敵地でムサエフに果敢に挑んだ武田だが壮絶に散った(C)RIZIN FF
2023年11月4日(土)アゼルバイジャン・バクーのナショナルジムナスティックアリーナにて開催された『RIZIN LANDMARK 7 in Azerbaijan』のセミファイナルで、トフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)に3R2分3秒、TKOで敗れた武田光司(BRAVE)が試合後インタビューに答えた。
武田は開口一番「もう引退ですね、それだけです」と発言して周囲を驚かせたが、これは「ライト級は終わりです」という意味。
「榊原CEOにも言ったんですけれどフェザー級に行かせてくれと。ライト級で21戦やって15勝6敗、自分のいろいろな物語があったなって。自分でさっき考えて中村倫也さんとも喋っていて『自分で自分のことくらい守ってあげよう』と言われたので、自分は自分で、ライト級の戦績に終わりを告げたと思っているし、『よくやったよ、武田』って自分に言ってやりたいですね」と、自分の体格で世界のライト級で戦っていくことに限界を感じていた様子。フェザー級転向を宣言した。
ムサエフについては「世界トップランクのムサエフ選手と出来て光栄と言ったらアレですけれど、まさしく人じゃないなっていう。試合中の圧も凄くて前へ出られなかったので、人じゃなかったかなって感じですかね」と、常人離れした強さを感じたとする。
事前に立てていた作戦は「インローを蹴っていたじゃないですか。インローの単発と左ストレートからのインローの蹴り終わりにすぐにドライブ(タックル)に行く、あと左のオーバーハンドからドライブする作戦だったんですけれど、ムサエフ選手が凄い冷静でカウンターを狙っているのが伝わってきて、なかなか出しづらくて。客観的に見てもハンドスピードの速さはもうめちゃくちゃ違うのに、僕からアクションをかけてカウンターをもらうのはヤバいなって試合中に感じていたので。だから僕はパンチを1発、2発くらいしか当ててないですね。情けなくて。パターンは3つくらいあったんですが、1個しか出来なかったって感じかな」と、ムサエフのカウンターを警戒して遂行できなかったという。
テイクダウンに行くタイミングがなかなかつかめなかったのは「ムサエフ選手がもっとアグレッシブに攻めて来るっていうのを想定しての作戦だったんですけれど、あまりにもムサエフ選手が冷静だったので。完全に狙っているなというのが伝わってきたので無理に行けなくて。それで最後は散ったという感じです」と、ムサエフが想定していたよりも冷静だったからと振り返った。
最後に打ち合いで勝負を懸けたのは玉砕覚悟の気持ちで行ったのかとの問いには「いや、本当に勝つ気でいました。それだけです。玉砕とかじゃなくて。四つで組んでドライブして…途中で記憶が飛んでしまっていたんですけれど。四つで組んで離れ際にヒジをもらったのかな。そこくらいから記憶が飛んでしまっているんですけれど、本当は四つから下にタックルに行きたかったけれどそれも出来なくて反省点だらけ。本当はテイクダウンを狙いに行って、本気で勝つ気でいたんだけれどな。難しいな人生って。それ以外にないです」と最後の最後まで諦めずに勝利を狙いに行ったと話した。
失意の様子が見て取れた武田だが、今後のことを聞かれると「ムサエフに勝ってフェザー級に行くつもりだったんですけれど、こういう結果になっちゃったので…。結果は結果だし、言い訳するつもりもない。完敗だし、ライト級の武田光司は終わりですってだけだし、一からフェザー級で。そこは榊原CEO、佐伯繁代表、宮田(和幸=BRAVE代表)さんに相談しないといけないし、フェザー級一発目で誰とやるか。誰だろうな…誰でもいいですね。まずは身体作りしないといけない。普段84kgあるので、それを下げないといけない。年末に出たいですね、フェザー級で。適正階級と言っても過言ではない。フェザー級でもリーチは短いんじゃないかな。フェザー級にお邪魔しようと思っているのでフェザー級のみなさんよろしくお願いします」と、新天地へ向けての意気込みを語った。