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インタビュー

【UFC】4連勝中のマネル・ケイプ、大晦日の堀口恭司、朝倉海、そして平良達郎を語る「世界のトップ5に入る彼らとは、いつかまた対峙することになるだろう」=1.13 マテウス・ニコラウ戦インタビュー(前篇)

2024/01/10 18:01
 2024年1月13日(日本時間14日)米国ラスベガスのUFC APAXで開催される『UFC Fight Night: Ankalaev vs. Walker』(U-NEXT配信)のコ・メインのフライ級で、元RIZIN王者のマネル・ケイプ(ポルトガル)が、マテウス・ニコラウ(ブラジル)と対戦する。UFC4連勝中のケイプに、本誌がインタビューを行った。 ▼フライ級 5分3Rマテウス・ニコラウ(ブラジル)19勝3敗(UFC7勝2敗)5位マネル・ケイプ(ポルトガル)19勝6敗(UFC4勝2敗)6位 ※UFC4連勝中  2019年大晦日の『RIZIN.20』で朝倉海を2R TKOに下し、「RIZINバンタム級王座」についたケイプは、2021年2月にUFCに「フライ級」で参戦以降、4勝2敗で同級6位につけている。  オクタゴンに馴染むまで2戦黒星が続いたが、初戦で判定負けしたのは、現同級王者のアレッシャンドリ・パントージャ。2戦目で今回、対戦するマテウス・ニコラウにスプリット判定の接戦で敗れた。  そこからオデー・オズボーン、ジャルガス・ジュマグロフをいずれもKO・TKO。続くダビッド・ドボジャーク、フェリペ・ドス・サントスにもダウンを奪う判定勝ちで現在、UFC4連勝中だ。  2連敗からなかなか上位陣との試合が組まれず、連勝してからもアレックス・ペレス、デイブソン・フィゲイレード、カイ・カラフランスら強豪が立て続けにケイプ戦をキャンセルしており、元タイトルコンテンダーとの王座挑戦に近づく試合も中止となっていた。  しかし、今回の対戦相手のニコラウは現在5位とケイプより上位ランカーで、4月の前戦でブランドン・ロイバルに敗れるまではケイプ戦を含め4連勝していた強豪だ。  巧みなステップで間合いを支配し、精度の高い打撃を武器とするニコラウは、強打もあって寝技も強い厄介な相手だ。今回の再戦を越えてUFCチャンピオンを目指す“スターボーイ”に、ニコラウ戦について訊くと、思いがけず「大晦日」について熱い思いが返ってきた(※インタビュー前篇) 堀口は勝ち筋が変わった。次に戦うときは100%違う試合になる ──クリスマス休暇もなく、年明けのUFCの試合に準備していたようですね。練習はラスベガスですか? 「そうだ。ラスベガスのエクストリーム・クートゥアーとUFC APEXでも練習してきたよ」 ──大晦日にあなたが朝倉海選手と試合をしてベルトを巻いてから、もう4年になります。 「年末のRIZINも見たよ。堀口と神龍、朝倉海とアーチュレッタの試合だ」 ──そうなのですか。少し感想を聞かせてもらえますか。 「もちろん。堀口と神龍の試合は、堀口にとって最高の試合ではなかった、彼の勝利した試合のなかで考えて、あれはベストファイトではなかった。ちょっと苦戦しすぎたんじゃないかな。印象は3、4年前と同じではなくて、彼はもうあの頃とは変わっていて、スタミナも落ちていると思ったし、ちょっと戦い方、勝ち筋みたいなものがつまらない選手になってきた。どうあれとんでもなく素晴らしいファイターなわけだが、この間の試合はちょっと壁が見えた。と言っても、ほかの選手の追随を許さぬ素晴らしい選手ではあるけど、ちょっと手の内が見えたと思う」 ──堀口選手の強い武器である打撃に、組みの強さが加わり、円熟の動きになったとも言えます。RIZINフライ級のベルトを巻いた彼は、Bellator&PFLの契約がどうなるか未定ですが、UFCで再び王座を目指すことも視野に入れているようです。 「たしかに最後は一本勝ちした。ただ、彼がいまのUFCに来たとて、もうここは全然違うレベルになっているだろうと思う。もちろん、僕にとっては今でも世界ナンバー3、ナンバー2の一人だ。もしいつか彼がまたUFCのフライ級で試合をする日が来たら、我々もまた対峙することになるだろう。ただその時は100パーセント、まったく違う試合になるだろうね。ともあれ、彼に幸あれ、だ」 [nextpage] 朝倉海と朝倉未来について思うこと ──もうひとつはバンタム級王座を獲得した朝倉海選手とフアン・アーチュレッタ選手の試合ですね。朝倉選手も試合後、UFCで戦うことになればフライ級に戻すことを示唆しています。 「もちろん彼がUFCに来たら力を発揮するとは思うけど、RIZINが喜んで手放すだろうか? 彼はビッグスターで、朝倉海のような選手を失うのは痛手だろうから、自分はRIZINが彼をリリースできるかどうかは分からない。だって彼は今、RIZINのベルトも持っていて防衛戦も組みたいだろうし、チャンピオンとしてやることがあるだろう。だから分からないけど、もし彼がUFCに来れば、きっとうまく行く。  自分がよく言ってるように、日本で戦った彼らはレベルが高くて、今、自分は彼らのような選手とは対面していない。自分にとって(堀口や海という)2人は、自分の人生で戦った中で最高のファイターたちで、彼らとは多くの経験を分かち合ってきた。ただ、今の自分はもう、彼らとはレベルが違うんだ。彼らと比べても自分はもう“レベチ”だから。  もちろん彼らはUFCでやっていけると思う、才能ある人たちだ。これもよく言うけど、日本の選手たちはみんなすごく才能豊かだから、必要なのはもっと練習相手であったり、練習環境だ。日本のジムは小さすぎるし、人も多くない。  もちろん、少しずつ改善されていることではあって、堀口はそのことの重要性にいち早く気づいて、アメリカへ渡り、メガジムで大きなチームに所属して、とても知識のあるコーチたちのもと、この競技のために生きている人たちに囲まれて練習していて、これは日本では難しいことだ。  そして今や朝倉海もそういうことを日本で実現させている。アメリカ等からコーチを呼んでいるよね。そしてよりスマートな選手になったし、彼が試合で賢い面を見せて、彼が勝利したことというのは自分としてはすごく嬉しかった。彼とトレーニングもしたしね。きっと海はもっともっとファイトキャンプにちゃんとしっかり投資をして、いろんなトレーニング相手を連れてきてやっていくべきだと思う。  投資すること、ファイトキャンプにしっかり懸けるっていうことで言えば、彼の兄の朝倉未来のほうは、それができなかった。2つのことを両方完璧になんて出来っこないんだよ。いろんなことをやっていたいのか、何かを極める人になるのか。未来はビジネスで成功していて、YouTubeやらいろんなことで商才を発揮できているか自分でも分かったうえで、試合をすることに執着があるっていうのは──つまり試合とは彼にスポットライトが当たることだから。スポットライトを浴びたいんだ。  自分としては、限りある選手生活のなかで、未来はRIZINのベルトを獲りに行くべきだと思うけれども、彼の過ちというのは、他のことに意識が向きすぎていることだ。同時にいろんなことをうまくやるっていうのは無理で、ひとつのことに集中しないといけない、執拗に。それを朝倉海が出来たということは、少し驚きもあったけど、彼はそのことに気がついて、非常にスマートになって、アメリカでトレーニングして知識を吸収して日本に持ち込んでやっている。非常に優れた自己投資の仕方だと思う。そのことを自分としてもすごくいいことだな、素晴らしいなって嬉しく思っているんだ」 [nextpage] 平良達郎には「特別」なものを感じた ──日本人選手では、フライ級にその2人に加え、新たにUFCでランキング入りした平良達郎選手がいます。 「ラスベガスで彼に会って一度一緒に練習したよ。以前も言ったけど、とてもいい選手だしどんどん良くなっている。彼は無敗のファイターで……5連勝かな。自分が初めて平良を見たときは何か特別なものを感じたね。とても素晴らしいファイターでとてもいい選手だと思った。ともあれ、彼ら日本の3選手は、とてつもなく、とても、とてもいいファイターたちだ。僕自身は、この選手たちが階級を置いても、あるいはフライ級でも、世界のトップ5に入ると思っている。人間としてもとてもいい人たちだと思うし、ファイターとして素晴らしいと思っている。だから彼らには尊敬の念しかないよ」 ──こちらが想像する以上に、日本の格闘技シーンを追っていて驚きました。そういうあなたも、現在、UFCで4連勝中で、ランキング6位に入っています。トップ5と対戦する次の試合が大事な試合になりますね(後篇に続く)。
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