2024年8月18日(日)東京・後楽園ホール『Krush.164』にて、スーパー・ライト級3分3R延長1Rで不可思(クロスポイント吉祥寺)と対戦する塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)のインタビューが主催者を通じて届いた。
塚本はK-1アマチュアを経て、2018年9月にKrushでプロデビュー。2019年10月から2021年6月まで3連敗を喫したが、2021年11月の川島康佑戦から2023年1月の大野祐志郎戦まで5連勝。「第9代Krushスーパー・ライト級王座決定トーナメント」では準決勝で小嶋瑠久に敗れるも小嶋の棄権で決勝へ進出。稲垣柊にTKOで敗れた。2024年1月には近藤魁成から判定勝ちを収め、4月にはゴンナパーに挑むも敗れた。戦績は7勝(2KO)6敗2分。
今回勝ってリングの上からケンカを売りたい相手が1人いる
──改めて、4月のゴンナパー・ウィラサクレック戦を今振り返ると?
「やっぱり、勝たなきゃいけない試合でしたよね。自分ではあんまり受けているわけではないですけど、『負けたけど評価が上がった試合』にはなってると思うんですよ。それってやっぱり、自分とゴンナパー選手の試合が決まった時に、周りからは『塚本は100%勝てるわけない』みたいな評価だったのが、ああいう試合になったからこそ…負けたけど評価されたっていうのはそういう意味だと思うんですね。そういう、評価された後の自分が、不可思選手とやるってなった時に、やっぱりまたどんなにいい試合をしても、結局そこで勝たなきゃ意味がないことになっちゃうと思うんで、本当に今回は勝ち切らないとなと思ってます」
──あのゴンナパー戦がいい試合だったと評価されたのは、一つには塚本選手の、勝ちたい、負けたくないという気持ちがすごく見えた試合だったというのがあると思います。そういう部分で何か掴めたものはありますか?
「たぶん、ゴンナパー選手は自分のキャリアの中でも一番、知名度、実績も実力もある相手だったんですよね。大会前、誰と対戦するか決まってなかった時点では、僕も『ゴンナパーとやりたい』とか言ってたんですけど、当日、いざ対戦が決まった時には、やっぱり怖さとかはすごくありましたし、このレベルの選手と、今、自分が戦ってどうなんだっていう、自分自身分からない部分もあったんですね。でもやってみて、通用するところがあったというのは、自分の中では一つ自信にはなりました。まあ負けた今、そういうところをプラスに考えるしかないんですけど」
──そこが今回の不可思戦にもつながったと思うんですが、本当に王座決定トーナメント、ゴンナパー戦、不可思戦と、立て続けにビッグチャンスが来てますよね。これだけ続けてというのは、実際どうですか?
「運で引き寄せたとか、そういうのももちろんいろいろありますけど、でも自分自身ではやっぱり“持ってる選手”というか、いろんな選手がいる中でも俺は選ばれてる選手だと自分で思ってるので。だからそういうチャンスも降ってくるんだと思いますし。でも、そこでチャンスをモノにできる選手とできない選手ではその先の道が分かれると思うので、今度はそれをモノにできる選手にならないとなと思ってます」
──改めて、不可思選手への印象は?
「俺とはキャリアが4倍ぐらいあるのかな? それで実際に勝ち続けて、僕が見てた頃から今までトップに居続けている選手なので、そういう面で強い選手だなというのは、もちろん思ってます。ゴンナパー選手とかとも同じぐらいのレベルの選手だと僕は思ってるんですけど、ただ、実際この間もゴンナパー選手と手を合わせてみて、自分はトップの選手と全然やれるっていう手応えは本当に掴んだんです。だからこそ、本当にここは絶対勝たないとなっていうところですね」
──塚本選手と不可思選手では、だいぶスタイルが違うと思うんですが、そこについては?
「得意にしている武器とか、戦い方のスタイル自体はもちろん違うところはあると思いますけど、でもお互いに一番武器としているものは気持ちとか根性とかで、似てるというか、たぶん同じところだと思うんですよね。自分は本当に気持ち一つで戦ってるファイターだからこそ、不可思選手の怖さとかも分かりますし、本当にキツい展開になった時でも、たぶん不可思選手は気持ちとか折れずにどんどん前に来ると思うので、そういうところの怖さとか、逆に楽しみだなというワクワク感とか、そういうのはすごく持ってますね」
──その気持ちという面では、このところのチャンスが続いているところでも、より鍛えられた部分はあるのでは?
「それはあると思います。この前の試合も、当日まで対戦相手が分からないという緊張感のある中で、大一番であるゴンナパー選手を引き当てたので。結果的には負けましたけど、そういう面からも気持ちが鍛えられてるなというのは思います」
──それだけに、ノってる感みたいなものも?
「それは自分自身、すごく感じます。あとシルバーウルフはチャンピオンの選手とかもいっぱいいたんですけど、いろいろ選手がジムを辞めていったりとかして、チャンピオンは(菅原)美優ちゃんだけだし、年齢的には一番上なのが自分になるんですよ。だから、別にかっこいいセリフを言うとかじゃないですけど、先輩として後輩たちに背中を見せていかないとなっていうのもありますし、大宮司(進)さんも、いつも自分の熱に熱で返してくれる、本当に熱い人なので、大宮司さんのもとにシルバーウルフとしてベルトを絶対持って行きたいなというのもありますし。連戦どうこうよりも、そういう方が自分の中ではデカいかもしれないです」
──改めて、どう戦ってどう勝ちたいですか?
「この相手だからこそというのももちろんありますけど、Krushらしい試合をして、最終的には…よくみんな、『どっちかが倒れてるような試合』みたいなことを言いますけど、俺は絶対に相手をぶっ倒すつもりでいるので。相手がリングで沈んでるという試合を、最後には必ず見せようと思います」
──その先のことは、ここで勝ってからという感じですか?
「あ、メッチャいい質問してくれました!」
──あ、そうでしたか(笑)。というと?
「今は言わないすけど、今回勝って、リングの上からケンカを売りたい相手が1人いるんですよ。だからしっかり勝って、お客さんとか運営の方々がいる前で、自分の口で言おうと思ってます。でもまずは、先を見てるとかじゃなくて、本当に不可思戦に集中してます。それを実現するためにも」
──ノってるだけじゃなくて、気合いも相当入ってそうですね。
「そうですね。自分はいつも目の前の試合に集中するって言って、あんまり先は見ないタイプだったんですけど、もう格闘家としての年齢は決して若くはないですし、そう見た時に、自分の頭ん中にはそういうビジョンがあるので、そこに行くためには、目の前の試合だけじゃなくて、ちゃんと先のことを自分の中で思い描いて、それを口にしたりとかしていかないと夢も逃げちゃうなと思うんですよね。だから本当に不可思選手をナメてるとかじゃなくて、今後の理想に近づくプランとして、しっかり勝ってマイクで言おうと思ってます」
──それも楽しみですね。では最後に、改めてこの試合への“決意”を教えていただけますか?
「記者会見の時に宮田プロデューサーも、『前回のゴンナパー戦の頑張りを評価して、この試合を組んだ。塚本くんには4月の続きを見せてほしい』ということを言われたんですよね。やっぱり、周りのファンの人は『不可思!』『不可思!』って騒ぐと思うんですけど、自分としては、この試合で試されてるのって自分の方だと思ってるんです。だからそういう期待に応えたいし、やっぱり自分自身本当に懸けている思いというのがあるし、勝ちを見せたい人もたくさんいるし、そういう人たちのためにも、自分のためにもしっかりKOで勝とうと思っているので、応援よろしくお願いします」