2023年1月28日(日)東京・後楽園ホール『Krush.157』にて、スーパー・ライト級3分3R延長1Rで塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)と対戦する近藤魁成(TEAM3K)のインタビューが主催者を通じて届いた。
近藤は幼少期より空手を学び、難病を克服して2017年に高校1年生でK-1甲子園を制覇。2018年3月にプロデビュー、2018年K-1甲子園を連覇。2019年5月、木村“フィリップ”ミノルのKrushウェルター級王座に挑戦し、KO負けで初黒星を付けられたが、ヒザ蹴りでダウンを先制してあわやの場面を作り出した。
2020年8月には「第7代Krushウェルター級王座決定トーナメント」に出場するも決勝でアクシデントによりTKO負けを喫し、またも王座に手が届かなかった。2022年8月、スーパー・ライト級に転向するが鈴木勇人にKO負け。2023年3月にヴィトー・トファネリに勝利して再起を果たしたのもつかの間、8月にFUMIYAにKO負けを喫した。戦績は8勝(5KO)5敗1分。
ナメられてるなと思ってちょっとムカついた
──12月のカード発表記者会見では塚本選手から「俺をKOすると言ってみんなできてないけど、大丈夫ですか?」という言葉を投げかけられた場面もありました。あの時に感じたことは?
「本気で『勝てる』と思われてるなという感じで、ナメられてるなと思ってちょっとムカつきました。自分の戦績を見て、そう思われても仕方ないなとは思うんですけど、僕は自分で塚本選手と同じレベルではないと思っているので、『負けへんぞ』という気持ちが強くなりました」
──会見であんな感じで来られるのは、苦手ですか?
「盛り上げようとしてくれてるなとは思ったんですけど、ノリづらかったというか…最近はああいうのが流行ってて、一緒になるのはイヤだったので、逆にここは流そうかなと思いました。僕は試合内容で勝負したいので」
──改めて、塚本選手の印象は?
「すごく打たれ強くて、最後まで粘って泥試合ができる選手だなという印象ですね。倒しに来るというよりは泥試合に持ってくるだろうなと思うので、そこに付き合わずに倒したいと思っています」
──8月のFUMIYA戦の負けも含めて、なかなか波に乗れない感がありますが、ご自身ではどう感じていますか?
「実際、波に乗れてないなと思います。今回の試合は『練習でやったことを出し切って勝つ』というテーマを持っていて、その意識があれば、勝って波にも乗れるかなと思ってます」
──ヴィトー・トファネリ戦、アラン・ソアレス戦など、力のある相手にいい勝ち方をしている時と、結果が出ない時の差が激しいようにも思います。そこは?
「毎試合、自分の気持ちの持っていき方みたいなものがハマる時もあれば、全然集中できてなくて、よくない時もあるんですよね。ただ今回の試合に向けては、自分が一番いいパフォーマンスできる時はどういう感情なのかというのをしっかり意識して持っていってる感じです。自分ではいい時と悪い時の違いはもう分かっているつもりで、今回も『こういう時は強い』という状態が何となく分かっているので、そこに持っていって仕上げたいです」
──では、今回は「いい近藤魁成」が見られる?
「そうですね。試合前のいい緊張感を持って練習できているので、今回は大丈夫だと思います。高校生の時とか20歳の時には、とっくにベルトを持っていると想像していたので、その理想とはちょっと遠いですけど、あの頃みたいにもう一度上がっていきたいですね」
──そうやって、勝って注目されていた時期もあるからこそ、つらい時期との落差が大きいのでは?
「メチャ大きいですね(笑)。でも、落ちてそのままだと『格闘技してる意味がないな』と思うんですよね。強くなりたくて格闘技をやっているので、負けて落ちた時こそ『頑張ろう』という気持ちにはなります。実際、すごく腐る時もあるんですけど(笑)、お兄ちゃんたちと3兄弟で、ちゃんとした指導者もいない中でずっとやってきて、いい時も悪い時も3人で経験してきたので、それを強みとして3人で乗り越えていきたいという気持ちが強いので、結局は頑張れます。『3人でベルトを巻く』という目標があるから頑張れるんだと思います。1人だったら諦めてるかもしれないですね」
──技術面やトレーニングの面ではどうですか?
「最近は技術を磨くというよりも、倒す姿勢、攻めにいく姿勢を強化する練習内容に変わってきました。スパーリングを増やしたり、ミットでもKOするところまで想定して取り組んでいます。今回の試合に向けてもそこをずっと意識してきました」
──KO勝ちしたら、ソアレス戦(2022年1月28日)からちょうどまる2年ぶりになりますね。
「あっ、そうですね! それ聞いてメッチャ燃えてきました(笑)。やるしかないですね。やっぱり格闘技の試合では、KOした瞬間が一番アドレナリンが出て気持ちよくて大好きなので、久しぶりに味わいたいですね」
──そして、K-1もKrushもいろいろ変わりつつあります。
「僕が小さい頃に見ていたKrushを作った宮田プロデューサーが帰ってきてメッチャうれしかったし、僕が見てた頃のKrushを超えたいという気持ちにもなってます。あの頃に見てたKrushはすごかったので、K-1を超えるぐらいのKrushにしたいです」
──では最後に、この試合に向けての“決意”を改めて教えていただけますか?
「今回の試合は、『22年間やってきたことを全部出し切って勝つ』と決めているので、その気持ちを皆さんに見てもらいたいです」