あやかロックは「もらわないで勝ってる人たちもいるということは“対策ができる”ってこと」
――同じ柔道ベースですが、MMAでは三浦選手とはやっていることが異なりますか。
「そうですね。やっぱ自分はすぐに組みに行かず、打撃もやりたいというのは、毎回毎回の目標でもあるんです。そこで前回の試合よりもワンステップ上にいけたらいいなという、“試し”でもあるかなと」
――あのハム・ソヒ戦は自分の中で消化できていますか。
「悔いは残らなかったというのもあるけれども……“もっとできた”という思いもあるんです。やっぱり試合が終わるたびに、毎回毎回“もっとできた”というのはあると思うので、いつかそれを無くせるような試合が目標だなって。その上では、試合数が少ないというのもあるので、2024年一発目でもあるので、一発目から飛ばしていきたいなと思います」
――ハム・ソヒ戦で打って組んで、序盤はかなりがぶられて下になったりもしましたが、後半にダブルレッグと飛行機投げで組んで投げる形を見せました。ああいった動きの手応えはご自身ではどうだったのですか。
「スタートが遅かったなというのはあります。それは毎試合。5分3Rしかないところで、最後のラウンドが良くても負けるというのは分かっているのに。あそこの15分間で発揮できないのが、一番選手の中で悔しいというか、心が残るところなんです。そことしっかり向き合うことが出来ました。最初から100パーセント出すというのも、次の試合で試すところかなと思います」
――最初から100パーセントを出す。そのためにはどうしたらいいと考えていますか。
「練習からもそうだし、試合前もそうだし、どう作るか。緊張という部分もあると思うし、相手と向き合ったときの感覚もそうです。それってやっぱ練習じゃ分からないことだと思うけど、本番でどれだけ行けるか。その(緊張の)壁をどう壊せるかが、自分の目標だなってすごい思ってきました。そこに取り組まなきゃいけないというのが、すごい明確に分かっているので、次の試合はそこが試せたらいいなと思います」
――階級を下げてきて、当日の相手は大きいかもしれないですが、あの首投げからのアームロックに関しては、もらわないという気持ちもありますか。
「そうですね。だってもらわないで勝ってる人たちもいるので。ということは“対策ができる”ってことだと思ってるので、百発百中あれが効くかって言われたら……うーん、と思うんですけど、それでも効いてない、負けてる試合があるのは、どこかに抜け道もあるということ。チャンスもあるので、そう思うと、自分も袈裟固めのやり方もけっこう分かる。組まれなきゃいいけど、組まれてからも頭の位置とか気をつけて。それでも極める強さ・コツ持っていると思うし、やってみなきゃ分からないですけど、そこに注意したいと思います」
――どんな試合になりますか。
「しっかり、5分3ラウンド、MMAを戦おうと思っています。でもたぶん向こうは、得意な形(あやかロック)があって、それしかなくても勝てればいいと、いつも通り組む形だと思っているんですけど、自分は近い距離での打撃戦もできたらいいなと思うし、やっぱりMMAをやりたい。それに、最初から100パーセント出すという自分との戦いもあるので、そこも越えて、しっかり目標を達成できたらいいなと思っています」
――最後はどうやって仕上げていきますか?
「いつもどおりの試合前の感じもあるし。でもやっぱ、結構ホームで試合というのが大きいかなって。これまでだったら試合の4、5日前には現地入りしていたので、普段のまま家族とも普通に過ごして、試合だってときに100パーセントで戦えるので、コンディション的にもめちゃくちゃ楽です」
──1カ月前で何kgでしたか。
「全然落ちてます。66~67kgの間くらいなんで、1カ月前でちょうどいいかな。以前と違って、成分もしっかり見て“普通にこれ食べてたら太るな”“あいつらやばいもん食ってんなみたいな”と思うことがけっこう増えました」
──あらためて、今回の試合に向けたいまの気持ちを。
「いい意味で平常心です。前回負けた時に本当に気持ちが落ちて、あれ以上落ちることもないし、この試合を成長できる試合にしたいと思っているんで、意地を張ってつまらない試合をするより、色々チャレンジしながら経験を積む試合にしたい。試合は楽じゃないけど、みんなが思っているより、自分は楽しみながら試合をやろうと思っています。以前は“試合か……”って、メンタルが落ちていたんですけど、今回は試合が楽しみなんですよね」