僕が巻かなきゃいけないベルト
――今回の相手、ペットアヌワット選手にはどういう印象がありますか。
「確か、自分と同じ年でかなり厄介なスタイルです。身長が174㎝ぐらいあり、前の手を使うのが凄く上手くて、前回の試合でも得意としているヒジでKOしていたので、今年やってきた選手とはスタイルが全然違います。今回はRWSではなく、WBCのタイトルマッチなので完全にムエタイの基準の試合になります」
――今年一番の強敵になりそうですか?
「そうですね。2月に対戦したプレーオプラーオ選手に僕と同じくダウンを取って勝ってますし、実績もあります。基本的に首相撲の選手で、のしのし前に出てくるような印象があるので、そこはしっかり対策を練らないといけないなと。でも、もちろん穴というか、こういうふうに攻めていこうという作戦は自分の中ですでに決まっているので、それを磨いています」
――対策としては長身の士門選手とやることも多いんですか?
「そうですね。士門もそうですし、身長173cmくらいで、僕と同じ階級のトレーナー兼選手のタイ人がエイワスポーツジムにいるので、一緒に練習して体格とかに関してはだいぶイメージはしやすいです」
――これがハマるという技はありますか。
「ボディはかなり今回狙っていて、ただボディに行くだけだとヒジを合わされて危ないので、そこはちょっと工夫しながら前の手でリードして僕が狙っているタイミングでボディストレートが当たればKOできるんじゃないかなと。ただ試合映像を見ると、KO負けしている試合がほとんどないので、どのくらいタフなのかなというのは、実際に打ち込んでみないとわからないです。一流の選手はボディやローキックで倒れるのはダメなことだと思うので、そのクラスの選手を倒すのは結構難しいことですけど、ただどんな選手でもタイミングよく入れば絶対に効くので狙っていきます」
――今回、WBCムエタイ ダイヤモンドベルトが懸かったことについてはモチベーションは高いですか?
「ムエタイに対して大きな実績を残した人じゃないと認められないベルトという話を会長から聞き、僕が今まで積み上げてきたものが認められたからこそ、そのタイトルマッチが実現できたと思うので、モチベーションは高いですね。めちゃめちゃベルトのデザインもカッコいいですし、男子選手で巻いたのはブアカーオ選手、センチャイ選手という本当に偉大でタイで知らない人はいないというくらいの選手が巻いているベルトなので、3人目に自分の名前が加わるというのは本当に光栄なことです。
もちろん日本の選手でも獲った選手はいなく、名誉のあるベルトに挑戦させてもらえる機会をいただけて、凄くモチベーションは高いです。ペットアヌワット選手も自分と同い年でずっとムエタイの第一線でやってきた選手なので、油断は全くないですけど、ただ僕が巻かなきゃいけないベルトなんじゃないかなと思います」
――ブアカーオ選手やセンチャイ選手と並ぶというのは、相当すごいですよね。
「本当に光栄ですね。少年時代にずっと見てきた選手だったので、そういった選手と同じベルトを巻けるというのはすごく嬉しいです」
――プレッシャーはないですか?
「自分の試合をしようというマインドでいつも試合をしているので、練習してきたことを発揮すれば結果が出るという自信を持っています。その自信が100%になるように、あと残り1週間しっかり追い込み切って、あとは体調を整えることをやれば、その自信が100%になります。でも、今回の相手は無傷で勝つのは本当に難しい相手だと思うので、1試合に集中しないとベルトも巻いていられないと思います」
――次の試合に向けて会場に来るファンにメッセージをお願いします。
「今回WBCダイヤモンドというすごく価値の高いタイトルマッチを選んでいただきました。美しい試合、圧倒的な試合、綺麗な試合をした上でベルトを獲らなければいけないと思うので、ムエタイの技術を全部詰めたような攻防を見せて、最後は僕が必ずフィニッシュにつなげてそのベルトを巻きたいと思います。会場の皆さんは僕の試合を楽しみにして、観に来てくれると嬉しいです。応援よろしくお願いします」