決勝戦を争う志朗(左)と那須川。両選手とも高いモチベーションを感じさせた
2019年9月16日(月・祝)千葉・幕張メッセ・イベントホールにて開催される『RISE WORLD SERIES 2019 Final Round』の記者会見が、8月30日(金)都内にて行われた。
会見には「RISE WORLD SERIES -58kg級世界トーナメント」の決勝戦を争う、RISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)とISKAムエタイ世界バンタム級王者・志朗(BeWELLキックボクシングジム)が出席。
志朗は「RISEに参戦した一番の目的は天心君と戦うためと言っても過言ではないので、自分が勝って格闘技界を変えたい」といきなりの“主役交代宣言”。
「デビューした当初からやると思っていました。最初は同じ55kgでやっていたのでタイミング次第だと」と、那須川がプロデビューした時から意識していたという志朗。「スパーリングとか試合をする話もあったんですが、全部流れました。縁がないのかなって思っていたんですが、決勝で戦えるのは嬉しいですね。(那須川の)穴というよりはいかに作戦を練るか。彼を研究する作業をしています。詳しくは言えません」と、まさに実力で引き寄せた運命の対決に十分な研究をして臨むという。
8月上旬には3日間の走り込み合宿を敢行。その合宿には那須川のチームメイトである白鳥大珠らも参加しており手の内を一部見せることにもなったが、「そこまで考えてやってないです。リーチがあってやりづらかったですね。合宿がキツかったので考える暇もなかったです。試合では合宿の成果を見せたい」と、まったく気にしていない様子。
白鳥も「志朗選手と同じ合宿をしてマススパーも軽くやりました。でも天心のために何かをしたのは一切なく、自分のために行ったので何もないです」と、それどころではなかったとした。
那須川は「やっとトーナメントの決勝だというのもあるし、もう決勝なのかというのもある。自分の中で最高の準備ができているので、志朗君と戦うのも嬉しいし、タイミングを逃して戦えなかった時期もあったので、ここでしっかり決着をつけたい。RISE WORLD SERIESは格闘技界最大の興行だと思っているので、それを体現するためにみんなでいい興行にして、最後は僕が全部持っていくので期待していてください」と挨拶。
試合18日前ですでに-58kgのリミットまであと1kgに迫っていることをSNSで報告しており、「正直、58kgは適正体重じゃないんです。今はやりの水抜きがあるじゃないですか。脂肪はそのままで水だけ戻して身体を戻すという。でも水抜きをするとスピードが落ちるんですよね。だから今回は長い時間をかけて脂肪を削って食事も制限して落としました。スピードが今までより発揮されると思います。55kgの時代のスピードに戻るというか。なんなら試合当日は55kgに絞ってもできるくらいにもっていっています。そこを注目してください」と、スピードを重視した減量方法を試していると説明した。
この日はファンからの質問も受け付け、RIZINでの朝倉海vs堀口恭司のようなジャイアントキリングを志朗に期待する声も。
志朗は「朝倉選手のことはいろいろ言われました。ジャイアントキリングを期待する声もあります。僕は朝倉選手の(格闘技界における)位置が一気に変わったのを見て、格闘技って勝った方が全てを奪い取れると思ったので、それがモチベーションです。KOを狙えるなら狙いたい。天心君も同じ人間なので打たれ弱いところは弱いはず。そこを狙っていきたい」と、ジャイアントキリングを起こしたいと意気込んだ。
これを受けて那須川は「自分がその立場なら(絶対王者が)負ける試合を見たいと思う人は多いと思うので、仕方がないですね。でも1回負けた方が楽になる、プレッシャーから解き放たれると言いますが、自分は負けることが嫌いですし、負けることはイコール“死”だという覚悟があるので負けたくない。大前提は勝つということですが、究極は負けないためにどう戦うか。そこをずっと極めているので負けないと思いますね。負けないですよ、絶対に勝ちます」との覚悟を語り、必勝を宣言した。