(C)Brandon Magnus/Zuffa LLC/UFC
8月31日(土)、中国・広東省深セン市のユニバーシアード・スポーツ・センターにて「UFCファイトナイト深セン」が開催され、メインイベントでUFC女子世界ストロー級選手権試合に臨んだ地元・中国のジャン・ウェイリが、王者ジェシカ・アンドレジ(ブラジル)を1R 0分42秒 TKOで破り、UFC世界女子ストロー級新王者となった。ウェイリは26年目を迎えたUFC史上初の中国人世界王者となった。
▼UFC女子世界ストロー級選手権試合 5分5R
×ジェシカ・アンドレジ(ブラジル/114.5ポンド/51.93kg)
[1R 0分42秒 TKO]
○ジャン・ウェイリ(中国/115ポンド/52.16kg)
※ウェイリが新王者に
2013年からUFCで活躍を続ける王者ジェシカ・アンドレジはここまで4連勝中、うち3試合でパフォーマンスボーナスを獲得しており、元チャンピオンのローズ・ナマユナスを撃破してチャンピオンに輝いた5月の試合ではファイト・オブ・ザ・ナイトとパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを同時受賞している。
対する19戦連続負けなしの戦績を誇るウェイリは中国で最も優れた女子ファイターと言われており、UFCではわずか1年で世界トップ10入りを果たした。立ち技のみの試合にも挑戦しており、2013年12月には「Krush.35」にも出場している(※佐々木仁子に判定負け)。今回、中国初のUFC5分5Rのタイトルマッチで、UFC世界王座に挑む最初の中国人ファイターとなる。
大会前にUFCのダナ・ホワイト会長は「ウェイリとは誰も戦いたがらなかった。そこでジェシカに声をかけたところ、彼女は『自分が戦う』と言い、しかも、中国でやると! 2人とも本当に素晴らしいファイターだ」とコメントしている。
ウェイリは試合前に、「このチャンスを与えられたら逃すことなどできません。私のやるべきことはショーを見せることだと思っています」と語れば、アンドレジも「ウェイリは本当にタフなファイターだと思います。良い打撃も当てていますし、速くて力強いです。だからこそ、私は今回の試合に向けてしっかりと準備しなければなりません。彼女はすでに私も戦ったことのあるテシア・トーレスと対戦し、試合中に彼女が(トーレスに対して)何をしたのかも見ました(※ウェイリが判定勝ち)。ダナとUFCは今回の5分5Rのマッチアップに関して最高のチョイスをしたと思っています」と話している。
1R、ともにオーソドックス構え。ジャブ&左ローから入るウェイリ。左右を振り前進するアンドレジに下がりながら右ヒジを巧みに当てるウェイリ。それでも前進するアンドレジにウェイリは右ストレート! これで動きが止まったアンドレジにさらにウェイリは首相撲からヒジ&ヒザ蹴り連打! 下がるアンドレジにさらにヒザ蹴り。左右ラッシュから金網に詰まったアンドレジに右ストレートを当てるとアンドレジはダウン! ウェイリのパウンドに防御も出来ず、レフェリーが間に入った。
It took Zhang Weili less than a minute to secure China's first UFC title. #UFCShenzhen pic.twitter.com/WTJ26hbCjn
— UFC (@ufc) August 31, 2019
中央アジア・キルギスのヴァレンチーナ・シェフチェンコに続き、アジアから2人目、東アジアでは初のUFC世界王者となったウェイリは試合後、「最初の中国人UFC世界王者になれて嬉しいです。この日のためにやってきました。結果が出せて嬉しく、中国人として誇りに思います」と快挙の喜びを語ると、最後に「マイネーム・イズ・ジャン・ウェイリ、フローム・チャイナ、リメンバー・ミー」と英語で語った。
一方、王座陥落したアンドレジは、「防衛する気満々だったけど、負けたのは残念。でもまた中国で試合をしたい」と完敗に納得した表情。続けて、再戦について問われると「(今回は)王者なのでやはりアグレッシブにいきたかったけど、じっくり相手を見る必要があるかもしれません」とサバサバとした表情で語った。
◆ジャン・ウェイリー「勝利のカギは冷静なマインドセットとコーチたちが決めてくれた戦
「タイトルマッチに勝てて本当にうれしい。