キックボクシング
レポート

【RISE】政所仁が花岡竜を初回KO、長谷川海翔からハイキックでダウンを奪って優勝。小林愛理奈が衝撃KOでタイトル奪取

2023/11/20 22:11
RISE 1732023年11月18日(土)東京・後楽園ホール ▼メインイベント(第11試合)RISE NEW WARRIORS スーパーフライ級(-53kg)トーナメント 決勝 3分3R延長1R〇政所 仁(魁塾/同級1位)判定3-0 ※30-28、30-27×2×長谷川海翔(誠剛館/同級4位、第4代DEEP☆KICK-53kg王者)※政所がトーナメント優勝。  政所はバルカン砲とも評される回転の早い打撃と相手の意表を付く技を武器に多くの強豪を破りJ-NETWORKフライ級王座、WBKF世界スーパーフライ級王座を獲得。2021年9月のDoA-53kgトーナメント一回戦で田丸辰にリベンジを果たすも準優勝で風音に判定負け。その後、佐藤執斗と無効試合、花岡竜にはTKO負けと白星から遠ざかったが、2022年12月に滉大から判定勝ちで再起。2023年7月には風音にリベンジし、8月にはルベン・セオアネをKOした。準決勝では花岡竜をKO。戦績は19勝(6KO)10敗1無効試合。  長谷川は18歳で現在プロ戦績10勝(9KO)1無効試合と負けなしであり、何より特徴的なのは高いKO率。2021年4月にDEEP☆KICKでプロデビューを果たすと破竹の勢いでKO勝利を連発。昨年3月より行われたDEEP☆KICK-53kg王座決定トーナメントでは準決勝でKING剛を1RでKO、決勝の王座決定戦ではKAZUNORIを相手に3RKOと鋭いパンチ・蹴りに決め所を逃さない嗅覚を存分に発揮して王者となった。6月にはKO勝ちで初防衛に成功すると、7月のRISEでは翼を初回KOに破ってみせた。準決勝ではHIROYUKIにKO勝ち。  1R、サウスポーの長谷川に対して政所は右へ回り込む。互いに前足へのローを放ち、長谷川は強烈な左インロー、左ミドルも蹴る。長谷川の左ミドル2連発に政所も右ミドルを返し、下がった長谷川へ右ボディストレート。政所が右ハイを蹴ると、これは長谷川の首元に引っかかる。右へ右へと動きながら右ミドル、右ストレートをヒットさせる政所。長谷川は左右フックの連打を繰り出すが、政所はブロックした。  2Rは長谷川が先に右回り。政所は左へ回り込んでいく。圧をかける政所が左ローからの左ハイ。さらに右ハイも。長谷川が飛びヒザを出せば、政所も飛びヒザ。左右フックを思い切り振る長谷川に、政所は左フックをヒットさせる。圧をかけて下がらせる政所だが、長谷川も左フックを打ってワンツーの連打で前へ出る。  3R、政所が左フックからの右ストレート、長谷川も左右フックを繰り出す。左ストレートを打った長谷川に政所が前進し、長谷川の左手ブロックが一瞬下がったところへ政所が左ハイキック。鮮やかにダウンを奪う。長谷川のワンツーに大きな右フックを返していく政所。ロープに詰められる長谷川だが、左ストレートからの左ミドルで逆襲。右ストレートを打った政所がまたしても右ハイをヒットさせる。長谷川は右ストレート、左フックで倒し返そうとしたが、かわした政所が右ストレートを入れた。  判定は3-0で政所が勝利。「これでやっと2度目のRISEのタイトルマッチが決まって、ちょっと遠回りだったんですけれど今まで応援してくれた皆さん、ありがとうございました。伊藤代表にひと言だけいいですか。“ほらな”(笑)。今のは冗談で、このトーナメントは正直ムカつきましたけれど、RISEのことも伊藤代表のことも嫌いではないです。ただ、僕はここがゴールだと思っていない。長谷川選手とは練習も何回か一緒にやらせてもらったことがあるんですが、むちゃむちゃ強かったです。僕も危なかったですね。僕しか53kgで大﨑選手に勝てるのはいないと思っているので、大﨑選手、ちょっとプレッシャーかけすぎたかもしれないですけれど、次楽しみにしておいてください」と、タイトル奪取を宣言した。  リングサイドで試合を見ていた大﨑はベルトを持ってリングに上がり、「政所選手、おめでとうございます。準決勝、決勝と近くで見させてもらって、本当に凄く強くてめちゃくちゃ燃えました。僕、次は12月に決まっているんですけれど、前回負けちゃったんですけれどそれまで勝ち続けてこのベルトの価値を高めてきたのは僕なので、12月に勝って政所選手との防衛戦にも勝って次につなげていきたいと思います」と、王座は譲らないと言い放った。 [nextpage] ▼セミファイナル(第10試合)RISE QUEENミニフライ級(-49kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R×erika(=名前の後ろにハートマーク/SHINE沖縄/王者)KO 2R 0分11秒 ※レフェリーストップ〇小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/挑戦者・同級2位)※小林が第3代王座に就く。erikaは初防衛に失敗。  erikaは沖縄在住の選手で2020年8月のREBELSに参戦し、平岡琴から番狂わせの勝利をもぎ取ると10月の「RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020」に参戦。1回戦で寺山日葵を相手に猛攻を見せ、延長戦で敗れるも寺山を苦しめた。2021年2月には百花からNJKFミネルヴァ・アトム級王座を奪取。2022年は「第2代RISE QUEENミニフライ級王座決定トーナメント」の準決勝で大倉萌をヒザ蹴りでTKOに破ると、6月の決勝ではAKARIに判定勝ちで王座に就いた。その後、肩の手術のため戦線離脱。2023年8月に地元・沖縄の『TENKAICHI 97』で復帰戦を行いビョン・ボギョンに判定勝ち。戦績は13勝(3KO)2敗。3人の子供を持つシングルマザーであり、キャッチフレーズは“3児のヒロイン”。  小林はフルコンタクト空手出身で強烈なパンチを武器に持つ。正道会館第38回全日本空手道選手権大会2019軽量級優勝など主に関西圏の大会で多くのタイトルを獲得してきた。RISEでは奥脇奈々、平岡琴、百花、祥子JSKらを次々と撃破するも、2022年5月に3度目の対決となった王者・宮﨑小雪とのタイトルマッチで敗れた。9勝(2KO)3敗1分の3敗はいずれも宮﨑に付けられたもの。12月には女子初のオープンフィンガーグローブマッチに臨み平岡を返り討ちにすると、2023年2月にはSB日本女子アトム級王者MISAKIからダウンを奪って勝利、8月には花田麻衣に判定勝ちなど4連勝中。  1R、サウスポーのerikaが左ミドル、左インローを蹴ると、小林はその左インローに右ストレート。小林の右フックからの左フックをブロックしたerikaだったが、その直後に小林の左フックがクリーンヒット。グラついてロープにもたれかかったerikaに小林が左右ストレートのラッシュを仕掛け、erikaもロープを背にして打ち合う。小林は右ストレートを顔面とボディへ打ち分ける。態勢を整えたerikaは再び左ストレートと左ミドル。  左ミドルを蹴ったerikaに小林が速いワンツーでヒットを奪う。erikaがローを蹴るとそこへ右ストレートを合わせてくる。小林はerikaの左ストレートにも右クロスを必ず合わせる。左ミドルを蹴るerikaだが小林は下がらず前へ出て、erikaの左ストレートに右、左、右の3連打でダウンを奪う。立ち上がったerikaに小林は右ストレートと左フックの連打で猛攻を加え、スタンディングダウンを追加。再開したところでラウンド終了となった。  2Rが始まってすぐ、小林の右フックを2発被弾したerikaは身体が大きく泳ぐ。小林が左フックで追撃し、erikaが後方へ大きくよろめいたところでレフェリーがストップ。小林が衝撃的なKOで王座を奪取した。  小林は「自分一人の力ではほんまに勝ててなかったので、自分にかかわってくれた全ての人、本当にありがとうございました。前のタイトルマッチ負けてしまった後に自分のおばあちゃんが癌で亡くなってしまったんですけれど、そのおばあちゃんと約束していて…ベルトを獲ったら一緒に写真を撮るって約束していたんですけれど負けちゃって。今は天国にいるばあちゃんに見せられて良かったと思います。まだまだチャンピオンになったばかりでチャンピオンらしくとか分からないんですけれど、これからも自分らしくチャンピオンですけれどいろいろなことに挑戦していって、OFGのベルトとかも作って欲しいと思っているのでお願いします。体重は足りてないですけれど階級は関係ないと思っているので、何kgでも誰が相手でも勝ちます」と、涙を流しながら語った。 [nextpage] ▼第9試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1R×澤谷大樹(HAWK GYM/同級4位、KC2022 -57.5kgトーナメント優勝、DEEP☆KICK-60kg王者)判定0-3 ※29-30×2、28-30〇安本晴翔(橋本道場/同級5位、WBCムエタイ日本統一フェザー級王者) [nextpage] ▼第8試合 ライト級(-63kg)3分3R延長1R×山畑雄摩(心将塾/同級4位、第3代DEEP☆KICK63kg王者)判定0-2 ※29-30×2、29-29〇塩川琉斗(TOP STAR GYM/同級12位、Stand Up King of Rookie 2022 -60kg優勝) [nextpage] ▼第7試合 ミニフライ級(-49kg)3分3R延長1R〇宮﨑若菜(TRY HARD GYM/同級3位)判定3-0 ※30-28×3×Melty輝(team AKATSUKI/フライ級3位、DBS女子フライ級王者) [nextpage] ▼第6試合 バンタム級(-55kg)3分3R〇京介(小比類巻道場)判定2-0 ※30-29×2、29-29×力哉(BK GYM/DEEP☆KICK?55kg級3位) [nextpage] ▼第5試合 スーパーライト級(-65kg)3分3R×石田 迅(LEGEND GYM/第4代DEEP☆KICK -65kg級王者)KO 1R 0分42秒 ※バックスピンキック〇田中佑樹(HAWK GYM/King of Rookie 2021 -63kg級優勝) [nextpage] ▼第4試合 RISE NEW WARRIORS スーパーフライ級(-53kg)トーナメント 準決勝 3分3R延長1R×HIROYUKI(RIKIX/第6代新日本キックボクシング協会フライ級王者、第12代同バンタム級王者)KO 3R 0分54秒 ※2ノックダウン〇長谷川海翔(誠剛館/同級4位、第4代DEEP☆KICK-53kg王者)※長谷川が決勝へ進出。 [nextpage] ▼第3試合 RISE NEW WARRIORS スーパーフライ級(-53kg)トーナメント 準決勝 3分3R延長1R〇政所 仁(魁塾/同級1位)KO 1R 2分15秒 ※2ノックダウン×花岡 竜(橋本道場/同級6位、NO KICK NO LIFEバンタム級賞金トーナメント優勝)※政所が決勝へ進出。 [nextpage] ▼第2試合 バンタム級(-55kg)3分3R×福井萌矢(建武館/King of Rookie 2021 -55kg級優勝)判定0-3 ※28-29×3〇松永 隆(新宿レフティージム) [nextpage] ▼第1試合 ミドル級(-70kg)3分3R×バシ・カニ・エビ(FJ KICK ASS/2022年SMASHERS 73kg級チャンピオンシップ優勝)KO 1R 2分49秒 ※左フック〇惺也(OISHI GYM/第7.9.10.11回JKJO全日本ジュニア空手道選手権大会優勝)
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