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インタビュー

【Krush】元ボクシング日本王者・悠斗、2戦目で王座挑戦は「当然だと思っている」「結局自分が一番だってことは分かってるんで」

2023/10/17 14:10
【Krush】元ボクシング日本王者・悠斗、2戦目で王座挑戦は「当然だと思っている」「結局自分が一番だってことは分かってるんで」

Krush参戦2戦目でタイトル挑戦者に抜擢された悠斗(C)K-1

 2023年10月21日(土)東京・後楽園ホール『Krush.154』にて、Krushフライ級タイトルマッチ3分3R延長1Rで王者・大鹿統毅(K-1ジム総本部チームペガサス)に挑戦する悠斗(HUNGRY GYM)のインタビューが主催者を通じて届いた。


 悠斗こと高橋悠斗は、元々はキックボクサーで2011年に国士舘大学所属として全日本学生キックボクシング連盟のフライ級王者となっている。プロデビュー後はNJKFの上位ランカー(最高2位)として活躍したが、2014年にボクシングへ転向。2019年10月に世界ランカーでもあった王者・堀川謙一を破り、日本ライトフライ級王者となった。

 しかし、2020年3月に決まっていた初防衛戦が新型コロナウイルスの影響により度々延期に。気持ちが切れてしまい、4月にタイトル返上と現役引退を発表。プロボクシングの戦績は11勝(5KO)4敗。2021年6月にキックボクシングに復帰し、『KNOCK OUT』で白幡裕星に判定負け。2022年9月にはWMC日本ライトフライ級王座を獲得している。2023年7月のKrush初参戦で松葉斗哉を左フックでなんと9秒でKOした。戦績は21勝(10KO)13敗4分。

今回、僕が勝たないと、KrushとK-1のフライ級は変わらない


──7月の松葉斗哉戦では9秒でワンパンKO、最高のK-1 GROUPデビュー戦になりましたが、ご自身としてはいかがでしたか?

「ちょっとうまくいき過ぎましたけど、ああいう結果になるように練習はしてきましたんで、どっちにしてもKOはするんだろうなとは思ってました。だから練習通りといえば、練習通りです」

──その試合はあまりに短時間でしたが、いろいろなリングに上がってきた悠斗選手は、Krushのレベルをどう見ていますか?

「今、自分で戦っている団体なのであんまり言いたくないですけど、やっぱりそんなに高くないと思います。チャンピオンの大鹿選手もその中で戦ってきての無敗ということだと思うので、今まで僕が戦ってきた世界レベルの選手と比べてるわけでもないですけど、気後れするところも全くないというところですね」

──だったら、2戦目でいきなりタイトルマッチというのは、自分では当然のこと?

「当然だと思ってます。カードが発表されたらSNSではいろいろ言われましたけど、特に今のフライ級の選手はみんな若いですしね。会見でも大鹿選手は『これで勝てば日本最強』とかって言ってましたけど、もっともっと強いヤツはいるんで」

──そして、ここで勝って王座を獲るのも当然?

「はい。僕の方がキャリアも3倍ありますしね。まだまだ強くなってるのも実感してるんで、ここで獲って、K-1 GROUPの名前をお借りして自分の輝きをさらに出していければと思っています」

──ボクシングからキックボクシングに復帰した際は、アジャストするのに少し時間がかかりましたよね。それはどのように克服したんですか?

「確かに時間は少しかかりました。それができたのは、トレーナーの存在がけっこう大きかったです。あとはスパーリングを増やしたり、試合もけっこう短期間にコンスタントに行ったので、結果はどうあれ、今となってはその時間がけっこう重要だったんじゃないかと思ってます。でも結局、ムエタイでもベルトを獲って、他団体のトップランカーも倒して、結果的にこうなることは分かってましたからね。結局自分が一番だってことは分かってるんで、その瞬間瞬間で過程として負けることはあっても、人間的な強さというか、何度も立ち上がってきた強さがありますから」

──ではその経験と強さを、18歳の無敗の王者にぶつけると?

「『ぶつける』とか『王者』とかも本当に考えてなくて。僕もチャンピオンですからね。会見ではあんまり言わなかったですけど、チャンピオンにベルトをチラつかされても、ベルトなら僕もたくさん獲ってきたから、という気持ちもあったんです。何というか…どっちが本当のチャンピオンなのかを、試合で分からせてやるという気持ちですかね」


──なるほど。

「ただ僕からすると、やっと自分の得意なルール、得意な土俵で、いろんな点で全てがいい方向に向かってきたという気持ちが強いんです。ムエタイは僕の身長とか体型的に合わなかったんですが、K-1ルールというのは倒しに行くことが評価されるという絶対的な違いがあるので、そこを楽しみにしていてほしいというか。だから、毎回そうなんですけど、相手はあんまり関係ないんですよね」

──というと?

「やっぱり世界レベルの怖い人たちを相手にしてきたので、相手の攻撃でビックリしたりすることもそう多くはないですから。相手がどうこうというより、自分がどういう戦いをするかだけで、それが自分の得意なルールで見られるよ、ということです。それを見せ続ければ、自然と注目されるようになるでしょうし、KrushとかK-1のフライ級への注目度も上がってくると思います」

──「ボクシング元王者? じゃあ蹴りはどうなの?」「ムエタイ王者? K-1ルールやれんの?」とか、現状Krushファンからはいろんな見方をされていると思いますが、もう関係ない?

「そうですね。もう人の見方は気にしてなくて、『戦いとは』『強さとは』みたいなところばっかり考えるようになりました。あとはジムをオープンして立場的なところもありますから、『何を残していけるか』みたいなこともよく考えます」

──ちょうど話題が出ましたが、以前に所属されていた東京町田金子ジムが閉鎖となり、ご自身でHUNGRY GYMをオープンされました。いろいろと環境も変わりましたよね?

「変わりましたけど、けっこういい方向に行ってます。以前は年齢的なことを言い訳にして練習の強度を落としたりしてたんですけど、今はジムのトップとして、追い込んでたらできちゃうんですよね。練習時間も長くなりましたし、内容も濃くなりました。以前のジムの仲間もいてくれるので、いい感じになっています」

──再度、大鹿選手の話に戻ります。「相手どうこうではない」という話がありましたが、警戒するところはないですか?

「会見でも話が出た通り、彼のプロデビュー前にスパーリングもしてますし、今はネットで試合映像も見られるじゃないですか。だから手の内は分かってるところもありますが、もちろん全体的に警戒はしてますよ」

──その上で、王座奪取に死角はない?

「そう思ってはいますが、格闘技って積み上げてきたものが一瞬で崩れ去る残酷なものでもあるので、その恐怖感と、立ち向かう勇気とのバランスですよね。いろんな意味で準備はできてるかなと思います。それに今回、僕が勝たないと、KrushとK-1のフライ級は変わらないと思うんですよ。大鹿選手が勝ってもK-1フライ級はできないでしょう。僕が勝てばいろいろ変わると思うので、そのためにも負けられないという気持ちがあります」

──では最後に、この試合に向けての“決意”を教えていただけますか?

「必ずKOするので、見てくださいということですかね。Krushという舞台、K-1ルールですから、倒さないといけないと思ってますんで」

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