2023年7月15日(土)タイ・ルンピニースタジアム『ONE Fight Night 12』にて、フライ級ムエタイで タギール・カリロフ(ロシア)と対戦する、ONEキックボクシング世界フライ級王者でムエタイ同級1位スーパーレック・ギャットムー9(タイ)のインタビューが主催者を通じて届いた。
スーパーレックは、ルンピニーのフライ&バンタム級王座、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王座のほか数多くのタイトルを獲得した名選手。2012年にはタイのスポーツ省が認定するムエタイMVPにも選ばれている。2017年6月、2018年8月と2度来日経験があり、ヤスユキにハイキックでKO勝ち、小川翔にヒジによるカットでTKO勝ちと圧倒的な強さを見せつけた。
ONEでは2020年7月大会でONEムエタイ世界フライ級1位にいたパンパヤックを判定3-0に破り、変わらぬ実力を発揮。9月にはファディ・カレッドにも難なく勝利して2連勝で、2021年2月にイリアス・エナッシが保持するONEフライ級キックボクシング世界タイトルに挑んだが、判定3-0で敗れている。2022年の「ムエタイ・フライ級ワールドGP」では決勝へ進出するも、パンパヤックと両者が体重オーバーとなり、パンパヤックが判定2-1で勝利するも優勝者は無しという珍事となった。その後はダニエル・プエルタス、ダニエル・ウィリアムズ、ナビル・アナンに勝利して8連勝中。戦績は133勝29敗4分(KO数は不明)。
対戦相手のカリロフはタイでムエタイを学び、現在はエカテリンブルクのサミンプライ・ムエタイ・ジムで練習を積む。ONE初登場は2021年2月のロッタン戦で、対戦相手の欠場による1週間前オファーのスクランブル参戦だったが、ロッタンを相手にスプリット判定まで持ち込んでいる。その後はデニス・ピューリックに判定負け、チョーファー・トー・センティアンノーイに初回TKO勝ち、前戦は3月にブラック・パンサーを初回KOしている。
彼の豪腕は自分なら対応できるはずだ
【写真】スーパーレックといえば超高速のハイキック――ナビル・アナンとの前戦について。
「彼はリーチがあるので相手の距離で戦うと、向こうが有利だったはずだ。だから僕は打ち合うために、近い距離で戦った。戦術を決め込んでいた訳ではなかったが、懐に入って戦えたのは結果的に成功だった」
――長身の相手に何か特別な練習は行ったか?
「特別な準備はしなかった。いつも通りの練習を行っただけだ」
――今回のタギール・カリロフ戦について、対戦相手の印象は?
「彼は強いファイターでとてもタフだ。パンチに至っては、危険で正確なんだ。そこは警戒しないといけない」
――自身の強みと相手の弱点について。
「彼は強打が自慢のムエマッド(パンチャーの意味)スタイルの選手だ。ただ、僕と対戦した場合、そこが彼のウィークポイントになるだろう。彼の豪腕は自分なら対応できるはずだ」
――理想の勝ち方は?
「彼は強いファイターだが、誰にでも弱点はある。僕は彼の攻撃からカウンターを奪う沢山のプランを準備している。彼はタフだし、勝負はやってみないとだが、理想はKO勝利だ」
――以前、ONEバンタム級ムエタイ世界王者ハガティーと戦う為に階級アップする可能性について発言していました。戦いたい理由は?
「僕は常に強い相手との戦いを望んでいる。その理由は戦いを通して、自分自身に挑戦したいし、自分のスキルを見つめ直す事ができるからだ。ハガティーは自分が尊敬する強いファイターだ。我々が戦ったらどうなるのか、見てみたいのさ。」
――フライ級ムエタイでは戦わない? その理由は?
「ロッタン以外に対戦したいファイターが沢山いる。ロッタンが飛び抜けた選手であることは誰でも知っている。だから、僕はそのほかの選手たちと戦い、自分の技術を磨きたいんだ。ロッタンも同じことを考えていると思う」
――もしあなたがロッタンと戦ったら、試合はどうなるか?
「多くのファンが期待している通り盛り上がる戦いになるだろう。ただ、この階級にはまだ対戦していない強い選手が沢山いる。なので、スーパーレックvs.ロッタンの実現はもう少し先になると思っている」
――武尊がONEに参戦したが、彼についてはどんな印象を持っているか?
「本当に素晴らしいキックボクサーだ。ONEを盛り上げてくれると期待している。対戦してみたい選手だ」
――武尊がONEで戦うことについてどう思うか?
「誰と戦ってもどの試合も面白くなるのは間違い無いだろう」
――武尊の実力についての評価は?
「偉大なキックボクサーの一人。先程も言ったが、僕は常に強い相手と対戦するチャンスを求めている。自分のスキルの向上のためだ。間違いなく彼はいつか対戦したい選手の一人だ」
――もしロッタンがキックボクシングルールで武尊と戦ったら、試合はどうなると思うか?
「エキサイティングな戦いになるね。ロッタンは既に優れた打撃の技術を持っているから、危険な戦いになろだろう」
――年内の展望は?
「世界中の素晴らしいファイターと対戦するチャンスを持ち続けたい。彼らと戦うことにより、自分のスキルを磨くことができるし、自分への挑戦もでき、自分の弱点の反省もできる。誰とでも戦う準備はできている」
――日本のファンへメッセージを。
「以前、日本で試合をしたことがあるので、日本にも僕のファンがいてくれると嬉しい。いつも、応援ありがとうございます。武尊選手と戦うチャンスがあれば、その時はぜひ注目してください」