2023年7月2日(日)エディオンアリーナ大阪第1競技場にて開催された『ABEMA presents RISE WORLD SERIES 2023 1st Round』のメインイベント(第14試合)で、アンバー・ボイナザロフ(ウズベキスタン)を1R1分31秒、左ミドルキックでKOした原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)が試合後インタビューに答えた。
「試合をした感じがあまりなくて。作戦通りすぎてビックリしています。今日のテーマは左ミドルでKOと決めていたので。それがまさしくハマったと思います」と原口。
「当初はアンバー選手が攻めてきたところに左ミドルを合わせる作戦だったんですが、結果的には自分から蹴ってKOだったんけれど、ずっとミドルキックばかり練習してきて。今日はミドルでKOするって約束していて。日に日に自分がやりたいことで勝ててきているなと思っているので、今日も成長したなと思います」と、ミドルキックでKOすると最初から決めていたという。
フィニッシュとなった左ミドルの前には左ハイキックを蹴っており、「一発目の三日月蹴りが効いて、腹が効いたら上を蹴ると決めていたので100点です。最後のKOはハイキックを蹴って、その軌道をちょっと落として蹴ったので一番効くミドルキックかな思います」と理想とするコンビネーションだった。
左ミドルでKOすると決めていたのは、相手に合わせて決めたのか、それとも自分が左ミドルでKOしたかったのか、と聞かれると「どっちもですね。ただアンバー選手の映像を見た時に、1回GLORYでKO負けしている試合があって。しかもそれがサウスポーで、パンチに対して左ヒザを合わされて悶絶KO負けやったんですよ。それを2週間くらい前に初めて見て、そこで作戦を変えてサウスポーで行こうと思ったんですよ。多分、一発当たったら気持ちが折れるだろうなと思ってそこからずっとミドルを蹴っていました」と、研究したからだと明かす。
その左ミドルには原口特有のエッセンスがあるのか、との問いには「今回は下から上に蹴ると決めていたんですけれど、フィニッシュは上から下になってしまいました。分かりにくいような、あまり力を入れなくても効くミドルが得意なので、ノーリスクで蹴れるし、速いし、斬るような蹴りが得意なので、自分にしか出来ないんちゃうかなと思います」と、自分特有の蹴り方があると答えた。
ボイナザロフについては「イメージ通りというか。謙虚な人で。今回バンデージも一緒に巻いて欲しいと言ってきて、神経質なのかなと試合前に思っていて。自分の得意な距離でしか行かないので、それを分かったうえで戦えたのでイメージ通りでしたね」と想定していた以外のものはなかったとする。
記者会見では自信満々のボイナザロフの発言を聞き、「勝ちを確信した」と言っていたが、「アンバー選手のあの発言はよくなかったですね。ちょっとナメていたのかなと。でもキャリアが(自分は)5分の1くらいなので、ナメる気持ちも分かるんですけれど、こっちがホームなのでそこがだいぶ差が出たと思います」と、自分をナメていることが分かった時点で勝利は見えていたとした。
地元大阪では実に4年ぶりの勝利となり、「最近勝ってきているけれど意外に大阪で勝ったのは2回目やし、考えたら待たせたなっていうのがありましたね」と関西のファンに久しぶりの勝利を見せられたことを喜ぶ。
そして「アンバー選手もトップファイターやし、GLORYでも有名やし、世界に名を売るチャンスと言うか。GLORYにこの勢いで乗り込みたいと思います。もう年内には行きたいし、いつになるか分からないけれど海外に行くものだと思って練習したいと思っています」と、GLORY本体に乗り込みたいとの目標を掲げた。
GLORYで戦いたい相手を聞かれると「(年末に戦う予定だったザカリア・)ゾウガリーとはいつかやらあなかんと思うし、一番ペッチ(ペットパノムルン)に近い、前回ペッチに負けた選手でもいいかなと思う。目的はペッチにリベンジすることなので、納得できるような相手がいいですね」と、5月にペットパノムルンのGLORY世界フェザー級王座に挑戦した、アフマド・チク・ムーサ(ドイツ)を候補にあげた。
最後に原口は「無事に関西で4年ぶりに勝つことが出来てめちゃめちゃホッとしています。これからも強さだけで魅せていくし、僕の試合は相手どうこうではなく、原口健飛の試合は面白いと思ってもらえる試合をこれからもします」とファンにメッセージを送った。
なお、伊藤隆RISE代表は原口のGLORY参戦について「すでに話はしています。昨日の時点で秋くらいに組んで欲しいと伝えてあります。本人的には9月にやりたいんですけれども、9月は枠にハマらなくて。早ければ10月かなと。今日の結果も受けて報告するので多分決めてくれると思います」と、秋には実現する見通しだと語っている。