キックボクシング
インタビュー

【RISE】「負けて終わるのもカッコ悪い」再起する伊藤澄哉「今回は魅せて勝ちたいので、良い試合は前提でKO勝ちを狙っていきたい」

2023/10/27 22:10
 2023年10月29日(日)東京・後楽園ホール『RISE 172』にて、ライト級(-63kg)3分3R延長1Rでスーパーライト級7位・伊藤澄哉(戦ジム)と対戦するライト級2位・北井智大(チームドラゴン)のインタビューが主催者を通じて届いた。  伊藤は地下格闘技キックの大会『益荒男』や『飛車角』で活躍、17戦(15KO)無敗の戦績を引っ提げて2019年11月にRISEでプロデビュー。3戦3勝2KOの快進撃を続けていたが、2021年9月の4戦目で実方拓海に初黒星を喫した。2022年4月にはYA-MANと初のOFGマッチを行ってダウンの応酬の末にKO負け、8月には山口侑馬に負傷判定で敗れ、2022年12月に中村寛にKOで敗れると引退を匂わせていた。戦績は3勝(2KO)4敗。 今は自分の弱い部分を強化してます ――10カ月ぶりの試合ですね。 「本当ですね。今年試合が出来て良かったです」 ――もしかしたら今年試合出来ないんじゃないかという心配はありましたか? 「今年もしかしたら1試合も出来ないんじゃないかと思ったんですけど、前回の負けから少し気持ち的にも落ち込んで、練習はやってたんですけどメンタルケアという意味も込めて良い時間でした」 ――前回の負けが中村寛戦でしたが、残念ながら4連敗という結果になって、伊藤選手自身で自分の進退を問う気持ちはありましたか? 「前回の中村寛戦に懸けてた思いも今まで以上に強かったですし、負けた直後には『もう辞めようかな』っていう気持ちになって、インタビューの時にちょっと感情的になって『辞めることも考えたいと思います』みたいなことを発言してたんですけど、自分でもあんまり覚えてなくて。その時に感情的になって言っちゃったんだと思うんですけど、それから結構考える時間があったのでいっぱい考えました」 ――先日9月30日に27歳の誕生日を迎えられて心境の変化はありますか? 「25歳も26歳もうまくいかなかったので、27歳は全勝で。もう負けたくないです」 ――いま伊藤選手が戦ってるRISEはものすごくレベルの高いところで戦ってると思うんですが、あと一歩届かない部分って自分の中で何かがあると思いますか? 「今まで戦ってきた選手は決して勝てない選手ではないと思ってます。そういう選手と何が違うのかを自分の中で考えた時に、気持ちの面や勝負強さももちろんですけど、自分の技の引き出しとかがちょっと足りないんじゃないかなと思って、今回細い技術の練習とか今まで避けてきた走り込みの練習とかを取り入れて、今は自分の弱い部分を強化してます」 【写真】OFGマッチでYA-MANからダウンを奪ったこともある伊藤――この10カ月で自分の弱いところと向き合ってきたんですね。 「今までだったら『もうやだな~ちょっと今日はやめとこうかな』とか『今日は練習1回にしとこうかな』とか、そういう気持ちがあったんですけど、そのままじゃダメだと思って、そういうところから取り組み直しました」 ――弱い自分に向き合ったら感触としてかなり成長できた部分があるんじゃないですか? 「感触としてはめちゃめちゃあって。練習中も『今までより全然疲れないぞ』とか『何ラウンドでも出来るぞ』とか、ミット打ってても蹴りを連打するのって疲れるじゃないですか。それが軽くできるようになったり躊躇しないで打てるようになってますね」 ――でしたら今回の北井戦はかなり期待できますね。 「北井戦は期待してください(笑)。」 ――北井選手も伊藤選手同様に後退しないでどんどん前に出るタイプだと思いますが、どんな試合になると思いますか? 「それは自分次第かなと思ってて、相手のファイトスタイルは昔から見てきてわかってるので、向こうが来た時にそこに付き合って打ち合う展開か、自分はどちらかと言ったら中間距離が得意なので、来た時にそれをいなして一発強いの打ってとか、いろんなプランはあるんですけど、どの場面になってもいいように対応しています」 ――北井選手は伊藤選手との試合を絶対に良い試合になるって予言してましたが、伊藤選手はどうですか? 「良い試合になると思います。でも今回はちょっと魅せて勝ちたいので、良い試合は前提でKO勝ちを狙っていきたいです」 ――対戦相手の北井選手もこの間の試合に勝つまでは4連敗を喫していて、今の伊藤選手と似た境遇に陥ってた時期もあったと思うのですが、その辺で共通点や共通項など感じる物はありますか? 「考えたことはなかったですけど、向こうも連敗してる中で戦い続けて前回結果出してるので、言葉で言うのは難しいですけど尊敬はしてますね。尊敬っていうか辞めようと思えばいつでも誰でも辞められるじゃないですか。でもそれを辞めずに結果出したっていうのはリスペクトしてます。似てる部分って言われるとちょっと難しいですけど(笑)」 ――今の話を聞いてると「辞めない勇気」っていうものもあるんですね。 「負けて終わるのもカッコ悪いじゃないですか。カッコ悪いし前回の負けだけではないので、1年何カ月と勝った姿見せれてないんで、次の試合が最後ではないですけど『次負けたら最後ぐらい』の気持ちではいます」 ――今回も伊藤選手の応援団は結構な人数と熱気で後楽園に訪れそうですか? 「多分今まで以上に熱い応援団が来てくれると思います(笑)」 ――昔一緒だった仲間の方が多いと思いますけど、皆さん伊藤選手に期待かけてる部分が大きいんですよね。 「そうですね。だからみんなが期待してくれてる分、ちょっとここ最近自分が結果で裏切っちゃってるんで、次でそれを晴らしたいなっていう気持ちが強いです」 ――ちなみに17歳くらいだった10年前の自分から今の自分って想像できましたか? 「全く想像できなかったですね。プロになるとも思ってなかったし、しかもRISEっていう大きい団体で試合するのは夢にも見てなかったです」 ――10年前は今みたいなコースは選択肢になかったんですね。 「とりあえず地下格闘技団体で結果を残して、要は喧嘩自慢、不良が集まって喧嘩自慢が戦い合うみたいな感じじゃないですか。そういう界隈でちょっと名前が出ればいいなぐらいにしか思ってなくて。で思うようにポンポン勝って行って、ベルトも獲ってそれまでかなと思ってたんで、まさかって感じです(笑)」 ――伊藤選手が10年前に出ていたような大会の規模を拡大したような大会が結構世間を賑わせていますが、そういう大会を今見てどういう感想を持っていますか? 「正直全然興味がなくて、試合自体とか見ないです。SNSをやってると流れてきたりはするのでそういうのでは見てるんですけど、まぁそれとプロとは一緒にしちゃいけないなと思ってて。賛否両論あると思うんですけど、自分はもしプロを辞めたとしてもそっちの道に行くことは絶対ないし、自分は本当に実力だけで上がっていきたいなと思ってます」 ――伊藤選手もうそっちの世界は完全に卒業されてるわけですね。 「もう完全に(笑)。たまにそういうの出ないんですか? とか聞かれたりして、『一緒だと思ってんのかな?』とか色々疑問に思うことあるんですけど、でもそっちはそっちで注目されててエンターテインメントとして成り立ってるならすごい良いんじゃないかなと思います」 ――最後に伊藤選手を応援してる方々へ熱いメッセージをお願いします。 「絶対に勝ちたいので、いつも以上に熱い応援よろしくお願いします」
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