キックボクシング
インタビュー

【ONE FF】武尊の心境に大きな変化「自分がやりたことをやる、“義務”から自分の“欲望”に変わったのかなっていう感覚があります」

2024/09/25 18:09
 2024年9月27日(金)タイ・ルンピニースタジアム『ONE Friday Fights 81』(U-NEXT配信)に出場する、K-1三階級制覇・武尊(team VASILEUS)が、25日(水)に本誌単独インタビューに答えた。  武尊はフライ級(-61.2kg)キックボクシング3分3Rで、ラウェイ出身でONEでは2連続KO勝ち中のタン・ジン(ミャンマー)と対戦する。武尊はすでに現地入りしており、明日には計量&ハイドレーションテストに臨む。 試合になったら楽しめるんじゃないかな ――いよいよ試合が2日後に近付いてきました。現在の心境は? 「もうやるだけって感じです。あとは減量だけですね」 ――『勝たないといけない』から『勝ちたい』との気持ちに変わっていると言われていましたが、その心境の変化が練習や試合にどう影響しますか? 「余計なプレッシャーから変わったのかなと思います。余計なプレッシャーではなく、自分の欲望でやっている感覚に近付いているのかなって」 ――今までは武尊選手がいろいろなものを背負いすぎている、との声もありました。 「背負っていたからこそ頑張れた部分もあったと思いますが、今は身体のコンディショニングだったり、自分のコンディションに合った練習とかに変えられたのは、気持ちの変化もあるのかなって。自分がやりたことをやる、勝ちたいから頑張る。“義務”から自分の“欲望”に変わったのかなっていう感覚があります」 ――そういう気持ちになれたのはどれくらいぶりですか? 「チャンピオンになる前はそういう気持ちだったのかなって思います」 ――本当に原点に戻ったんですね。武尊選手は常に挑戦者の気持ちで試合に臨んでいると言われていましたが、今はその気持ちがより強くなっているのでは? 「以前は意識して『挑戦者でいなくては』という気持ちでした。今回も相手はまだ若い選手で追われる立場ではありますが、自分としては挑戦する気持ちで戦いたいと思っています」 ――原点に戻るという意味では、今回はメインイベントではなく第4試合。試合順は気にしていないと思いますが、どう考えていますか? 「気にしていないです。日本での放送時間の都合もあると思うので」 ――試合までの待ち時間が少ないことの影響は? 「それはラクかなっていうのはありますね。試合まで待つ時間ってけっこうしんどいので」 ――プレッシャーから早く解放されるといういい点もありますよね。 「あります」 ――今回、試合を楽しめる感覚はありますか? 「今は減量もあったり、タイへ来てから取材があったり環境が違ったりでまだ楽しめていませんが、試合になったら楽しめるんじゃないかなって思っています」 [nextpage] 気持ちをへし折ってKOしたい ――武尊選手は以前、引退試合はラウェイルールでやりたいって発言されていましたよね。今回ルールは違いますが、ラウェイの選手と戦うというのは燃えるものがあるのでは? 「そこはあまりなかったです(笑)」 ――武尊選手も言っていましたが、ラウェイの選手は気持ちが凄く強い。ONEに出場している他のラウェイの選手も、決して諦めず最後は逆転するという試合を多くしています。 「気持ちの強さはありますね。あのルールでやっているのもあるし、試合を見てもそういうタイプだと思うので、噛み合うのは噛み合うかなと思います」 ――そういう気持ちが強い選手だからこそ、気持ちをへし折りたいとは? 「そうですね。気持ちをへし折ってKOしたいです」 ――ダウンしても諦めなさそうなタイプです。 「打ち合ってくれると思うので、そういう部分では倒し甲斐があると思います」 ――タン・ジン選手はラウェイは素手、ONEでの2戦はOFG、ボクシンググローブの試合は初めてかと思っていたんですがクンクメールで試合をした経験もあるそうです。 「はい、グローブを着けている試合の映像も見ました。普通にパンチが上手いのかなと思いましたね。普通にボクシングのような打ち方をするなと思いました」 ――昨日のオンライン会見で「前回ONEの戦いで判定基準だったり、グローブ、リングの違いもあったのでそういう部分にアジャスト出来ているのではないかなと思います」と言われていましたが、グローブとリングの違いというのは? 「グローブがめちゃくちゃ分厚くてパンチャーには不利なグローブだなと。握りにくいし、ムエタイ用のグローブなのか分からないですけれど、強いパンチを打ちにくいグローブだということが分かりました。それとリングの固さも違いましたし、広さも違うのかな。リングを踏んだ感じが、いつも練習しているところやK-1のリングと違う感じで固い感じがしました」 ――今までと全く感覚が違ったんですね。 「蹴らないと倒せない、パンチだけだと難しいことが分かりました。パンチだけだとポイントも取ってもらえないので、判定になった時に不利になってしまうことも」 ――なるほど。今回はそこを改善してきたわけですね。 「そうですね。ちょっと変えないといけないと感じました」 ――試合前なので他のことは考えられないでしょうが、ONEムエタイ&キックボクシング世界ストロー級統一王者のプラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ)が、フライ級に階級を上げて武尊選手と戦いたいと表明しました。 「そういう選手に言ってもらえるのは嬉しいですね。そうして評価してもらっているのは嬉しいですけれど、僕はまだONEで1勝もしていないので。今回勝ってやっとONEの一員になれるかなって思います」 ――試合まで残り2日間、どのように過ごすつもりですか? 「まず今日(25日)はスケジュールが詰め詰めなんです(苦笑)。それに従って行動して、合間で練習します。しんどいですね。めちゃくちゃストレスです」 ――そのストレス解消法は? 「みんなと喋ることくらいですかね」 ――分かりました。最後に、試合へ向けて気持ちをどのように高めていくつもりですか? 「このまま流れに任せてやれば勝手に上がって行くと思います。試合直前に上げるので、今日・明日は耐えるしかないですね」
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