーイ・JMボクシングジム(タイ/JMボクシングジム/IMSA世界ヘビー級王者)判定0-3 ※28-29、28-30、27-30〇阿部大治(日本/フリー/第10代DEEPウェルター級王者、第11代ウェルター級キング・オブ・パンクラシスト)  コントゥアラーイは「タイ最凶ファイター」と称され、ボクシング、オープンフィンガーグローブムエタイで王座を獲得。2023年4月の『SukWanchai MuayThai Super Fight』では実方宏介に2RでKO勝利を飾り、IMSA世界ヘビー級王座に輝いている。「第2代RISEライトヘビー級(?90kg)王座決定トーナメントでは決勝へ進出するも南原健太にKO負け。この試合は2023年RISE年間表彰式でExtreme Fight賞に選ばれた。  PANCRASE王者からUFC、ONEを経験した阿部は、MMA13勝8敗。2020年8月にDEEPに初参戦すると佐藤洋一郎にスプリット判定勝ち。渡辺悠太に初回TKO勝ち後、2021年2月にレッツ豪太にTKO勝ちでDEEPウェルター級暫定王者に就くと、RIZINに参戦。初戦でライト級でアキラに一本負け後、ウェルター級でストラッサー起一、マルキーニョス、田村ヒビキを相手に3連勝。  DEEPに戻り、鈴木槙吾に2R ギロチンチョークを極められ王座陥落。2023年7月にはRIZINでイゴール・タナベに1R ヒールフックを極められ連敗。2024年2月の前戦『RIZIN LANDMARK 8』で押忍マン洸太に1R KO勝ちで再起を遂げたのも束の間、DEEPで嶋田伊吹にリアネイキドチョークで敗れた。元々はキックボクサーで2014年にJ-NETWORK初代ライトヘビー級王座に就き、10勝(7KO)4敗の好戦績を残している。キックボクシングの試合は2014年8月以来。  コントゥアラーイは86.55kgと契約体重をパスすることが出来ず。実行委員会と両選手サイドで話し合いがもたれた結果、通常通り勝敗をつける事で両者合意となり、コントゥアラーイは減点2からのスタート、ファイトマネーの50%を没収の条件付きで試合が実施されることとなった。  1R、コントゥアラーイは左フックから右フック、阿部はそこに右フックを合わせようとする。阿部の右カーフに大きく足が流れるコントゥアラーイだが、右ローを蹴り返す。コントゥアラーイが左ミドル、左を打とうとすると阿部が右フックで出鼻を挫く。コントゥアラーイはローを蹴ってからパンチというパターンが阿部に読まれている様子。  2R、阿部はミドルを蹴ってのフックを多用。阿部の右カーフでコントゥアラーイは大きくバランスを崩す。コントゥアラーイは左ミドル当てるが、パンチは届かない展開が続く。  3R、コントゥアラーイは大きな右フックを振って来る。阿部は飛びヒザを見せた。阿部は右ミドル、コントゥアラーイが入って来ると右フック。阿部はスイッチしてのストレート、左右ミドルを蹴る。このラウンドは両者とも手数が少なかった。  判定は3-0で阿部が勝利。「10年ぶりに立ち技のリングで試合をしました。ちょっと固い試合を見せちゃったのですぐにまた練習してすぐ戦えるようにするので、FIGHT CLUBがあったらまた呼んでください」とマイクで語った。 [nextpage] ▼第4試合 -67.5kg契約 3分3R〇山口裕人(道化倶楽部/WPMF世界スーパーライト級暫定王者)判定3-0 ※29-27×2、30-26×安彦考真(Y.S.C.C.横浜)  山口は関西キックボクシング界を代表する激闘派ハードパンチャーで、大阪でプロデビューから8連勝。中央進出後は木村ミノル、東本央貴などに勝利。WPMF世界スーパーライト級暫定王座、WBCムエタイ日本同級王座、INNOVATION同級王座、DEEP☆KICK 63kg級&65kg級王座、WPMF世界スーパーライト級暫定王座など数々のタイトルを獲得している。  2021年5月にRISE初のOFGマッチに志願し、以後はOFGマッチに専念。稲石竜弥、東修平、タリソン"Crazy Cyclone"フェレイラに勝利し、YA-MANとは初代RISEオープンフィンガーグローブマッチ -65kg級王者決定戦を争ったがKO負け。2023年11月の『FIGHT CLUB』では西谷大成にまさかのKO負け、2024年6月には伊藤澄哉に敗れ3連続KO負け中。戦績は28勝(18KO)22敗1分。  安彦は2017年に全ての仕事を辞して若き頃に断念したJリーガーを目指し「年俸120円のJリーガー」として話題となったが2020年にはJリーガーを引退。その後格闘家に転身し、2022年2月のプロデビュー戦では元西武ライオンズの投手・相内誠を初回KOで下すと、6月にはYO UEDAを2R KOでリングに沈めた。10月にはスイスに渡り試合を行うもダウンの応酬の末に引き分けている。2023年3月はKENTAに初黒星、11月の『FIGHT CLUB』でOFGマッチに挑戦したが前口太尊にTKO負け。2024年6月、西田祥をKOして再起すると次はOFGマッチで強敵を用意してほしいとアピールしていた。戦績は3勝(3KO)2敗1分。  1R、山口はいきなりバックハンドブロー。安彦は山口が前進してくるとジャブ。安彦は独特な動きからジャブを出し、左ハイも蹴る。山口は左フックをヒットさせ、大きな左右フックとアッパーを振り回す。安彦はボディにヒザを突き刺す。それでも山口は前に出るのを止めずに左右フックを振り回す。安彦のヒザにもお構いなしだ。山口の左フック、右ボディで安彦の動きが止まる。  2R、安彦はバックハンドブローを放ち、空振りするとそのまま左ミドルを蹴る。安彦が組んできたところに山口が強引にバックハンドブローを打ち、ここでバッティングになって両者出血。ドクターチェック後、またもバックハンドブローを放つ安彦。ハイキックも蹴る。山口は突進して今度はローを蹴り、ボディを打つ。安彦はヒザで迎え撃つ。蹴られても構わず前へ出て来る山口。安彦がヒザからバックハンドブロー、山口は左右ボディ。  3Rもよく動く安彦だが、右フックに行ったところで山口のバックハンドブローをもらってダウン。山口はもう一回転し、左フックで安彦をダウンさせるがこれは/るっぷ判定。すると山口は飛びヒザ蹴り。フルスイングの山口に安彦はヒザを突き上げるが、ダメージで転倒を繰り返す。山口の右フックと安彦のバックハンドブローが相打ちになって両者とも転倒する。コーナーへ詰めての連打を見舞う山口だが、安彦は倒れずジャブ、バックハンドブロー、ヒザ。  山口を相手にフルラウンド戦った安彦だが、判定は3-0で山口の勝利。安彦は号泣する。「ヤバい、足が折れたかも」とつぶやく。  山口はマイクを持つと「安彦さんに拍手をお願いします。あのおっさん凄いわ。最後KOにして欲しかったな。足痛いし。煽りにもあったように僕は詐欺でお金ほぼなくなってしまって。全部なくなってしまったので格闘技に全集中します。今年32なので年数もちょっとしか出来ないんですけれど、ここで思いっきり格闘技に集中して強くなります。毎日走ります」と、格闘技に集中していくと誓った。 [nextpage] ▼第3試合 -55kg契約 3分3R〇塚本望夢(team Bonds/初代DEEP☆KICK-51kg王者、RISEフライ級3位)判定3-0 ※29-28、30-28、30-27×伊東龍也(HAYATO GYM/RISEバンタム級10位)  塚本はジュニアキック出身で、2021年7月のDEEP☆KICKでプロデビュー。11月から行われたDEEP☆KICK -51kg初代王座決定トーナメントで初代王座に就いた。2022年4月の「RISE初代フライ級王座決定トーナメント」では1回戦で数島大陸とダウンの奪い合いの末に判定負けで初黒星。2023年2月の「RISE NEW WARRIORSフライ級トーナメント」では決勝へ進出するも松本天志にTKO負け。  7月の大阪大会では山川敏弘を右バックブローでリングに沈め再起を果たし、10月には酒井柚樹に判定勝ち。2024年6月、ジュニア時代を含めて過去2勝している那須川龍心にリベンジを許した。9月の弾丸風太戦では1Rわずか43秒でKO勝ち。戦績は11勝(4KO)4敗。かねてからOFGマッチに興味を示しており、今回初参戦。  伊東は空手出身で2021年8月に『Stand up』でプロデビュー。Stand up King of Rookie 2022 -55kg級で優勝。2022年5月よりRISEに出場し、2024年3月の7戦目で松下武蔵に延長戦の末に初黒星を喫したが、7月に福井萌矢を破り再起した。戦績は7勝(3KO)1敗のホープ。  1R、塚本が前蹴り、サウスポーの伊東は右ロー。いきなり飛び込んで打ち下ろしの左フックを当てる塚本はハイキックも蹴る。伊東の左ストレートで塚本は尻もち。塚本は前蹴りをキャッチされると、すかさずバックハンドブローを放つ。軽快なフットワークで動く塚本は、ジャンプしてのパンチ。  2R、塚本は顔面前蹴り、掛け蹴り、右ハイと蹴りを多用し、伊東が入って来ると右フックを合わせる。打ち合うと見せかけて飛びヒザを放つ塚本。伊東はキャッチして投げる。よく動く塚本を詰め切れない伊東。追って行くと塚本のハイキックが飛んでくる。伊東が打ちに行くと塚本はスピードを活かして離れていく。  3R、左右に動いて的を絞らせない塚本。さらにスイッチも使う。フットワークと蹴り技で伊東を近づけさせない塚本は、伊東の左カーフを蹴る。伊東のパンチは空を切り続ける。塚本が左ミドル、左ロー。伊東は左右フックを放って前へ出るが塚本のスピードに追いつけない。  判定3-0で勝利した塚本は「せっかくのFIGHT CLUBなのに倒せなくてすいません。でも自分の中では2階級上の選手だったのでもらわずにしっかり完封できたと思っています。ここ2試合組まれたやつ勝ったので、12月のRISEへ向けて頑張ります」と語った。 [nextpage] ▼第2試合 無差別級 3分3R〇MAX吉田(TEAM岡見/HASEGAWAサーカス団)KO 2R 2分06秒×佐藤光留(パンクラスMISSION/世界ジュニアヘビー級王者、KO-D無差別級王者)  MAX吉田はキックボクシング、柔術、MMA、プロレスと様々な舞台に挑戦。第9代インターナショナルマーシャルアーツ王者の肩書きを持つ。2021年6月にシュートボクシングで坂本優起に初回TKO負け、2022年7月にRISEに初参戦してカリュ・ギブレインを相手に奮闘するも判定負け、2023年5月のミヤギン戦と2024年5月の武中秀武ではKO負けを喫している。戦績は4敗。BreakingDownのオーディションに2度参加し、スパーリングでKO勝ちも本戦出場ならず。  佐藤は相撲、レスリングを経てパンクラスに入門。2000年2月にデビューした。2008年5月からはプロレスラーとしても活動。今回初めてキックボクシングに挑戦する。  1R、左ローを蹴る佐藤に吉田は前へ出ながら左右フック。フックとアッパーを繰り出す吉田が左フックをヒットさせる。右へ回り込む佐藤は左オーバーハンドを打つが、吉田が頭を抑えながらのアッパー。オーバーハンドの左右フックを打つ佐藤。吉田は前に出ながらのジャブ、右フック。頭を下げながら入って来る佐藤に、吉田は頭を上から抑えながらのアッパー。  2R、吉田は左前蹴りを連発しておいてのワンツー。佐藤の左フックを空振りさせたところで吉田が前に出ての左、そして右ストレートを入れてダウンを奪う。吉田は左ミドルから左右の連打、さらに左三日月蹴りから左右フック、ヒザで佐藤をコーナーへ追い込む。吉田は前蹴りを入れてから右アッパーを突き上げてKO勝利。  キックボクシング初勝利をあげた吉田は「これが薬も何も使ってねえナチュラルな身体だ! まずは新宿近辺から制覇していくので、あと後楽園。そしてスーパーアリーナ行くのでよろしくお願いします」とここから成り上がって行くとアピールした。 [nextpage] ▼第1試合 -60kg契約 3分3R×田上健太(フリー)KO 2R 1分10秒 ※右フック〇SAIGO(TARGET SHIBUYA)  1R、サウスポーのSAIGOは開始と同時に前へ出てきた田上に飛びヒザ蹴り。右フックで仕掛ける田上に、SAIGOはかわしながら右フックを叩き込む。田上の眉間から出血があり、ドクターチェック。再開後、SAIGOは左ボディストレートを狙い撃ち。左右フックを打って田上が打ち返そうとすると下がる。コーナーを背負った田上にSAIGOが左フックからラッシュを仕掛け、左フックでダウンを奪う。  2R、飛び込んでの左右フックを振り回していく田上だが、SAIGOは距離を保って戦う。SAIGOはロープを背負った田上に左ストレートを叩き込んでダウンを追加。そして右アッパーからの左ストレート、右フックでSAIGOがダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。  SAIGOは「盛り上がりに欠ける試合をしてしまったかもしれませんが、KO勝利出来ました。最高です。僕、大学を卒業して普通にサラリーマンをやっていたんですけれども、人生変えたいと思ってキックボクシングの世界に入り込みました。会社も辞めて脱サラして格闘技に集中しています。今年28歳になるんですけれど、若い年ではないと思いますけれども年齢なんか関係なく、自分がこうなりたいと強く思えば必ず自分の道は切り開けて行けることをこれからも身体ひとつで証明していきたいと思います」と語った。
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