MMA
インタビュー

【ONE】若松佑弥「仙三さんとキンガッド対策をしてきました。セコンドについてもらいます」×ラカイを離れたキンガッド「同じメンバーで練習できている」

2024/01/26 22:01
 2024年1月28日(日)に東京・有明アリーナで開催される『ONE 165: Superlek vs.Takeru』のMMAフライ級で、4位の若松佑弥(TRIBE TOKYO MMA)が、同級2位のダニー・キンガッド(フィリピン)と2018年9月以来の再戦にしてリベンジマッチに臨む。  若松は、2018年9月のONEデビュー戦でキンガッドに判定負け後、2戦目のフライ級GPでデメトリアス・ジョンソン(DJ)に一本負けと、強豪に苦杯を舐めたが、以降5連勝。  2022年3月に当時の王者アドリアーノ・モラエスに挑戦し、3R 一本負けで戴冠ならず。2022年11月にウ・ソンフンにも1R TKO負けとコンディション調整に苦しんだが、2023年7月にシェ・ウェイに1R TKO勝ちで復活。現王者DJへの挑戦権を得るために、ランキング上位のキンガッドとの再戦に必勝体制で臨む。 【写真】2018年2月に若松は仙三とPANCRASEフライ級王座戦で5Rの死闘を繰り広げた。  囲み取材に応じた若松は、日本大会に向け、メンタル面の改善と、かつての戦友・仙三との交流を明かした。 自分に従って戦えば、すごく面白いものが出来る ──ダニー・キンガッドとの再戦に向け、どのような仕上がり具合ですか。 「100%に仕上げられました。当日は120%にできる自信があります」 ──TRIBE TOKYO MMAでの練習に加え、出稽古なども行ってきましたか。 「エイワスポーツジムで、吉成名高選手、朝陽・PKセンチャイムエタイジム選手とマススパーをやらせていただいて、全然、凄かったです。スピードやムエタイのヒジ打ちとか、練習に対する取り組み方を見せていただきました。  それと、1回だけ佐藤将光さんのFIGHT BASEに行かせてもらいました。出稽古でも、以前と違ってちゃんと吸収できるというか、人を称えて“すごいな”と思えるようになりました。以前は結構、競っていたんです。“こいつに負けたくない”と。今は“俺は俺”と思えるようになって“すごいな”と思ったところを学ぶことが意識できるようになりました」 ──取り組み方など、精神的に変わったということでしょうか。 「“楽しむ”というか。日々楽しむ。全力でやって、その中で自分と向き合って、楽しんで自分を褒めたり、自分を肯定する。そこが以前と比べて変わっています。今までは“修行”じゃないですけど、自分を追い込んで“やるしかねえ”みたいな感じで自分を追い込んでいて、生きるか・死ぬかくらいの感じで考えていました。今回ももちろんそういう気持ちもありますが、自分を肯定して“よし、よくやった”みたいな感じ。自分の中に2人いて、その2人が話し合っている感じで、ここまで楽しんで来れました」 ──何かきっかけがあったのですか。 「日々の修行と、いろいろな人の話を聞いたり、自分が尊敬する人を見て“もっと自分はこうしないといけないな”というふうに徐々に変わっていきました」 ──尊敬する人というのは……。 「仙三さん(元PANCRASEフライ級王者。2018年2月に若松と対戦。現ONEフライ級ファイター)や堀江(登志幸トレーナー)という素晴らしい人たちを見て、そこから人間力を学んり、あと、今、メンタルコーチをつけているんですが、その方のアドバイスだったり。そこを突き詰めていって、やっと成果が出てきたんじゃないかなと思っています。以前は肉体ばかり鍛えていて、メンタル面はどうしても追い込んじゃったりしていたので、そこがあらたに変わったなという実感があります。  メンタルコーチ(慶人氏)は前回の試合前からついていましたけど、計量失敗などもあって、まだまだ未熟でした。今回はメンタルコーチのおかげでだいぶ変わって、家族からも『変わってきているよ』と言われて“ああ、そうだな”と。いかに自分が自分のことを分かって肯定してあげられるか。自分を客観視できているし、もちろん他の人にも言われる。自分でも俯瞰してみたら変わってきたなと思いますね」 ──仙三選手とはどのような交流があるのでしょううか。 「仙三さんはキンガッド選手とも対戦しているし、日本大会で、仙三さんがいま戦えない状態だということもあって、声をかけさせていただいたんですけど、対策ももちろん一緒に話して立てていて、自分のなかでイメージして、それを共有して『どうですかね?』と。仙三さんからは『絶対いけるよ』『これも当たるよね』と言ってくれて、会ったら本当にパワーをもらえるというか。そういう感じです。今回はセコンドに長南(亮・TRIBE代表)さん、堀江さん、そして仙三さんに入ってもらいます」 ──そこまで相談しているのですね。ところで足も揉んでもらっていますか。 「はい。さすがに試合前は痛すぎるので試合後にしますが(笑)、最高です、アレは(※仙三は新宿御苑前駅「足ツボは世界を変える」を開業) ──2018年9月の対戦から5年4カ月ぶりに対戦するキンガッド選手をどうとらえていますか。 「トータルファイターで穴が少ない。パワーもすごい。スピード、目の良さとかも素晴らしい。フライ級で世界トップの選手だなと思っています。ここ最近の試合も見て、安定してずっと強いなと」 ──MMA15勝3敗のキンガッド選手ですが、3つの黒星は、アドリアーノ・モラエスとDJとカイラット・アクメトフという王者クラスのみというウェルラウンダーです。そのキンガッドの攻略方法も見えていますか。 「何通りも、どんなことをされても、何があっても返せる。すべてにおいて“こう来たらこう返す”というのが頭の中にインプットされています。身体に、細胞に植え付けられているような感じで、すべておいて何が来ても対応できるようにやっているし、自分から決めに行くこともあるし、相手にテイクダウンされてもそこから立ち上がったり、すべてがインプットされています。あとは楽しんで自分の中で向き合って、全力でぶつける。自分に従ってやればすごく面白いものが出来るんじゃないかと、15分間の中でしっかり楽しんでやるだけだと思っています」 ──新たにお子さんも誕生したようで、ご家族に勝利の報告をしたいですね。 「はい。次男とはまだ会えてなくて、試合が終わって1カ月検診が終わったら帰ってくるんでそのときに会いたいと思います。家族が増えることは大きいし、いまは試合に集中して会えないですけど、一番大事なのは家族なので、勝って会えたらと思っています」 [nextpage] 『LIONS NATION MMA』に移籍したダニー・キンガッド「若松が最も強くなっているのはテイクダウンディフェンス。打撃と柔術に注目してもらえたら」 「バギオは12度くらいあって、東京は3度くらいなので、かなり寒いです(苦笑)。でも3度目の日本大会に出られることは嬉しい。ファンに自分のスキルを見せられることを楽しみにしています。  いまは以前のチームラカイと同じバギオに出来た『LIONS NATION MMA』で、ボクシング、キックボクシング、柔術、レスリング、MMAを練習しています。メンバーはジョシュア・パシオ、ジェレミー・パカティウ、エドゥアルド・フォラヤン、そして今回のコーナーマンとしてつくエドワード・ケリー(写真下)です。柔術黒帯コーチでジブラン・ラングバヤン、元ボクサーのドンドン・コーラスが打撃コーチとしてついています。以前と同じメンバー、新しいムエタイコーチもいるから、特にネガティブなことはなく、ONEのアスリートたちみんなで練習しています。  ワカマツは才能に溢れていて、テクニックも向上し続けている。ボクシングがすごく上手いし、ノックアウトを量産している。パンチに関してはかなり警戒しています。そして、ワカマツがもっとも強くなっているのはテイクダウンディフェンス。ここまで全試合を見ていて、基本的には打撃とスクランブル合戦になるかなと予想しています。僕も彼も成長しているから再戦出来ることが嬉しいし、いい試合になることは間違いない。今回に関しては打撃と柔術に注目してもらえたらと思います。これといった対策よりも、自分のベストを尽くして倒すだけです」
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