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【UFC】「運転手」と「チャンピオン」だった2人が、BMFベルトを賭けて12年目の「最高試合」──ホロウェイ「ゲイジーとオクタゴンを共にしたことが素晴らしいことで、彼と2人の『ファイト・オブ・ザ・ナイト』だ」

2024/04/14 18:04
 2024年4月13日(日本時間14日)、米国ネバダ州ラスベガスのT-MobileアリーナにてUFCナンバーシリーズの第300回記念大会『UFC 300: Pereira vs. Hill』(U-NEXT配信)が開催された。  第11試合では、2019年11月のネイト・ディアズvs.ホルヘ・マスヴィダル戦で創設されたBMF(Baddest Motherfucker)王座の防衛戦が行われる。マスヴィダルの引退後の2023年7月にジャスティン・ゲイジーとダスティン・ポイエーが争い、ゲイジーが右ハイでポイエーを沈め2代目王座についたBMFベルト。  ゲイジーは、そのままイスラム・マカチェフの持つライト級王座への挑戦権を得たと思われたが、今回元フェザー級王者のホロウェイを相手に史上初のBMF王座防衛戦に臨むこととなった。挑戦者のホロウェイはアーノルド・アレンと“コリアンゾンビ”ジョン・チャンソンを相手に2連勝中だ。 ▼UFCライト級“BMF”王座戦 5分5R〇マックス・ホロウェイ(米国)26勝7敗(UFC22勝7敗)156lbs/70.76kg[5R 4分59秒 KO] ※右フック×ジャスティン・ゲイジー(米国)25勝5敗(UFC8勝5敗)156lbs/70.76kg※ホロウェイがBMF王者に。※UFCライト級王者はイスラム・マカチェフ  妻とT-Mobileアリーナ入りする際に『ONE PIECE』のニカのフーディーを羽織って入場したホロウェイ。試合では地元ハワイのハイビスカスのカスタムショーツを着用して「UFCでもっともヤバイやつ」王座に挑む。  階級王座と同じ「5分5R」で行われたBMFタイトルマッチ。  試合は、初回から右カーフを当てて行くゲイジーに、ホロウェイは効かされながらも、徐々にその蹴りをチェック。ゲイジーの前進にはスピニングバックキックを突くと、その後も角度をつけてゲイジーのガードの隙間に的確なパンチを打ち込んだ。4Rにゲイジーの右でダウンを喫するも最終回に右を当てて右ボディ打ち、さらにヒザ蹴りで腹を効かせて攻勢に。  ゲイジーの胴廻し回転蹴りをかわし、残り10秒の拍子木が鳴ると、「中央に来い」と打ち合いを望むホロウェイに、ゲイジーも応じて右を振るが、それをかわしたホロウェイは左右のボディ打ちから右フック! ゲイジーが前のめりに倒れて、試合は決した。  判定でも勝利濃厚な展開で、打ち合いに出てKO勝ちしたホロウェイは、マーク・コールマンからベルトを受け取ると、妻の肩にBMFをかけて、「失う物を怖れず、リスクしかない戦いを受けてくれたゲイジーに感謝したい。俺はどの階級でもグラジエーターだ。エルマタドール(※フェザー級王者のイリア・トプリア)でも(ライト級王者のイスラム・)マカチェフでも誰でもかかってこい。145でも155ポンドでもタイトルを賭けて戦う。これがほんとうのBMFだ。もっと戦いたい。60万ドルの(W)ボーナスがほしい」と語った。  そして大会後、ホロウェイは「ファイト・オブ・ザ・ナイト」「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」の両賞に選ばれ、希望通りの60万ドル(約9千200万円)のボーナスを獲得している。  試合後、日本のU-NEXTのインタビューに応じたホロウェイは、Wボーナス受賞の激闘を、「ゲイジーとオクタゴンを共にしたことが素晴らしいことで、彼と2人で『ファイト・オブ・ザ・ナイト』だし、2人で『パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト』なんだ」と、ゲイジーとの共作だと語った。  実はホロウェイとゲイジーの出会いは12年前にさかのぼる。  2012年8月にホロウェイと彼のチームは、『UFC 150』デンバー大会でトレーニング場所を必要とし、トレバー・ウィットマンのトレーニングセンターにたどり着いたものの、当時のホロウェイとコーチ陣には往復の交通手段が無かった。その時、北コロラド大学からジムに来たばかりの、当時プロ4勝0敗の23歳のゲイジーが数日間彼らの運転手になることを申し出ている。  そしてキャンプ期間中に「いかにUFCファイターになるか」をホロウェイに話していた。その翌年、ゲイジーはWSOF入りし、チャンピオンになって、2017年にUFC入りを果たしている。ちょうど、ホロウェイがメインイベンターとしてジョゼ・アルドに勝利し、UFC世界フェザー級王座統一を成し遂げたばかりだった。  それから12年。ドライバーとチャンピオンだった両者は、同じ舞台でBMFのベルトを賭けて戦った。 「最後の10秒、俺が先に当てることに恵まれた。でもゲイジーのパンチがかすめた風だけで痛かった、マジでヤツはヤバい」と、対戦相手を賞賛したホロウェイ。  試合後のXでは、「タンゴは二人で踊るもの。UFC300にとってこれ以上良いダンスパートナーは望めなかった。あのオクタゴンをジャスティン・ゲイジーと共に共有できたことは光栄だった。あらゆる点で“真のBMF”だった。この機会をくれてありがとう。私と一緒にロックしてくれた本物のみんなにも声援を送ります。前にも言ったけど、もう一度言う。#blessedexpressは動きす。シートベルトを締めてくれ。敬具、“永遠の祝福された男(BMF=Blessed Man Forever)より”」と、あらためてゲイジーに感謝の言葉と、今後ホロウェイがベルトを巻く間は、BMFの意味が変わることを示した。  最後に、「マクレガーvs.ホロウェイ2」の再戦を望む声に、「MG!! マクレガーvs.ホロウェイ2だって? いいねそれ。これだから日本の人は好きだよ! みんな注意してて、オレは今月が無理なら来月にはまた日本に行くからね、ビビらずに『ハイ!』って声かけてくれよな」と、再来日も予告している。  残り1秒KOというヤバい勝ち方で“最高にヤバいヤツ”ベルトを手にしたホロウェイが次に目指すのは、フェザーかバンタムのベルトか、それともスーパーマッチか。
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