キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】25年のファイター生活にピリオド、スアレック「純粋に試合を見てもらえる日本での戦いが好きでした」

2023/08/02 14:08
 2023年8月6日(日)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.3』にて、引退記念セレモニーを行うスアレック・ルークカムイ(タイ/STURGIS新宿)のインタビューが主催者を通じて届いた。  スアレックはタイのラジャダムナンスタジアムで活躍後、2015年からは日本で試合を行ってきた。“超攻撃型ムエタイ”と称される、パンチを主体としたアグレッシブなスタイルで国内トップクラスを次々と撃破し、2017年11月にREBELSーREDスーパーライト級王座を獲得。2019年10月にはREBELS-REDライト級暫定王者となり二階級制覇。  さらに、2020年9月のKNOCK OUTではワンデートーナメントを制し、KNOCK OUT-REDライト級王座に君臨。しかし、2021年2月にシュートボクシングで笠原弘希に2RでKO負けを喫し、7月の初防衛戦では重森に敗れて王座を失った。2022年4月にはREITO BRAVELYにKO負けを喫したが、2023年3月に渡部太基から判定勝利を収めていた。生涯戦績は106勝(33KO)38敗11分。 ──引退セレモニーの日が近づいてきましたね。今はどのような心境ですか? 「やっとファンのみなさんに挨拶できるので、楽しみです」 ──引退を意識し始めたのはいつ頃でしたか? 何かきっかけがありましたか? 「引退を意識し始めたのは、去年あたりからですね。日本でベルトも獲れたし、年も取ってきたので、もういいかなと」 【写真】最後の試合となった3月の渡部太基戦──3・5代々木大会での渡部太基戦が発表された際に引退を示唆し、勝利後の一夜明け会見で正式に引退を表明しました。最終的に引退を決意したのは、渡部戦の試合後だったのでしょうか? 「いえ、渡部戦の前には、これで最後にすると決めていました。いい試合をして勝つことができたので、翌日にハッキリと言いました」 ──では、これまでキャリアについて伺いたいと重います。ムエタイを始めたのは12歳の頃だそうですが、タイでの試合で一番の思い出は何ですか? 「タイのBBTVの大会で、ギリギリで負けそうだったけど、最後の最後、5Rに巻き返して勝った試合です。その週で一番面白い試合と『Nice fight』に選ばれて、タイで有名になりました」 ──その後に来日されたわけですが、日本に来たのは何歳の時でしたか? 「初めて日本に住んだのは24歳~26歳で、一回タイに戻りました。その後、また29歳の時に来て、今に至ります」 ──日本に来て一番驚いたことは? 「タイと比べて車が小さかったことですね。飲み物の缶みたいだと思って、ビックリしました」 ──日本での試合はタイでの試合とは違いましたか? 「違いますね。タイではギャンブラーがお金を賭けるために試合をするけど、日本では純粋に魅せるために試合をするので。戦いをしっかりと見てもらえるので、日本での試合の方が好きです」 ──日本では「超攻撃型ムエタイ」と呼ばれましたが、そのスタイルはいつ頃から身についたものですか? 「日本に来て試合をし始めた頃からです。タイでやっていた時はよりムエタイらしいスタイルでやっていましたが、日本では激しく打ち合う試合、特に強いパンチで倒す試合が喜んでもらえることに気付いて、そういう試合をするようになりました」 ──2018年にはK-1でも2試合しました。そこで感じたことは? 「キックボクシング、特にK-1とムエタイは違うなぁと思いました。ムエタイのリズムというかペースはゆっくりですが、キック、特にK-1での試合は速かったので。ちゃんと勉強して、合わせないとダメだなぁと感じました」 【写真】スアレックが印象に残っているという雷電HIROAKI戦(2016年7月)──日本でのホームリングだった『REBELS』『KNOCK OUT』にはどんな思いがありますか? 「『REBELS』は、日本に定着した頃に試合に出させてもらえたので、とても感謝しています。初参戦で雷電HIROAKI選手に勝利した試合(2016年7月、『REBELS.44』)が印象に残っています。『KNOCK OUT』では、2回目のトーナメント(2020年9月、『創世のタイガGP』)でKNOCK OUT-RED61.5kgチャンピオンになれたのがいい思い出です」 ──日本での試合で、一番印象的な試合はどれですか? 「一番印象的な試合は、同じ『創世のタイガGP』の一回戦で髙橋一眞選手と戦った試合です。延長の終盤、最後の最後でKOできたので」 【写真】最も印象的な試合としてあげた2020年9月の髙橋一眞戦──12歳で戦い始めて、25年近く経ちました。これだけの激闘を続けてきて、ファイターとしての日常から離れるのはなかなか難しいのではないですか? 「それはそれですよ。長く戦ってファイターを続けていれば、みんな引退する時は来ます。自分もそう思って準備していたので、今はもう大丈夫です」 ──これだけ長く戦い続けられた理由とは? 「一番は、試合をするのが好きだということですね。また僕は気持ちが強いので、いろいろなことがあっても続けてこれたんだと思います」 ──これからはどうしていくつもりですか? 「これからもムエタイやキックボクシングには関わっていくつもりです。選手を育てたり、自分のジムを開いたりしてみたいと思っています」 ──これからキャリアを積む若い選手に、何を伝えたいですか? 「やりたいことをやる。できるまで諦めない。疲れた時や嫌なことがあった時は、休憩。また、そこからやればいい」 ──では最後に、引退セレモニーに来られるお客さんにメッセージをお願いします。 「自分がリングに上がるのは最後だと思うので、みなさんぜひ会場で会いましょう! プロモーター、ジム会長、スポンサーのみなさん、関係者のみなさん、ファンのみなさん、今まで応援ありがとうございました!!」
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