1年1か月ぶりの試合となる林。後楽園ホール登場は実に6年ぶり
2024年4月28日(日)東京・後楽園ホール『Krush.160』にて行われるK-1×Krushスーパーライト級4対4マッチに、K-1チームで出場する林健太(FLY SKY GYM)のインタビューが主催者を通じて届いた。
林はK-1参戦経験のある父を持ち、2013年8月からK-1 JAPAN GROUPに出場。強打を武器に2018年12月のK-1ライト級世界最強決定トーナメントで優勝すると、2019年3月には卜部功也に大番狂わせの勝利で第3代K-1ライト級王座に就いた。2020年12月の初防衛戦で王座を失うとスーパー・ライト級に転向し、佐々木大蔵と鈴木勇人には敗れるもヴィトー・トファネリ、不可思、小嶋瑠久、不可思に勝利。2023年3月、大和哲也にK-1スーパー・ライト級タイトルマッチで挑戦したが判定で敗れた。逆転KOが多い激闘派だ。戦績は22勝(14KO)10敗2分。
──まず、今回の「綱引きマッチ」という形式を聞いた時はどう思いましたか?
「いや、俺マジで何とも思わなかったっすね。基本的に、誰でもいいと思ってるんで。『ああ、当日まで相手が分からへんのやー』ぐらいですね」
──いいとかイヤとかもなく?
「はい、何もないです」
──相手が当日まで分からなくても平気なんですか。
「そうっすね、あんまりそういうのを考えられるほど賢いタイプではないですし、『用意、ドン!』で大丈夫ですね、誰でも」
──なるほど。では普段の、相手が決まっている試合の時も、そんなに対策とかはしないんですか?
「そうですね。今までやったらキヨ(トレーナーのキヨソンセン・FLYSKY GYM)に『映像見といて』って言って、『ケンタ、こういうのがいいと思う』っていう技とかを練習するぐらいですかね。『この技がホンマに入るんかな?』って確認がてらに映像を見ることはありますけど、基本的に僕はあんまり見て確認するタイプじゃなくて、トレーナーに任せてますね」
──ただ、今回はそれもないわけじゃないですか。
「トレーナーが相手の映像を見て『これというのがなかったから、いつも通りやろう』「って言われたら『OK!』って言っていつもの練習を頑張ってできるタイプなので。だからホントに、立場的に1回世界王座を獲ってるので、はい。誰に負けてもキャリアが危ないし、負けたらアカンっていうのも当たり前で、客観的に見て負けれないので、誰でもいいですね」
──カード発表会見の時も、「立場的に負けられない」と繰り返し言ってましたが、今回の試合は、その気持ちが一番強い?
「そうっすね、負けれない、負けたらヤバいっていうプレッシャーは、たぶんK-1側は全員思ってるんじゃないですかね」
──林選手は昨年3月の大和哲也戦以来、これが久々の試合になりますが、そこでこれというのはなかなか大変なんじゃないですか?
「大変って言ったら大変かも分かんないですけど、試合ってなったらいつも大変なので、今回が特別大変とかそういうのは思ったことないですね」
──ここまで試合に出られなかった期間で、一番重点を置いてきたところというと?
「前回の自分の試合を見直して、もっとこういう風にしたら伸びしろがあるなっていうところ、相手がどうとかよりも自分をもっとよくしていくというのを、1年かけてやってきた感じですかね。例えば構えでニュートラルの重心がもうちょっと後ろの方がいいのかとか、もう本当に構えとフォームを、1年間ずっと修正してました。休んでたのは目の手術を2回やったからなんですけど、やっとお医者さんのGOサインも出たので、試合に出られることになりました」
──では相手が誰になるにせよ、どういう試合にしたいですか?
「それはもう、毎試合心がけてることですけど、見てる人が興奮するような熱い試合ですね。それは絶対にするっていつも決めてるので。その上で勝ちたいです」
──それは、リスクも取るということですか? 危なげない試合をするよりはと。
「そうっすね、僕の頭の中ではそういう感じです。デビューからずーっと思ってることなので」
──さらに今回の試合にはK-1王座決定トーナメントへの出場権も懸けられています。そこについては?
「もう絶対にそこに行くために準備してきたので、トーナメントに出えへんっていう選択肢は、自分の中にないですね。絶対に掴む試合をします」
──後楽園ホールの試合は5年8カ月ぶりになります。そこはいかがですか?
「水町浩戦以来ですよね。後楽園で試合するのがどういう感じやったかって、もうあんまり覚えてないんですけど(笑)、逆に応援団がより近くで見れるチャンスなので、後楽園もアリなのかなって思ってます。今回から所属に自分のジムも入れて、『FLYSKY GYM/Tmile Gym』になったというのもあるので」
──そうなんですね。
「昨年の9月から自分のジムを始めて、キッズの子たちとか大人の会員さんも増えてきて初めての試合なので。ただただ、『よう喋る関西人』と思われてるので、格闘家やぞっていうところを見せるチャンスですね。ただ『ごっつ喋る人』やと思われてるんで」
──よけいに負けられないですね。会見でも林選手からは一番「立場的に負けられない」という気持ちが伝わってきてました。あと、「ゴンナパー選手とやりたい」という気持ちも(笑)。
「いや、マジでやりたいですね。ゴンナパーとは。運命やと思いましたから。階級を上げて、もうやることはないやろなと思ったらゴンナパーも階級を上げて、ここでもう1回戦えるって思うたら、俺からしたら運命やなと思ったんで、できたら王座決定トーナメントの決勝で戦いたいですけどね。最後にリベンジを果たしてチャンピオンっていう、一番いい筋書きでやりたいですね」
──それはいいですね。では、もちろん今回は当たれないですけど、2人して勝ってトーナメントに出るのが一番の理想だと。
「そうですね。まあ、ゴンナパーも一緒に勝ち上がって、なんて考える余裕はなくて、ホンマに自分のことしか考えてはないですけどね(笑)」
──久々の試合で、ジムからの応援団もたくさん来られると思うんですけど、その他にも久しぶりに林選手の試合を見るお客さんも多いわけで、一番見せたいのはどういうところですか?
「『やっぱり林の試合はオモロいな』っていうところを見せたいですね。『久しぶりに見たらやっぱ林の試合はハズレがないな』って改めて思ってもらえたらと思います」
──では最後に、今回の試合への“決意”を、改めて教えていただけますか?
「簡単ですよ。マジで意識飛ぶまで諦めないっす。意識飛ぶまで止まらへんって決めてるんで。どうなっても、結局勝てばいいですから。今回もそうやし、トーナメントも1回戦、準決勝、決勝と、どんだけ危なかったとしても、最後に勝ちゃいいと思ってるんで」