(C)Shoooto Brasil/Hibiki Tamura
2023年11月24日(日本時間25日朝8時~)ブラジル・リオデジャネイロのアッパーアリーナにて開催される『Shooto Brasil 120』(UFC Fight Pass配信)の前日計量が23日(同24日)同地にて行われ、「修斗世界ウェルター級選手権試合」(5分5R)の両者が計量をパスした。
修斗世界ウェルター級王者のエルナニ・ペルペトゥオ(ブラジル/ノヴァウニオン)は77.0kg、挑戦者で現環太平洋ウェルター級王者で世界同級1位の田村ヒビキ(日本/カルペディム福岡)が76.9kgでパス。
▼修斗世界ウェルター級チャンピオンシップ 5分5R
エルナニ・ペルペトゥオ(王者・ブラジル/ノヴァウニオン)77.0kg
田村 ヒビキ(挑戦者・同級世界1位・日本/カルペディエム福岡)76.9kg
海外で修斗の世界タイトルマッチが行われるのは、2010年8月以来13年ぶり。リオでの公開計量では、両者のフェイスオフで「Uh vai morrer!」(やってしまえ!)の大合唱が起きるなど、田村にとっては早くもアウェーの洗礼を受けた形だ。
計量後、田村は現地から「アウェイとか年齢とかいろいろあるけど、全て含めて試合が楽しみ。格闘技を始めたとき、最初に見たチャンピオンベルトが修斗のベルト。勝ってベルトを日本に持って帰ります」と力強いコメントを送ってくれた。
2022年5月の修斗TORAOでのソーキとの再戦で環太平洋のベルトを巻いた田村は、同年10月の「RIZIN.39」で阿部大治に判定負けして以来の試合となる。MMA16勝14敗9分。
田村が挑戦する王者ペルペトゥオは、MMA20勝9敗。ノヴァ・ウニオン所属で、ルイス・“ベイサォン”・ハモスが返上した修斗世界ウェルター級王座を、2013年8月にトミー・デプレットと争い、5R判定勝ちで戴冠。その後、UFCに転じ2敗でリリースも、リリース後は3勝4敗。黒星はONE Championship、PFC等のアウェイで喫し、3勝はいずれも修斗ブラジルでの試合。ホームで負けない強さを見せている。
また、2023年2月の前戦では、同門のジョゼ・アルドとともに「修斗ブラジル・ボクシング」に出場。イルデマール・アルカンタラを2R KOに下している。
身長179cm、リーチ183cmの田村に比べ、ペルペトゥオは身長183cm、リーチ188cmとそれぞれ5cmほど長く、その長いリーチを活かした左ジャブ&ローで圧力をかけ、相手が下がると危険な左右のハイキックも手塚裕之戦で見せている。
さらに右のオーバーハンドと真っすぐを巧みに使い分けており、サウスポー構えの田村にとってはいかにその前進をさばいて得意の右前手と左の攻撃を当てられるか。
田村は5月には、九州プロキックボクシングミドル級初代王者でK-1やKrushにも参戦している藤岡裕平とキックルールで対戦し、判定まで持ち込んでおり、長身のペルペトゥオと立ち会うためにも、立ち技の進化を磨いてきたといえる。
寝技ではペルペトゥオはラバーガードを多用し、ゴゴプラッタでの極め、キムラ、アナコンダチョークなど5つの一本勝ちも記録するが、9つのKO・TKO勝ちが際立つブラジリアンストライカーだ。柔術黒帯の田村だが、ケージレスリングでも組み勝ち、トップから攻められるか。
修斗ブラジルのホームであるリオのアッパーアリーナは、客席との距離も非常に近く、田村にとっては、完全アウェーの地で、自身のMMAの集大成をぶつける「5R」の王座戦となる。
かつて桜井マッハ速人やアンデウソン・シウバ、ジェイク・シールズ、青木真也らの腰に巻かれた修斗世界ウェルター級のベルトを、田村は日本に取り戻すことが出来るか。
【写真】コ・メインでは、SBCフェザー級王座戦で5連勝中のアントニオ・ジュニア・モンテイロ(ノヴァウニオン)と3連勝中のルーカス・タヴァレス(ノルデステ柔術)が対戦。いずれもUFC Fight Passで配信される。