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【RIZIN】なぜ鈴木千裕はケラモフを下からTKOに下せたのか「フェイクの三角絞めから──」、金原正徳は「やりましょう、大晦日」も負傷でどうなる王座戦

2023/11/05 06:11
【RIZIN】なぜ鈴木千裕はケラモフを下からTKOに下せたのか「フェイクの三角絞めから──」、金原正徳は「やりましょう、大晦日」も負傷でどうなる王座戦

(C)RIZIN FF

 2023年11月4日(土)、RIZIN初の海外大会がアゼルバイジャン・バクーのナショナルジムナスティックアリーナにて開催された。

 メインイベントでは、「RIZINフェザー級(66.0kg)タイトルマッチ」として、王者ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)に、日本から参戦した鈴木千裕(日本/クロスポイント吉祥寺)が挑戦。

 試合は、1Rにケラモフの右を被弾した鈴木が右を打ち返したところに、ケラモフがカウンターのシングルレッグ(片足タックル)テイクダウン。

 いったんサイドポジションを奪われそうになった鈴木は、すぐに腰を切ってハーフガード、さらにフルガードに戻したことで、最大の危機を避け、チャンスを得ることになる。

 ここで鈴木は、フルガードに戻したことで足を上げて三角絞めの動きに。

 それを警戒して上体を上げて中腰になったケラモフのパウンドに、下の鈴木は右のかかとで蹴り上げ!

 下からの踵落としとなった“ペダラーダ”を効かされたケラモフは両手がだらりと伸びて脱力、そこに鈴木は下から鉄槌・パウンドを連打するとケラモフの目が飛び失神、動きが止まり、レフェリーが間に入った。

 テイクダウンから両足をガードに戻すこと。それはケラモフの前戦で朝倉未来がかなわなかった動きだった。さらに、テイクダウンされて不用意に背中を見せて立ち上がりに行くことは、ケラモフが朝倉戦や堀江戦で見せたようにバックを奪い、リアネイキドチョークを絞める展開にもなる。

 足を越えさせずにガードでいったん凌ぐことは、寝技がタイトで圧力があるケラモフ相手にリスクもあるなかで、鈴木が死守したことだった。何より、そのチャンスをRIZINルールの中で瞬時の動きでモノにした、鈴木の努力と感性の戦いの勝利でもあった。

 試合後、鈴木は三角絞めがフェイクだったことを明かし、それを警戒したケラモフが上体を上げたことでスペースが空き、蹴り上げが可能となり、さらに下からのパウンドができたことを、「身体が勝手に動いた」と表現した。

 この一連の動きを、放送席で解説していた金原正徳は、「もう一度、(動画を)見てみたいですね……あの距離でしっかり(打撃を)効かすって相当すごいですよね」と驚きを隠さず。

 鈴木芳彦アナウンサーから、試合前に鈴木が勝って金原戦を希望していたことを聞くと、「じゃあやりましょう、大晦日」と返答した。

 続けて、「いやーでも嬉しいですね。ちょっと泣きそうになりました、今。マイクもいいし、試合もすごく良かったし、若者が世界で活躍して、日本にベルトを持って帰ってくれるって何よりも嬉しいじゃないですか。

(今一番強いのは鈴木?)もちろん。一番強いやつに勝てば。強いやつが格闘技で、勝ったやつが一番強いので。誰が何と言おうと、いま鈴木選手が一番強い。今度は追う立場から追われる立場になり、ここからがまた大変な道のりになってくると思いますけど。まだ僕の(胸を押さえて)“ドドドッ”が終わらないですね」と、鈴木のケラモフ撃破の興奮が冷めないことを語った。

 しかし、試合後、鈴木は下からのパウンドで右親指を痛めたことを明かし、包帯を巻いた手で、金原からの返答について、「拳が微妙ですけれどなんとか間に合うように頑張ります。ちょっとまだ分からないですね、まだ検査していないので。間に合うかな……ちょっと待っていてくださいと、大晦日のタイトルマッチについては保留としている。

 また、榊原信行CEOも、大会後の総括で「鈴木vs.金原」戦について、「鈴木千裕に怪我があるので、フェザー級は選手が揃っていますし、僕はあんまり無理させる必要はないんじゃないかなと」と語っている。

 ケラモフ戦前に鈴木は、「20代の僕らが金原(正徳)さんを失神させて“ああもう無理だな。若手には勝てないわ”って思わせて舞台を去らさせてあげなきゃいけない。それが若手の僕らの仕事です。いまRIZINにいるベテラン勢を一掃するためにも、僕らが引退させてあげないといけない。朝倉(未来)選手もそのうちの一人ですし、それを求めているんじゃないですか」と、金原を介錯すると語っていたが、果たしてそれは大晦日になるか、それとも2024年になるか。

 榊原CEOは、新フェザー級王者の鈴木千裕へのトップコンテンダーが金原正徳であることをあらためて語っている。

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