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【PFL】メインでまさかの1R KO負けの昨年覇者ラウネーンと、工藤諒司に一本勝ちのウェードもプレーオフ進出ならず、94秒勝利のピネダが予選突破でジェンキンスと対戦、ハイブラエフとブラガが準決勝で激突。モラエスが引退

2023/06/09 09:06
 2023年6月8日(日本時間9日)米国ジョージア州アトランタオーバータイムエリート・アリーナにて「PFL 4: Regular Season」が開催され、フェザー級の予選リーグ2戦目の4試合が行われた。  日本からリーグ戦のフェザー級トップバッターとして工藤諒司(TRIBE TOKYO MMA)が出場。米国のクリス・ウェード(米国)と対戦した。ともに初戦で敗れ、0ポイントのなかプレーオフ進出のために1Rフィニュシュ=6Pを必要とするなか、ウェードが1R 残り9秒でギロチンチョークを極めて工藤は失神。6Pを獲得し、後続選手の結果待ちとなった。  フェザー級の2試合目は、0ポイントのマルロン・モラエス(ブラジル)が、初戦で3P獲得済みのガブリエル・アウベス・ブラガ(ブラジル)と対戦し、モラエスが1R、右ストレートに沈んでKO負け。試合後、グローブを外して、WSOF時代からの“ホーム”で引退を表明している。ブラガは9Pを獲得してプレーオフ進出を決めた。  予選リーグの3試合目は、初戦で3P獲得済みのバッバ・ジェンキンス(米国)が、GRADIATOR王座を返上して参戦のチョ・ソンビン(韓国)と対戦。ジェンキンスが1Rから豪快なスープレックスからのリアネイキドチョークを極めて、ソンビンに何もさせずに一本勝ち。ブラガに続いて6点を追加し、9Pでプレーオフ進出を決めた。  予選リーグの4試合目は、初戦で工藤に判定勝ちして3P獲得済みのモヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)が、0Pのタイラー・ダイヤモンド(米国)と対戦。すでに9P獲得選手が2名いるなか、ハイブラエフは初回にダウン奪取でフィニュシュ出来ずも、慌てず2Rに肩固めを極めて5Pを追加し、合計8Pを獲得。  メインイベントのフェザー級リーグ戦では、昨年優勝のブレンダン・ラウネーン(英国)が登場。初戦でマルロン・モラエスを2R TKOに下し、5P獲得で1位だったが、プレーオフ進出のためには負けが許されない状況。対するヘスス・ピネド(ペルー)は初戦でガブリエル・ブラガにスプリット判定負けで0ポイントのなか、逆転プレーオフ進出をかけて臨み、1R、見事に左ヒザをラウネーンのアゴに当ててダウンを奪いパウンドアウト。6Pでウェードと並んだが、勝負タイム差で最後にプレーオフ進出を決めている。 【写真】8月18日と23日のプレーオフはMSGでの開催が決定している。 [nextpage] PFL 4: Regular Season 速報 2023年6月8日(日本時間9日)米国ジョージア州アトランタ オーバータイムエリート・アリーナ日本時間9日午前7時30分からDAZNにて配信 ▼フェザー級 5分3R×ブレンダン・ラウネーン(英国)5P(27勝5敗)146ポンド(66.22kg)[1R 1分34秒 KO] ※左ヒザ蹴り→右フック、鉄槌〇ヘスス・ピネド(ペルー)6P(21勝6敗1分)146ポンド(66.22kg)  2022年シーズン初戦で工藤諒司にダウンを奪われがらも3Rのバッティングでテクニカル裁定により判定勝ちしたラウネーン。プレーオフではクリス・ウェードに判定勝ち、バッバ・ジェンキンスにTKO勝ちで優勝を遂げている。2023年初戦はマルロン・モラエスにカーフキックを当てフェザー級唯一の「5点」獲得でトップに。  対するペルーのピネドは、インカFCなどで6連勝後の2018年にUFC参戦。デビン・パウエルに判定勝ち後、ジョン・マクデッシに判定負けでリリース。プルーに戻り、4連勝でPFL参戦を決めた。初戦は計量後にメディカルをパスできなかったチョ・ソンビンの代役ガブリエル・ブラガにスプリット判定負けで0ポイントとなっている。  1R、ラウネーンはサウスポー構え。スイッチするピネドにラウネーンも足を入れ替える。  サウスポー構えから右を当てたピネド! 一瞬、足が揃ったラウネーンだが立て直して右を突くが、そこにピネドは首相撲から左ヒザ!  ラウネーンが崩れ落ちるところに右も入れてパウンド4連打! レフェリーが間に入り、ピネドが大アップセット勝利。ウェイドの勝利タイムより早くフィニッシュしたため、プレーオフ進出を決めた。  これにより、昨年優勝のラウネーンと、工藤に1R一本勝ちしたもののピネダにフィニュシュ時間で上回られたウェイドは、ともに予選敗退が決定。決勝トーナメントは1位のジェンキンスvs. 4位のピネド、2位のブラガ vs. 3位のハイブラエフの対戦となった。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)3位 8P(21勝0敗1分)146ポンド(66.22kg)[2R 4分23秒 肩固め]×タイラー・ダイヤモンド(米国)9位 0P(12勝3敗)145.8ポンド(66.13kg)  ダゲスタンのハイブラエフは2021年フェザー級優勝者。ランス・パーマー、ブレンダン・ラウネーン、クリス・ウェイドにいずれも判定勝ち。  2023年シーズンは、4月の初戦で工藤諒司をケージレスリングでドミネイトして判定勝ちのため、得点は3ポイント。プレーオフ進出のためにはフィニュシュを狙いたい。  ダイヤモンドは欠場選手に変わって2戦目から出場。9戦無敗でThe Ultimate Fighter 27に参戦。Finaleでブライス・ミッチェルに判定2-0で敗れ、UFCとの契約ならず。  LFAを経て、2021年からPFL参戦。チョ・ソンビンに判定勝ちしたが、ラウネーンに判定0-2で敗れ、今回は2年ぶりの試合となる。  1R、ともにオーソドックス構え。オーバーハンドの右を放ち左ヒザにつなぐハイブラエフ。ブロックするダイヤモンドが圧力をかけるが、ハイブラエフはスイッチしての左フック! さらに跳びヒザ。体勢を立て直したダイヤモンドは左ジャブから右ボディ。さらに右ストレートを伸ばす。  右ストレートから左ヒザをブロック上に「突くハイブラエフ。ダイヤモンドは左ミドルもその打ち終わりに右を当てたハイブラエフ。ダイヤモンドのシングルレッグを切ってがぶり。立ち上がるダイヤモンドの大内刈を外してスタンドに戻る。  左ジャブのダブルは遠いダイヤモンドだが、右カーフはヒット。ハイブラエフのワンツーをかわして、向き合いから右から左のジャンピングニー! 後方に倒れたダイヤモンドにパウンドを連打するが足は効いており、ゴング。クイック6は取れず。  2R、開始早々にマット中央でテイクダウンを奪うハイブラエフ。ハーフガードのダイヤモンドを寝かせると、下のダイヤモンドは左手を掴んで三角絞め狙い。それをさせないハイブラエフはオープンガードの中から肩固めを狙うがセットは出来ず。下からストレートアームバー狙いのダイヤモンドに、腕を抜いて左足をパスしたハイブラエフはいったん左に出て、右にパス。ハーフガードのままで肩固めをセット。タップを奪った。  ジェンキンスとブラガが9Pをマークするなか、ハイブラエフは2Rフィニュシュの勝ち点5を獲得。合計8Pとした。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇バッバ・ジェンキンス(米国)2位 9P(21勝6敗)146ポンド(66.22kg)[1R 1分25秒 リアネイキドチョーク]×チョ・ソンビン(韓国)10位 0P(10勝3敗)145.8ポンド(66.13kg)  1月のGLADIATORで中川皓貴に1R TKO勝ちしてフェザー級王座に就いたソンビン(※PFL参戦で返上)。PFL初戦は計量後にメディカルチェックを通らず欠場。今回の初戦1発で決勝進出を目指す。  対するジェンキンスはBellatorでゴイチ・ヤマウチに判定勝ちなど3連勝も、ジョージ・カラカニヤンに1R TKO負け後、ACBで1勝1敗。Brave CF2連勝で2021年にPFL参戦を決めた。年続けて予選リーグを突破も決勝トーナメントで敗退。2021年は準決勝でクリス・ウェイドに判定負け。2022年は工藤諒司に1Rチョークで一本勝ちも決勝でブレンダン・ラウネーンに4R KO負け。2023年は初戦でクリス・ウェイドに判定勝ちで3点を獲得している。 1R、サウスポー構えジェンキンスに、オーソドックス構えのソンビンの右に、ジェンキンスはダブルレッグテイクダウン。ソンビンの右足をヒザ上に乗せて支点を無くすと、足を戻したソンビンの立ち際にスタンドバックについて、後方にスープレックス! すぐに背後について両足を巻きリアネイキドチョークを極めてソンビンを失神させた。  ジェンキンスは1Rフィニュシュのクイック6=6Pを追加し、9Pを獲得。今年もプレーオフ進出を決めた。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R×マルロン・モラエス(ブラジル)8位 0P(23勝13敗1分)145.6ポンド(66.04kg)[1R 3分02秒 KO] ※右ストレート〇ガブリエル・アウベス・ブラガ(ブラジル)4位 9P(11勝0敗)144.4ポンド(65.49kg)  1R、ともにオーソドックス構え。先に中央と取るブラガは左ミドルをヒット。モラエスも右カーフを返すと、ブラガも蹴り返し。ローからハイを打つ。  スイッチするブラガ。オーソに戻して右カーフ。モラエスは左フックで飛び込みもまだ遠い。ニータップも切られる。右カーフを打つブラガ。モラエスは右ローに続いて右ハイをヒット!  しかし、右カーフを当ててモラエスの動きを止めたブラガ。モラエスの左フックをバックステップでかわして、左フックの外からの打撃に続いて内側を突く右ストレート!  モラエスが後方にもんどりうって倒れ、鉄槌連打に試合が決した。ブラガは6Pを獲得し、9Pに。この時点でフェザー級1位に躍り出た。  試合後、モラエスはグローブを外して引退を表明。「ここ(PFLの前身のWSOF)で始まった。UFCで引退をアナウンスしなかったのは、ホームじゃないから。いまここがホーム。いいパフォーマンスを見せることがはできなかったけど、全ての魂を込めて戦った。毎日激しいトレーニングも行ってきた。そのことを誇りに思う」と語り、涙ぐんだ。  続けて「9歳でキックボクシングとMMAを始め、35歳になった。26年間、人生のすべてを捧げてきた。アンデウソコーチ、マネージャー、レイ・セフォー(PFL代表)、この機会をくれてありがとう。そしてファンがここにいる。いつかPFLが世界一になることを願っている。このスポーツに魂を捧げた。悲しくはない、今日は嬉しいんだ。美しい妻と子供もいる。神に感謝している」と語り、チームとハグをかわしてケージを後にした。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇クリス・ウェード(米国)7位 6P(23勝9敗)145.6ポンド(66.04kg)[1R 4分51秒 ギロチンチョーク]×工藤諒司(日本)6位 0P(11勝6敗1分)145.4ポンド(65.95kg)  前日計量で日本の工藤諒司(TRIBE TOKYO MMA)が145.6ポンド(66.04kg)でパス。対戦相手のクリス・ウェード(米国)も145.4ポンド(65.95kg)でパス。昨年同様にプレーオフ進出をかけて、一気に6Pを獲得できる“クイックシックス”=1Rでのフィニッシュを目指す。  初戦で敗れて0ポイント同士の両者は初顔合わせ。  直前に、3Pで4位だったアレハンドロ・フローレスが欠場、7位のダニエル・トーレスがドラッグテスト陽性で失格となり、工藤もウェードもランキングが2つ繰り上がっている。  工藤は、初戦でモヴィッド・ハイブラエフに判定負けで6位。対するクリス・ウェードはバッハ・ジェンキンスに判定負けで7位。  工藤は昨年の初戦でブレンダン・ラウネーンに判定負けも、2戦目でアレハンドロ・フローレスを1R KO。6Pを獲得してプレーオフ進出を決めている。今年もその再現はなるか。  レスリングベースでスイッチヒッターのウェードを相手に、ハブライエフ戦で課題となったテイクダウンディフェンスと立ち上がりを修正し、KOするための打撃を強化して臨む。  1R決着が必要なのは、OPのウェードも同様。かつてカイル・ボクニエクを左ハイ、2021年6月にはアルマン・オスパノフを右ミドルハイでTKOに下しているウェードは、粘り強いケージレスリングに加え、左右の蹴りと組み際のギロチンチョークの1発も持っている。しかし、フィニュシュしにくる相手だからこそ、工藤にもチャンスが生まれる。  果たして工藤は2シーズン続けての逆転プレーオフ進出を成し遂げるか。  1R、ともにオーソドックス構え。いきなり中央に飛び込んだウェードから組んで左で差してヒザ蹴り。  体を入れ替えた工藤は「離れていい」の長南代表の声に離れると、ウェードは左ハイ、その打ち終わり右を当てる工藤! 詰めるウェードがダブルレッグ。これをスプロールして突き放す工藤。すぐに詰めて間合いを潰すウェードが前に。  ケージ背に右で差し返して体を入れ替えた工藤だが、ウェードも右で差して再び入れ替えて押し込み。四つで押し込むと、工藤は左を差し返し。小手巻きに小内刈を狙うウェード。  突き放したい工藤。首相撲から左ヒザを2発! ワンツースリーで詰めるが左で差してボディロックテイクダウンを狙うウェード。そこに右で小手に巻く工藤だが、体勢を崩され、頭が下がる。  シングルレッグに切り替える工藤だが、その首に右腕を巻いてがぶったウェードは、ノーアームのハイエルボーギロチン! 左足で工藤の左足を河津がけでロックしており、抜けない工藤は逃げられず、失神。  プレーオフ進出をかけて1Rフィニュシュの「クイック6」=6P獲得を狙ったゆえのアグレッシブファイトでの1R 残り9秒での一本負けで、工藤はマットに沈んだ。ウェードは狙い通りの6Pを獲得。続く試合の結果を待つ。
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