(C)RIZIN FF
2024年2月24日(土)佐賀・SAGAアリーナにて開催された『RIZIN LANDMARK 8 in SAGA』の第7試合で、矢地祐介(フリー)に2R終了と同時にリアネイキドチョークで一本負けした白川陸斗(JAPAN TOP TEAM)が、試合後インタビューに答えた。
韓国強豪のキム・ギョンピョの負傷欠場により、大会3週間前の緊急参戦で1階級上のライト級で矢地と対戦することになった白川。
初回はサウスポー構えの矢地の右足の外に位置して圧力をかけ、得意の右ストレートを打ち込んで行ったが、2Rに体格差を活かした矢地の首相撲ヒザ、組みの展開に捕まり、バックを奪われ、リアネイキドチョークを極められ、失神。9月の中原由貴戦に続く連敗となった。
試合後の会見で白川は、矢地の組みに「削られた」と語り、「次はフェザー級で思いきりやりたい。ライトはもう嫌です」と適正階級での試合を望んだ。
「まあ10秒耐えられるわ」と思ってゴングも聞こえたけど──
──試合後の率直な感想をお聞かせいただけますでしょうか。
「悔しいですね、もう“やっぱりか”っていう。この結果を打破したくてめっちゃ気合い入ってた分、めっちゃ悔しいっス」
──矢地選手のリアネイキドチョークのフィニッシュの瞬間、ゴングが鳴ってからレフェリーが止めたように見えました。ご自身ではその時に意識がもう飛んでいたのでしょうか、ゴングは聞こえていたのでしょうか。
「いや、聞こえてました。自分としてはあの、何て言うんですかね、こう……残り『10秒』っていうのが見えてて。で“あ、残り10秒か”と。あのままもう凌ごうと思ってちょっとディフェンスが甘くなった部分があったんですけど、でも“まあ10秒耐えられるわ”と思ってて。で、ゴングも聞こえたんですけど、やっぱり映像自分で見返してたら、もうちょっと残り1秒ぐらいで飛んでて。自分ではちょっと気づかなかったですね」
──今回はスクランブル参戦でしたが、対戦した矢地選手の印象は、戦う前のイメージと違うところはありましたか。
「やっぱり四つのクラッチ力と言いますか。まあ力が強かったですね」
──(1階級上で)周りからはフィジカル差という声が結構上がっていたかと思います。ご自身でも感じる部分はありましたか。
「まあ、もちろん試合前は“そんなの関係ない”って思って臨んでいますし、みんなにそうやって言われてる分、“もう関係ないぞ”っていうぐらいの感じの試合をしたかったんですけどね……やっぱり思ってるより削られましたね、組みの展開で」
──こういう試合(階級差があり、緊急参戦)の中でも手応えを感じた部分はありましたか? それとも反省点が多かった印象でしょうか。
「うーん、まあ、ラスト20秒とかでバックの展開を取られたんですけど、ああいうところで、“あ、もうラスト20秒やから、ちょっとここ凌いで3R目にかけよう”みたいな。何て言うんですかね、こう3R目に全振りしようっていう感じで。そういうところがちょっと自分の悪い癖で。で、もうそういうのはもう絶対今回の試合は無しにしようと思ってたんですけど、やっぱりちょっと出ちゃったんで、そこは本当に反省というか、ほんま死ぬほど悔しいですけど。
あとはまあプレッシャーをかけたりとか、本当に捨て身の覚悟で、本当にもっともっともう顔ボコボコになって血まみれになるぐらいの感じでプレッシャーかけていって、“なんぼでも殴られてもいいぞ”とか思いながらプレッシャーかけて、打撃の距離はああいう感じでこう、あんまり組ませないみたいな。で、打撃でフィニッシュ、みたいなイメージをしてた分……うーんちょっとそういう展開にできなくて悔しいですけど」
──試合を終えたばかりですが、今後の目標や展望を教えてください。
「今後の展望は、もう負けたんで何とも言えないですけど、やっぱりここを勝ってフェザー級のトップ戦線に名乗り上げてアピールしたかった分、負けてしまったんで、またRIZIN自体が遠のいてしまったという感覚なんですど。RIZINでも2連敗ですから勝つまでは執念で這い上がりたいと思います」
──1R目は白川選手が打撃で展開を作っているように見えました。想定通り進んでいるな、という感触はありましたか。
「はい。もうあの展開で全部作っていこうっていう感じだったんで。あの展開のまんま判定まで行くんだったら判定までって考えて。そう思っていたり、フィニッシュできるところは常にマジでフルスイングと言いますか、KOを狙ってたので、そのプレッシャーは多分矢地君もずっと感じていて、ずっと下がっていたと思うんですけど、うん。まあ1R目にちょっと思ってる展開通りすぎて。最初はもう1R勝負ぐらいの感覚で、やっぱ佐賀大会盛り上げたかったとか思ってたんですけど“このまんま行けるかもな”みたいな。ちょっと考えちゃったりしてしてちょっとブレたかなとは思いますね」
──2Rになって矢地選手が組みの展開に持っていったところを切れなかったのは、プレッシャーの蓄積が大きかったんでしょうか。
「プレッシャーの蓄積っていうのは? 僕が?」
──矢地選手の圧力が、時間が経つにつれてどんどん溜まっていったのでしょうか?
「いや、2Rは、まあそうですね。1回目の組みの展開になって、切ってすぐ攻め返したんですけど、やっぱり如何せんちょっと、あそこで思いのほか、自分が思ってるよりも削られてしまって。その後の組みとかもちょっと後手後手になってしまったんで。当初の作戦としては本当にもう組まれたら全力で切ってすぐ打ち返すという作戦だったんですけど……。うーんやっぱちょっとこう“削られたな”っていう感覚はありましたね」
──ダメージはいかがですか。
「ダメージは、本当にもっとボロボロになるつもりやったんで全然。自分では本当に(意識が)飛んだなんて気づいてないぐらいだったんで」
──「RIZIN自体が遠のいてしまった」ということですが、タイミングが合い、また試合が組まれるようなことがあれば参戦を?
「いやもう試合のオファーをいただけるなら、もう何が何でも是非、是が非でも次はフェザー級で思いきりやりたいですね。ライトはもう嫌です」
──今回、お子さんが初めて会場で試合をご覧になり、1番下のお子さんが誕生日だったと。試合後にはご家族とお話されましたか?
「いやまだ会ってないです。ちょっとあの……そこが一番思い出したくないところで、ちょっと今言われたんで、すみません。あの……うんやっぱそこが一番ですね。やっぱ下のチビらはね、まだ何のこっちゃ分かってないでしょうけど。上の子は僕の失神した顔を見てるんで……(泣き出して)すみません。そう、うん。やっぱ子供たちの前でね、そういう情けない姿見せたのがほんま悔しいです、すみません」
※【追記】
白川は25日、自身のYouTubeで「試合後に衝撃の事実を告げられました」と題した動画をアップ。妻から「本当に謝らなければいけないことがある。私たち(家族)が会場に着いたの、堀江君の試合の時なんだよね」と、高速道路の事故渋滞で、白川の試合に間に合わなかったことを告白。白川は「俺の涙は何だったん!」と苦笑している。