影の人たち全員にとって、巨大な仕事だった
マチューは、「エリーの要求は明確だった。彼のアスリートであるカイがどのように動くか。いかに情報を掴み、場所を取るか、カイの身体の使い方、強み、ディフェンスを洗練させるかを理解したい」と。
「そこで私は、フアン・アーチュレッタ特有のテクニックパターン、ターゲットにする身体領域のプレイリストをハイライトで示し、構造的にお互いがどのように動くか、戦うかを分析した。エリーが私の構造分析に示してくれた信頼と関心にありがとう。この勝利はカイのみならず、ヘッドコーチのエリー、スパーリングパートナーのブライアン・ブーランド、レスリングコーチのビリー・ビゲロウら、影の人たち全員にとって巨大な仕事でした」と、試合後にSNSに記している。
そのビリーも、朝倉のアーチュレッタ戦の動きを賞賛する。
米国ラスベガスのシンジケートMMAで、今回、元谷友貴を下したビンス・モラレスをはじめ、UFCのアルジャメイン・スターリングやメラブ・ドヴァリシビリらトップファイターを指導するビリーは、朝倉がアーチュレッタにマットに背中を着かされることなくテイクダウンを防いだことが、KOに繋がったと語る。
「カイが良かったのは、レスリングのディフェンスに多く取り組んだこと。そのおかげで自信を持って打ち合ってゲームプラン通りに試合を進められた。海のテイクダウンディフェンスとテイクダウンを読む力がほんとうに信じられないほど凄かった。グラップリングの応酬になったときの海の忍耐強さはほんとうに凄い。だからアーチュレッタのテイクダウンの先の作戦を潰すことが出来て、今回のKOを掴み取ることが出来た」(ビリー)
朝倉も今回のJTTの陣容と分析、試合への取り組みに大きな自信を得ていたことを明かす。
「物理的に相手の弱点はどこかを分析する。エリーとアーチュレッタの弱点はボディにあると分析して、ヒザとボディへのパンチは狙っていました。ほんとうに自信があった。ファイトキャンプ中ずっとビリーのレスリング技術の引き出しというか、初めて知る技術がたくさんあって、海外のトップコーチはやっぱりこれだけ知っているんだなと思い知らされた感じ。だからめちゃめちゃ自信があって、アーチュレッタがタックルに来るなら来ていいよと。逆に疲れるだけだからと。全然、レスリングは警戒してなかった」と、エリー&ビリーの盤石の体制を語る。
その上で朝倉は、この充実したJTTの環境を継続・発展させていくことを明かした。