2024年7月27日(日本時間28日)、英国マンチェスターのCo-op Liveにて『UFC 304: Edwards vs. Muhammad 2』(U-NEXT配信)が開催される。試合前の注目選手たちの会見での言葉を下記に紹介したい。
ボビー・グリーン(ライト級15位)「俺がグラウンドを恐れているなんて、勘違いするなよ」
▼ライト級 5分3Rボビー・グリーン(米国)32勝15敗(UFC13勝10敗)154.5lbs/70.08kgパディ・ピンブレット(英国)21勝3敗(UFC5勝0敗)※UFC5連勝中 156lbs/70.76kg
──敵地での試合についてどう感じている?
「まだそんなに敵対的な感じはしていないよ。海外で愛されているとは思っていなかったけど、それなりに愛されていることはわかった。少なくとも10人くらいの人が『パディをぶっ飛ばせ』って言ってきたんだ。『えっ?君たちイギリス人だよね?』って聞いたら、『そうだよ。でも彼のことは好きじゃない。彼はしゃべりすぎるんだ』って。パディはまだ本当の実力を試される試合をしていない。
彼とトニー・ファーガソンとの試合ではまるでダメだった。俺がトニーと戦った時とは、比べ物にならない内容だったよ。あいつはまるで自分が大物かのように振る舞っているけど、現実を知らないんだ。問題は、彼が甘やかされた子供みたいだからだ。ある種の子供たちは、自分がどれだけ恵まれているかを知らない。自分は親がいなかったから、学校でそういう子供たちを見て、『彼らは自分がどれだけ恵まれているかを知らない』って思っていたんだ。UFCが彼に全てのチャンスを与えてくれているのに、それを理解していない。彼は、幻想を作ってもらっている。自分は火の中をくぐり抜けてきた。それが違いだ」
──あなたと比べ、パディは急速に人気を上げました。
「そうなんだ。あいつは扉を開けてもらって、ただ通り抜けるだけでよかった。黙って笑顔を見せれば、すべてが手に入る。でも、どこかで生意気になるんだ。勝ち始めると、その快感に酔って、悪口を言い始める」
──グラップリングのレベルが違うと、パディは言っているが。
「もし彼が組み技をしたいなら、組み技の大会に出ると良い。でも客は、ファイトを見に来ているんだ。拳を使った戦いを見に来ているんだよ。だから、もし彼が組み技の試合をしたいなら、ただ仰向けに寝ればいい。俺は戦いに来たんだ。
俺がグラウンドを恐れているなんて勘違いするなよ。俺はトニー・ファーガソンからタップを奪った。彼はトニーをタップアウトさせることすらできなかった。なぜ俺の寝技を過小評価するのかわからないよ。俺にも柔術のスキルがある。でも、それは人々が見たいものではないんだ。観客がブーって言うのを聞いたら、それは良い兆候じゃない。だから、そういうことはしない。観客が何を見たいか、観客が教えてくれる。それを提供したい」
──パディは打撃であなたをKOすると言っています。
「それを証明できるかが問題だ。あいつはトニーに対して、股間を嗅ぐようにずっとタックルをしていた。俺をKOするって言うなら、本当にそれを狙うべきだ。ラッキーショットを打てば当たることもある。でも、彼が一撃で誰かを倒したのを見たことがないから、それが可能だとは思えないけどね」
──トラッシュトークを楽しんでいる?
「そうだね。彼が何かを言い始めると、俺ははそれを個人的に受け止めるんだ。そして、それを忘れない。それが俺を次のレベルまで押し上げる。グラント・ドーソンやアル・アイアキンタもそうだったよ」
──あなたはノーガードで戦うことがあるがなぜ?
「それが他の人と自分を差別化するものなんだ。他に誰が手を下げて戦っている? みんなとは違うことをしなければならない。誰かの真似をしたくないし、誰とも同じように見られたくないんだ。みんなとは違うことをする方が、自分にとってはもっと重要なんだ。単に試合に勝つよりも、イギリス人を感動させる方が自分にとってはより大切。勝つこと以上に大事なことがある。みんながそれを見失っているんだ。客を感動させることが、俺のエネルギー源だ」
──若手に厳しさをみせることは、あなたの義務だと思う?
「その通りだ。事実だ。多くの人が『彼の尻を蹴ってやれ』と言っているのを聞いている。これほど多くの人が、あいつがぶっ飛ばされるところを見たいと思っているのは驚きだ」
──試合で警戒していることは?
「これはちょっと乱暴な言い方かもしれないけど、何もない。ただ、彼をそんな風に見下すつもりはないんだ。彼を批判して貶めるつもりもない。彼は何も悪くない。でも、自分は長い間この業界にいて、戦士を見分けることができるんだ。試合を見て、その動きやセッティングを見るだけで、その人がどれだけこのゲームに精通しているかが分かる。『これはあまり得意じゃないな』とか、『これを知っているべきだろうに』とかね。でも、それはあくまで自分の意見だ。笑って、彼に悪口を言うつもりだ。自分は何をしているか分かっているからね。彼はこれから何に直面するか分かっていない。彼はイギリスで自分のような動きをする相手を見つけられなかった。ここにはそんな人はいないだろう。自分は彼のような人を1,000人見つけられる」
──今の目標は?
「目標は変わらない。お金を稼ぐことだ。今、家が3軒あって、アパートも持っている。それらの支払いを済ませて、所有権を持つことが目標だ。黒人の男たちの間では、みんなが自分をキングだと思っている。でも、自分の城がなければキングじゃない。家やアパートを持っていても、家賃を払わなければ取り上げられる。だから、所有権を持つことが重要なんだ。家を所有するためには、いろいろな努力が必要だ。でも、自分はすでに家を所有している。これは自分のものだ。自分が築き上げたものだ。誰にも奪われない」
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パディ・ピンブレット(ライト級)「数週間前は自分でも問題があると感じていた」
──イギリス大会の参戦が多いが、今回は自宅に近い分、違いはある?
「今回は南じゃなくて北だからね。南の試合は4時間のドライブだったけど、今回は40分のドライブだから、楽しみだよ」
──ボビー・グリーン、またはキング・グリーンと戦うことについて、彼の名前の変更についてどう思う?
「彼が40歳近くになって名前をキングに変えるなんて、恥ずかしいよ。大人になれって感じだね」
──グリーンに勝つことで、ランキング入りして実力を認められると思う?
「いや、どんな試合でもベルトを手に入れるまでは、人々は俺を疑い続けるだろう。最後の試合でトニーと戦ったときも含めて、勝っても負けても何かしら文句を言われたしね。でも、俺はただ自分の力を証明するだけだよ」
──数週間前にコーチたちが、精神的にこの試合に臨む準備ができていないとして、君を試合から外すことを話していたと言っていたが?
「自分でも問題があると感じていたし、頭の中でいろいろなことが起こっていた。ポールに言われた時は、腹が立って不満だったけど、彼は俺のコーチで、第二の父親みたいな存在だから、俺のためを思ってのことだった。そこからは、これまでで最高のキャンプのひとつを過ごせた。4、5、6週間前は最悪のキャンプだと思っていたし、これが一番厳しい試合になると思っていたけど、最後の数週間は質の高いトレーニングができたし、またオクタゴンに入って、あいつを倒すのが楽しみだ」
──ファイトウィークで、精神的な問題を話す理由は?
「もちろん、胸の内を話すことで楽になるけど、二日前がリッキーの命日だったから、最近またそのことをよく考えるようになったんだ。最近もリバプールで若い奴が自殺したし、若いMMAファイターのコナー・リッチンズも3カ月前に自殺した。彼は俺よりも若かった。だから、こういう話をすることが必要だと感じるんだ。正直に言うと、スカイスポーツがそのインタビューを公開したのを見て、一部の反応が本当にひどいんだ。『PRのためにやってるだけだ』とか言ってる人たちがいるけど、そんなプレッシャーを自分にかける理由がいるのか?
自殺した友達が何人もいるし、俺自身も過去にそれについて考えたことがある。だから、こういう話をする必要があると感じているんだ。もっと多くの人が自殺しないようにしたい。特に男たちが誰にも話さずに自殺するのは悲しい。俺の言葉に対する反応の中には、『ただ自殺すればいいじゃん』みたいなのもあった。だからこそ、話さなきゃいけないんだ。男たちが話さないのは、こういう反応があるからだ」
──グリーンは過去最大の難敵?
「正直に言うと、ジャレッド・ゴードンが今までで一番手強い相手だった。ジャレッドは信じられないほど過小評価されている。実際、俺もその試合前に彼を過小評価していた。彼を簡単に倒せると思っていたんだ。でも、第1ラウンドで俺が怪我をしたとき、試合は全く違う展開になった。それが今までで一番厳しい試合だった。ここにいるみんなも俺がその試合に負けたと思ってるかもしれない。でも、試合を見返すと、非常に接戦だったけど、実況をつけずにみると俺は勝ったと分かる。でも、実況有りでみると、俺が負けたと思う人が多い理由がわかったよ。ジャレッドはグリーンにも勝っていたが、頭突きでKOされてしまった。だから、ジャレッド・ゴードンが過去最も強い相手で、グリーンじゃない」
──あなたの挑発に乗り、グリーンがグラップリングで挑んでくる可能性は?
「いや、彼は分かってるだろう。でも、面白いことに、『お前はグリーンと打撃でやり合うのが怖いんだ』とか言ってる人がいるんだよね。俺は、彼の頭を吹っ飛ばそうとしてるのにだよ。ただ、もし彼が本当にグラップリングで俺に挑んでみたいなら、やってみればいい」
──UFCとの契約がほぼ終了するとも明かしていたよね?
「なんで俺がUFCを離れるって思うんだよ。あの話はすごく誤解されている。俺が何をやっても、人々はそれを曲解して違う話にするんだよ。何かやる度に、みんなが話を捻じ曲げて、『あいつは誰々の顔面にクソをした』とか言ってくるんだ。何をやっても、文脈を外して話すやつがいるんだよ。俺が言ったのは、UFCが新しい契約をくれるのは当然だけど、もし数百万ドルでデカいYouTuberとボクシングの試合ができるなら、やるってことだよ。誰だってやるだろ。でも、UFCが俺を手放すわけがないだろ。冗談じゃないよ」
──カスタムショーツが届いたと聞きました。
「やっと届いたんだ。何週間か前は少しイライラしてたんだよ。マネージャーから電話が来て、ボビーが赤を選んだって言うんだ。俺は赤が使えないんだって。なんで?って感じでさ。白とか黒じゃなくて赤が着たかったんだよ。だからオレンジのショーツを着られるように、マネージャーに頼んでみたんだ。でも結果的にはうまくいったよ。ボビーが赤を着たいなら好きにすればいい。これまでケージウォリアーズで赤を着て戦って、2回負けたことがあるし、ジャレッド・ゴードンとの試合でも赤を着てたし、トニーとの試合も赤だったけど、どちらも際どい試合だったって言われるんだ。だからオレンジを着られて嬉しいよ。ケージウォリアーズでやってたみたいに、良い感じにフィニッシュしたい」
──グリーンはガードを下げて、何度かKO負けをしていることについてどう考える?
「彼は俺のストライキングを過小評価してるし、パワーも軽く見てると思う。正直言って、俺自身もここ数カ月まで自分のパワーを信じてなかったんだ。でも、ボクシングコーチのクリスや、JMLのコーチたち、ポール、アダム、デイブ、そしてスパーリングパートナーたちが最近、俺がどれだけハードヒッターかを教えてくれた。グリーンはドリュー・ドーバーにKOされて、その前にもジェイリン・ターナーに多くの打撃を受けてひどいKO負けをした。それに、彼はアゴが弱いと思う。グラップラーのジム・ミラーには勝ったけど、第1ラウンドでジム・ミラーにやられかけたしね。俺が彼のアゴに打撃を当てたら、絶対に立ち上がれないと思う。彼はまるで板のように硬直するよ」
──精神的に困難な時期の周囲のサポートについては?
「前にも言ったけど、もし俺の妻がいなかったら、俺はここにいなかっただろう。彼女がいなかったら、俺はとっくに命を絶っていたと思う。家族やチーム、友達が支えてくれている。昨日か今日、インタビューに出たけど、それ以来、俺の友達や昔からの仲間たちから、たくさんのメッセージが来てるんだ。彼らが俺を気にかけてくれているのが分かるし、それが嬉しい。数週間前は本当に苦しかったけど、今は気分が良くなってきている」
──あなたはヘナート・モイカノとの試合を望んでいたが、彼はブノワ・サン・デニと対戦予定。この勝者と戦いたい?
「正直に言って、ヘナートが勝っても負けても、彼と戦いたいね。試合前の盛り上がりはおそらく史上最高に面白いと思う。彼は本当に面白いキャラクターで、彼と一緒に『The Ultimate Fighter』のコーチを務めるシーズンがあったら、絶対に素晴らしいものになると思う。みんなそれを見たいと思うはずだ。彼は本当に魅力的なキャラクターだし、ヘナートと戦うのは楽しみだ。
実は、ブノワ・サン・デニにも約6カ月前に、イギリスに来て一緒にトレーニングしないかと誘ったんだ。俺もパリに行って彼とトレーニングするつもりだった。距離的にもそんなに遠くないし、短いフライトだから、お互いの技術を向上させる良い機会になると思う」
──11月1日から施行のルール変更については?
「12-6のエルボーは合法化されるべきだと思う。ずっと前から言ってるけど、あれはバカげたルールだよ。あれで失格になるのはおかしい。ジョン・ジョーンズのことを無敗だと言っているけど、彼は絶対にその敗北を控訴して取り消すべきだよ。彼が控訴して、その敗北はなくなるだろう。そして、地面に手をついているだけではなく、ヒジや肩、膝も地面についていないとダウンした相手と見なされないようにルールが変更されるみたいだね。正直に言うと、自分も前に手をついて、ヒザ蹴りを避けたことがあるけど、この変更には完全に同意する。そうあるべきだよ。ダウンした相手に対する膝蹴りにも賛成だし、踏みつけはダメだけど、サッカーキックにも賛成だよ。それが試合をさらに面白く、刺激的にすると思う」
──ネクスト・ジェンMMAでの練習については?
「スパーリングパートナーは素晴らしいよ。特に他のジムに行く必要もなく、ライト級、フェザー級、ウェルター級の才能ある選手たちがマット上にいるからね。ルーク・ライリーはグリーンのスタイルを完璧に再現してくれたよ。スパーリングするとき、彼はスイッチするし、サウスポーからオーソドックスに変わるし、ガードを下げたまま戦う。ルークはこれから大きく飛躍する大きな才能を持っていて、みんなもすぐに彼の凄さを知ることになるだろう。本当に素晴らしいし、まだ若いんだ。それに、リアム・アロイにも大きな感謝を伝えたい。彼は若手のサウスポーで、このキャンプで多くのラウンドとシミュレーションをしてくれた。本当に感謝してるよ」
──ところで今回の髪型は?
「今回もコーンロウにする。髪が動くと、ちょっとしたパンチでも大げさに見えるからね。ジャレッド・ゴードン戦を見返すと、彼が軽いパンチを当ててるのに、解説では『効いている』なんて言ってるんだ。でも実際にはほとんど当たってないんだよ。髪が動くからそう見えるだけなんだ。だから今後はずっとコーンロウにすることにした」
──ところで以前にアンフィールド(リヴァプールFCのホームスタジアム)で試合をしたいと言っていましたが?
「アンフィールドの人たちとはたくさん話してるよ。クラブのCOOとも話して、彼らも開催に前向きなんだ。何度も言われている。試合を見に行くときはレジェンドラウンジに座ってるし、ボードルームにも行ったことがある。クラブのCEOとも話したけど、彼らはやりたがってる。だから、UFCが彼らと連絡を取って実現してくれたらいいなと思ってるよ。俺のタイトルマッチを待つ必要はないし、ノンタイトルでも満員にする自信がある。アンフィールドは今60,000人収容だけど、フロアにも座席を設ければ70,000から80,000人は収容できる。そして、その全席を埋めることができると確信している」
──ところで父親として初めての試合で、変化はある?
「もちろん、少しは変わるよ。今は自分だけのことを考えているわけではなく、家族のために食卓におかずを並べなければならない。だからこそ、この試合に勝つ必要がある。子どもたちの食べ物を、ボビー・グリーンに奪われるわけにはいかない。この試合に勝って、次のレベルに進むために全力を尽くす。それが単純な理由だよ。家族を養うためには、彼に負けるわけにはいかない」
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アーノルド・アレン(フェザー級6位)「プレッシャーは常にあるけど、それが普通だ。この仕事では誰かが自分を破壊しようとしているんだから」
▼フェザー級 5分3Rアーノルド・アレン(英国)19勝3敗(UFC10勝2敗)145lbs/65.77kgギガ・チカゼ(ジョージア)15勝3敗(UFC8勝1敗)146lbs/66.22kg
──英国での早朝での試合の影響は?
「一番うんざりするのは、何度もそのことを聞かれることだよ。ちょっと遅くまで起きて、ちょっと遅く寝て、ちょっと遅く起きるだけだから簡単さ。確かに不便ではあるけどね。この国では24時間営業しているのはマクドナルドくらいしかないから、それはちょっと残念だ。でも、それ以外は問題ないよ」
──試合展開については?
「いい試合になると思うよ。2人ともストライカーだから、このマッチアップは面白いし、ファンにとっても楽しめる試合になると思う。正直なところ、楽しい試合を期待しているよ」
──11月からのルール変更については?
「良いことだが、6カ月前に変更して欲しかった」※2024年1月のUFC297で、アレンはモフサル・エフロエフとの試合で、エフロエフが手をついた状態で顔面にヒザ蹴りを放ち、一時中断となっている。。
──現在2連敗中だが、心境は?
「特に違いは感じていないよ。これはただの試合だ。記者のあなただって、今日は悪い質問をしてしまったと感じても、また戻ってきて質問するだろう? 仕事で悪い日があったからといって、もう二度と戻らないわけじゃない。同じことだ。悪い日があっても、それを振り払って戻ってくる。勝者のメンタリティで臨んでいるから、何も変わらない。プレッシャーは常にあるけど、それが普通だよ。この仕事では、誰かが自分を破壊しようとしているんだから」
──6カ月前のモフサル・エフロエフ戦から何を学び、どう活かす予定ですか?
「もしルールが早く変わってたら、あいつを倒してたよ。ジャッジもクソだった」
──あなたの栄養士のジェイソンについては?
「正直なところ、ジェイソンと一緒に仕事をするたびに負けてるんだよな(苦笑)。でも彼はすごいよ。エネルギー管理やトレーニングがすごく良くなった。ファイトウィークに入る前の3日間のカーボローディングをやってみたんだが、『好きなものを食べていいよ』って言われて、彼の頭がおかしくなったと思ったよ。信じられなかったけど、体重はちゃんと落ちてるし、気分も良い。最高だよ。サウナにいる間、氷水を足元にかけてくれるんだけど、それがめちゃくちゃ気持ちいいんだ」
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ギガ・チカゼ(UFC世界フェザー級10位)「ベッカムのコーナーキックを覚えている」
──前回の勝利から、間隔が空いたことについて教えてください。
「かなり良い感じだよ。家族がいて、子供たちもいる。新しい犬も家族に加わった。カリフォルニアに住んでいて、とても素晴らしい時間を過ごしているよ。時間を楽しんでいたけど、残念ながら試合前に怪我をしてしまった。今頃は違うポジションにいるはずだったけど、今度の試合はとても重要なものだし、ここにいることに満足している」
──アーノルド・アレンとの試合については?
「もっと上位のランクの選手が欲しかったけど、彼もランカーだし、とても強い相手だ。彼は世界のベストの一人だから、確かに満足している。実際、彼とはいくつかの歴史もある。2020年に彼の対戦相手が怪我をして、代わりに俺が彼と戦うことになったけど、彼はその時に試合を受けなかった。その後ももう一度試合が提案されたけど、彼は断った。だから彼は2回俺との試合を断ったんだ。でもついに、ここイングランドで対戦することになった」
──アレンの前回の試合は見た?
「もちろん、全ての試合を見たよ。あの試合はヒザ蹴りが興味深かった。アレンが勝ったと思っている人もいて、意見が分かれている。特にルールの変更が決定した今、彼は良いポジションにいると思う。だから、タイトルマッチ挑戦者決定戦の相手として見ている。この試合はとても重要だ」
──11月1日からのルール変更については?
「良い決定だ。エフロエフ対アレンの試合がそのルールの時だったら、アレンが勝者になっていただろう。だから、良いルールだと思う。ストライカーにとって有利だしね」
──試合の展開については?
「彼は多くのインタビューで、『ストライカーとの戦いが好きだ』 と言ってるよね。でも、突然別のインタビューで、『ギガはストライカーとしか戦いたがらない』 って文句を言い始めた。俺はストライカーだし、ストライカーとの戦いが一番面白いから、ファンのために打撃戦をしたい。でも、グラップラーやレスラーと戦うことに反対したことはないんだ。だって彼らが俺とレスリングしようとすると、結局俺に早くノックアウトされるからね。だから、オクタゴンにいる時間が短くなるんだよ。
出来ればアレンには打ち合ってほしい。イギリスのファンはそれを望んでるから。俺はイギリスのファンを楽しませるためにここにいる。サッカーが好きで、1999年のマンチェスター・ユナイテッドがバイエルン・ミュンヘンと戦った決勝戦で、デビッド・ベッカムのコーナーキックから得点が決まった試合を覚えてる。その時からサッカーに夢中になったよ。そういうこともあって、マンチェスターでの試合が決まったときは本当に嬉しかった」
──同郷のイリア・トプリアがフェザー級王者になったときのあなたの気持ちは?
「本当に誇りに思った瞬間だったよ。ジョージア人として、そしてジョージアのファンとしてね。自分も家族も、そして多くのジョージアの人たちがアメリカに行って彼とメラブ・ドバリシビリを応援したんだ。同じ日に彼らが戦ったからね。あの日は歴史的な日だった。自分もフェザー級で将来的にタイトルを目指しているが、最初の王者を祝うことができたのはとても誇りに思う瞬間だった。息子もオクタゴンの中や会場の外でジョージアの旗を見ることができて、非常に感動的な瞬間だった」
──ジョージアに優れたアスリートが多い理由は?
「ジョージアの水だよ。ジョージアの水は山から直接来る、とても独特な水だ。みんなもジョージアに来てみるといい。ジョージアという国は精神的に特別な場所だ。特にソビエト連邦から独立し、戦争や困難な時期を経験してきた。我々は貧しくても、大きな問題に直面していても、お祝いをするのが好きで、とてもポジティブな人々なんだ。歴史的に多くの戦争を経験してきたこともあり、精神的にとても強いんだよ。それが我々の旗や国を代表する力になる。
アメリカに移住したとき、誰もジョージアという国を知らなかった。みんなアトランタから来たと思っていたけど、今ではカリフォルニアを歩いていると、みんなジョージアという国を知っている。自分がその国のプロモーションに一役買っていることをとても誇りに思っているよ。ジョージアのアンバサダーの一人として、誇りを持っている」
──今年の目標は?
「王者になることだ。神に求めたものはすべて手に入れたからだ。家族もいるし、美しい家もあるし、現時点で必要な経済的なサポートもすべて揃っている。そして、ここにいる理由は王者になるため、最強になるためだ。それが毎年の目標であり、全ての瞬間を大切にしている」