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2023年5月23日、RIZIN公式YouTubeの『榊原社長に呼び出されました』に朝倉海(トライフォース赤坂)が出演。
7月さいたまスーパーアリーナでバンタム級王者決定戦を戦うフアン・アーチュレッタが「5分5R」のタイトルマッチを要求している件について、「(5分3Rでも5Rでも)僕はどっちでもいいです。5Rでも全然いける」と主催者に一任した。
やっと万全で試合が出来るという喜びがあった
タイトルマッチに向け、「怪我も無く、すぐ練習して、強度を落とさずにやっています」という朝倉海。
2023年5月6日の『RIZIN.42』で元谷友貴を3R、ボディへのヒザ蹴りKOに下した朝倉は、2021年大晦日のバンタム級GPでの右拳骨折から1年5カ月ぶりの復帰戦での勝利を、「休んでいた期間にめちゃくちゃ成長できた。2回、米国にも行って強くなった自信もあって、試合を楽しもうと。何より、やっと万全で試合が出来るという喜びがあった」と振り返った。
2度の米国修行では、ラスベガスのシンジケートMMAで合宿し、「同じバンタム級でめちゃくちゃ強いやつが5人ほどシンジケートにいる。UFC王者(アルジャメイン・スターリング)や1位(メラブ・ドバリシビリ)もいるなか、同じ階級のやつに極められたり、打撃で競ったり、トップ選手相手にテイクダウンディフェンスできたり、強いやつと練習できることがワクワクした。こんな技術があるのかと楽しかった」と、自信を得たという。
同ジムでは、選手以外にも大きな出会いがあった。シンジケートジムにいたエリー・ケーリッシュが朝倉のトレーナーとして帯同。元谷対策のコンビネーションを朝倉に授け、試合2日後にはアーチュレッタ分析も作ってきたという。
(1R目の)10分はやりたくないな(朝倉)
井上直樹に判定勝ちしたアーチュレッタについて、朝倉は「『拮抗してアーチュレッタが勝つ』と予想していた通りだった。ああいう競った戦いをモノにするのが上手い。賢いですね。経験があり、試合の作り方が上手い、勝ち方を知っている」と評価。
その上で、リングで行われる7月の王座戦で、アーチュレッタが「5分5R」を希望していることについて、まず榊原CEOが「スコット(コーカー・Bellator代表)とも話したけど、僕が提案したのはRIZIN初期に使用していた『1R目目10分、2R目を5分で。さらに3R目も5分』でやるのはどうかと。というのも『5分5R』だと、トータルマストのジャッジが厳しい。まだ競技陣にも話していないけど、ひとつの方法論として」と朝倉に提案。
朝倉は、「10分・5分は堀口vs.元谷でやってますよね。10分・5分・5分の20分か……(1R目の)10分はやりたくないな。それなら5分5Rの方がいいけど、たしかに判定は難しいですね」と、もし変更するなら5分5Rでの王座戦を望んだ。
「1、2Rはどうしても様子見になる」と消極的な試合展開を危惧する榊原CEOに対し、朝倉は「僕は(3Rでも5Rでも)どっちでもいいです。(5Rを)経験してみたいなという気持ちもありますし、アーチュレッタはタイプ的に(長期戦が)得意なんでしょうね。でも、僕もいまスタミナがついてるので、5R全然いけるなと」と、5Rの王座戦に自信を見せた。
2年前くらいからアーチュレッタ選手を分析していた
とはいえ、元Bellator世界バンタム王者を甘く見ることはない。
「簡単じゃないのは分かっている」という朝倉は、「井上選手を下したし、スーチョルも無茶苦茶強いですから。その相手に勝っている。(アーチュレッタは)4敗もトップ選手にしか負けていない。強敵は強敵ですが、2年くらい前から『やろうぜ』とSNSやメディアを通じてやりとりしていて、実はその頃からやることになったらとアーチュレッタ選手を分析していたので、想像できてます。分析完了、バッチリかな」と、攻略に自信を見せた。
その決め手はやはり朝倉の“強打”だ。「アーチュレッタ、結構被弾するんです。俺のパンチなら倒れると思います」と、KO勝利を予告する。
その言葉に榊原CEOも「プロモーターは中立で肩入れは出来ないんだけど、今度ばかりは海に勝ってもらわないとマズい。ベルトをアメリカに持っていかれたら、取り戻すのが大変。またスコットに“頼むよ”と頭下げなくちゃいけない」と勝利を託すと、朝倉も「勝たなきゃいけないのは分かっている」と決意をあらたにした。
榊原CEOは、「勝てば挑戦者がBellatorから来るし、ベルトを巻いてアメリカにも乗り込んでほしい。“海の試合がやっと見れる”という形で米国ファンの前で試合をしてほしい」と、ベルトを朝倉の海外進出の通行手形にしてほしいと語ると、朝倉も「倒して(海外に)行きたいですね、乗り込みたい」と呼応。
奇しくも、現Bellatorバンタム級王者は、朝倉が現地で練習したパッチー・ミックスで、朝倉は肌を合わせた感覚を「ミックス、めちゃくちゃ強い。自分と練習したときは80kgあって、組み技がマジで強かった」と語るが、「でも戦いたいです。アーチュレッタに勝ったら──」と「王者対決」を望んだ。
果たして7月の朝倉海vs.フアン・アーチュレッタはどんなルールセットになるか。
榊原CEOは、最後に「7月はとてつもないことを考えています。今月中にどーんと会見をしますが、“真夏の格闘技の祭典”を考えているのでご期待ください」とさらなるサプライズを予告した。