2024年2月24日(土)東京・後楽園ホール『Krush.158』の対戦カード発表記者会見が、12月27日(水)都内にて行われた。
Krushライト級タイトルマッチ3分3R延長1Rで王者・里見柚己(team NOVA)が伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)の挑戦を受けての初防衛戦に臨む。
里見は2019年8月にベテランの山本真弘から得意の左ストレートでKO勝ちして名を上げた。スーパー・フェザー級からライト級に階級を上げて2021年7月・9月の「第6代Krushライト級王座決定トーナメント」では川崎真一朗にKO勝ち、弘輝に判定勝ちで決勝へ進出するも瓦田脩二に敗れて戴冠ならず。2022年8月には元スーパー・フェザー級王者の西京佑馬に判定勝ち。2023年6月、1月に無効試合となった大沢文也との再戦で勝利し、第8代Krushライト級王者となった。戦績は19勝(8KO)11敗1分1無効試合。
2014年11月の新生K-1旗揚げ戦のプレリミナリーファイト第1試合を務めた伊藤は3連敗を喫した後、2022年6月に階級をライト級に上げて初戦で南雲大輝に2RKO勝ち。9月は弘輝に判定で敗れるも12月は鈴木翔也に判定勝ち。2023年2月には堀井翼から得意の右フックでダウンを奪って判定勝ちした。7月にはK-1でティントーンからも判定勝ち。戦績は14勝(4KO)12敗4分。 両者は2023年9月のK-1横浜大会で対戦し、伊藤が2R2分18秒、左右フックの連打で里見をKOする番狂わせを演じた。今回はそのダイレクトリマッチとなる。同席した宮田充Krushプロデューサーは「8-2くらいで里見選手の試合だと思っていた。今年見た中では一番インパクトのあるアップセットだった」と評した。
伊藤は「ちょうど2月でデビュー10年、ピッタリです。10年目の2月でタイトルマッチが来たのは運命を感じた。10年で苦労も苦しい思いもしていろいろな人たちに迷惑もかけてきたので、お世話になっている方々の想いも含めて必ず勝ってベルトを巻きます」と、10年目の初戴冠に燃える。
里見は「9月に地元で伊藤選手に思い切り倒されて恥をかいた。年内に今年の借りは返したくてやりたかったんですが、怪我も重なって2月のタイミングになってしまいました。しっかりと横浜でやられた倍返しじゃないけれど、Krushのリングで失神させたい」と、こちらもリベンジに燃えていた。
前回の試合で、伊藤は「前回の試合前から、ここで勝ってリマッチでタイトルマッチを組んでもらうと決めていたので、前回の試合はその通りになって今回が本当の勝負です」と、チャンスを自分で引き寄せたとする。
里見は「王者らしくしっかりKOで勝ちたかったけれど、勝負の世界は何があるか分からなくて。自分はベルトを守る気は一切なくて、それはどの試合でも変わらず、伊藤選手は失うものがなくて倒しに来て自分も倒しに行ってああいう結果になったと思っています。横浜で応援してもらったみんなを悲しませたので、防衛戦でリベンジと倒すことを決めています」と、今度はそうはいかないとした。
互いに警戒している部分を聞かれると、伊藤は「ベルトしか見ていないので、里見選手に思っていることはなくてベルトを奪うことしか考えてないです」とベルトしか見えないと答える。
里見は「ああいうパンチで倒されているので、ああいうのには気を付けないといけないし、カウンターを合わせにいったところで予想外でまったく見えなかったので、今度は自分が思い切りいきたいと思います」と前回の轍は踏まないとする。
「いろいろな人に見てもらって、対策していて。前回の1Rは自分の中では想定通りの動きが出来て、今回もしっかり仕上げてやるので特にこれを意識してやるというのはなく倒せる攻撃をどんどんやっていきます」という里見に対し、伊藤は特に対策はしないという。
「正直、作戦はなくて全身全霊で自分の全てをぶつけるだけなので。前回もそうだったし、それが出るので出します。前回の勝利はその結果でもある。それが練習の結果でもあります。毎回全部出すを考えてやっています」と伊藤。
デビューから10年目で迎える初のタイトルマッチ。勝てばジムとしても初めてのタイトルとなり、「個人で見ると10年目でたくさんの苦しい思いをして、たくさん人を裏切ってここまで来たので、その想いと、自分は必ず王者になる人間なので10年目にして王者になる瞬間をこのチームで必ず見せて、ジムの後輩にも王者になった姿を必ず見せます」と個人としてもチームとしても懸けるものがあるとする。
一方の里見は初防衛戦、リベンジマッチとプレッシャーがかかる要素ばかりだが「自分は何も気にしてなくて、守るような試合はしたくないので、それがKrushの王者じゃないかと思う。自分はリベンジですね。思い切り倒して、タイトルマッチが2つあるけれど自分をメインにして欲しい。必ず盛り上げて、KOして勝つので。自信しかない。負けたのに王者の立場は嫌なので早く試合がしたいです」と、プレッシャーはないとした。
伊藤は「前回もそうでしたが、誰が見ても伊藤は変わったねと思える試合内容を見せる。そこからが王者としてのスタート。1年の始まりにスタートを見せたいです」とし、里見は「やはり王者は絶対負けちゃいけない。別格で自分の方が強かったと思わせる。簡単に名前を上げられない、強くて誰もやりたくないと思わせる王者になりたいです」と、それぞれが見せたいものを話した。
また、KNOCK OUTからKrushに参戦している大谷翔司(スクランブル渋谷)が前王者の大沢文也を破り、タイトル挑戦と伊藤との挑戦者決定戦をアピールしたことについて聞かれると、伊藤は「自分は王者になったことがなく今はまだ何でもないので、王者になってからその意見を耳に入れられたら。今は何も思っていないです」、里見も「自分は大谷選手のことを知らなかったんですが、前回のKrushで大沢選手に勝っていて。大沢選手に判定で勝つのは難しいのにそこで勝っていたのは凄いと思います。でも、自分はその位置にいたくないので、もっともっと上を見てやっているのでまずは2月しっかり見せたいと思います」と、今は意識していないと口を揃えた。
そこで元KNOCK OUTプロデューサーでもあった宮田Pは「大谷選手にはKNOCK OUTから来ているのだからまずはKO勝ちして欲しい。次の試合はKNOCK OUTで組まれると思いますが、その後の流れで来年もKrushに上がって欲しいですね。次は然るべき強敵とマッチメイクさせてもらおうと思っています。ライト級は層が厚くて次は俺だろうと思っている選手がいると思うけれど、2月で終わりじゃなくてその後も続いていきます。僕の中では大谷選手はトップ5になっているイメージなので。チケットを発売しているのでぜひファンを連れて2月見に来てください」と、2月のタイトルマッチを自腹でチケットを購入して見に来てもらいたいとした。