2023年6月11日、東京・GENスポーツパレスにて一部の『Level-G PRO GRAPPLING』に続き、『KROSS×OVER -CAGE-』が開催され、元PANCRASEライト級2位で、43万人登録のYouTube“マッスルグリル”主宰の「スマイル井上」こと井上雄策(川口リディプス)が、所英男(武蔵小杉 所プラス主宰)とエキシビションマッチ。試合後、MMA復帰を宣言した。
エキシビションながら、きっちり71kg契約にそろえてきた井上。フライ級の所とは体格差はあるものの、現役時代と同じライト級で軽快な動きを披露した。
オープンフィンガーグローブを着用したマスの動きでは、所は回転体で臨み、井上について、「身体もしっかり絞ってすごくて強そうで、復帰に向けていい感じになればいいなと思いました」とマイク。
井上は「4年ぶり、5年ぶりくらいのマットで、ちょっと格闘技が嫌になっていた時期もあったんですけど、またこうやって……格闘技が大好きですし、戻ってきてしまいました。また試合ができるように頑張ります」と、公にMMA復帰を宣言した。
試合前には、「格闘技から離れていた時期もありましたが、今またやってみたら、格闘技を愛しているし、青春を捧げて来たものだと思っているんで。今34歳なので、ここから第二章にして最終章ということで、最後もう一回やってみようと思います。まずKROSS×OVERでのエキシビションで、その後に繋げられれば」と語っていた井上に、エキシ後に話を聞いた。
強くなっている実感があります
──エキシビションながら、契約体重を決めて、減量してきた身体に感じました。
「エキシといえど試合だと思って、ちゃんと3週間で10kgを減量して、3日前から塩抜き・水抜き減量からリカバリー、ウォーミングアップ、バンテージも巻いてセコンドもつけて、試合を想定してやりました。今年中に試合ができるようにと思っています」
──エキシの相手を務めた所英男選手から「井上選手が復帰する」とマイクでありました。井上選手は、2018年1月の「ONE Warrior Series」のトライアウトに合格し、7月に江藤公洋選手に敗れて以降、コロナによりシリーズの中断もありましたが、試合から遠ざかっています。
「そこで辞めようと思ったんですけど、結構、早い段階からやっぱり辞めたくないと思っていて、でも怪我などが続いていたこともあって、ようやく今年、すべての状況が整った感じです」
──弥益ドミネーター聡志選手との浅草シープラスジムでの練習の話などは動画で拝見していましたが、現在のほかの練習環境は?
「所属は川口リディプスで、階級は違いますが猿飛流選手らと練習して、隣のFREEDOM@OZ、打撃は新井誠介トレーナーの曳舟NEO BOXING STYLEさんで週1、2回。キックボクシングジム、MMAではほかでも出稽古をしていて、練習はしっかり出来ている感じです」
──リディプスでは、井上選手が19歳、猿飛流選手が18歳の頃からの付き合いと聞いています。そしていまはYouTube活動も、ですね。
「YouTubeも毎日、休み無しでやってますね(笑)」
──YouTubeではスマイル井上として『マッスルグリル』を主宰し、フィジーカーのシャイニー薊氏と共同の動画をアップされて、43万人の登録者数になっていますが、その活動が今回のMMA復帰に影響していることはありますか。
「正直、あまり無いんですけど(笑)、いや、最後に試合をした当時は会社員だったんですけど、独立して練習する時間が増えました。この4年間くらい、あらためてしっかりとあらゆるものの基礎が出来てきたかなと自分では思っています。強くなっているなという実感があります」
──今年下半期のMMA復帰で、まだどこでというようなことはこれからでしょうか。
「そうですね。これをきっかけにどこかからお声がけいただいたりとか、年齢的にも最終章かなと思っていますので、ここから2、3年で最後一気に頑張ろうと思っています」