元山祐希インタビュー「いつものように前に出続けて圧勝」
――昨年から行われてきたINNOVATIONフェザー級王座決定トーナメント、決勝に勝ち残った元山選手と前田選手がタイトルマッチで決勝戦との構図です。
「やっとできたって感じですね」
――昨年4月30日の遊羅戦から4連勝と絶好調の元山選手、前試合は、2月12日、後楽園ホールのRWS(ラジャダムナンワールドシリーズ)日本興行で佐野貴信選手相手にユナニマスデシジョン(判定3-0)の快勝でした。
「吉成名高選手がメインのRWSジャパン旗揚げ戦の第1試合、一発目で勝つことができて光栄でした。佐野選手は、WMC日本王者で強かったですが、練習してきたことができて、作戦もはまった感じで」
――それ以前は、11月19日、大分県、KODOでYUZUKI BRAVELY選手に回転バック肘打ちの大技で見事3ラウンドTKO勝利、10月1日、茨城県、AROUSALでNJKFとの対抗戦ランカー対決、TAKAYUKI選手に判定勝ち、そして、前述の遊羅選手に3ラウンド、肘打ちでKO勝ちの4勝2KO、この快進撃の理由は?
「今まで色んな階級でやってきて、やっと適正体重で戦うようになって、自分のイメージと身体機能がアジャストしてきたんじゃないですかね」
――33歳のベテランにして成長中?
「常に進化し続けていますよ」
――そして、これまで爪にまでかけて巻けずにいたINNOVATION王座のベルトに王手です。
「流れとして僕が獲るしかないですね」
――対する前田大尊選手については?
「若くて、勢いがあって、強いしかないでしょう」
――そんな前田選手にどう戦いますか?
「いつものように前に出続けて圧勝です。オールラウンダーな相手ですが、どんな形になっても自分のペースにはめ込みます」
――前田選手は、若さと勢いもさることながら、7月23日、NJKFの代表選手格、一航選手にダウンを奪っての判定勝ち、大金星を17歳で上げました。
「リングが地元ですよね? それじゃあ価値半減だなぁ。敵地か中立の舞台じゃないと。大したものではありますが、それじゃ僕は動揺しません」
――33歳のベテラン強豪と18歳の新鋭、わかりやすい世代抗争の構図です。
「おっさんを舐めんなよ!(笑)」
――このベストを巻いた後の構想は?
「KNOCK OUTに出たいです」
――先日(3月29日)には、ONEのバンコク、ルンピニースタジアム興行で同じ武勇会の同僚、紀州のマルちゃんが登場し、ダウンを奪い合う大激闘をしてのけました(結果は3RKO負け)。
「ONEでもRISEでもどこにだって、ここで勝てばなるようになるでしょう」
――年齢的な限界は、まだ感じませんか?
「ここ最近は、いつ終わってもいい覚悟でリングに上がっています」
――……。
「限界を感じたら終わりです。試合に負けても悔しくなかったら、それが限界でしょう」
――強い覚悟を感じます。
「ここ最近は、ブレイキングダウンで乱闘して目立ったり、平本蓮選手がSNSを駆使して色んなトリックを仕掛けたり、皆が色々な工夫をしてお客さんを楽しませているじゃないですか。プロだなと。どんな方法でも面白くしてなんぼです。平本選手は凄いなと思います」
――ともすれば、競技とは真反対のエンタメ路線、硬派なイメージの元山選手からすると意外な評価です。
「頭が良くないから僕にはあれはできないし、乱闘も罵倒もしません。だから戦う姿から気持ちが伝えられたらなと」
――それこそが王道です。
「僕の試合を見て、何か感じてくれれば嬉しいなと。魅せますよ!」