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【Bellator】鈴木千裕「RIZINで違う試合をした方が盛り上がるし、乗れないファンもいっぱいいるだろうけど、一番は自分のために戦おうって。心の奥底の答えは『世界の舞台で戦う』ことだった」

2024/08/08 21:08
『RIZIN甲子園』の「第1回トライアウト」が8日、都内で開催され、ゲストとして参加した鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)が、大みそかBellator日本大会でのパトリシオ・ピットブル(ブラジル)との王座戦を、現地に直接交渉するプランを明かした。  2023年7月の『超RIZIN.2』で両者は緊急参戦の70kg契約で対戦し、鈴木が1Rに左フックをパトリシオのテンプルに当ててグラつかせ、右ストレートでKO勝ちを収めている。そこから1年5カ月ぶりの再戦は、Bellatorフェザー級のベルトを賭けた王座戦にしたいと、鈴木は語る。 「たぶんダブルタイトルマッチはないですね。ルールが違うし、中立のルールが無いんで。結局BellatorかRIZINの防衛戦になるわけで。だから僕はBellatorのベルトをかけて勝負したいんですよ」  再戦は両者ともに『超RIZIN.2』での試合直後からの約束だと言う。 「あの試合後、『すぐBellatorでやろうよ』と互いに言っていて、互いにベルトを持っていることが条件だったから、パトリシオは(2024年3月に)TKO勝ちして王座を防衛して、僕は11月に(ヴガール・ケラモフから)ベルトを獲って、防衛(金原正徳を1R TKO)もした。前回は緊急発進で70kgでお互いモヤモヤ感があったから、次はフェザー級ではっきりさせようぜって」と、再戦はデフォルトだったという。  しかし、当時から状況も変わった。  鈴木は、五味隆典とのボクシングエキシビションマッチでドロー。試合前から痛めていた拳をさらに第2中手骨と第5中手骨を骨折させ、マニー・パッキャオとのボクシング戦をキャンセル。全治4カ月間の治療に入っていた。  その間、SNS上では互いに再戦を呼び掛けていたが、鈴木は微妙に会話が噛み合っていないと感じていたという。 「お互い翻訳(機能)をかけてのやりとりなんで、絶対噛み合ってないんスよ、会話が。だからほんとうの感情が分からない。殺意を送ってるのか、リスペクトなのか。お互いのの目を見て感情を、心の内を見たい。だから直に会って『日本から来ました。あの時、約束したからやろうね。正式に戦いましょう、ピットブル、よろしく』って。僕の意思を伝えに行く」と、榊原信行CEOとともに、9月から10月ごろに「先方の予定に合わせて渡米し」、再戦を確認、そこでBellatorのベルトを賭けた王座戦を決めたいとした。  しかし、その間、RIZINのフェザー級王座戦線が停滞するため、2連勝でタイトルマッチを迫るクレベル・コイケらRIZINフェザー級選手たちが鈴木の前に列を作って待っている状況だ。  鈴木はRIZIN王座の防衛戦について、「僕自身に問いかけた時に、もちろんファンは大事です。RIZINで違う試合をした方が盛り上がることは分かるんです。でも、ほんとうに自分がやりたいことは何かを考えたら、夢をかなえたいというのが、やっぱり僕の本当の答えだったんですよ。心の奥底の答えは『世界の舞台で戦う』こと。  それに乗れないファンもいっぱいいると思いし、賛否両論もあるだろうけど、一番は自分のために戦おうって。俺が強くなって世界のベルトを獲って、どこまでできるか証明したい。そこについてきてくれるファンととともに戦いたい。いまRIZINで俺以外に、Bellatorのベルトに挑戦できる選手がいますか? 俺以外にはいない。チャンスがそこにあるのなら、ベストコンディションで戦って、世界のベルトを獲りたい」と、稲妻メンタルで先にBellator王座を獲りに行く決意を語った。  怪我の治療の間は、RIZINの会場でライバルたちの試合を解説として生で観戦した。  平本蓮による朝倉未来のKOは、「先手を当てて試合が決まったな」。自身が戦う予定だったマニー・パッキャオと安保瑠輝也の試合は、「試合ができなかった悔しい思いはありましたが、普通にいち試合として面白いなと。ちゃんとボクシングをやっていて、パッキャオ選手は応用力、対応力がすげえなと思いました」と、体格差のある安保の打撃を見切った“八階級制覇王者”の技術に感銘を受けたという。 「50%の回復」という鈴木は、全治4カ月の負傷で得た教訓を「ケースバイケースですけど、パッキャオ選手との試合が流れちゃった時に、これからは怪我している状況でやるのは止めようと。完全にベストな状態じゃないと試合しないって心の中で決めて。100パーセントで戦えないとダメ。ファンに申し分けない」と、今後は怪我を押しての出場は避けることとし、「来月くらいには本格的な練習を再開したい」と、右手以外の部分の強化を行っている。 【写真】RIZINのアマチュア大会で優勝経験を持つ鈴木千裕は、トライアウト参加者に「もちろん優勝するのが一番ですけど、諦めないやつが結局残る。負けても勝っても、ずっと続けてるやつが勝手に強くなってくるんで。練習したら1ミリでも1日でも強くなるんで、諦めないで競技を続けてください」と語った。 「右手が使えないだけで、胸より下はトレーニング出来る。フィジカルや階段ダッシュ、下半身から鍛えれば上もすぐ戻る。ピンチはチャンスととらえ、また本格的に練習を再開できるのが楽しみです」──念願の海外メジャー王座挑戦実現に向け、鈴木はこの日のイベント後も肉体強化に向かっている。
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