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【K-1】K-JeeがバンナをハイキックでKO、ジマーマンがレジェンドの意地見せKO勝ち、カリミアンvs.イストラテはまたも因縁残る結末に、谷川聖哉が圧倒的体格差を克服ならず、小田尋久がコプリヴレンスキーを相手に大奮闘!ピケオーがシルバに延長戦で勝利、和島大海が復活のKO勝ち、フェルドンクがアカピャンとのタフファイト制す、SAHOがバルトに大差の判定勝ち

2024/10/05 11:10
K-1 WORLD GP 20242024年10月5日(土)エディオンアリーナ大阪※ABEMAプレミアム ▼第18試合 K-1 WORLD GP 2024無差別級アジア予選 3分3R延長1R×ジェロム・レ・バンナ(フランス/Le Banner X tream Team)KO 1R 1分26秒 ※右ハイキック〇K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning/第2代K-1 WORLD GPクルーザー級王者)  バンナは「K-1番長」「ハイパー・バトルサイボーグ」と呼ばれ、旧K-1時代にはピーター・アーツ、アーネスト・ホースト、マイク・ベルナルド、アンディ・フグらとライバル争いをしてきたK-1レジェンド。1995年にK-1初参戦で、いきなりWGP準優勝。2000年には極真空手世界王者のフランシスコ・フィリォを左ストレート一撃でマットへ沈め、「千年に一度のKO」と評価された。2002年にはK-1 WGPで準優勝し、「無冠の帝王」と呼ばれることもあった。  旧K-1消滅後は『GLORY』『HEAT』などに参戦、2023年8月には『BreakingDown』に出場し、キム・ジェフンを一蹴した。また、MMAとの二刀流で試合を行うこともあり、安田忠夫、秋山成勲、石井慧、ロッキー・マルティネスらと対戦。7勝3敗の戦績を残している。直近では2024年6月に『KNUCKLE'S 16』のキックルールで金枝勇気を右フックで2R KOで下し、健在ぶりを証明したばかりだ。K-1のリングに上がるのは2010年10月以来、新生K-1のリングは初となる。  レジェンドを迎え撃つK-Jeeは福岡を拠点として2019年には初代Krushクルーザー級王座決定トーナメントで3試合ともKOして初代王座に就いた(同王座は返上)。2020年12月の福岡大会でK-1同級王者シナ・カリミアンに挑戦し、1R1分54秒の速攻勝負でTKO勝ち。第2代王座に就いたが、2021年3月の再戦でカリミアンに王座奪還を許した。2022年4月のK-1無差別級トーナメントでは1回戦でムハマード・サッタリにKO負けを喫し、8月大会では谷川聖哉に判定負け。11カ月ぶりの復帰戦となった7月大会ではステファン・ラテスクにKO負け、2023年9月には上田幹雄にKO負け、2024年3月のイタリア遠征でも敗れ5連敗中。戦績は21勝(18KO)16敗。  1R、サウスポーのバンナはワンツー、K-Jeeは前蹴り、左ロー。左へ回り込んでいくK-Jeeにバンナが左ローを見舞う。K-Jeeは左ロー、左フック、右ミドル。バンナも左ミドルを蹴る。  K-Jeeは左ボディから左右フックでバンナを下がらせ、ロープに詰まったところで右ハイキック。バンナはバッタリと倒れ、そのままKO負け。K-Jeeが見事伝説を打ち破り、アジア予選を勝ち抜いたただ一人の日本人選手となった。バンナは担架で運ばれた。 [nextpage] ▼第17試合 K-1 WORLD GP 2024無差別級アジア予選 3分3R延長1R〇エロール・ジマーマン(オランダ)KO 3R 1分10秒 ※右フック×山口翔大(GENESIS)  ジマーマンは2008年4月のK-1 WORLD GPアムステルダム大会での予選トーナメントで優勝し、9月の『K-1 WORLD GP 2008 FINAL16』に初出場。グラウベ・フェイトーザから2度のダウンを奪って勝利し、一躍注目を集める。12月のFINALではエヴェルトン・テイシェイラからもダウンを奪って勝利、準決勝ではバダ・ハリとダウン応酬の激闘を演じるも逆転KO負けを喫した。その後はK-1ヘビー級の主力選手の一人となり、“エロジマン”のニックネームでファンに親しまれた。  現在38歳になっても現役を続け、2024年6月13日にルーマニア・ガラツィにて開催された『K-1 FIGHTING NETWORK ROMANIA 2024』でK-1にカムバック。メインイベントでギリシャのマイク・カラマスケタスと対戦し、右ローキックで戦意喪失に追い込んで初回TKO勝ちを収めている。戦績は90勝(51KO)28敗。日本のK-1出場は2010年12月以来。  山口は空手をバックボーンに持ち、白蓮会館の全日本大会で5度優勝。300超の流派・団体が加盟するJFKO全日本大会では、2018年と2019年の重量級を連覇。2019年には新極真会の世界大会の日本代表に選ばれ、世界の強豪と戦った。2022年に白蓮会館を退会し、キックボクシングに挑戦。2022年9月にKrushへ参戦して木村太地から判定勝ち。12月にK-1のリングで佐野勇海をKO、2023年4月にKrushでANIMAL☆KOJIから判定勝利、12月には星龍之介をKOで下した。2024年7月のホーストカップで入田和樹から判定勝ちし、戦績を7勝(3KO)無敗とした。  1R、右ローの蹴り合いからジマーマンが左右フックで前へ出る。山口が顔面がガードを固めて前へ出る。山口が右カーフ、コーナーへ詰まったジマーマンへ山口は与座キック。さらに山口はジマーマンの腕をつかんで右ローを連打。ジマーマンは右ヒザ、右フックで対抗するが、山口の右カーフをもらうとガクッとなる。それでもジマーマンはボディへのパンチとヒザで反撃。  2Rも顔面ガードを固めて前へ出ていく山口。ジマーマンは左足を蹴られないようにサウスポーに構える。山口は左ミドルからワンツー、ジマーマンをコーナーへ詰めて左右の連打。ジマーマンはヒザを突き上げる。さらに左アッパー、右ボディ。ジマーマンの右アッパーに山口が右フックを返すと、ジマーマンが大きくバランスを崩す。大歓声に包まれる場内。同体で倒れた後、山口は胴廻し回転蹴り。その直後のジマーマンの飛びヒザ蹴りに山口は後ろ回し蹴り。  3R、山口が突進し、ロープから上体が飛び出てしまう。リングに戻って試合再開した直後、ジマーマンが高く飛んでの飛びヒザ蹴りで山口が倒れ、ダウンを奪われる。山口の右ローにジマーマンは右ハイ。ジマーマンはローのダメージが明らかだが、山口に右アッパーからの右フックを見舞ってKO勝ち。ジマーマンがレジェンドの意地を見せた。 [nextpage] ▼第16試合 K-1 WORLD GP 2024無差別級アジア予選 3分3R延長1Rシナ・カリミアン(イラン/SINA ARMY/初代・第3代K-1 WORLD GPクルーザー級王者)※結果保留クラウディオ・イストラテ(ルーマニア/K-1 30周年記念無差別級トーナメント準優勝)  カリミアンはアマチュアムエタイで活躍後、2018年9月の「K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント」に初来日。トーナメントを制して初代王者となった。同王座は2020年12月の3度目の防衛戦でK-Jeeに敗れて手放したが、2021年3月のダイレクトリマッチでK-JeeをKOし、王座を奪還。その後は、反則勝ちも含めて5連勝。2023年9月の「K-1 30周年記念無差別級トーナメント」では1回戦でKO勝利も準決勝でクラウディオ・イストラテに敗れる。2024年3月、初防衛戦でリュウ・ツァーにKO負けを喫し、王座を手放した。200cm、90kg。戦績は16勝(8KO)4敗。  イストラテはルーマニア出身でイタリア在住のISKAヨーロッパ・ヘビー級王者。ガードが固く、攻撃は大胆に突進するのが持ち味。2023年9月のK-1に初来日し、「K-1 30周年記念無差別級トーナメント」の1回戦でマハムード・サッタリを初回KO、準決勝でシナ・カリミアンに判定勝ちで決勝へ進出したがリュウ・ツァーに初回KO負けで優勝を逃した。2024年6月にはサラエボで行われた「K-1無差別級東欧予選トーナメント」に出場したが、1回戦で試合放棄による負け。9月には『巌流島VIRTUAL SURVIVAL2』に出場し、三上ヘンリー大智に判定負けしている。187cm、110kg。  前述の通り、両者は2023年9月の「K-1 30周年記念無差別級トーナメント」準決勝で対戦し、1Rにイストラテが先制のダウンを奪い、2Rになるとカリミアンのパンチが後頭部に当たった、カリミアンの蹴りがローブローになったとイストラテがアピール。長い中断もあり、ラウンド終了のゴングが鳴ってレフェリーが両者を分けようとしたところでカリミアンの左フックがレフェリーにヒットしてしまい、レフェリーがダウンするという場面も。  協議の結果、カリミアンは反則が多いため減点1のイエローカード。その後もローブローで中断するなど荒れた展開となってイストラテが判定勝ちしたが、カリミアンは「何度見てもスタミナが無いし、言い訳ばかりだし、金的を蹴られたふりや、マウスピースを口から出して時間稼ぎする選手だと思っています」とイストラテを酷評。因縁が残る一戦となっていた。  1R、カリミアンは右ローを狙い撃ち、イストラテは前に出ると右フックを振る。ロープを背負ったカリミアンにイストラテは左右フックを見舞う。イストラテのフックをかわそうと下がったところへ左フックをもらい、ダウンするカリミアン。  立ち上がったカリミアンがイストラテにクリンチするとイストラテが右フック。これが後頭部に当たってしまいカリミアンはダウン。場内からは「あ~」と大きなため息。  長い時間様子が見られていたが、カリミアンが続行不可能で試合終了。カリミアンは担架で運ばれた。審判団からは、クリンチ後のイストラテの行為によりカリミアンは医学上試合を続けることが出来ないとの判断。この行為をどう判断するかは協議がまとまらず、結果は保留。後日、協議のうえ結果が発表されることになった。  手を挙げて自分の勝利をアピールするイストラテには、場内から大きな拍手が沸き起こった。 [nextpage] ▼第15試合 K-1 WORLD GP 2024無差別級アジア予選 3分3R延長1R×谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定0-3 ※28-30×2、27-30〇クォン・ジャンウォン(韓国/Cheonghak Muaythai Gym))  谷川は空手で第1回&第3回真正会全日本選手権大会重量級優勝など数多くの実績を残し、2017年5月にキックボクシングでプロデビュー。2020年3月よりK-1 GROUPに参戦すると2021年7月の「第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメント」では決勝へ進出するもサッタリにKO負けで王座戴冠ならず。2022年4月の「K-1無差別級トーナメント」でも決勝進出を果たしたがサッタリにKOで敗れた。8月にはK-Jeeとのクルーザー級日本最強決定戦で勝利も2023年12月にリュウ・ツァーにKO負け。ミドル級まで階級を下げて臨んだ2024年3月の「初代Krushミドル級王座決定トーナメント」では準決勝でブハリ亜輝留に敗れた。8月にはクルーザー級に戻り、RUIを初回KO。戦績は12勝(5KO)9敗1分。  ジャンウォンは元MAX FCヘビー級王者で、秋山成勲がK-1 KOREAから送り込んできた、体重128kgの韓国ヘビー級の怪物。一撃で倒しにいくスタイルではなくムエタイにも精通し、ローからミドルキック、そしてパンチからヒザ蹴りと流れるようなコンビネーションを得意とするテクニシャンタイプだ。2024年3月にK-1に初来日、安藤優介を右のパンチを合わせて初回KO勝ちを飾った。戦績は17勝(13KO)2敗。  1R、谷川は距離を詰められると胴をホールディングして動きを封じる。左ハイキックを放つ谷川は右クロスもヒットさせるが、ジャンウォンはものともせず前へ出る。谷川の後ろ蹴りを前蹴りで迎え撃ったジャンウォンだが、ローブローとなってしまい一時中断。  再開後、前に出るジャンウォンが右ロー、谷川が右を打ち返そうとしたところへジャンウォンが右ストレートでダウンを奪う。ジャンウォンの右ローで谷川は転倒。ジャンウォンが前に出てくるところへ右のカウンターを合わせて組みつくが、ホールディングで警告が出る。再開後、谷川は強い右ロー。組みつく谷川にジャンウォンはヒザを突き上げる。  2R、ジャンウォンが前に出てくると谷川は組みつく。その際にバッティングとなってしまい一時中断。再開後、前に出るジャンウォンが右ロー、谷川は前に出てくるジャンウォンに背中を見せてしまう。それでも谷川が左右フック、右ロー。両者にホールディングの警告が与えられる。谷川は右ローを強打していき、ジャンウォンも右ローを帰り返す。谷川はさらに左三日月。  3R、右ローを蹴る谷川は与座キックも繰り出す。さらにクリンチから離れ際に右フック。右ローを蹴って組みつく谷川。右オーバーハンド、さらに左フックをヒットさせる谷川。疲れが見えるジャンウォンに谷川は右ロー。ジャンウォンも前に出て手を出す。  圧倒的な体格差に挑んだ谷川だったが、判定は3-0でジャンウォンの勝利に。ジャンウォンが決勝トーナメントへ進出した。 [nextpage] ▼第14試合 スーパーファイト K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R〇ストーヤン・コプリヴレンスキー(ブルガリア/Mike's Gym/K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント優勝延長R 判定2-1 ※10-9×2、9-10×小田尋久(TEAM3K/Krushスーパー・ウェルター級王者)※本戦の判定は28-28×3。  コプリヴレンスキーは元GLORYライト級(-70kg)2位の強豪で、17年には現GLORY世界ライト級王者のティジャニ・ベズタティに勝利している。22年12月に初来日し、RISEのリングでシュートボクシング王者の海人と対戦し接戦となった。オランダの名門Mike's Gymで激しい練習を積み、24年3月のK-1WORLD MAX-70kg世界最強決定トーナメント開幕戦ではカスペル・ムシンスキと対戦し判定負けも、代役で準々決勝に出場するとブアカーオ・バンチャメークからダウンを奪い判定勝ち。準決勝はデング・シルバを下し、決勝はヴィクトル・アキモフをKOして世界一に輝いた。  小田はフルコンタクト空手出身で、2021年11月にプロデビュー。“マッスルタンク”のニックネーム通りのムキムキボディの持ち主で、空手の蹴り技にプラスしてパンチの強打を持つ。Krushには23年2月の夜叉猿戦で初参戦し、判定勝利。8月に山崎陽一からKO勝ちを収めるも、11月にフランスで初黒星。24年2月はKNOCK OUで中島弘貴から判定勝ちで再起すると、5月は第5代Krushスーパー・ウェルター級トーナメント準決勝で森田奈男樹をKOし、8月の決勝で璃久を破って同級王座を獲得した。  1R、小田はガードを固めてコプリヴレンスキーのパンチを受け、左フックを返すとコプリヴレンスキーが下がる。前蹴り、右ストレートで距離を取ろうとするコプリヴレンスキーに小田は右ロー。小田はコプリヴレンスキーのフィジカルに全く引けを取らないところを見せた。  2R、小田は左右に構えをスイッチしながら右ミドル。距離を詰めて左フックを打つとコプリヴレンスキーはバックハンドブロー。スピードを上げたコプリヴレンスキーが左ハイ、右フック、もつれるとヒザを突き上げる。コプリヴレンスキーの多彩な攻撃に小田は右ローで対抗。コプリヴレンスキーは左ミドル、左ボディ。コプリヴレンスキーのバックハンドブローはヒジが当たってしまう。コプリヴレンスキーの攻撃にも下がらず前へ出る小田。コプリヴレンスキーの右ストレートに左ミドルを返す。  3R、小田が前に出てパンチを打って行く。コプリヴレンスキーは左ミドル。コプリヴレンスキーのハイキックに小田は後ろ回し蹴りを蹴り返す。しかし、コプリヴレンスキーの右ストレートがついにヒットし、小田がダウンを喫する。それでも小田は前に出るが、コプリヴレンスキーがアッパーからフック。コプリヴレンスキーの前蹴りを空振りさせ、小田が右フックでダウンを奪い返す。最後は打ち合いとなり、両者のパンチが交錯。  判定はドローで延長戦へ突入。コプリヴレンスキーがワンツーからのプッシュでバッティングになってしまい一時中断。再開後、コプリヴレンスキーは小田のローを空振りさせ自分は右ローを当てる。右ストレート、ショートの右フックを打つコプリヴレンスキー。ジャブを受けても下がらず右を打ち返す小田。コプリヴレンスキーはワンツーから飛びヒザの大技を出す。小田の前進を前蹴り連発で止めに行くコプリヴレンスキー。小田は最後までパンチを出しながら前へ出ていった。  判定は2-1と割れ、コプリヴレンスキーが辛勝。小田の奮闘が光る一戦となった。 [nextpage] ▼第13試合 K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R〇ジョーダン・ピケオー(オランダ/Mike's Gym/第4代Krushスーパー・ウェルター級王者)延長R 判定3-0 ※10-8×3×デング・シルバ(ブラジル/Squadron Thai Brasil/K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント第三位)※本戦の判定は29-30、30-30×2。  ピケオーは2015年5月に初来日し、佐藤嘉洋をKOして注目を集めた。同年7月の『K-1 WORLD GP -70kg初代王座決定トーナメント』では決勝でマラット・グレゴリアンに敗れるも、1回戦と準決勝はKO勝ちして準優勝。その後は日菜太、木村“フィリップ”ミノル、野杁正明といった国内強豪たちを軒並み撃破し、日本人相手に無敗を誇っていたが2020年3月に久保優太に判定負け。2016年4月に奪取したKrushスーパー・ウェルター級王座は5度の防衛に成功している。2023年3月、約3年ぶりの来日を果たし、アビラル・ヒマラヤン・チーターを3RでKO。7月には和島大海が保持していたK-1スーパー・ウェルター級王座に挑戦したが、2RにKOで敗れた。戦績は48勝(22KO)9敗1分。  シルバはブラジルMMA団体『SFT』のSFT COMBAT-70kg王者。“灼熱のビッグモスキート”と呼ばれ、キックとMMAの二刀流ファイターでもある。身長190cmとこの階級では高くリーチがあり、蹴りとパンチのバランスに長けている。38勝のうち24KOを記録し、打ち合いの中から繰り出されるハイキックは的確。「 -70㎏世界最強決定トーナメント」開幕戦では璃久に初回TKO勝ち、準々決勝ではダリル・フェルドンクに判定勝ち、準決勝でコプリヴレンスキーに判定で敗れ3位となった。戦績は41勝(25KO)5敗。  1R、右ミドルを蹴っていくピケオーにサウスポーのシルバは長いリーチからのワンツーを打って行く。ピケオーにロープを背負わせるとパンチの連打からヒザを突き上げる。しかし、ピケオーが身長差を感じさせない蹴りを多用した戦いぶりで上手く戦った。  2R、ピケオーが前に詰めていくとシルバが下がる。シルバはオーソドックスになると右のボディストレートを突き刺し、サウスポーに戻ると前蹴り。ピケオーは前に出て圧を懸けるが、シルバが左ミドル、ヒザと攻撃を当てていく。ピケオーの前進にヒザを合わせるシルバ。前蹴りでも突き放す。  3R、シルバの前蹴りに思い切って右を振って前に出るピケオー。コーナーに詰めたシルバへピケオーが右ボディストレート。さらに連打でシルバを追いつめるが、もつれて倒れた際にピケオーの足が耳に当たり、試合中断。再開後、前に出るピケオーが右ボディストレート。シルバは前蹴り、ピケオーが右ハイを蹴ると右ストレートを伸ばして当てる。前へ出るようになったシルバは右のパンチを放って行った。  判定はジャッジ1名がシルバを支持したがドロー。延長戦へ突入する。シルバは前へ出ての左ストレート、ヒザで勝負に出る。ピケオーは左右ロー、右ミドル。シルバが前へ出てくると右ストレートで押し戻すが、シルバはヒザで前へ出る。しかし、ピケオーの右ストレートがヒットし、バランスを崩したところでピケオーの左がもう一度ヒットし、音を立ててシルバが倒れダウンに。前へ出るピケオーが右フックを強打。シルバのジャブにもピケオーは右ストレートを返して当てる。  判定は3-0でピケオーが勝利。ピケオーはかめはめ波で勝利をアピールした。  ピケオーはマイクを持つと「今日の試合を楽しんでいただけましたか。あんなに背の高い選手と戦うのは初めてで苦戦しました。ただ、スピードは彼よりもあると思っていました。このリングに戻ってこれて本当に嬉しく思います。宣言通りKO出来なかったことをお詫びしますが、試合を楽しんでいただけたなら嬉しいです」と話した。 [nextpage] ▼第12試合 K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R〇和島大海(月心会チーム侍/第4代K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王者)KO 1R 1分19秒 ※左ヒザ蹴り×キム・ジュンファ(韓国/安養サムサン)  和島は第1回K-1アマチュア全日本大会優勝など、アマチュア大会で数々の実績を残して2016年7月にKrush初参戦。サウスポーから繰り出す破壊力十分のパンチと蹴りで2020年3月の第3代K-1スーパー・ウェルター級王者決定トーナメントでは準優勝。その後3連続KO勝ちを飾ると、2021年12月に木村“フィリップ”ミノルに挑戦して左ミドルでKO勝ち、K-1王座に就いた。2022年6月の『THE MATCH 2022』では“ブラックパンサー”ベイノアから3度のダウンを奪う圧勝を遂げ、9月はメレティス・カコウバヴァスを1RでTKO。2023年3月にはジョムトーンを延長戦でKOし、7月にはかつて敗れているジョーダン・ピケオーをもKOしてK-1では7連続KOを飾ったが、12月の3度目の防衛戦でオウヤン・フェンにKOで敗れて王座を失った。  今年3月のK-1 WORLD MAX一回戦でダリル・フェルドンクにKO負けを喫し、今回が再起戦となる。戦績は20勝(17KO)6敗。  ジュンファは、韓国のメジャー打撃格闘技大会『MAX FC』のウェルター級(-70kg)とミドル級(-75kg)の2階級を制し、IFMAアマチュア世界ライトヘビー(-81kg)王者にも輝いた。パンチの強打を武器に22勝のうち10KOと高い決定力を持っている。戦績は22勝(10KO)8敗1分。  1R開始すぐ、和島は左ミドルからの左インロー、ジュンファは大きくバランスを崩す。ジュンファは右フックを繰り出すが、和島は左ミドルを蹴っていく。ジャブと前蹴りで距離を作り、右へ回り込む和島。ジュンファが入ってくるとテンカオで迎え撃つ。  右フックを放って前へ出てくるジュンファへ和島が左の三日月蹴りでダウンを奪う。立ち上がったジュンファは再び左フックで前へ出ようとしたが、そこへ和島がカウンターの左テンカオをグサリ。ジュンファは悶絶して倒れ、和島がKO勝利で復活した。  和島はマイクを持つと「今日、本当に皆さんの応援もめちゃくちゃ聞こえましたし、いつも支えてくれているチームの皆さんとかスポンサーさんとかいつもありがとうございます。今日は勝てたんですけれど、和島大海これからだと思います。70kgでもう1回ベルトを獲るために頑張っていきたいと思います」と、王座奪還を目標にしていくと語った。 [nextpage] ▼第11試合 K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R〇ダリル・フェルドンク(オランダ/Fight Team Ringer)延長R 判定3-0 ※10-9×3×ゾーラ・アカピャン(アルメニア/Gridin Gym)  フェルドンクは“美しい人狼”と呼ばれているオランダの強豪ファイター。ヨーロッパのキックボクシング団体『Enfusion』の元ライト級(-70kg)王者で、K-1初参戦当時は11勝のうち7KOと高いKO率を持っていた。とくに左フックが強く、パンチの回転の速さで相手のガードを弾くパワーが持ち味。24年3月のK-1初参戦ではK-1 WORLD MAX最強決定トーナメント開幕戦で、和島大海をKOしてサプライズを起こした。続く7月の準々決勝はデング・シルバに判定負けを喫した。戦績は12勝(8KO)4敗。  アカピャンは、“悩殺の貴公子”がニックネームのイケメンファイター。ムキムキボディから放たれるパンチは破壊力があり、ヒザ蹴りへつなげて倒すテクニックも持ち合わせる。24年3月にK-1 WORLD MAX最強決定トーナメント開幕戦へ初出場すると、タラス・ナチュックから判定勝ち。続く7月のK-1 WORLD MAX最強決定トーナメント準々決勝はカスペル・ムシンスキと対戦するも判定負け。戦績は29勝(9KO)5敗。  1R、フェルドンクが左ミドルで先制、アカピャンも左ミドルを返す。前に出るアカピャンにフェルドンクワンツー、右フックからの右アッパー。アカピャンの強烈な右フックがヒットし、場内がどよめく。前に出るアカピャンは再び右フック、フェルドンクは右アッパーで対抗する。フェルドンクは4連打から右ロー、アカピャンは左フック。手数を出して攻めるフェルドンクに対し、アカピャンは右フックの一発を的確に当ててフェルドンクの首を捻じ曲げる。  2R、フェルドンクはパンチをアカピャンのガードの上にまとめ打ちし、右ローへつなげる。アカピャンはしっかりガードして左右のフックをヒットさせる。フェルドンクは左ミドルを2発蹴ると右ローも2発。アカピャンも負けじと左ボディ。フェルドンクは左の前蹴りも多用し、左ミドルにつなぐ。右ローにはアカピャンがバランスを崩すが、アカピャンが左右フックで前に出てロープを背負わせた。アカピャンの的確かつパワフルな攻撃が目立った。  3R、前に出るフェルドンクだがアカピャンは右フックで迎え撃つ。フェルドンクの右ローにアカピャンは左ボディ。ガードを固めるアカピャンにフェルドンクは声を上げながら左右ボディを強打。手数を出して前へ出るフェルドンクだが、一発の強い打撃を与えるのはアカピャンだ。  本戦は30-30×3でドロー。延長戦へ突入する。フェルドンクは左ローから右フック、さらに前へ出て左ミドルから左右フック。アカピャンはガードを固める。一発を狙っているのかほとんど手が出ないアカピャン。フェルドンクは左右ロー、ヒザ、右フックとどんどん手数を出していく。アカピャンのアッパーを空振りさせたフェルドンクが左フック。逆にフェルドンクの右フックをかわしたアカピャンが右フック。終盤はアカピャンがパンチをまとめて優勢に。  判定は3-0で手数の多かったフェルドンクの勝利となった。 [nextpage] ▼第10試合 スーパーファイト K-1女子フライ級 3分3R延長1R〇SAHO(闘神塾/K-1 WORLD GP女子フライ級王者)判定3-0 ※30-27×3、30-26×エリヴァン・バルト(トルコ/Dersim Kickboks)  SAHOは、超攻撃的なファイトスタイルでデビュー当初から注目を集め、キック・ムエタイルールでは4本のベルトを巻く。2021年12月にK-1初参戦し真優とのスーパーファイトで勝利。2022年6月、K-1女子大会でジェシンタ・オースティンと対戦し激しい打ち合いを展開するもダウンを奪われて敗北。2023年4月、Krush女子大会で韓国のイ・ドギョンから勝利を収め、7月は鈴木万李弥、12月にリー・リーシャンから判定勝利。2024年3月、アントニア・プリフティに挑戦して判定勝ちでK-1女子フライ級王座を奪取した。戦績は17勝(1KO)2敗。  バルトは2021年6月にウズベキスタンで開催されたWAKO国際キックボクシングトーナメントのシニア女子K-1部門で優勝、IFMA(国際アマチュアムエタイ連盟)でも優勝。今年3月にクロアチアで開催されたヨーロッパシニアボクシング選手権で金メダルを獲得し、2024年のフランス五輪出場を目指しているという。2021年9月のキックボクシングプロデビュー戦にてワンツーからの左ハイキックで相手を失神させ、その倒れ方が凄まじかったためSNSにてバズったことも。キックボクシング&ボクシングでアマチュア経験が抱負。2022年6月に来日し、高梨knuckle美穂に判定勝ち。来日当時は2勝(1KO)の戦績だったが現在は5勝(2KO)無敗。  1R、開始と同時に前へ出るSAHO。バルトも足を止めてパンチを繰り出す。バルトは右フックを再三繰り出し、その手を引っかけてクリンチに持ち込む。SAHOはワンツー、右ロー。SAHOの左フックでバルトが尻もちをつき、ダウンとなる。SAHOが左フック、バルトは右フックを繰り出してクリンチ。SAHOはスイッチしてサウスポーになると左ミドルを蹴る。  2Rはバルトが前へ出て左ボディ、左右フック、組みつくとヒザと積極的に攻めだす。SAHOは右ロー、右ミドル。SAHOが右ローを蹴るとバルトが後退。バルトの右フックにSAHOは左フックを被せに行く。右ローを蹴っていくSAHO。これで距離を作って右ストレート、左フックを打つがバルトが組みつく。ホールディングの警告が与えられた。  3R、SAHOが左ミドルを強打、さらに組んでくるバルトに左ボディ。バルトも左右の拳を出しながら前へ出るがSAHOのパワーに押される。SAHOが左右ボディを打つと組みつくバルト。SAHOの前進に下がり続けるバルト。カカト落としやワンツーを出すバルトだが空振りに終わった。 判定3-0でSAHOが王者としての第一戦に勝利した。 [nextpage] ▼第9試合 -1スーパー・ライト級 3分3R延長1R×林 健太(FLYSKY GYM/Tmile Gym/第3代K-1 WORLD GPライト級王者)KO 2R 1分36秒 ※3ノックダウン〇近藤拳成(TEAM3K)  1R、近藤はジャブを放って行き、林は顔面にもらってもお構いなく前へ出ていってコンビネーションを回転させる。林が左ボディでダウンを奪う。コーナーに詰められる近藤はワンツーと左フック、ヒザで応戦。林はヒザから右フックで2度目のダウンを追加。ジャブで詰める林だが林の右フックがカウンターで決まり、林が一瞬フラつく。  2Rが始まるとすぐに林が近藤をコーナーへ詰める。近藤はワンツーで反撃し、体を入れ替えると逆に左ボディを打つ。それでも前に出る林にワンツーがヒットし、今度は林がダウン。  近藤はロープを背負う林に連打を見舞いワンツーでダウンを追加。これで2度ずつのダウンとなり、近藤はさらに左右連打で畳みかける。一方的に打たれ、棒立ちとなったところでレフェリーがストップし、近藤のKO勝ちとなった。  マイクを持った近藤は「1年前、3月にKrushで自分が軽量オーバーしてしまって。そこから1年間大阪の団体で試合をさせてもらって、今日やっとK-1グループに戻ってこれてこういう試合で勝てたのはみんなの応援のおかげです。4年前にK-1に出て、結果出てなかったけれどこれで近藤兄弟復活ということで弟の応援もお願いします。これから絶対世界一を証明するので」とアピールした。 [nextpage] ▼第8試合 K-1フェザー級 3分3R延長1R×斗麗(WIZARDキックボクシングジム)KO 1R 1分11秒 ※左フック〇兼田将暉(RKS顕修塾)  1R、両者サウスポー。斗麗が一度下がってから左ヒザを出したところへ兼田が左フックを抜群のタイミングで合わせてダウンを奪う。  斗麗は前のめりにバッタリと倒れ、しばらく起き上がれないほどのダメージを負った。  兼田はマイクを持つと「僕は7月、寺田選手に負けて本当に3カ月怖かったんですけれど、何とかKOで勝てて嬉しいです。その寺田選手が王者になったので僕と軍司選手とかおもろくないですか。軍司選手今後どうなるか分からないですけど、軍司選手ができないのなら寺田選手とタイトルマッチでお願いします」と、軍司との対戦か寺田との再戦をアピールした。 [nextpage] ▼第7試合 K-1フェザー級 3分3R延長1R×椿原龍矢(月心会チーム侍/第4代K-1 WORLD GPフェザー級王者)判定1-2 ※30-29、28-30×2〇玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/第6代Krushフェザー級王者)  両者は2021年5月のK-1で対戦し、この時は椿原が判定で勝利している。  1R、椿原は右へ回り込みながら、玖村が右ローを蹴ると右ローを返す。玖村の右ミドルには左右フック。玖村の右カーフで転倒する椿原。すると椿原は左三日月蹴りから右フック。  2Rも右へ回り込む椿原に玖村は右ロー、椿原は右カーフと左三日月を蹴る。椿原が右ストレートから左カーフ、そして左ハイのコンビ。玖村も当たりは浅いが左ハイ。椿原が入ってくるところに右ストレートを打つ玖村だが、椿原はすかさずヒザを突き刺す。  3R、踏み込んで左フックを打ってきた椿原に玖村が右フックで迎え撃つ。椿原が歩くように近付いて放ったヒザに玖村が左フックを合わせ、椿原は尻もちをつく。サークリングする椿原を追いかける玖村が左右フック。椿原のワンツーに玖村が左フック、さらに左ボディ。玖村がどんどん詰めてパンチを打って行き、攻勢を印象付けた。  判定は2-1と割れ、玖村が勝利。2人は笑顔で健闘を称え合った。 [nextpage] ▼第6試合 K-1フェザー級 3分3R延長1R×銀次(VAINQUEUR GYM)TKO 2R 2分16秒 ※セコンドからのタオル投入〇松本海翔(TAD)  1R、松本はサウスポー。銀次の右ミドルに合わせた左フックで松本がダウンを奪う。立ち上がった銀次は左右フックで逆襲に転じるが、松本は飛びヒザ、左フック。銀次は左ボディからの右フックを放つが、すかさず松本が左ストレートをリターンしてダウンを追加した。  2Rも松本は左ストレート、左ボディを打つ。銀次の右アッパーで一瞬グラつく松本。前に出る銀次に松本が左ストレートのカウンターを当てる。銀次も左フック、松本は左ストレートと強打の打ち合いが続く。松本の左強打に銀次は足を止めて打ち合うが、左フック&左アッパー連打からの右フックで力尽きるように銀次がダウン。  ここで銀次のセコンドからタオルが投入され、松本のTKO勝ちとなった。松本は「過去一力んだ試合です。僕は絶対にK-1のベルト巻きます。チャンピオンみんな待っていてください」とマイクで語った。 [nextpage] 〇AKIRA Jr(フィリピン/Team Aj)延長R 判定3-0 ※10-8×3×滝上正太(聖空会館)※本戦の判定は30-29、30-30×2。  1R、滝上は得意の左三日月、AKIRA Jrはじりじりと近付いていき右ミドル。いきなり右ハイを蹴る滝上にAKIRA Jrは右ミドルを返す。左右に構えをスイッチする滝上に、AKIRA Jrは右ローも蹴る。  2R、AKIRA Jrは飛び込んでの左フックから右フック。滝上は右インローを蹴っていく。左インローも蹴る滝上。そのインローがローブローとなってしまい試合は一時中断。再開後、AKIRA Jrが前に飛んでの左ストレート。  3Rは見合いとなる両者。AKIRA Jrが右フックを打つと滝上は右ロー。AKIRA Jrは3連打、滝上は右ローから右インロー。両者ともかなり疲労している様子で手が出ないが、AKIRA Jrが右フック、ヒザを打つ。  判定はドロー、延長戦へ。AKIRA Jrがここで前へ出て、連打を見舞って右フックでダウンを奪う。ワンツー、左アッパー、離れようとする滝上をAKIRA Jrが追っていく。頭を抑えるAKIRA Jrに滝上は何度も頭を下げてしまう。滝上は右ローから飛び二段蹴り、さらに飛び後ろ蹴り、左ハイと大技を連発。AKIRA Jrはフックを頭にひっかけるようにして滝上の頭を上から抑えつけてスタミナを奪う。  判定は執念でダウンを奪ったAKIRA Jrの勝利となった。 [nextpage] ▼第4試合 K-1ライト級 3分3R延長1R×篠原悠人(DURGA/第6代Krushスーパー・ライト級王者)TKO 2R 2分08秒 ※レフェリーストップ〇古宮 晴(昇龍會)  1R、篠原の右ローに右ストレートを合わせる古宮。3連打をまとめる篠原だが、古宮の右フックに左ボディからの右フックを打つ。ガードの上からコンビネーションパンチを叩いていく篠原。ワンツー・スリーを打った篠原に古宮の右カーフが決まり、篠原は倒れる。これはスリップと判定されたが、続く古宮の右カーフで篠原がダウン。  2R、古宮がコーナーへ詰めていくと篠原が打ち合う。互いに左右フックのラッシュをかけるが、そこで古宮が右カーフを蹴ってダウンを奪う。篠原はサウスポーに構えるが、今度は古宮が左カーフを連打。篠原は踏ん張ってパンチで応戦するが、古宮は容赦なく左右のカーフ。そしてコーナーへ詰めてのパンチ連打。レフェリーがここでストップした。  古宮はマイクを持つと「格上相手に怖かったりしたんですが、いい形で勝ててホッとしています。11月の名古屋Krush、大岩選手の相手がいなかったら怪我がないのでベルト懸けてやりましょう」と、Krushライト級王者・大岩龍矢の挑戦者に名乗りをあげた。 [nextpage] ▼第3試合 K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R〇髙橋直輝(若獅子会館/第11代Krushスーパー・フェザー級王者)KO 2R×松本涼雅(月心会チーム侍)  1R、高橋はいきなり入り込んでのワンツー、松本は左ミドルを蹴り、高橋は右ローを返す。松本が狙いすました右ストレート、高橋も負けじと右フックを返す。  2R、右と右が交錯。互いに相手のカウンターを警戒してか見合いが続いたが、そこで高橋が飛び込んでの右フックをヒットさせて松本はもんどりうってのダウン。  立ち上がった松本に高橋が襲い掛かり、バックハンドブローを放つと松本が倒れ、高橋のKO勝ちとなった、  マイクを持った高橋は「なんとかKO勝ち出来ました。この前ベルトを獲られてめっちゃやり返したいんですよ。悔しくて悔しくて。だからまた次、K-1で横山くんと対戦できるように勝っていくのでよろしくお願いします」と、横山朋哉へのリベンジを誓った。 [nextpage] ▼第2試合 -51kg契約 3分3R延長1R〇大夢(WIZARDキックボクシングジム)TKO 3R 1分03秒 ※レフェリーストップ×東虎之介(都城大叶ジム)  1R、東はサウスポー。東が右フック、大夢がその上から左フックを打つ。ローの蹴り合いとなり、大夢の左インロー2発に東が左ローを返そうとしたところでバランスを崩すように手をつき、これがダウンとなった。  2R、大夢は左ロー2連発、東は左ミドルを返す。大夢は徹底して左ローを蹴っていく。東は左ストレートやジャブ。大夢はジャブでプレッシャーをかけていき、左ローにつなぐ。東は右目上をカットしてドクターチェック。  3R、東は近付いて左ストレートを打つが、大夢の左カーフで東が大きくグラつく。東の左ストレートをダッキングでかわし、ローを蹴る。攻防の中で東の出血が再びひどくなりドクターチェック。ここでストップがかかり、大夢のTKO勝ちとなった。  大夢はマイクを持つと「結果KOで勝てたけれど僕まだまだ満足してないのでご注目をお願いします」と話した。 [nextpage] ▼第1試合 K-1スーパー・バンタム級 3分3R延長1R×黒田勇斗(K-1ジム心斎橋チームレパード)KO 2R 1分31秒 ※左フック〇村田健悟(ALONZA ABLAZE)  5戦全勝3KOのホープ・村田が地元大阪に登場。21戦のキャリアを持つ黒田と対戦する。  1R、黒田が左右ミドルから左ミドル、村田も右ロー。村田は左ボディを叩き、ジャブから右ロー2連発。黒田は左フックを打つ。村田は黒田がミドルを蹴ってくると必ずローを蹴り返す。黒田は左ボディ2連発から右アッパーを突き上げる。  2R、黒田は右カーフからの左ミドル、村田は左へ回り込みながらの左フックを打つ。黒田も左ボディ。ローの蹴り合いの中で、村田は突然の飛びヒザ蹴り。黒田がダウンを喫する。左右フックでラッシュをかける村田。防戦一方の黒田に村田が飛びヒザ蹴り、そして左フックを打ったところでレフェリーがストップ。村田のKO勝ちとなった。  村田はマイクを持つと「しゃー! いまデビューして6戦目で6戦6勝で来ていて、来年Krush獲ってすぐにK-1も獲ります」とKrushとK-1のタイトルを立て続けに獲ると宣言した。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第5試合 K-1スーパー・ライト級 3分3R×吉川 諒(VAINQUEUR GYM)KO 2R〇大利賢佑(team ALL-WIN)  1R、吉川はサウスポー。大利は左右のミドルを蹴っていく。大利はミドルに加えて左ストレートを打つ。そのパンチで攻勢に出る大利。  2R、大利は右ミドルを蹴っての左フック。吉川も左ストレートをリターンするが、吉川はその何倍もパンチと蹴りを返してくる。左ローから右ストレートをヒットさせる大利。踏み込んだ大利はそれをフェイントに、顔を下げた吉川にハイキック。さらにボディへヒザを突き刺す。大利は蹴りでボディを攻め、パンチにつなぐ。ロープに詰めた吉川に右アッパーを突き上げてKO勝ちを奪った。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第4試合 K-1スーパー・バンタム級 3分3R〇龍翔(EX ARES)KO 1R 2分15秒 ×稜賀(二刃会) 1R、両者近い距離でパンチの交換。その中でも龍翔の右ストレート、左右ボディがよく決まる。稜賀は下がって回り込みながらもジャブ。ロープに詰めての左ボディ連打から、左側へ逃げようとした稜賀へ右ストレートを打つと稜賀がバッタリ。龍翔が見事なKO勝ちを飾った。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第3試合 K-1スーパー・フェザー級 3分3R〇原田翔貴(拳心會館)判定3-0 ※30-28×2、30-29×健真(BLACK☆Jr)  1R、原田の右ストレートにワンツーを合わせる健真。相手のコンビネーションの間に左ボディを打つ原田。右フックからの左ボディと、左ボディを多用する。  2R、前に出る原田が左ボディと左右フック。健真は左フックを返すがスピードに差がある。それでも健真はワンツーで前へ出るが、原田の左ミドル。互いに攻めあぐねた印象。  3Rも左ボディを打つのは原田。健真は左ミドルから左ストレートを狙う。健真は右ミドル。残り30秒、左右ボディとミドルで勝負に出る原田。  左ボディを何度も当てていった原田が判定勝ち。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第2試合 K-1フェザー級 3分3R〇堀井海飛(空手道柔拳)判定3-0 ※30-27×3×岩KING(心将塾)  1R、右ローの蹴り合いの中、堀井の右フックがヒットする。さらに左フックからの右ストレートで岩KINGを下がらせる堀井。ロープに詰めた岩KINGに連打を見舞う。ここを凌いだ岩KINGは右ストレートを打つが、堀井がワンツーで押していく。右カーフを蹴る岩KINGに堀井は左ボディ。コーナーへ詰めてボディから右フックの堀井。最後もコーナーへ釘付けにして初回を終えた。  2Rも堀井が左ボディ、右ストレート、左ミドルで前へ出て攻める。岩KINGは右カーフを蹴り続け、堀井は左右ボディ。  3R、岩KINGは左右フックを放つが、堀井は右カーフから左右フック。岩KINGがロープを背負う位置で両者打ち合う。堀井の右ストレート、左ボディから右ストレート、左右ボディ。堀井の左ローに岩KINGはふらつく。両者とも疲労の色が濃い。ワンツーの連打で前へ出た堀井が左フック。  判定3-0で攻めた堀井が勝利した。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第1試合 -51kg契約 3分3R×湯桶勇成(K-1 GYM HIKARIMACHI TEAM BEAST)判定0-3 ※29-30×3〇新井真惺(team M m)  サウスポーの新井は左ストレートからヒザの流れで前へ出る。前蹴りも顔面とボディへ打ち分けていく。湯桶は左右に構えをスイッチしながらパンチ主体の攻撃。新井は蹴り主体で対抗する。  判定は3-0で新井がデビュー戦を勝利で飾った。
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