アーチュレッタ対策に万全を期す朝倉海
2023年12月20日(水)東京・赤坂のJAPAN TOP TEAMにて、大晦日『RIZIN.45』の公開練習が行われ、朝倉海、ヒロヤ、ヴィンス・モラレスの3選手がミット打ちなどを披露。囲み取材に応じた。
▼RIZINバンタム級(-61.0kg)選手権試合 5分3R
フアン・アーチュレッタ(米国)王者・29勝4敗
朝倉 海(JAPAN TOP TEAM)挑戦者・20勝4敗
元RIZINバンタム級王者の朝倉海は、2021年バンタム級GP準優勝。怪我の治療で長期離脱後、2023年5月大会で元谷友貴相手に約1年5カ月ぶりに復帰し、ヒザ蹴りによるTKO勝利で復活。Bellatorのフアン・アーチュレッタと7月に対戦予定だったが自身の怪我により欠場。大晦日にRIZINバンタム級王者アーチュレッタに挑み、ベルトを奪還を目指す。日米で練習パートナーとなったヴィンス・モラレスを相手にアーチュレッタ対策を練ってきた。
公開練習のミット打ちではエリー・ケーリッシュコーチと笑顔を浮かべながら楽しそうに、ワンツー、ワンツーからのアッパーをミットに叩き込んだ。
「さっきまで3人で階段ラッシュをやっていて終わったばかりなので酸欠状態」と笑いながらも「みんな順調に仕上がっていて。僕ももちろんバッチリ仕上がっているので楽しみです」と調子は良さそうだ。
モラレスについては「僕がラスベガスへ2回行ったんですけれど、その時に毎日一緒に練習してくれていて。その強さも凄く知っていたし、レスリング力だったり打撃力がアーチュレッタと近いものがあるので練習に来てくれないかとお願いして来てもらいました」と、招聘した理由を話す。
「アーチュレッタと似ているわけではないんですけれど、ポテンシャル的にというか、実力的に近いものを感じるというか。レスリング力も打撃力もそれぞれ優っている部分は違うところもあるんですけれど、同じ階級でレスリングも打撃も強いし、トータルで強い選手。日本にはなかなかいないので。そういう意味でヴィンスに来て欲しいというのがありました。あともう一人ブライアンって海外で活躍している選手がいるんですけれど(Cage Warriorsファイターのブライアン・ブーランド)その選手がよりアーチュレッタに近い」と、アーチュレッタ対策に万全を期す。
JAPAN TOP TEAMには原口健飛に続いて山崎秀晃が打撃コーチとして加入し、「立ち技でトップに立つ人って本当に凄い技術を持っているので、MMA選手とは違う観点からアドバイスをくれるので勉強になることが多いです」とそれもプラスになるとし、その内容については「シークレット」として明かさなかった。
試合については「もちろん試合の魅せ方にも拘るんですけれど、僕自身、大晦日に勝てていないので何が何でも勝つ。KOを目指すが泥臭い試合になってもどんな僅差になっても絶対に勝ち切りたい」と、2019年から続いている大晦日での連敗をストップしたいとする。
7月のタイトルマッチを欠場する理由となった左膝内側側副靱帯損傷の怪我は「100%大丈夫です。違和感は全くないです」とし、「アーチュレッタの対策練習をずっとしてきたので、彼の動きに対して全部対応できるようにしてきました」と自信を見せる。
「一番の理想は自分のやりたい時間を増やすってことですが、相手の得意なところに持ち込まれても僕が一発で仕留める自信があるので自分のやりたいようにやります」と、自分を貫き通すことがテーマだとした。
まだ大晦日を残すが、今年1年を振り返り「僕は今年1年半ぶりに1回復帰戦をしてそこでしっかり勝てて、実力的にも伸びている時期でこのまま王者になれるなって思ったところでまた怪我して。人生なかなか上手くいかないなって悔しい想いをしました」とするが、「その中でいろいろなコーチやトレーニングパートナーと出会って、みんなの助けもあってそこからさらに成長することが出来て。今一番強くなっているタイミングで大晦日でタイトル戦が決まって自分の中ではいい流れが出来ているなって思っていて。万全な状態で試合に臨むことが出来るので勝てると思います」と、いい流れが来ていると前向きだ。
11月に行われた兄・朝倉未来とYA-MANの試合についても聞かれ「率直に悔しかったです。兄貴の負けっていうのは他の誰が負けるよりも悔しい。兄弟なので。心の底から悔しかったですね」と言い、「今まで一緒に走り続けてきて、お互いにいい時・悪い時で支え合ってきたので、兄貴が上手くいかない時は僕が頑張る番だと思うので、ここは僕が頑張る時だなって気合いが入りましたね」と気合いを入れる。
長期戦になると思うか、それとも短期決戦になるかとの質問には「KOを狙っていきますが結果判定になるかもしれない。僕の中でこれなら倒せるってものが何個かあってそれが当たれば倒れるし、もしそれを防がれたら判定になるかもしれないですけれど、それでも勝ちきれる練習をしています」と、どちらに転んでも必ず勝つようにするという。
ファンからはアーチュレッタより自分が優っている部分は何かとの質問が寄せられ、「スピード、パワー、ストライキング力」と答える。朝倉未来とは試合について「時々話しています」とする。そして、どんな勝ち方をするかと聞かれると「KOですね」ときっぱりと答えた。