K-1 WORLD MAX2024年3月20日(水)東京・国立代々木競技場第一体育館
▼第22試合 K-1 WORLD MAX 2024 -70㎏世界最強決定トーナメント開幕戦 3分3R延長1R×和島大海(月心会チーム侍)=70.0kgKO 1R 3分00秒 ※右フック○ダリル・フェルドンク(オランダ/Fight Team Ringer)=69.5kg※フェルドンクが準々決勝進出。 和島は第1回K-1アマチュア全日本大会優勝など、アマチュア大会で数々の実績を残して2016年7月にKrush初参戦。サウスポーから繰り出す破壊力十分のパンチと蹴りで2020年3月の第3代K-1スーパー・ウェルター級王者決定トーナメントでは準優勝。その後3連続KO勝ちを飾ると、2021年12月に木村“フィリップ”ミノルに挑戦して左ミドルでKO勝ち、K-1王座に就いた。2022年6月の『THE MATCH 2022』では“ブラックパンサー”ベイノアから3度のダウンを奪う圧勝を遂げ、9月はメレティス・カコウバヴァスを1RでTKO。2023年3月にはジョムトーンを延長戦でKOし、7月にはかつて敗れているジョーダン・ピケオーをもKOしてK-1では7連続KOを飾ったが、12月の3度目の防衛戦でオウヤン・フェンにKOで敗れて王座を失った。戦績は20勝(17KO)5敗。
フェルドンクは端正な顔立ちとアグレッシブなファイトスタイルから“美しい人狼”と呼ばれているオランダの強豪ファイター。ヨーロッパのキックボクシング団体『Enfusion』(エンフュージョン)の元ライト級(-70kg)王者で、11勝のうち7KOと高いKO率を持っている。得に左フックが強く、パンチの回転の速さで相手のガードを弾くパワーが持ち味。戦績は11勝(7KO)3敗。
1Rが始まってすぐ、フェルドンクの右ミドルがローブローとなって試合中断。再開後、左フックを連発して前へ出るフェルドンク。和島は左インローを奥足に狙い撃ち。それでも前へ出て左フックを打って来るフェルドンクに和島はジャブとヒザ。勢いで前へ出てパンチを繰り出すフェルドンクに和島はパンチをもらいながらも左ロー、左ヒザを蹴る。どんどん前に出て左右フックを振り回すフェルドンク。
打ち合いの左フックで和島がダウンを喫する。再開後、すぐにフェルドンクの右フックをもらった和島は2度目のダウン。フェルドンクのKO勝ちとなり、和島は1回戦で姿を消すこととなった。
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▼第21試合 K-1 WORLD MAX 2024 -70㎏世界最強決定トーナメント開幕戦 3分3R延長1R○オウヤン・フェン(中国/天津阿福ファイトクラブ/CFP)=69.8kg判定3-0 ※30-26×3×パスカル・シュロス(ドイツ/Martial Arts Academy)=69.6kg※フェンが準々決勝へ進出。
フェンは武林風-70kg級世界王者、WLF武林風スーパールーキー-70kg級王者、2023年中国キックボクシング選手権-75kg級優勝、IPCC中国 -70kg級王者で中国70kg最強の呼び声が高い強豪ファイター。かつて、GLORYのライト級トップ戦線を争っていたクリスチャン・バヤから判定勝ちを収めたことがある。2023年7月の武林風では、WLF武林風-70kg級世界王者のアナトリー・モイセーエフ(ロシア)をKOして王座奪取。12月の初来日で和島大海をKOしてK-1スーパー・ウェルター級王者となった。さらに2024年1月、武林風邪でダビッド・キリアをも3RでTKO。戦績は22勝(8KO)2敗。
“ブレーメンの暗殺隊”のニックネームを持つドイツのベテラン・シュロスは73戦とキャリアが豊富で、52勝のうち32KOをマークしている。WKU世界タイトルをキックルールとムエタイルールで2階級をそれぞれ制覇しており、目立つのは蹴り技のテクニック。強烈なミドルキックとヒザ蹴り、外から回してくるハイキックで相手を追い込むのが特長だ。戦績は52勝(32KO)17敗3分1無効試合。
1R、フェンは右の力強い右ストレート。シュロスはジャブから右ハイキック。シュロスの右ローにはフェンが左アッパーからの右ストレートを返す。
2R、フェンは左ミドルを連発し、シュロスは左右のボディから飛びヒザを放つ。シュロスは再び飛びヒザを放つが、右フックでフェンがダウンを奪う。
3R、フェンは左ボディからの右フック、シュロスは左インローを蹴るがフェンの前進は止まらない。距離を詰めて右フックを見舞っていくフェン。さらにワンツーでシュロスを下がらせる。シュロスは右ヒザを突き刺すがフェンはかまわず前へ出て左フックからの右ストレート。シュロスもヒザとワンツーで応戦したが、ヒット数と手数ともにフェンが圧倒。
フェンが判定勝ちで準々決勝へ進出した。
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▼第20試合 K-1 WORLD MAX 2024 -70㎏世界最強決定トーナメント開幕戦 3分3R延長1R○ヴィクトル・アキモフ(ロシア/ブラジリアンタイ)=69.7kgKO 2R 1分45秒 ※バックハンドブロー×中島 玲(フリー)=69.9kg※アキモフが準々決勝へ進出。
選手の欠場を受けて出場となったアキモフは、日本のホーストカップを主戦場に戦い、2022年3月には璃久と接戦となるも判定負け。2024年3月のホーストカップでは龍威地をKOして、勢いをつけてのK-1MAX参戦となった。富山県在住。
中島は元プロボクシング日本スーパーウェルター級暫定王者で、K-1転向を表明した中島は高校時代にボクシングを始めてアマチュアで実績を残すも、2016年に交通事故で首の骨を折る重傷を負ってしまう。そこから3年のリハビリを経て奇跡の復活を果たし、2019年にボクシングプロデビュー戦で判定勝利を収めた。
2020年10月にプロ4戦目にして前OPBF東洋太平洋ミドル級王者細川チャーリー忍を判定に破る大金星をあげて注目を浴びる。2023年4月には、ボクシング元世界3階級制覇王者の亀田興毅ファウンダーがプロデュースした『3150 FIGHT SURVIVAL vol.4』の日本スーパーウェルター級暫定王者決定戦で同級2位の加藤寿をTKOで下し、日本暫定王者に。アマチュア戦績は26勝13敗、プロ戦績は6勝(1KO)2敗。2024年1月9日にボクシングの試合を終えたばかり。
1R、中島は踏み込んでの大きな右フック、サウスポーのアキモフは左ミドル、左カーフを蹴る。前へ出て圧をかける中島は右インロー。アキモフは左ミドル、中島が距離を詰めて左フックから右フックを打とうとしたところで、バックハンドブローをもらってダウンを喫する。
2R、中島は右インローを蹴り、距離を詰めてのパンチを狙うがアキモフはよく動いて当てさせない。中島が左ローを蹴ったところで、またもアキモフがバックハンドブロー。これが見事に決まり、アキモフのKO勝ちとなった。
「私はチャンスを与えられチャンスをつかみました。本戦に行きます」とダークホースは語った。
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▼第19試合 K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ 3分3R延長1R×シナ・カリミアン(イラン/SINA ARMY/王者)=89.6kgKO 3R 2分03秒 ※右フック○リュウ・ツァー(中国/唐山文旅驍騎ファイトクラブ/CFP/挑戦者)=89.9kg※ツァーが新王座に就く。カリミアンは初防衛に失敗。
カリミアンはアマチュアムエタイで活躍後、2018年9月の「K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント」に初来日。トーナメントを制して初代王者となった。同王座は2020年12月の3度目の防衛戦でK-Jeeに敗れて手放したが、2021年3月のダイレクトリマッチでK-JeeをKOし、王座を奪還。その後は、反則勝ちも含めて5連勝。2023年9月の「K-1 30周年記念無差別級トーナメント」では1回戦でKO勝利も準決勝でクラウディオ・イストラテに敗れた。戦績は16勝(8KO)3敗。
ツァーは散打の強豪にして中国キックボクシング界のニュースター。中国・武林風の推薦選手として2023年9月の「K-130周年記念無差別級トーナメント」に参戦すると、全試合KO決着で優勝を果たした。12月には本来の階級であるクルーザー級で谷川聖哉を初回KO。戦績は10勝(8KO)1敗。
1R、ツァーはワンツー・左ミドル、ワンツー・右ローで攻めていく。カリミアンは左右ロー。右ミドルを蹴ろうとしたカリミアンにツァーが右ストレートからの左フックを合わせてダウンを奪う。コーナーへ詰めたカリミアンに左右フックを見舞うツァー。さらにヒザ蹴りを突き上げてカリミアンがダウン気味に倒れる。カリミアンはワンツーを返すが、ツァーの左ボディ、左フック、右ストレートで追いかけまわされ、コーナーに詰まったところで右フックをもらって2度目のダウンを喫する。
2R、笑顔を浮かべるツァー。カリミアンはワンツー、飛びヒザ蹴りと強引に攻めるが、ツァーが右ストレートを打ち抜いてダウンを奪う。ツァーはジャブ3連発、右カーフ、左ボディと一方的に攻める。カリミアンは得意のバックハンドブローを放つが空振り、後ろを向いたカリミアンにツァーが左フックを放ってダウンを奪う。
しかし、レフェリーがブレイクをかけた後にツァーが攻撃したとされ、ツァーにはイエローカード(減点1)、カリミアンに5分間の休憩が与えられた。再開後、ツァーはボディへのジャブ、同じ踏み込みで左フック。カリミアンはバックハンドブローを放つが起死回生にはならず。
3R、見合いの展開となる。ツァーの左フックに右ストレートを返すカリミアン。お互いに手が出ない展開が続いたが、突如、ツァー左前蹴りをフェイントにしての右フックを打ち抜いてカリミアンが強烈なダウン。2メートルの巨体がバッタリと倒れ、カリミアン立ち上がることは出来ず、ツァーがKOで王座を奪取した。
ベルトを巻いたツアーは「私の師匠であるウェイ・ルイさんに感謝したいと思います。2017年に私の先生が中国人では初めてK-1のベルトを巻きました。そして私が続いてK-1のベルトを取れたのは素晴らしいことです。昨年、無差別級トーナメントで優勝してここでK-1世界王者になることができました。世界中のファンのおかげだと思っています。皆さん、私の名前を覚えてください、私の名前はリュウ・ツァーです」とアピール。
するとサッタリがリングに上がり「このタイトルに挑戦させてください。7月7日、このリングで戦いましょう。7月、最高の試合を見せてあげます。押忍」と次回のK-1での挑戦を要求した。
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▼第18試合 K-1 WORLD GP女子フライ級タイトルマッチ 3分3R延長1R×アントニア・プリフティ(ギリシャ/王者)=52.3kg→52.0kg判定0-3 ※27-30、28-30、29-30○SAHO(闘神塾/挑戦者)=52.0kg※SAHOが新王座に就く。ブリフティは初防衛に失敗。
プリフティはキックボクシングで22勝(5KO)2敗1分の高い勝率を飾り、並行してMMAでは4戦(2勝1敗1分)のキャリアを持つ二刀流ファイター。これまでにWKUとVendettaの2団体で-57kgの世界王座を獲得。WKU -55kgギリシャ王者にもなっている。2023年12月に初来日で初代王者KANAに挑戦し、判定3-0で王座を奪取した。
SAHOは、超攻撃的なファイトスタイルでデビュー当初から注目を集め、キック・ムエタイルールでは4本のベルトを巻く。2021年12月にK-1初参戦し真優とのスーパーファイトで勝利。2022年6月、K-1女子大会でジェシンタ・オースティンと対戦し激しい打ち合いを展開するもダウンを奪われて敗北。2023年4月、Krush女子大会で韓国のイ・ドギョンから勝利を収め、7月は鈴木万李弥、12月にリー・リーシャンから判定勝利している。戦績は16勝(1KO)2敗。
1R、開始と同時にワンツーで前へ出るブリフティ。SAHOは左右フックを返す。ジャブのカウンターを入れるSAHOが左右フック、ブリフティがヒザを返すとSAHOはニヤリと笑って一度後退、サウスポーになると左ミドルを蹴る。ブリフティは接近して左右フックで攻めるが、SAHOはワンツーを返す。
2R、前に出てくるブリフティに連打を返すSAHO。そのパンチで右目が腫れる。SAHOのワンツーにグラついて下がるブリフティ。SAHOはその右目を狙うかのような左フックを打つ。ブリフティの右フックをもらうと4連打で返すSAHO。打ち合いに来るブリフティにSAHOは左フックを打ち込む。
3R、ブリフティの腫れた右目にドクターチェックが入る。再開後、打ち合いに来るブリフティに左右フックを返すSAHO。左右のロングフックが何度もブリフティを捉える。飛びヒザから打ち合いに行くブリフティに、SAHOはワンツー連打で前へ出る。ブリフティのフックは空振りさせ、左のオーバーハンドを決めるSAHO。
完全な攻略っぷりでSAHOが判定勝ち。タイトルを奪取した。
SAHOはマイクを持つと「ほんまにここまで来るんがめっちゃ長くて。でもしんどい時でもここまえ頑張れたのはほんまにみんなの応援で来れたので感謝しかないです。それに塾長、いろいろなことがありましたけど、今日まで付き合ってくださってありがとうございました。王者になってからがほんまの勝負やと思っているので、やると決めたからには意地でもこのベルトは持ち続けるので誰でも来いって感じです」と、感謝の言葉と共に自分が防衛を続けると宣言した。
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▼第17試合 K-1 WORLD MAX 2024 -70㎏世界最強決定トーナメント開幕戦 3分3R延長1R×ストーヤン・コプリヴレンスキー(ブルガリア/Mike's Gym)=69.8kg判定0-3 ※28-29×2、28-30○カスペル・ムジンスキ(ポーランド/Armia Polkowice)=69.6kg※ムジンスキが準々決勝へ進出。
コプリヴレンスキーは“ザ・スナイパー”の異名を持ち、現GLORYライト級王者ティジャニ・ベスタティから2017年12月に判定勝利しており、2022年10月には1勝1敗で迎えた3度目の対戦でベスタティの保持する王座に挑戦するも判定負け。2022年12月にはRISEに初来日して海人と対戦し、判定2-1で惜敗した。前戦は2023年10月にソリン・カリニュックに判定勝ち。現在GLORY世界ライト級2位で戦績は19勝(6KO)6敗。 ムジンスキはMFC世界-70kg王者、IRON FIGHTER-70kg王者、WFMCポーランド-70kg王者、WKSFポーランド-70kg王者で身長178cm。以前からトーナメント出場をアピールしており、その執念が実った形だ。アグレッシブに前へ出てパンチを打ち込むファイタータイプだという。
1R、コプリヴレンスキーがジャブから右カーフ、続いて左ボディから右ストレート。さらに右フックから左ハイキック。ムジンスキも右カーフを蹴るが、コプリヴレンスキーが次々とコンビネーションでヒットを奪っていく。コプリヴレンスキーが右カーフを蹴ると、ムジンスキは右フック。コプリヴレンスキーのコンビネーションを断ち切るからのように右か左のフックを打つムジンスキ。左ボディもお返しした。ジャブ、ストレートを伸ばしていくコプリヴレンスキーは右ハイキックがヒットすると一気にまとめようとしたが、ムジンスキはすぐにワンツーで反撃してコプリヴレンスキーを下がらせた。
2Rも多彩な技で上中下と攻撃を振り分けるコプリヴレンスキー。ムジンスキは強烈な左ボディと右フックを打つ。長いリーチから繰り出すワンツーを当てていくコプリヴレンスキーだが、ムジンスキは前へ出て右ローを蹴り、左フックからの左ボディ。コプリヴレンスキーの攻撃がかなり当たっているが、ムジンスキはものともせず前に出てきてパンチを当てにいく。
3R、前に出てくるムジンスキに下がらされるコプリヴレンスキー。互いにワンツー、左右フック、左ボディを打ち合う。するとここでムジンスキの右ストレートでコプリヴレンスキーが片膝をついてダウン。足を止めて打ち合う両者だが、またもムジンスキの左フックがコプリヴレンスキーの頭部を捉える。
試合が終わったところで解説の魔裟斗が「この2人のうち1人が1回戦で消えるのはもったいない。この2人はレベルが高い」と評価。判定は3-0でムジンスキが勝利、優勝候補と目されていたコプリヴレンスキーが1回戦で消える波乱となった。
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▼第16試合 K-1 WORLD MAX 2024 -70㎏世界最強決定トーナメント開幕戦 3分3R延長1R○ゾーラ・アカピャン(ジョージア/ウクライナ/Gridin Gym)=69.7kg判定3-0 ※30-28×2、30-27×タラス・ナチュック(ウクライナ/Lottatori Milano)=69.4kg※アカピャンが準々決勝へ進出。 アカピャンはロシアの格闘技イベント『RCC』で活躍する“悩殺の貴公子”がニックネームのイケメンファイター。獲得してきたタイトルは、FEA WGPライト級王座、RCC Fair Fightウェルター級王座、Tatneft Cup 2019ライト級トーナメント優勝の3つ。ムキムキボディから放たれるパンチは破壊力がありそうだが、ヒザ蹴りへつなげて倒すテクニックも持ち合わせる。端正な顔立ちとムキムキボディは日本での女性人気が出そう。セコンドにはチンギス・アラゾフが就く予定。戦績は28勝(9KO)4敗。
ナチュックは24歳とまだ若いウクライナの超新星。ISKA世界ライトミドル級(-72.5kg)とWAKOインターコンチネンタル ミドル級(-75kg)の二冠王で突進力があり、相手をロープに追い込んでの左右のボディブローは強烈だ。イタリアの格闘技イベント『OKTAGON』で活躍。戦績は22勝(11KO)2敗1分。
1R、まずは両者ローを蹴っての探り合い。アカピャンは左ボディから左ミドル。
2R、左右のヒザを上げてフェイントをしながら前に出るナチュック。アカピャンは左ボディ狙い。連打でコーナーに詰めるナチュックだが、クリーンヒットは奪えない。ナチュックのジャブに右ローを蹴るアカピャン。その左ボディにナチュックは右フック。
3R、このラウンドはアカピャンが前へ出る。右ストレート、左ボディで攻め、ナチュックは右カーフ。ジャブを突くナチュックにコンビネーションを決めるアカピャン。左ボディも綺麗に決める。飛びヒザ蹴りも放つナチュックだが、残り10秒でアカピャンが放ったワンツーにナチュックが片膝を着く。試合終了間際にダウンを奪った。
判定3-0でアカピャンが勝利。準々決勝へコマを進めた。
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▼第15試合 K-1 WORLD MAX 2024 -70㎏世界最強決定トーナメント開幕戦 3分3R延長1R○ロマーノ・バクボード(スリナム/ARJ Trainingen)延長R 判定2-1 ※10-9×2、9-10×タナンチャイ・シッソンピーノン(タイ/Sitsongpeenong Muay Thai Camp)=69.6kg※バクボードが準々決勝へ進出。本戦の判定は29-29×3。
ダビッド・キリアの欠場により、急遽参戦が決まったGLOBAL FIGHTS -70kg王者バクボード。ファイトスタイルは粗削りながらスタミナが豊富で、接近戦では左右フック連打からのヒザ蹴りへつなげるノンストップ攻撃が得意だという。戦績は17勝(9KO)7敗1分。
22歳のタナンチャイは、この階級の次世代エースとみられており世界トップクラスの実力を持つ。185cmの長身から繰り出される正確な蹴り技、パワフルなパンチで“死神”とも呼ばれている。RWS(ラジャダムナン・ワールド・シリーズ)世界スーパーウェルター級トーナメントで優勝した経験があり、昨年12月のRWSではマーウェン・ハウィリをロープに釘付けにしてパンチを連打し、立ったまま失神KOに追い込み“死神”の恐怖を与えた。
WBCムエタイ世界スーパーウェルター級王座、WBCムエタイ世界ウェルター級王座の2階級を制覇、オムノーイスタジアム認定ウェルター級王座、タイ国プロムエタイ協会ウェルター級王座とタイトル獲得歴も豊富。また、シュートボクシングの海人を判定で下した元ONE世界王者ペットモラコットから勝利を収めたこともある。
バグボードは最終的に79.95kgの950グラムオーバーで計量をクリア出来ず、両者が協議の上、今回はファイトマネー20%減額、1ポイントマイナスからスタート、グローブハンデ(10オンス、8オンス)のペナルティが課せられることに。なお、トーナメントのため勝者が7月に勝ち残ることとなった。
1R、距離を詰めて左フックを振って来るバグボードにタナンチャイは右テンカオで対抗。タナンチャイは右アッパーも繰り出す。ガードの固いバグボードの両腕をこじあけるよう右ストレート、右アッパーを打つタナンチャイ。バグボードは接近して左フックを叩きつけ、タナンチャイはヒザを突き上げる。
2Rも距離を詰めて今度は右フックを当てに行くバグボード。タナンチャイはヒザで対抗するが、首に手を回してしまう。ガードが固いバグボードに、タナンチャイは右ボディを多用する。バグボードの左右フックに、タナンチャイはロープを背にしながら左アッパーとテンカオ。
3R、タナンチャイは左右アッパーに左右ヒザ。バグボードは果敢に左右フックで入っていくが、タナンチャイのヒザを受け続ける。残り1分、バグボードのボディを受けたタナンチャイは下がる場面もあったが、アッパーと左右ヒザの連打で前へ出る。
判定はドロー。延長戦へ。前へ出るバグボードだが、タナンチャイはヒザを連発。さらにアッパー。バグボードは左右フック、タナンチャイはヒザ。最後は足を止めて打ち合ったが、前に出て命中率は低かったが左右フックを繰り出したバグボードか、下がりながらもヒザを的確に入れたタナンチャイか。
判定は2-1でバグボードが勝利。体重超過の減点から巻き返しての勝利となった。
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▼第14試合 K-1 WORLD MAX 2024 -70㎏世界最強決定トーナメント開幕戦 3分3R延長1R○デング・シルバ(ブラジル/Squadron Thai Brasil)=69.8kgTKO 1R 1分57秒 ※ドクターストップ×璃久(HIGHSPEED GYM)=70.0kg※シルバが準々決勝へ進出。
ブラジルMMA団体『SFT』のSFT COMBAT-70kg王者。“灼熱のビッグモスキート”と呼ばれ、キックとMMAの二刀流ファイターでもある。身長190cmとこの階級では高くリーチがあり、蹴りとパンチのバランスに長けている。38勝のうち23KOを記録し、打ち合いの中から繰り出されるハイキックは的確。戦績は38勝(23KO)4敗。
璃久は2019年4月に『S-BATTLE』でプロデビュー。2戦目からはシュートボクシングを主戦場とし、4勝1敗の戦績を残す。『NO KICK NO LIFE』や『HOOST CUP』、『NJKF』などに出場し、2023年7月にKrush初参戦を果たすと森田奈男樹を3RでKOしてインパクトを残した。続けて12月のK-1に初参戦し、アビラル・ヒマラヤン・チーターからダウンを奪って殊勲の勝利。アグレッシブかつ攻撃力の強さを発揮している。戦績は9勝(5KO)2敗1分。
1R、長い脚から蹴りを繰りだしていくシルバがハイキックから追い込んでのワンツーでの右ストレートでダウンを奪う。シルバが右カーフから右ストレートで前に出たところでの、右飛びヒザ蹴りで璃久は右目上から流血。ドクターチェックを受ける。
「行けます、大丈夫です」と主張する璃久だが、ここでストップ。傷口が深く骨が見えており、骨も折れていることが確認されたという。シルバがTKO勝ちで準々決勝進出を決めた。
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▼第13試合 K-1vsRISE対抗戦 スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R○軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス/K-1 WORLD GPフェザー級王者)=57.5kg延長R 判定2-1 ※10-9×2、9-10×門口佳佑(EX ARES/RISEフェザー級王者)=57.5kg※本戦の判定は29-30、30-30、29-29。
軍司はK-1アマチュア優勝を経て2015年2月にプロデビュー。2016年にK-1甲子園優勝を果たし、2017年9月にはKrushバンタム級王座を獲得(第2代)。2021年12月に椿原龍矢の持つK-1 WORLD GPフェザー級王座に挑戦し、延長戦の末に判定勝ちで第5代王座に就いた。2022年2月には武尊とエキシビションマッチで拳を交え、8月の「K-1 WORLD GP 2022 K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」では優勝。12月にはワン・ジュングァンを判定で破り、2022年を5戦全勝で終えて『K-1 AWARDS 2022』ではMVPを獲得。2023年3月にはムエタイのトップ選手ヴューを判定に破り、初防衛に成功した。前戦は9月にアンジェロス・マルティノスに判定勝ちで12連勝を達成。戦績は24勝(6KO)5敗1分。
門口は『ABEMA』で行われた企画『VS 那須川天心』でトーナメントを勝ち上がり那須川天心と対戦したことで名をはせた空手出身の選手。その後、RISEで2018年7月にプロデビューすると、攻撃力の高さを活かして9戦無敗(1引き分け)を誇っていたが、2020年12月のフェザー級王座次期挑戦者決定戦で竹内将生に敗れ、挑戦権を逃した。2022年8月のRISEフェザー級タイトルマッチに臨むと梅井泰成から2度のダウンを奪い王座を奪取。12月にはSBの山田彪太朗と好勝負を演じて2度のダウンを奪っての判定勝ち、2023年3月には元Krush王者の新美貴士にも判定勝ち、7月にSBの川上叶を判定で破ると10月もSBの魁斗に勝利して初防衛に成功した。他団体を相手に4連勝。戦績は15勝(2KO)2敗1分。
1R、軍司はジャブから左ロー、門口は前蹴りを打つ。門口はジャブでけん制し、両腕ブロックをしっかり固めて前に出る。門口は右ボディストレート、門口は右ローを蹴る。軍司が左右フック&ボディを回転させてラッシュをかけると、門口は左のガードをしっかりしながら打ち合いに応じる。至近距離で連打を出す軍司に門口は飛びヒザ。門口は歩くように左右の構えを変えながらパンチを出して前へ出る。
2R、軍司が右ローを蹴れば門口は左ローを返す。門口は頻繁に左右の構えをスイッチさせ、足を入れ替えながらパンチを繰り出す。軍司は左ボディからの右フック。門口は左ストレートからの右アッパー、離れると門口が左フックを見舞っていく。軍司のワンツーには門口がヒザを返す。細かく手足を出す門口に軍司が右ストレート、左フックを上手く当てる。
3R、門口がジャブから左三日月、軍司は下がりながらも右ストレート。前へ出る門口に軍司は立ち止まって両者至近距離でボディと顔面、アッパーを打つ。さらにヒザ蹴り。軍司が左右フック、アッパーをヒットさせる。門口はパンチからヒザにつなげる。軍司は細かく当てていくが、門口もすぐに返す。
ジャッジ1名が門口を支持したがドロー。延長戦へ突入する。門口が左カーフを蹴れば門口もすぐに右カーフを蹴る。至近距離で相手のパンチをブロックして返す両者。前に出る門口は声を発しながらフックを顔面とボディに、さらにヒザ。軍司もショートの右ストレートに左右フック、負けじとヒザを突き刺す。両者とも手数を増やして至近距離でパンチとヒザをかわす。門口の左右フックにヒザで応戦する門口。左右フックとヒザで前に出る門口に、軍司は一発のインパクトが強い左右フック。
判定は2-1で軍司が勝利。僅差ながら王者対決を制した。対抗戦も4勝1敗でK-1の圧勝となった(10試合トータルでは7勝3敗)。
軍司はマイクを持つと「フェザー級の実質統一戦だと思っていたので、圧倒的に勝ってフェザー級最強を証明しようと思っていたんですけれど、相手も強くて凄い悔しい結果になってしまいました。次は門口選手とやることがあればRISEに行って倒しに行くので期待してください。俺がフェザー級で一番強いと思っているので、文句ある人はいつでもオファー待っています」と、門口との再戦と誰の挑戦でも受けるとアピールした。
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▼第12試合 K-1vsRISE対抗戦 スーパーファイト 女子-45.5kg契約 3分3R延長1R×菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1 WORLD GPアトム級王者)=45.4kg延長R 判定0-3 ※9-10×3○宮﨑小雪(TRY HARD GYM/RISE QUEENアトム級王者)=45.4kg※本戦の判定は30-30×3。
菅原は2019年1月にプロデビュー。2020年11月の「女子アトム級王座決定トーナメント」決勝戦で第3代Krush女子アトム級王座に就き3度の防衛に成功。2022年6月の「K-1 WORLD GP初代女子アトム級王座決定トーナメント」決勝でパヤーフォンに敗れたが、2023年3月のタイトルマッチでの再戦でリベンジし、K-1王座に就いた。7月にディミトラ・アガサゲリドゥ、9月にマリア・ネラ、12月にルシール・デッドマンに勝利して2023年を4戦全勝で終えた。戦績は14勝(1KO)3敗。
宮﨑は小学3年生から空手を学び、アマチュア戦績10戦10勝(3KO)無敗の戦績を引っ提げ、16歳で2019年11月にプロデビュー。新人離れしたテクニックを見せて関係者から高い評価を受け、2021年1月「アトム級NEXT QUEENトーナメント 2021」で優勝。3月にはRISE QUEENアトム級王者・紅絹に挑戦し、判定2-0で破り第2代王座に就くと、伊藤紗弥、小林愛理奈、ペットルークオン、MISAKI、ビョン・ボギョンを連続撃破。前戦は2023年12月にモンクットペットに判定勝ち。戦績は13勝(2KO)1敗1分。
1R、サウスポーの宮﨑はジャブから左ハイ、菅原は右ミドルを蹴る。宮﨑はワンツーを打ち、クリンチになると菅原の顔を両手で押してコーナーへ。菅原は前蹴りで宮﨑を転倒させる。菅原が右ストレートを出すと宮﨑はその脇を潜るようにして右を打つ。
2R、宮崎のワンツーに横蹴りで対抗する菅原。フェイントを入れて入り込む宮﨑は離れ際に左を当てる。菅原がワンツーで前へ出ると宮﨑は小さいステップでそれをかわす。宮﨑が飛び込んでの左ストレートをヒット。菅原が入ってくると宮﨑は右フックを合わせる。
3Rも宮﨑は右へ動きながらのジャブ、菅原が3連打で前へ出てくるが宮﨑はバックステップでかわす。組み際で宮﨑が右フック。菅原のパンチをかわして宮﨑が左フックからの右ロー。ワンツーはかわされるが、右ミドルは当てる菅原。宮﨑はローを蹴り、菅原が蹴り返してくるとバックステップでかわす。宮﨑が飛び込んでの左ストレートをクリーンヒットさせて菅原を仰け反らせ、菅原の右ストレートは宮﨑が潜り込みでかわす。
判定は30-30でドローに。延長戦へ突入する。宮﨑は右へポジショニングしながらジャブと右ストレート。菅原は右ローを返す。ワンツーで飛び込む宮﨑はヒザへつなぎ、離れ際にも左ストレート。菅原はワンツーを見せて前蹴り。菅原の右をかわして宮﨑が左ロー、さらに右を潜り込んでの左ロー。菅原のパンチをかわして細かく打ち返し、ローを蹴る宮﨑。
判定は3-0で宮﨑。女王決戦を制し、RISEに初勝利をもたらした。宮﨑は「今回プレッシャーとか不安とか負けたらどうしようって恐怖とかあったんですけど、ジムの皆さんと応援してくれる皆さんに支えられて勝つことができました。私は小学校6年の時に母を亡くしているんですが、日本一になれた姿を見せられたと思います。アトム級日本一を証明できたと思うので、もっと強くなれるように女子格闘技を盛り上げて行けるようになりたいです」と語った。
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▼第11試合 K-1vsRISE対抗戦 スーパーファイト/K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R○江川優生(POWER OF DREAM/第3代K-1 WORLD GPフェザー級)=60.0kg延長R 判定2-1 ※10-9×2、9-10×常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA/RISEスーパーフェザー級2位)=60.0kg※本戦の判定は28-28。
江川は2013年10月に高校生でプロデビュー。高いボクシングスキルを武器に連勝を重ね、2019年1月にKrushフェザー級王座を奪取。6月には初防衛を果たし、11月の第3代K-1フェザー級王座決定トーナメントでは3試合連続初回KOで王座に就いた。「K-1 AWARDS 2019」ではMVPにも輝いている。怪我のため12月の武尊とのエキシビションマッチ以来試合から遠ざかり、2020年9月のK-1で椿原龍矢との復帰戦で判定負け。2021年3月、王座を懸けての再戦でも延長R判定で敗れて王座を失った。2022年4月にはスーパー・フェザー級に階級を上げて大岩龍矢に敗れ3連敗を喫したが、8月に連敗を脱出すると、島野浩太朗、カン・ユンソンにKO勝ちして3連勝。しかし2023年9月、横山朋哉に判定で敗れた。戦績は17勝(12KO)6敗1分。
常陸はテコンドーをバックボーンに持ち、2016・2017年全日本学生キックボクシング連盟フェザー級王者の実績を持つ。2019年7月に清水将海にKO勝ちしたのを皮切りに8連勝を飾り、2023年1月にはRISEスーパーフェザー級王者チャンヒョン・リーに挑戦したが、延長Rで敗れタイトル奪取ならず。8月には大雅と対戦したが、延長戦で敗れた。12月に勝次をKOして再起。YA-MANと同門の強打の持ち主。戦績は10勝(8KO)4敗1分。
1R、江川が前へ出て強烈な左ボディを決めていく。右フックからの左フックに常陸も左フックを返す。江川に押された常陸だったが、すぐに前へ出て逆襲。江川を下がらせるが、江川もカウンターを狙う。しかし、常陸の右ストレートがヒットし、常陸が一気にラッシュ。江川はガードを固めて耐える。
2R、江川はジャブと左フックを使い分け、ジャブで前へ出る。常陸はガードの上からでもジャブを打ちヒザを突き刺すがこれはローブローに。再開後、常陸はワンツー、左ボディ、そしてヒザ。右ストレートからの右アッパーも繰り出す。常陸の手数に対し、江川は動きが止まる。常陸は右ストレートで追撃。
3R、江川は左ストレートで前へ出る。これに常陸も応えて打ち合う。江川が真に出てくればジャブを合わせる。常陸がこのラウンドも攻めの姿勢を見ていたが、常陸のヒザに江川が右を合わせてダウンを奪う。
本戦の判定はドロー。江川が有利だったところを江川が取り戻した形だ。
延長戦、互いにジャブ。江川は右カーフを蹴り、常陸はボディへ右ストレート。前へ出る常陸がアッパーを突き上げれば、すかさず江川もアッパーを返す。常陸のワンツーに江川が右フック。前に出る常陸がヒザ、左右フック。コーナーへ詰めて連打すると江川が回り込んでの右を当てる。
判定は2-1と割れ、江川が辛勝。この時点で対抗戦はK-1の勝ち越しが決まった。
江川は「ここまで対抗戦2試合、凄くいい試合だったのに自分だけダラダラ申し訳ないです」と話した。
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▼第10試合 K-1vsRISE対抗戦 K-1フェザー級 3分3R延長1R○兼田将暉(RKS顕修塾)=57.4kgKO 2R 2分13秒 ※左ストレート×戸井田大輝(TOP LEAD GYM)
兼田は関西キック界のフェザー級でトップに君臨するサウスポー。『K-1甲子園2017』の-60kgで優勝した後、ACCELフェザー級王者、元HEATキックライト級王者、元RKSスーパーフェザー級王者と3つの団体で王座を獲得している。2017年11月にK-1で横山朋哉に判定勝ち。2021年4月には『KNOCK OUT』に参戦し、栗秋祥梧から判定2-0で勝利を収めた。2022年1月のKrush初参戦では龍斗に判定勝ちし、6月には林勇汰にも判定勝ち。12月に元K-1フェザー級王者・椿原龍矢にも勝利し、2023年12月はダウサヤームにKO勝ちしてK-1グループで5戦全勝。戦績は21勝(8KO)2敗。
戸井田は闘志全開のアツいファイトで会場を沸かせるファイターで、元MA日本スーパーバンタム王者。前戦は2023年12月に白石舜からKO勝ちを奪った。戦績は12勝(6KO)5敗1分。
1R、いつも通り前へ出て左右のパンチを繰り出す戸井田。サウスポーの兼田はジャブで迎え撃っての左ストレート。テクニックを見せる兼田だが、戸井田は思い切り踏み込んでのワンツーを打ち、スウェーでかわそうとする兼田へ戸井田がストレートを伸ばす。
2R、兼田が右カーフ、左ストレート。自分の距離をとってパンチを当て、戸井田が前へ来るとノーガードでかわしていく。兼田は左ミドル、ヒザ蹴りで戸井田をコーナーへ追い詰めると、ワンツーの連打で最後は左ストレート。戸井田がその場で倒れ、兼田のKO勝ちとなった。
快勝した兼田は「打ち合いが強いと効いていたので1R正直効かされました。でも2RでK-1の強さを見せられたなと思います。ほんまは王者とやろうぜって言いたかったんですけれど、今日はチームK-1なのでK-1の応援をしてください。軍司選手がフェザー級最強を証明してくれるので、でもK-1には俺がおるぞってのを見せたので。機会があればやりたいと思います」と、軍司にエールを送るとともに挑戦を控えめにアピールした。
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▼第9試合 K-1vsRISE対抗戦 K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R○松山勇汰(TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO)=59.9kg判定3-0 ※30-26×2、30-27×原口アンドレイ(TEAM TEPPEN)=59.8kg 松山はK-1甲子園2020 -60kg王者で、2020年12月のプロデビューからK-1で2連続KO勝利したが、2021年12月の寺田匠とのホープ対決ではダウン応酬の末にKO負け。初黒星を喫した後は目黒翔大に判定勝ち、SOULにKO勝ち、岡嶋形徒に初回KO勝ち、チャン・ウヒョクに初回KO勝ち、前戦も2023年11月に西元也史にKO勝ちと4連勝中。戦績は7勝(6KO)1敗のサウスポー。
原口は2022年11月に『RISE EVOL』でプロデビューし、これまでRISEとStand upで3勝(3KO)2敗。前戦は2024年1月のRISEで戸田龍将にKO勝ちしている。
1R、サウスポーの松山はステップを使って軽快に左右へ動く。原口は前へ出て左フックと右ストレート。左右フックの打ち合いの中で松山はヒザを突き上げ、左ハイキックをヒットさせる。さらに左ストレートからの連打で場内をどよめかせる松山。左ボディを受けた原口は動きが止まり、松山がそこへ連打を見舞う。松山がスピードある攻撃で圧倒した。
2R、原口はワンツーで前へ出るが松山はステップでかわす。右フックの相打ちのような形となったが、狙っていた松山がダウンを奪う。原口が前へ出ると右を打つ。軽快なステップで動く松山は攻撃をまとめるとすぐに離れる。原口が松山を追っていく展開となるが、原口がパンチを放っても松山がスピードのある攻撃をまとめて終わる。
3R、原口は思い切り右を振るが、松山にかわされて左ミドルの連打を受ける。松山はステップで原口の突進をかわしつつ、時折コンビネーションを繰り出す。前に出る原口をステップでかわしていく松山は流し気味に試合を終えた。
松山は判定前からなぜか涙。マイクを持つと「こんなビッグチャンス回ってきたのにめちゃくちゃつまらない試合をして悔しいです。でもK-1に1勝もってきたのであとのK-1を背負った4選手よろしくお願いします」と言うと、「最後に、一緒に練習しているボクシングの坂間叶夢くんが亡くなってしまって。同い年なので彼の想いも背負って戦ったので倒して勝ちたかった。本当なら今日会場に応援に来てくれる予定だったので。天国で見ていてくれていると思います」と、涙の理由を語った。
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▼第8試合 スーパーファイト K-1スーパー・ライト級 3分3R延長1R×卜部功也(ALONZA ABLAZE/K-1第2代ライト級&初代スーパー・フェザー級王者)=64.9kg判定0-3 ※25-28 26-28×2○鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/第7代Krushスーパー・ライト級王者)=65.0kg
卜部は2009年3月にプロデビューし、K-1 WORLD MAX 2011 -63kg Japanトーナメントで準優勝。2015年1月にはトーナメントを制覇してK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級初代王座を獲得。2016年にはK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級世界最強決定トーナメント優勝、2018年3月にはK-1 WORLD GPライト級王座を奪取して2階級制覇を達成した。
高度なディフェンステクニックとカウンターテクニックを持ち、国内外の名だたる強豪を次々と撃破。長くトップに君臨していたが、2019年3月に後輩でもある林健太に敗れ、ライト級王座を奪われた。2019年7月に再起戦を行うもジュー・シュアイにまさかの初回55秒KO負け。引退をにおわす発言もしていたが、2020年9月に約1年2カ月ぶりに復帰し、2021年7月の大沢文也戦まで3連勝。今回2年8カ月ぶりに復帰する。戦績は52勝(13KO)10敗。
鈴木は2016年12月にKrushでプロデビューすると、サウスポースタイルから繰り出す左ミドル&左ストレートを武器に頭角を現し、2019年1月にKrushスーパー・ライト級王座を獲得。2020年2月に佐々木大蔵にタイトルを奪われた。2022年4月の林健太戦で元K-1ライト級王者の林をKOする金星を得ると、8月には近藤魁成に先制のダウンを奪われるも延長戦で大逆転KOに成功した。2023年7月のデンサヤーム戦から12月の豊樹戦まで3連勝中。戦績は16勝(10KO)8敗1分。
1R、互いにサウスポー。卜部はジャブから左ミドル、上に振っておいて左カーフを蹴る。鈴木は前に出るがそこへ卜部が右カーフ。前へ出てパンチを打ちに行くが、そこへ卜部は左カーフを狙い撃ち。鈴木の前進に合わせた左カーフでダウンを奪う。立ち上がった卜部は左カーフを蹴るが、そこへ鈴木が左ストレートを合わせてダウンを奪い返す。
2Rが始まると同時に鈴木がパンチで前へ出る。卜部も左カーフを蹴る。卜部の右フックからの左フック大きく腰を落とす。ならばと卜部は前蹴りで突き返す。すかさず距離を詰めて左右フックとヒザで卜部が腰を落とす。しかし、今度は卜部が左カーフで鈴木をダウン寸前に。交互にパンチを出し合う両者」
3Rが始まった直後、交錯したところで卜部が倒れてダウンとなる。前に出てくる鈴木へ左ボディ、左カーフ。それでも鈴木は前へ出てテンカオ。卜部は左ボディと前蹴りで畳み込むが、鈴木は前へ出続けてパンチを繰り出す。卜部はならばとヒザをボディへ突き上げ、左ストレート。打ち合いとなり、卜部がアッパーを突き上げる。
最後まで打ち合い、互いにダメージがありながらも前へ出る姿勢を見せた両者。判定3-0で鈴木の勝利となったが、両者に大きな拍手が送られた。
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▼第7試合 スーパーファイト -56kg契約 3分3R延長1R○玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/第6代Krushスーパー・バンタム級王者)=56.0kg判定2-0 ※30-30、30-29×2×ルカ・チェケッティ(イタリア/WAKO世界バンタム&フェザー級王者)=55.5kg
玖村は2018年1月にKrushデビューを飾り、同年に行われた「第6代Krushスーパー・バンタム級王座トーナメント」で優勝して王座に就いた。2019年6月には「K-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント」に参戦するも決勝で武居由樹に敗れる。2022年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」では決勝で金子に敗れて王座戴冠ならず。6月の『THE MATCH 2022』ではRISEの志朗に勝利。2023年3月にはRISEの鈴木真彦にも勝利し、9月に金子晃大との1勝1敗の決着戦に臨んだが延長戦の末に敗れた。戦績は22勝(11KO)6敗。
チェケッティはWAKO(世界キックボクシング団体協会)の世界バンタム級&フェザー級の2階級を制覇した44勝(10KO)5敗のベテラン選手。“スナイパー”のニックネームを持ち、2023年9月には『ONE Friday Fights 31』で中国のフオ・シャオロンから判定勝利している。サウスポーからの左ストレートは脅威だが、右のパンチも威力が十分で、さらに左ミドルキック、左ヒザ蹴りと多彩な攻撃を持つ。イタリアの有力プロモーターからの推薦により参戦が決定した。
1R、サウスポーのチェケッティは右へ回り込みながら左ミドル。玖村は圧を強めて左フック、右三日月。玖村は左フックからの右ストレート、チェケッティは右へ回り込んでの左ミドル、左ストレート。玖村の右三日月がよく決まる。ロープに追い詰めた玖村は左ボディ、これが入るとすぐに左ボディを見舞う。右でもボディを打って右三日月を蹴る玖村にチェケッティは右ロー。玖村の右三日月にボディをかばうチェケッティ。
2R開始直後、飛びヒザ蹴りを放つチェケッティ。右の三日月を蹴って右ハイにつなぐ玖村。圧をかける玖村をチェケッティは左ストレートで押し戻すが、玖村はその左ストレートに右を合わせに行く。ひだりの引き際にも右ストレートを打つ玖村。チェケッティは右の蹴りをブロックしてから左ストレートを打ち返す。玖村はチェケッティのパンチはバックステップでもらわず、逆に蹴りからのパンチを当てていく。
3R、玖村が右三日月からの右ヒザ、チェケッティは左ミドルをブロックされるとジャンプしての左ミドルを繰り出す。玖村は右ストレートを伸ばして、チェケッティが入ろうとすると右ヒザを突き上げる。チェケッティが前に来る時に玖村がジャブのカウンター。玖村はカウンター狙いで誘っているのか、手数がやや減った。その分チェケッティが前へ出て蹴りを出すが、玖村はヒットを許さなかった。
判定は2-0で玖村が勝利した。
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▼第6試合 スーパー・フェザー級 3分3R延長1R○朝久裕貴(朝久道場)=59.8kg判定3-0 ※30-29×2、30-28×レミー・パラ(フランス/CARCHARIAS)=59.9kg
朝久は父・朝久篤館長のもとで5歳から空手を学び、10歳の時にキックボクシングの練習を始めた。2015年からKrushに参戦し、無尽蔵のスタミナから繰り出すパンチ&蹴りのラッシュで小澤海斗、大岩龍矢、村越優汰から勝利を収めている。2022年9月の「K-1 WORLD GP 第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント」では連続秒殺KOで怪物ぶりを発揮したが、決勝ではレオナ・ペタスに判定負けを喫して王座を逃した。
2016年からは中国の格闘技イベント『武林風』に定期参戦し、中国でも活躍。2018年3月には武林風WLF -60kg級王座決定トーナメントで優勝。2023年5月の武林風ではヤン・ミンに判定勝ちで2度目の王座防衛に成功している。11月は同じく武林風でジン・インに敗北も、2024年1月にウエイ・ウェイヤンから判定勝ちを収めている。戦績は27勝(10KO)9敗。
パラはフランスの攻撃型ファイター。WAKO世界-62kg級とIKBO世界-60kg級の二冠王で、ローキックで足を潰しておいてのサウスポーから繰り出される伸びる左ストレートは破壊力抜群。14勝のうち9KOとKO率が高く、まだ22歳という若さから伸びしろも十分。ローとパンチで上下に攻撃を振ってくるタイプだがディフェンス力も高いため、難攻不落のタイプといってもいいだろう。2023年12月にK-1初参戦を果たし、圧力をかけたアグレッシブな攻撃で現K-1スーパー・フェザー級王者レオナ・ぺタスを判定で破る番狂わせを起こしている。戦績は14勝(9KO)1敗。
1R、両者サウスポー。序盤から激しくパンチを交錯させる両者。朝久は左フックから左ボディ、パラも右フックを返して左ストレート。朝久はいつも通り運動力を活かして手足の攻撃を多数繰り出すが、パラも打ち返す。
2R、パラがボディにジャブを打っておいて左ストレートを打つ。朝久は前へ出てパラをロープに詰めると左右の連打。朝久は三日月気味の左右の前蹴りを突き刺す。これでパラの動きが鈍り、朝久は前へ出てさらにボディへ突き刺すような前蹴り。オーソドックスになった朝久はボディの連打も。ほとんど手が出なくなったパラだが、終盤になると回復したかパンチを打っていく。
3R、パラがワンツーで前へ出ていくが、朝久が前へ出てくると蹴りを出しながら下がる。朝久はパラいロープを背負わせると左右の連打。朝久が左カーフ、前蹴りで前へ出ていくがパラも前へ出て左ストレート。朝久がスイッチを繰り返してパンチ、蹴りと多彩かつ数多い攻撃を繰り出すと、パラは対応できず下がる。最後まで朝久が攻撃を出して前へ出た。
判定は3-0。レオナを破ったパラをレオナに敗れた朝久が破り、スーパー・フェザー級戦線は混沌としてきた。
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▼第5試合 K-1ウェルター級 3分3R延長1R○宇佐美秀メイソン(Battle Box)=67.4kgKO 1R 2分37秒 ※右フック×白須康仁(PROTAGONIST)=67.4kg
宇佐美はアマチュアMMAで多数の優勝経験を持ち、2022年4月の『POUND STORM』にてプロMMAデビュー。昨年12月には、初のキックボクシングルールでK-1 WORLD MAXのレジェンド、アルバート・クラウスに勝利。今年3月にはKNOCK OUTで杉原新也に判定勝ち、9月には同団体でジャマル・ワヒィムを1RKOで沈め、キック3戦目でISKAインターコンチネンタル・ウェルター級暫定王座を獲得した。12月にはK-1に初参戦、海斗を2RでKOしてインパクトを残した。
白須は2001年11月にMA日本キックボクシング連盟でデビューし、7戦目で無敗のままMA日本ウェルター級王座に就いた。2006年12月にはWMAF世界スーパーウェルター級王座も獲得。2006年2月からはK-1 WORLD MAXにも出場している。2011年8月の『THAI FIGHT』ではヨードセングライからハイキックでダウンを奪って勝利し、周囲をあっと言わせた。その試合を最後に引退したが、2022年6月に42歳にして10年ぶりに復帰、ビッグバンで城戸康裕に判定2-0で惜敗した。
1R、宇佐美は飛びヒザ蹴りから左右ボディ、白須が離れようとすると前蹴りで吹っ飛ばす。すぐに圧をかけて前へ出る白須は右ロー、宇佐美はサウスポーから右ボディ、関節蹴りからの右ボディを打っておいて右アッパーからの左ストレートでダメージを奪う。さらに左ボディストレートからの左ストレート、そして右フック2連打で白須はバッタリとダウン。
魔裟斗も「皆さんに注目して欲しい」と太鼓判を押す宇佐美が圧巻のKO勝ち。「白須さん、僕と対戦してくれてありがとうございます。凄い気持ちの強さが伝わりました。僕のこと知らない人もいると思いますが、これから上に上がっていく選手なので僕の顏と名前を覚えておいてください」と控えめにアピールした。
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▼第4試合 スーパーファイト 女子-47.5kg契約 3分3R延長1R○ぱんちゃん璃奈(フリー)=47.4kg判定2-0 ※30-29、30-30、30-28×平岡 琴(TRY HARD GYM)=47.5kg
ぱんちゃんは2019年2月にプロデビュー。無敗の快進撃を続け、2020年8月にREBELS-BLACK女子46kg級初代王座(REBELSとKNOCK OUTの統合により現在はKNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者)に就いた。2022年3月には喜多村美紀を破ってKNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級王座に就き二階級制覇を達成。2023年9月にチャッキー、12月にケイスリィ・ヴァンスを連続KO。戦績を16勝(4KO)無敗としている。
平岡は極真会館の『全日本女子ウェイト制空手道選手権』軽量級優勝の実績を持ち、多彩な蹴り技が持ち味の選手。2020年2月には3連勝でRISE QUEENアトム級王者・紅絹に挑み、ダウンの応酬の末に判定で敗れた。その後、泥沼の4連敗を経験するも2021年9月の奥脇奈々戦で勝利をつかみ復活の狼煙をあげると3連勝。2022年12月にはRISE女子初のOFGマッチに臨んだが、小林愛理奈に判定で敗れた。前戦は2023年11月にOFGマッチで小林穂夏に勝利している。歯に衣着せぬ発言で話題を呼ぶ“怖いお姉さん”。戦績は14勝(3KO)8敗1分。RISE参戦前はKrushを主戦場にしており、今回K-1グループにカムバックを果たす。また、KNOCK OUTに統合される前のREBELSにも参戦していたことがある。
1R、左右の前蹴りとジャブで距離を作るぱんちゃんに平岡はジャブと右ロー。ぱんちゃんは蹴りの空振りが目立つが、ワンツー・スリーで前へ出る。平岡はヘッドスリップしながらの右ストレート。ぱんちゃんの右ストレートをダッキングでかわすとバックハンドブローを繰り出す平岡。ぱんちゃんはどんどん前へ出てワンツー・スリーを放つ。ぱんちゃんのパワーが目立った。
2Rも前に出るのはぱんちゃん。平岡はぱんちゃんの蹴りはかわしていくが、ぱんちゃんのつなげてくる連打やジャブはもらってしまう。ぱんちゃんはパンチからのローに切り替え、平岡もジャブからワンツーで前へ出る。平岡が前に出るとぱんちゃんの前蹴りが当たり始める。組むと平岡を転倒させるのはぱんちゃん。
3R、ぱんちゃんが左ミドルから入っていく。ジャブを多用してワンツーを打つぱんちゃん。それを左フックで迎え撃つ平岡。前蹴りの打ち合い。ぱんちゃんの右に右を合わせる平岡。ぱんちゃんは強引に右フックから入っていくが、平岡はそれをかわしての右フック。ワンツーで攻めるぱんちゃんはスタミナの消耗が激しそうだ。平岡は手数を増やしてこのラウンドを取りにきたが、ぱんちゃんの前進は止まらない。
気合いが空回りしたか、動きも固かったぱんちゃんが判定2-0で勝利も最後まで不満顔だった。ぱんちゃんはこれで17戦無敗に。
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▼第3試合 スーパー・ヘビー級 3分3R延長1R○クォン・ジャンウォン(韓国/Cheonghak Muaythai Gym)=126.8kgKO 1R 1分47秒 ※右ストレート×安藤優介(猛者連 team OGRE)=94.4kg
秋山成勲の推薦選手としてK-1 KOREAから送り込まれるジャンウォンは身長191cmで体重は128kg。元MAX FCヘビー級王者。ムエタイに精通し、ローからミドルキック、そしてパンチからヒザ蹴りと巨漢に似合わず流れるようなコンビネーションを得意とするムエタイのテクニシャンタイプ。戦績は16勝(12KO)2敗で、アジアを代表するヘビー級ファイターとして注目が集まっているという。
安藤は皇治がCEOを務めるNARIAGARIから送り込まれる重量級の刺客。身長185cm、体重は94~95kg。MA日本キックボクシング連盟クルーザー級3位、IKCヘビー級王者の肩書きを持ち、昨年9月の『NARIAGARI vol.2』ではK-1から送り込まれた山口翔大と対戦し、敗れるも接近戦での打ち合いで気持ちの強さを見せた。12月の『NARIAGARI vol.3』ではラモンを豪快な右フックでKOしている。
前日計量の結果は32kg差。
1R、ジャンウォンは右ローを蹴ってのワンツー、安藤はジャブを突くがジャンウォンの右ストレートをもらってしまうとガクッと崩れるそこへ右を連打するジャンウォン。その右をもらってグラついた安藤へジャンウォンが左右フックの連打。安藤は一方的に打たれてしまい、スタンディングダウンを奪われる。
再開後、左アッパー、左右フックで安藤をグラつかせるジャンウォン。最後は右ストレートがクリーンヒットして安藤がコーナーへ吹っ飛んだところでレフェリーが試合をストップした。
マイクを持ったジャンウォンは「安藤選手との試合でいい結果を出せたのではと思います。今後もK-1の大会でカッコいい姿を見せたいと思います」と、意気込みを語った。
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▼第2試合 -64kg契約 3分3R延長1R○大沢文也(ザウルスプロモーション)=63.9kg判定3-0 ※30-29×3×友尊(TEAM K/BLUE DOG GYM)=63.9kg
1R、まずは距離の取り合い。大沢はクリンチの離れ際に左ハイを放つ。サウスポーの友尊は前後にステップを踏み入り込むタイミングを伺うが大沢のカウンターを警戒してか入り込めず、見合いが続く。
2Rは大沢がジャブを出しつつ前に出る。友尊は左右のボディと左右フック。前に出る大沢に友尊の左ボディが入るが、大沢も左ボディを打ち返す。大沢はハイキックの空振りからバックハンドブロー、友尊にロープを背負わせて右ボディ。
3R、大沢は飛び込んでの左ボディ、友尊が左フックで入ってくると右フックで迎え撃つ。右フック、左フックで前へ出る大沢はハイキックにつなぐ。友尊も左右フックを繰り出すが、体重を乗せた大沢の一発の印象が強い。
判定3-0で大沢が手堅く勝利を収めた。
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▼第1試合 K-1バンタム級 3分3R延長1R×壬生狼一輝(力道場静岡/第7代Krushバンタム級王者)=53.0kg判定0-3 ※29-30×3○大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER/初代Krushフライ級王者)=53.0kg
壬生狼は幼稚園から日本拳法を学び、のちにキックボクシングに転向。九州のキックボクシングイベント「大和」のバンタム級王座も獲得した。2020年8月にKrush-EXで勝利を収めると、2021年3月には吉岡ビギンをも破り第7代Krushバンタム級王座を獲得。しかし、5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では決勝へ進出するも黒田斗真にKO負けで初黒星。2022年12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」でも準決勝で黒田に敗れた。その後は3連勝。戦績は17勝(4KO)4敗。
大久保はK-1アマチュアで経験を積み、2022年2月のK-1でプロデビュー。6月の『THE MATCH 2022』ではオープニングファイトに抜擢され、那須川龍心に判定勝ちしている。2022年9月の「初代Krushフライ級王座決定トーナメント」で優勝し、初代王座に就いて次期K-1エース候補と期待されたが、バンタム級に階級を上げての第一戦で齊藤龍之介に延長判定で敗れ初黒星。2023年10月に黒川瑛斗に勝利して再起を飾った。戦績は5勝1敗。
1R、大久保は前蹴りでけん制しての右カーフ、壬生狼も右ローを蹴る。左ミドル2発の大久保に壬生狼は右ローを返す。大久保が右カーフを蹴ると壬生狼はワンツーで入り込む。壬生狼が入ろうとするところに長いリーチからのジャブ、左ロングフック、前蹴りを合わせて入らせない。壬生狼は右カーフで前へ出るが、大久保が距離を制したラウンドに。
2Rもスピードのあるジャブ、前蹴りで壬生狼の出鼻を挫く大久保。ジャブの差し合いは当然リーチの長い大久保が制す。壬生狼が入ってくると得意のテンカオを突き刺す大久保。壬生狼は入り込めても大久保は巧みにクリンチに持ち込む。大久保はジャブ、ワンツー、最後はジャブでけん制。壬生狼のパンチはなかなか届かない展開。
3R、左ミドルから左前蹴りと連続の蹴り、さらにワンツーと長い距離で戦う大久保。壬生狼は入り込んでの右フックを繰り出すが接近戦になると大久保がクリンチに持ち込む。両選手にホールディングの注意。ガムシャラに入り込む壬生狼だが大久保はテンカオで迎え撃つ。最後は連打で攻め込んだ壬生狼だが、クリーンヒットは奪えず。
判定3-0で大久保がバンタム級トップの一角、壬生狼を崩した。
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▼プレリミナリーファイト第3試合 K-1スーパー・バンタム級 3分3R○村田健悟(ALONZA ABLAZE)=54.9kgKO 1R 0分52秒 ※左フック×嶋 拓実(K-1 GYM横浜infinity)54.9kg
1R、村田は左三日月蹴りから右カーフを連発。右カーフに相手の意識を集めておいての左ボディから鋭い踏み込みの左フックでダウンを奪う。立ち上がるとすぐに左ローから左右フック、倒れ掛かる嶋にダメ押しの左フックを放ち、秒殺KO勝利を飾った。
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▼プレリミナリーファイト第2試合 K-1ライト級 3分3R×龍之介(K-1 GYM HIKARIMACHI TEAM BEAST)判定0-3 ※28-30×3○上野空大(kickboxing gym SHINYUUKI+)=62.4kg
1R、上野は左ミドルを連発してのワンツー、右ロー、前蹴りと蹴りを多用。鋭く入り込んでの右ストレートからの左フックを繰り出す。
2R、龍之介はジャブで距離をつくるが上野は前蹴り、左三日月。前に出るのは上野で左ボディからの右フック。龍之介も前に出るが目立った攻撃を当てられず。
3Rは龍之介が前へ出ていくが上野が右ストレート、右カーフ。上野は胴廻し回転蹴りを繰り出して観客を沸かせ、下がりながらも顔面前蹴りを当てる。前に出る龍之介だがステップで動き、蹴りをジャブのように出す上野になかなかパンチを当てることが出来ない。上野は下がりながら回り込んでいたが、最後に龍之介が打ち合いを仕掛けてくると上野もこれに応えた。
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▼プレリミナリーファイト第1試合 -95kg契約 3分3R○木村太地(TEAM RHAPSODY)=94.9kg判定3-0 ※30-27、30-26、30-25×藤倉 悠(ポゴナ・クラブジム)=92.9kg
試合前から気合い十分の木村は1R開始と同時にワンツーで前へ出る。フジクラもワンツーを返すが木村はバックステップでかわす。逆に木村は左フックから右ロー、藤雲下がりながら右ローを蹴り、ジャブを突く。木村は藤倉をコーナーに追い詰めてのワンツー・右ロー。藤倉のワンツーはかわす。
2Rもワンツーで前に出る木村へ藤倉は右ミドル、バックハンドブロー。それでも前へ出る木村が右フックをフルスイングで連発。コーナーへ詰める木村。左右連打で勢いよく攻め、ヒザも出す木村に藤倉はなかなか手が出ない。
3Rも前に出るのは木村で、藤倉の左右フックをブロックしながら距離を詰めるが、藤倉がクリンチを多用。木村は左ボディ、フルスイングの右フック。叩きつけるような右フックで追い詰める木村は、組み付いてきた藤倉を振り払うと転倒した藤倉はすぐに起き上がれずダウンカウントが数えられる。木村が右フックで完全なダウンを奪ったところで試合終了。