MMA
レポート

【PANCRASE】アキラが久米鷹介を破り正規王者に「必ずライト級日本一になる」、中島が田嶋下し王座統一、ソルトがKAREN破り戴冠、端がNORIを完封。井村が石井に競り勝つ! 田中路教が笹に完勝、トラキナスが藤野にリヴェンジ、平田直樹が一本勝ち

2023/04/30 13:04
 2023年4月30日(日)『PANCRASE333』が東京・立川ステージガーデンで開催された(PANCRASE YouTube/U-NEXT配信)。 ▼PANCRASEライト級王座統一戦 5分5R×久米鷹介(ALIVE)70.3kg 第7代王者・24勝7敗4分[判定1-2] ※48-47×2, 47-48〇アキラ(武蔵村山さいとうクリニック)70.15kg 暫定王者・19勝10敗3分※アキラが王座統一、第8代王者に 久米「タイトルマッチに向かってしっかり準備はやり切ってきました。当日、よろしくお願いします」 アキラ「全力で挑んで、僕がPANCRASEの新しい歴史を作ります」 「正規王者」の久米は、柔道をバックボーンに、MMAではアマチュア修斗全日本選手権で優勝。PANCRASEを主戦場にすると2016年9月の徳留一樹とのタイトルマッチで1R TKO勝ちで王座を獲得。2019年10月にはONE Championshipでの当時修斗王者の松本光史との王者対決でも判定勝ち。2021年3月の『RIZIN.27』で武田光司に判定負けも、2021年12月の前戦『PANCRASE 325』にて雑賀ヤン坊達也との「ライト級王座統一戦」で一本勝ちし、王座統一と3度目の防衛に成功した。今回が1年4カ月ぶりの防衛戦となる。 「暫定王者」のアキラは、2010年4月に修斗でプロデビューし、2013年からPANCRASEに参戦。2021年5月、PANCRASE 321で松本光史と対戦し、TKO勝ち。2021年10月にRIZIN初出場でDEEPウェルター級暫定王者の阿部大治し、2Rにノースサウスチョークによる一本勝ちを収めた。2022年9月、ライト級暫定キング・オブ・パンクラス決定戦で松本光史と再戦、3Rに左スーパーマンパンチでKO勝ちを収め、暫定王座を獲得した。その勝利マイクでは「まだ正規(王者)ではないので、頑張ります」と短く意気込み、正規王者の久米との統一戦に向けて意欲を見せていた。  度重なる怪我のなか、久米は第7代王者として4度目の防衛戦をする為にデカゴンに戻って来る。一方のアキラもまたベルトから「暫定」の2文字を取り「正王者」になる為に、久米を待ち続けた。5年4カ月もの間、王者として君臨する久米と、正規王者を狙うアキラ。果たして防衛記録は伸ばされるか、歴史が動くのか。  1R、ともにオーソドックス構えから。いきなり右を振ったアキラにかわす久米は左インロー。そこに左右を狙う久米。アキラは左ジャブ、右フックも、久米は左ストレートついて組みに。金網での離れ際も互いに右を狙い、ローは久米。圧力をかけるアキラは左アッパーをかすめるが、立て直す久米も右を返す。  サウスポー構えで詰めるアキラは右ジャブ左インローと素早いコンビネーション。久米も左前手のフックで飛び込む。ワンツーの左を伸ばすアキラに右に回る久米。アキラは残り20秒でダブルレッグへ。そのまま金網に押し込みホーン。2者がアキラ、1者が久米を支持。  2R、互いに右が交錯。久米は右ミドルアキラは左ストレート。オーソに戻したアキラ。左ジャブを突き、右ストレートに繋ぐが、久米はダブルレッグから離して左を当てて右で前に! 左で差す久米に四つで組むアキラ。押し込む久米は小外がけ、ここは残すアキラに今度は左足をかけてテイクダウン! ハーフから足を抜いてマウントの瞬間に亀になるアキラ。すぐにバックにつく久米が4の字ロック。首を守るアキラに背後から細かいパウンド。左手首を背後からコントロールし右でパンチ。アキラも背後にパンチ。ホーンにすくっと立ち上がる。3者10-9で久米のラウンドに。  3R、中央を取るアキラに細かいステップで左右にまわる久米。アキラの入りをさばき、右ボディストレート狙い。サウスポー構えでアキラが左を当てるとダブルレッグへ。これは切ったアキラがフックを放つをダブルレッグテイクダウン! マット中央で背中をつかせる。いったん体を離したアキラは下の久米の腕十字、三角絞め狙いをかつぎパス。ハーフに戻す久米に背中を着かせてパウンド! 立ち際をボディロックで崩そうとするが、久米も右を差して残すと金網背に立ち上がり。3者10-9アキラのラウンドに。  4R、中央を取る久米。サウスポー構えのアキラは右の飛び込み。さらにスーパーマンパンチも狙う。ワンツーの右ストレートを突く久米。互いに頭を振ってのフェイントから左ストレートはアキラ! さらに前手の右フックに繋ぐと、久米の足が流れダウン。ガードの久米にアキラは鉄槌、さらにノースサウスチョークを狙うが、久米はシングルレッグで立ち上がり! ここもボディロックで崩すアキラは金網背に座る久米にがぶり。しかし久米はシングルレッグでレッスルアップで上になり、アキラのバックを狙う。3者10-9でアキラを支持。  5R、先に動いたのは久米! オーソドックスのアキラに久米は左ハイ。さらにパンチの連打でケージに追い込み、 詰めてのシングルレッグで崩してバックテイクまでわずか1分。4の字ロックを組む久米は背後から細かいパンチ。背後から鉄槌をもらいながら正対のチャンスをうかがうアキラ。残り2分。バックキープの久米に首を守るアキラ。  4の字が解けたところで正対し上になったアキラはインサイドガードからパウンドも久米も下から鉄槌しながら腰を切って防御。   判定は2-1(48-47×2, 47-48)に割れ、アキラが勝利。第8代キングオブパンクラシストとなった。  試合後、アキラは「ご来場ありがとうございます。チャンピンの久米選手めちゃくちゃ強くて情けない試合になってしまいましたが、自分が新しい歴史を作っていくので、必ずライト級日本一になるので見守っていてください」と力強く語った。 [nextpage] ▼PANCRASEバンタム級 王座統一戦 5分5R〇中島太一(ロータス世田谷)60.95kg 第4代王者/12年NBT同級優勝・17勝14敗1分[判定3-0] ※50-45×3×田嶋 椋(OOTA DOJO)61.05kg 暫定王者/22年NBT同級優勝&MVP・7勝2敗※中島が王座統一、初防衛に成功。 中島「全身全霊でぶっ潰します」 田嶋「自分らしく戦ってタイトルマッチらしい盛り上がる試合をします」  2022年12月に第4代王者としての初防衛戦を怪我で欠場し、暫定王者を生んた正規王者の中島と、そのチャンスを見事に掴みシンデレラ的に暫定王者となった田嶋椋による一戦。  34歳の中島は2020年9月にフェザー級で次期王座挑戦者決定戦で堀江圭功にスプリット判定で勝利し、2021年5月にISAO(現Bellator)が持つベルトに挑戦も判定負けで戴冠ならず。2021年12月にバンタム級に階級を戻し、ハファエル・シウバが返上した同級王座を巡り、井村塁と対戦。2R TKO勝ちでベルトを巻いた。2022年4月の前戦『RIZIN.35』では、フェザー級でヴガール・ケラモフのマウントからの三角絞めに一本負けしている。  対する23歳の田嶋は、2022年10月のネオブラバンタム級優勝&MVP。2021年5月の『格闘DREAMERS』で齋藤奨司に一本勝ちするなど、MMA7勝1敗の田嶋は、2021年9月に現UFCの風間敏臣に一本負けしたのが唯一の黒星。以降、サイバー遼、水永将太、鬼神光司、上田祐起を相手に4連勝でネオブラを制している。2022年12月には、TSUNEとの暫定王座戦で4R TKO勝ちでベルトを巻いた。  オーソから長いジャブ&ロー、強いケージレスリングと型にハメる強さがある中島。TSUNE戦で左を被弾しながらも粘り強い組みとジャブ、左右の連打を突き、タオルを呼び込んだ田嶋。  総合格闘家として30戦以上経験し油が乗り切っている中島に対し、23歳の田嶋はまだ7戦。下馬評では圧倒的に中島が有利だろうが、若さと勢いは時に豊富な試合経験を凌駕することも有る。ゴールデンウイークに二人はケージで対し、最後に残る王者はひとりだ。  1R、ともにオーソドックス構え。圧力をかける中島に田嶋は左ジャブ。中島は右カーフを当てる。テイクダウンのフェイクから左ミドルは田嶋。さらに右ローの中島はもう1発。「足を止めるな」の声に田嶋も左ロー。互いに慎重な展開のなか、中島は右ロー狙い。田嶋の右ローはかわして右ローを蹴る。3者10-9で中島支持。  2R、左前手で中島の右手、右ヒザを触るフェイントの田嶋。中央を取る中島は軽く右ロー。さらに右ロー。もらいたくない田嶋は細かくステップし、左ローを返す。中島は右カーフ! 左足を上げた田嶋。左ローを返し、ジャブを突くが、かわす中島はまたも右ロー、サイドキック。左ジャブはかわした田嶋ワンツーの右もブロックするが、ここも3者10-9で中島のラウンドに。  3R、まだ手数は少ない両者。我慢比べのなか、左手を前手を出し続けて誘う中島。そこに右手で触る田嶋。テイクダウンのレベルチェンジも実際には入らない田嶋だったが、次はダブルレッグへ。ここは切る中島に田嶋も深追いせずに離れると、中島は右ロー。ついにパンチで入った田嶋の左右に右を返す。  右カーフを当てた中島に田嶋のバランスが崩れる。左ジャブを突く中島に田嶋の頭が上がる。さらに右ローを当てた中島。互いに右ローの打ち合いも中島の右ローが当たる。田嶋はダブルレッグも中島はスプロール。ここも3者10-9で中島のラウンドに。  4R、左ジャブを刺す中島。左右にステップする田嶋は左ジャブも、近づくと中島は右ロー! ダブルレッグに入る田嶋を切ると離れ際にヒジを突く。続く中島の右ローはかわした田嶋。田嶋の右の入りに中島は左を狙う。中島の右カーフに崩れながら足を取りに行く田嶋。しかし切る中島は左ストレートと今度は上を攻める。  足を殺したところでワンツーの右を打ちこむ中島。田嶋も金網背にブロッキングするが受け身に。3者10-9で中島を支持。  5R、近づく田嶋はワンツー。さばく中島は右ロー。田嶋はローシングルも切られると離れる。右ミドルハイの中島。かわす田嶋に左右の足をシャッフルする中島は、左ジャブ、右ロー。田嶋もジャブはかわすが、右ローを被弾しバランスを崩す。そこを詰める中島は右で詰めるが、そこに相打ちを狙う田嶋に深追いできず。  中島の左ジャブに頭が上がる田嶋。シングルレッグをがぶる中島に押し込む田嶋だが、足は触れず。中島は左ボディ、左右で最後は猛ラッシュも田嶋も金網背に凌いでホーン。  判定は50-45×3のフルマークで中島が勝利。王座を統一し、初防衛に成功した。試合後、中島は「KOするつもりで仕上げてきましたが、田嶋選手がすごくて5R判定まで行ってしまいました。応援してくださる方、ありがとうございます。言いたいことはありがとうだけです」と語り、ケージインした妻子と記念撮影し、「今日、結婚記念日です」と語った。 [nextpage] ▼PANCRSE女子ストロー級選手権試合 5分5R×KAREN(パラエストラ柏)51.6kg 第4代QUEEN OF PANCRASIST・6勝2敗[判定0-3] ※46-49×3〇ソルト(マルスジム)52.05kg 同級1位・3勝2敗※ソルトが新王者に KAREN「初防衛戦、練習でやってきたことを出して血祭りにします。応援よろしくお願いします」 ソルト「タイトルに挑戦できるということで緊張もしていますが、ワクワクもしています。明日は私が勝ちます。応援よろしくお願いします」  両者は、2022年12月以来の再戦。王者・KARENは、2022年3月に藤野恵実を4R ヒジ打ちによるカットでレフェリーストップのTKOに下し、驚異の5連勝でベルトを巻いた、19歳のクイーン・オブ・パンクラシスト。  戴冠後、半年後に女子シューター宝珠山桃花と対戦し、判定勝ちしたものの、2022年12月の前戦では、同じく修斗を主戦場としていたソルトに組み負けて、ノンタイトルの3Rで屈辱の判定負けを喫している。  得意のサイドキック、近距離でのヒジ打ちを研究され、投げも潰され下になったKARENは、4カ月ぶりのベルトをかけた再戦で、5Rの長丁場をいかに自身のペースに持ち込むか。  会見では、姉のNORIともにTeam DATEから離れ切磋琢磨してきたPRAVAJRAから、さらに「高みを目指しもっと強くなりたいという思いで」パラエストラ柏に移籍したことを明かし、浅倉カンナらとの練習を「環境が変わって、いろいろ“まだ自分は全然知らないこともいっぱいあったな”ということを経験できて、日々充実した練習ができています」と語った。  対するソルトは、北海道でアマチュアキックからMMMAに挑戦した経緯を明かし、「あまりジムが多くないなか、マルスジムにはキックや柔術の選手、総合をやっていなくてもいろんな方が出稽古にきてくれます。ジムの中にケージも設置してもらえたので、すごくいい環境で練習できています」と、東京以外でも強くなれる環境にあるとした。  続けて、「自分が勝てばさらに盛り上がって北海道でもっと競技人口も増えると思います。私は遅くから始めましたが、遅くからでも女性でもここまでできるよと証明できるのかなと思います」と、王座奪取に意欲を見せた。  167cmの高身長、リーチを活かした打撃で、今回も勝利を狙うソルトは、修斗にもPANCRASE女王として凱旋を狙う。ソルトが前戦同様に完封し、すんなりとベルトを奪うか、KARENが女王としての意地と計策で切り裂くか?  1R、オーソドックス構えのソルトに、サウスポー構えのKARENは間合いを潰して右の飛び込みで組みに。ソルトも右を返すが、押し込むKAREN。左で差し上げるソルトは金網背に四つにすると、体を入れ替えヒザ。KARENも再び体を返して押し込み。左で差してボディロックから押し込みながらの右を顔面について、崩していく。3者10-9でKARENを支持。  2R、上下にレベルチェンジしてフェイントをかけるKARENは左で差して押し込み。金網に詰めてボディロック。右で小手に巻いてバックは譲らないソルトは正対して離れて右を突き、右の蹴りも、距離を潰すKARENは四つで押し込み。ヒザ蹴りのソルトが体を入れ変えると、離れる。右ハイのソルト。ガードするKARENはスイッチしながら左で差して押し込み。しかし、ここもソルトが体を入れ替え、互いにヒザを突きホーン。3者10-9でソルトのラウンドに。  3R、左ジャブの飛び込みを当てるソルト。さらに近づくKARENにサイドキックも。右ジャブを突いて組むのはKAREN。しかし右を差すソルトが体を入れ替え押し込み。金網背にKARENの頭が下がったところにソルトは右ヒザ! これで崩れたKARENの組みを剥がしてマウントへ。亀になって立とうとするKARENのバックにリアネイキドチョーク狙いで4の字に組むが、正対したKARENが離れてさらにソルトとの組みに。離れたKARENは右のサイドキックからダブルレッグも捨て身気味になり、ソルトが潰しに。ジャッジ3者10-9でソルトのラウンドに。  4R、右インローのソルト。さらに右ハイと上下に散らすとKARENは組みに。シングルレッグを切るソルトは四つで組んで左で差して回して頭を下げさせてヒザ! KARENは強引に首投げも同体で立ち上がりでバックにつくのはソルト。正対して離れたKAREN。ソルトは右前蹴りを腹に突くが、その蹴り足を取ったKARENが組みに。ここも押し込むのはソルト。右ヒザを突き、KARENを体を入れ替えてもすぐに入れ替え直して押し込む。  5R、最終回。先に組みに行くKARENに体を入れ変えるソルト。離れたKARENのダブルレッグにも右で小手に巻いて凌ぐ。シングルレッグに固執するKAREN。そのバックを狙うソルトはKARENのクラッチを切ってスタンドバックに。対角のKARENの腕を掴むと、離れたKARENはシングルレッグへ。それも片足を掴まれながらもサイドバックにつくソルトが右手で細かいパウンド、KARENが頭を上げたところにソルト組んで詰めてゴング。  判定は3-0(49-46×3)でソルトが勝利。女子ストロー級クイーンオブパンクラシストとなった。 [nextpage] ▼PANCRASE女子フライ級選手権試合 5分5R〇端 貴代(和術慧舟會AKZA)56.65kg 18勝8敗1分・第2代QUEEN OF PANCRASIST[判定3-0] ※49-46×3×NORI(PRAVAJRA)56.35kg 5勝4敗1分・1位※端が初防衛 端「すべてをぶつけて勝ちます。応援よろしくお願いします」 NORI「明日は私が勝ちます。応援よろしくお願いします」  女子フライ級初代王者シッジ・ホッシャ(ブラジル)が、コロナ禍を考慮に入れた防衛期限に合意していたが、このたび「怪我のため試合が出来ない」という理由でベルトを返上。  ホッシャ戦後、マイラ・カントゥアリアには判定で敗れた端だが、2020年7月にライカに判定勝ちすると、2021年10月の「女子フライ級暫定王者決定戦」でNORIに5R 判定勝ちで暫定王者に。今回のホッシャの返上で「正規王者」となって、NORIを挑戦者に初防衛戦に臨む。  前戦はNORIのサイドキックに手を焼きながらも、組んでしまえば端の横綱相撲だった。端が正規女王としていかに強みの寝技に持ち込むか。  同じ轍は踏みたくないNORIは、この1年半の進化を見せる必要がある。2022年7月には、DEEPから参戦した栗山葵にダウンを奪われながらも蹴りとクリンチからの打撃でドローに持ち込み、11月にはDEEP JEWELSに乗り込み、ミッコ・ニルバーナをスプリット判定で下しているNORIは、同大会に出場の妹KARENに続き、姉妹女王となれるか。  1R、中央を取る端。首相撲で組むとNORIは体を入れ替えに。しかし押し込む端が右で差してから両差しでクラッチ。顔を押して剥がそうとするNORIは四つに戻すが、クラッチして詰める端。NORIは金網背に一瞬体を入れ替えるが、端はすぐに戻してバック狙い。  左で小手に巻くNORIの脇を潜った端がスタンドバックについて右足をかけてホーン。3者10-9で端を支持。  2R、サウスポー構えから右のサイドキック、左の蹴り、左ストレートを突くNORI。端の蹴り足を掴んでスタンドバックにつく両足をかけて4の字ロックでリアネイキドチョークへ! 後ろ手は組ませない端。NORIを横に落とそうとするがついていくNORIは右手はのどに巻くもセットは出来ず。端は上に伸びてずらしてから正対して上を取って腕十字狙いのNORIを潰してサイドからパウンドでホーン。3者NORIを10-9で支持。  3R、先に詰めて右で差して組んで脇を潜りスタンドバックにつく端。右足をかける端はNORIの左手首を脇下からコントロール。バックに投げて捨て身にならず上を取り切る。サイドにつく端は、左脇を差してから上四方に。その頭をセンタク挟みに狙うNORIだが、頭を抜いた端がサイドから頭をまたぎパウンド。ヒジ、鉄槌を連打! NORIがエビでバックに回りかけたところでホーン。3者10-9で端のラウンドに。  4R、チャンピンシップラウンドへ。NORIの右の蹴り足を掴んだ端がシングルレッグへ。左腕で頭を抱えるNORIに端はハイクロッチで持ち上げようとするが、NORIは首を持ち上げることで防御。しかし端もシングルレッグで崩してテイクダウン! ここでNORIはギロチンチョークをセットにしに行くが、首を抜いた端が上に。残り30秒でNORIは下から腕十字をしかけるも端が防いでホーン。3者10-9で端を支持。  5R、右サイドキックのNORIに「絶対下がらない」のコーナーの声に詰める端。NORIはサークリングして右サイドキックも、その打ち終わりに詰めた端が押し込みながら右腕を首に巻き、スタンドで肩固め的にチョーク狙い。さらにバックから右足をかけていく。  スタンドで正対したいNORIだが、させない端。前方に崩しながらNORIにマットに手を着かせてバックを奪うと4の字ロックを完成。残り10秒の拍子木に腕十字に入るも、NORIも内側を向いて防御。ホーン。  判定は3-0(49-46×3)で4つのラウンドを取った端が勝利。初防衛に成功した。 [nextpage] ▼第10試合 バンタム級 5分3R〇井村 塁(Nexusense)61.45kg 9勝2敗・#1位/2020年NBT同級優勝・MVP[判定3-0] ※29-28×3×石井 逸人(TRIBE TOKYO MMA)61.55kg 17勝6敗3分・第11代環太平洋バンタム級王者  石井逸人は3年半ぶりのPANCRSE参戦。前回は2019年11月にいまなきスタジオコーストで現RIZINの瀧澤謙太と対戦し、3R TKO負けを喫している。  その後、石井は修斗に戻り、5勝2敗2分。2021年9月に現ONEの安藤達也に肩固めで敗れるも、2022年3月に石橋佳大に2R リアネイキドチョークで一本勝ちすると、2022年5月に小野島恒太に判定勝ちで環太平洋バンタム級王者に輝いている。  前戦は同王座防衛戦で藤井伸樹を挑戦者に迎え、激闘の末にスプリット判定で敗れ、初防衛に失敗したが、どちらが勝ってもおかしくない接戦だった。  地元・立川で迎え撃つ同級1位の井村は、2020年NBT優勝者。プロデビューから怒涛の6連勝をすべてフィニッシュ勝利でトップ戦線に駆け上がったが、2021年12月に実力者・中島太一との「バンタム級 暫定王者決定戦」で2R TKO負けで戴冠ならず。続く、2022年4月のTSUNE戦でも判定負けで2連敗に。  しかし、2022年9月に平田丈二を2R、リアネイキドチョークで極めて一本勝ちで再起を遂げると、12月の佐久間健太戦でも判定3-0で勝利。2連勝で再び王座戦線を登っている。  野球から植松直哉仕込みの柔術、CAVEでも練習する井村に対し、柔道ベースでTRIBEの猛者たちとMMAのスタイルを磨いた石井は、組み技もスクランブルも強く、井村の寝技を断ち切るか。  井村は、同級ランカーには“招かれざる客”である石井を地元で押し返すか。それとも石井があっさりとランキング1位を奪い取るか。 井村「元修斗チャンピオンと試合ができるということで、僕が勝ってまたタイトル戦線にたどり着けるように頑張ります」 石井「瀧澤謙太に負けてからの3年半が自分にとって何だったのかを確かめに行きます」  1R、ともにオーソドックス構え。先に詰める井村に石井は右カーフ。組む井村に首投げテイクダウン。すぐに井村は腰切り腕十字狙いも石井は鉄槌。足をかけさせず両手をロックし防御。頭を下げて右足をかけさせない石井。  石井が正面に回ると井村は脇を潜り一瞬バックを奪いかけるが、すぐに横に落とした石井がニーオンでヒジ、パウンド! カットした井村にドクターチェック。再開。左右の石に井村も右を振るが、そこに石井は卓矣にシングルレッグ。尻を着かせて井村の立ち際にスタンドバック。背後から顔にヒザを突く。ジャッジ3者10-9で石井を支持。  2R、詰める井村のシングルレッグに右脇から右手首をコントロールする石井。しかし、脇を潜った井村はバック! 両足をかけてフルバックを完成させるとリアネイキドチョーク狙い。しかし組ませない石井に井村はパームトゥパームで絞めに。ここも凌ぐ石井は背後の井村にパンチ。正対しようとする石井をさせずに井村は後ろに乗ってリアネイキドチョークで絞めるが、その都度後ろ手を剥がす石井!  前転気味に井村落とそうとする石井だが、ついていく井村がバックキープ。石井も背後の井村にパンチ。またも井村に出血でドクターチェック。額の左のカットの血が止血され、3Rへ。ジャッジ3者10-9で井村のラウンド。これでイーブンに。  3R、右カーフの石井。さらに右のオーバーハンドも大きい。詰める井村にシングルレッグに。左腕を1本入れている井村は背中に乗ろうとする石井を落としてシングルレッグから脇を潜り背中に乗って両足をかけることに成功。しかしすぐに腰をずらして正対した石井は立ち際の井村をダブルレッグテイクダウン!  ここで背中を着いた井村はフルガードから脇差し立ち上がりシングルレッグへ。ここもネルソン狙いの石井の脇を潜る井村。すぐに前に落とす石井だが、ここも井村はシングルレッグ、バック! 両足をかけて完全バックを作りリアネイキドチョークへ。  喉下には腕は入らず。4の字ロックで組む井村の渾身の絞めも石井は指を立てて極まっていないとアピール。背後にパンチでホーン。  判定は3-0(29-28×3)でバックを奪った井村が勝利。ガッツポーズで咆哮すると福井幸和PANCRASE代表と金網ごしにフィストバンプをかわした。 [nextpage] ▼第9試合 フェザー級 5分3R〇亀井晨佑(パラエストラ八王子)65.7kg 2位・2018年NBT同級優勝・6勝3敗[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×パン・ジェヒョク(KOREAN TOP TEAM)66.2kg 10勝8敗  2022年12月25日の横浜武道館大会で透暉鷹と対戦し、スプリット判定で敗れたものの、パンチ・蹴りともに強い打撃とテイクダウンディフェンスで透暉鷹を苦しめたパンの試合を観て、その直後に「次戦はパンと戦いたい!」と直訴した亀井。  判定に納得がいかないパンも試合後、早期来日を求めていたため、今回の対戦となった。  パンは、MMA10勝7敗。過去FightingNEXUSで4度、来日経験があり。2018年8月に小森真誉にリアネイキドチョークで一本勝ち後、2019年7月に現修斗ライト級王者の西川大和に3R TKO負けも、以降はMMA7勝3敗。キックでも1勝を挙げている。  2022年8月の「Double G FC 13」ではDouble GFC暫定フェザー級王座決定戦をパク・チャンスと戦い、判定負けで王座戴冠を逃し、連勝が「5」でストップしたが、透暉鷹との試合で見せた重い腰、左右のコンビネーションパンチ、左ハイキックはランカーたちにとっても大きな脅威となるだろう。  三宅輝砂戦、中田大貴戦での競り合いをスプリット判定で勝利した亀井は、2022年7月のフェザー級暫定王者決定戦で透暉鷹に4R リアネイキドチョークで敗れ戴冠を逃しているため、その透暉鷹と競ったパンとの試合で進化を見せて、再び王座戦線に手をかけたいところだ。  第8代王者ISAOがBellatorと契約した今、ベルトを巡る情勢も変化がある注目のフェザー級戦となる。  PANCRASEはプレスリリースで、亀井のパン戦直訴に「お前は漢だ! こんな強豪選手と戦いたいなんて」という一文を添えて注目している。 亀井「みんなの心が震えるような試合をして必ず勝ちます」 ジェヒョク「自分はクレイジーファイトで韓国の怪物と呼ばれています。必ず勝ちます」  1R、ともにオーソドックス構え。左ローから入る亀井。ジャブの刺し合いは長い亀井が当てる。さらにオーソから左ミドルハイ。詰めるジェヒョクの右は空を斬る。  左ハイ、左ジャブの亀井はさらに高い左サイドキックも。右前蹴りの亀井にジェヒョクは右ローから右ストレート、左ミドルで詰めるがサークリングする亀井。  右の高い前蹴りを突く亀井は右カーフも。ジェヒョクのジャブの打ち返しはガードしてバックステップでかわす。飛び込みを左に回ってさばいてかわす亀井。さらに左ミドルハイ。ブロックするジェヒョクも左ミドルを返すが単発。3者10-9で亀井を支持。  2R、左ミドルを突く亀井。ジャブから右ストレートを突く。さらに左フックも長い亀井。ジェヒョクの左に腰を落とす亀井。  ジェヒョクの右の入りにカウンターの右を突く。ワンツーのからボディストレートで詰めるジェヒョクに金網から抜ける亀井。ジェヒョクは6連打で前に出るが、さばく亀井は右。ジェヒョクの伸ばした右に亀井はスウェイ。ジェヒョクの左右連打に亀井は下がりながら右フックでジェヒョクが左目尻から出血!  ドクターチェック後再開。ジェヒョクの左右にガード固めて防ぎ、ダブルレッグも差し上げる亀井。組みを切ると、ジェヒョクのバックフィストにガードが若干崩れたものの亀井は戻す。2名が亀井を支持も1者が10-9でジェヒョクを支持。  3R、乱戦に持ち込みたいジェヒョクはバックフィスト。つめて左右で亀井の打ち返しはかわす。ジャブの刺し合いから右を突く亀井。間合いを取り左ミドルハイ。圧力をかけるとジェヒョクは右ロー。左インロー。さらにワンツーで詰めるが回る亀井。バックフィストのジェヒョクをかわしてさらにワンツーの打後のジェヒョクに右を当てる。  ジェヒョクは最後にダブルレッグでテイクダウン。リアネイキドチョークをセットして絞めるも亀井のアゴ上でホーン。  判定は2-1(29-28×2, 28-29)で後半に追い上げた難敵ジェヒョクを亀井が下し、ケージの中でピースサインを見せた。 [nextpage] ▼第8試合 バンタム級 5分3R〇田中路教(TEAM ALPHA MALE)61.6kg 14勝4敗[判定3-0] ※30-27×3×笹 晋久(パラエストラ柏)61.35kg 7勝4敗1分1NC 田中「4年ぶりのPANCRASE出場ということで、前回、ちょっと不甲斐ない試合だったので、もう一度コンディションを作り直して挽回できるようにやってきましたので、試合を楽しみにしてください。よろしくお願いします」 笹「初参戦で最高のよい相手と戦わせていただきありがとうございます。いままでやってきたを出し切ります。よろしくお願いします」  実に4年ぶりのPANCRASE参戦となる田中は、UFC再挑戦を目指して米国に拠点を移し活動中。  2017年にUFCを2勝3敗でリリース後、GRANDSLAMでホジェリオ・ボントリンにリアネイキドチョークで一本勝ち。ACBと契約したものの試合が組まれず、2019年3月にPANCRASEでロシアのウラジミール・レオンティブに判定勝ちすると、UFC再契約を目指しLFAと契約。新型コロナウイルスやビザの影響で2年半以上のブランクが空いたが、2021年11月の『LFA 117』でヒカルド・ディアスに判定勝ちし、LFA初陣を飾った。  しかし、9カ月ぶりのLFA2戦目でアリ・ファリアスにスプリット判定負け。2022年12月には掌底ありのコンバット柔術に参戦し、EBIのオーバータイム・コンペティションで優勝経験があるイーサン・クレリステンを相手にドローに持ち込んでいる。  今回は4年ぶりのPANCRASEで再起を図る。4月30日の同大会では、正規王者の中島太一と暫定王者の田嶋椋による「バンタム級王座統一戦」も組まれており、田中と笹のPANCRASE参戦は、バンタム級戦線にどんな影響をもたらすか。  対する笹は、PANCRASE初参戦。TRIBE TOKYO MMA、そして現在はパラエストラ千葉ネットワークに所属しており、2021年7月のDEEPで赤尾セイジに1R TKO勝ち後、2021年12月に石司晃一に一本負け。2022年5月のHEATで春日井たけしとドロー後、2022年6月に元GLADIATORバンタム級王者の竹本啓哉とスプリット判定の惜敗、2023年1月の前戦では、ジョン・オリニドのローブローを受け反則勝ちとなっている。  1990年生まれの32歳の同い年対決。オーソドックス構えの田中に対し、サウスポー構えの笹は、左の強打と強いハートで大物を食うか。それとも田中が日本で復活の勝利を飾るか。  1R、オーソドックス構えの田中に、サウスポー構えの笹。田中は左ジャブのダブルから金網に詰めてスピーディーなダブルレッグテイクダウン。右で差して上体を立てて座る笹に、左足を巻いて足首を引き寄せるが抜いて立ち上がる笹。  右の大内刈でこかす田中に笹もすぐに金網背に右を差し上げ立つ。押し込み左ヒジを突く田中。首相撲ヒザは笹、田中は左手でアッパーを連打! スタンド。ワンツーの左の田中に左ハイをブロック上に返す笹。  田中のワンツーの飛び込みからの組みに体を入れ替える笹。残り10秒で田中が入れ替えて押し込んでクリンチボクシングを入れてホーン。3者10-9で田中を支持。  2R、右フックで飛び込む笹が押し込み右で差す。金網背に田中はヒザ・ヒジ。体を入れ替えダブルレッグテイクダウンは田中。両足を引き出そうとするが金網で上体を立てる笹に、田中は腰を抱いて足を変えてパスガード。すぐにバックを奪いバックマウントに。  笹は首横の手をツーオンで掴み、チョークを防ぐが、田中は背後からこつこつパウンド。足を外して正対したい笹。正面に回る田中は右足を両足で挟み、笹が足を抜くと互いに立ち際のヒジ、パンチの打ち合いも被弾はせず。3者10-9で田中を支持。  3R、サウスポー構えから左右で飛び込む笹はシングルレッグへ。そこに右腕に腹固めで左手首もコントロールする田中は細かいパウンド。スクランブルからダブルレッグテイクダウン。尻を着く笹の奥足首を掴んで立たせず。右足を両足で固めてから持ち上げて寝かせる。  笹が立ち上がるとすぐにシングルレッグへ。それをスイッチで切り返した笹がシングルレッグに入るもネルソンでめくる田中に笹も体勢を起こせず。田中は細かい右のパウンド。いったん下になってレッスルアップでバックを奪ってパウンドしてホーン。  判定3-0(30-27×3)で田中が勝利。ケージレスリングとスクランブルで笹につけ入る隙を与えず完勝した田中だが、動きに納得していないか、笑みは無かった。 [nextpage] ▼第7試合 ストロー級 5分3R×藤野恵実(トライフォース赤坂)52.45kg #2位・25勝14敗1分[判定0-3] ※28-29×3〇エジナ・“トラキナス”・オリヴェイラ(ブラジル/ROCHA TOP TEAM)52.40kg 11勝11敗1分 藤野「エジナ選手がブラジルから日本に来てくれたので、敬意をもって完全決着をつけたいと思います」 エジナ「すごく楽しみにしています。明日いい戦いをしたいと思います」  両者は2019年9月以来の再戦。前回の対戦では、1Rに藤野がテイクダウンを決め、立ち上がりにスタンドでも攻め込み、ジャッジ3者が藤野を支持。2R開始直後にトラキナスが右手首の負傷により、藤野のTKO勝ち。  女子ストロー級暫定王者決定4人トーナメント1回戦を突破した藤野は、次戦でチャン・ヒョンジを3R リアネイキドチョークを極めてベルトを巻いている。  トラキナスがバックフィストで手首を傷めたのか、あるいは藤野の僧帽筋や広背筋に当てて負傷したなどの意見が散見されるなか、PANCRASEの公式は「戦慄の顔面拳破壊から約4年、ブラジルからエジナが借りを返しにやって来る。今回破壊されるのは、藤野の顔面か? それともエジナの拳か?」と藤野が顔面で拳を破壊したとの見解だ。  その後、2021年9月のRIZINで浜崎朱加に判定負け、2022年3月にPANCRASEストロー級王座防衛戦に臨み、KARENのヒジ打ちによるカットでの出血で4R TKO負けで王座から陥落した藤野だが、2022年10月にAACCの新鋭・渡辺彩華に判定勝ちで復活。その後、渡辺が修斗で黒部三奈を2R KOに下していることからも、藤野は難敵を下しての再起を遂げたといえる。  対するトラキナスは、藤野戦後ブラジルで2連勝を飾るも、元LFA王者で現UFCのガブリエラ・フェルナンデスにTKO負けするなど4連敗中。不完全燃焼に終わった藤野との再戦で、戦績をタイに戻したいところ。  1R、ともにオーソドックス構え。右から左で金網に詰める藤野を剥がすトラキナス。左ローは空振り。藤野は右を振って前に。しかしトラキナスは首相撲で体を入れ替えボディ打ち。藤野も左を突いて離れる。  左前手のフックで飛び込むトラキナス。左のガードを挙げてからジャブ、右ストレートで詰める藤野。ここも右で差して体を入れ替えるトラキナスは両差しで力を使い押し込み、足を踏む。ここも突き放す藤野。トラキナスは右の飛び込み。さらに右の後ろ蹴りを見せる。3者10-9でトラキナスを支持。  2R、右で詰めるも突き放すトラキナスにいったん離れる藤野。トラキナスは左インローを当て、右カーフを連打。藤野の詰めに大きな右を強振する。避ける藤野は細かい左右ラッシュで前に出るが、左で差したトラキナスが押し込み。藤野は頭をがぶり体を入れかえる。  トラキナスの左フックの打ち終わり左のダブルで詰める藤野は四つに。シングルレッグのハイクロッチも狙う藤野にトラキナスは首相撲ヒザ。そこで藤野は右差し押し込む。このラウンドも3者10-9でトラキナスを支持。  3R、早々に左右の速射砲で金網まで詰める藤野。そこにヒザを突くトラキナスに藤野は右で差して押し込み離れ際に右ヒジもそこで体を入れ替えるトラキナス。スタンドで右を当てる藤野。左はかわすトラキナスのローの打ち終わりに組む藤野。その頭をアームインギロチンに抱えるトラキナス。藤野は頭を下げずに持ち上げると首を外す。  ヒザを突いたトラキナス。スタンド。右ローを当てるトラキナスに左右の藤野。打ち合いの右の圧力は藤野。四つに組むトラキナスは首相撲に切り替え剥がすと、藤野は最後に怒涛の詰め。しかしトラキナスも下がりながら巧みにさばいてホーン。  判定は3者29-28でトラキナスが熱戦を制し、ブラジル国旗を肩に咆哮した。 [nextpage] ▼第6試合 ライト級→70.8kg 5分3R×松本光史(M PLATIC)70.55kg #2位/修斗・第12代世界ライト級王者・23勝12敗2分[2R TKO]〇ヌルジャノフ・ルスタムベック(キルギス・SALAH)71.6kg※再計量 EFCライト級暫定王者・15勝7敗※ヌルジャノフが再計量で70.8kgと50gオーバーとなり、キャッチウエイトで試合は行われる。  中央アジアはキルギス共和国MMA団体の、EFCライト級暫定王者が参戦! 元々の体幹の強さを生かした強力な打撃が武器だが、当然しっかりとMMAが出来る。直近5戦が4勝1敗でうち3試合でフィニッシュ勝利している。  対する松本は久米を追い、修斗からPANCRASEに来たが、2022年9月の前戦アキラとの暫定王者戦に敗れて仕切り直し。RIZINダロン・クルックシャンク戦来の国際戦に白星なるか? 26歳で14勝7敗のヌルジャノフが178cmの長身を活かして格上の松本を食うか。 松本「久々の試合で外国人選手とのチャンスに、コツコツと積み上げてきたものを発揮して頑張ります」 ルスタムベック ※体重超過で再計量  1R、体重超過のルスタムベックと松本がキャッチウェイトで対戦。ともにオーソドックス構え。松本の右ローに左右を振るルスタムベック。バックスピンキックも詰めた潰して松本が上に。ハーフから松本がサイドにパスすると、スクランブルで立ち上がるルスタムベックがシングルレッグからボディロックで崩しに。  力強いルスタムベックのボディロックからの投げに再三立ち上がる松本はアームロック狙い。投げて外したルスタムベックに金網背に上体を立てる松本。ここもボディロックで持ち上げテイクダウンするルスタムベックは力を使い上に。松本はガードを選択しクローズドガードで頭を抱え込む。上体を離したルスタムベックは鉄槌。そのスペースで松本は立ち上がる。3者ルスタムベックを支持。  2R、右ローを突く松本。ルスタムベックは左から右を強振。松本はこつこつ右ローから右も、ルスタムベックは右から左フック! 後方に倒れた松本にルスタムベックは鉄槌1発! すぐにレフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼第5試合 フライ級 5分3R〇有川直毅(K-PLACE)57.15kg 5位・8勝4敗1分[2R 5分00秒 TKO] ※左瞼カット×コルトン・キエルバサ(Marrok Force)57.05kg 5勝2敗  2023年1月20日、タイ国ルンピニースタジアムで始まったONE FRIDAY FIGHTS初戦、1R 0分57秒で藤沢彰博をバックスープレックスからのリアネイキドチョークで秒殺したコルトン・キエルバサが来日する。アメリカ海兵隊に所属し沖縄に駐留経験もあるキエルバサが対日本人連勝を飾るか。  有川は、2022年はPANCRASEで上田将竜にスプリット判定負け、GLADIATORでは藤田健吾に判定勝ちも、2022年9月の前戦でNavEに判定負けと意のままにならない結果となっている。3連敗は避けたいが、フライ級ベルトを目指す“The Monster”コルトンのベリートゥベリーが炸裂するか!? 有川「ブン殴ります、それだけです」 キエルバサ「日本に来れて感謝しています。ファイトが待ち切れないです。明日はいいショーをお見せします。楽しみにしていてください」  1R、ともにオーソドックス構えから右を当てる有川にキエルバザも応戦。ローで有川のバランスを崩すと、ボディロックテイクダウン。金網使い立がる有川をボディロックしたまま崩すと、2度サバ折でテイクダウン。バックテイクしたキエルバザに正対する有川は、金網背に。首投げのキエルバザに横三角狙いから立ち上がり、ヒザを突く有川だが、キエルバザはここも潰して右足を両足で挟んで押し込み。有川は首を抱えるもホーン。3者10-9でキエルバサを支持。  2R、右で詰めて回転を上げて左右を突く有川。キエルバサも左ストレートの飛び込みも、左瞼をカット。しかし詰め直したキエルバサは首投げテイクダウン! ハーフから右で枕に巻いて寝かせると、ニアマウントから後ろ手に有川の腕を縛りパウンド。有川はケージウォークで金網蹴って立ち上がり。しかしキエルバサがボディロックで詰めて細かいパンチ。金網背にする有川は傷口にヒジをこする。ドクターチェックの末に有川のTKO勝ちに。 [nextpage] ▼第4試合 ライト級 5分3R〇粕谷優介(総合格闘技道場CROWN)70.3kg 3位・13勝7敗2分[判定3-0] ※29-28×2, 30-27×葛西和希(マッハ道場)70.55kg 4位・8勝3敗  2022年の横浜大会でいったんは組まれるも、葛西の欠場で無くなっていたカードが今回の立川大会で実現。代理で緊急出場した兄弟子・岡野裕城の倍返しを狙う。粕谷はマッハ道場に連勝し、タイトル挑戦フラグが立つか。  粕谷は、12勝7敗2分。2015年9月と2016年11月のUFC挑戦後、17年8月よりPANCRASE参戦。フェザー級で2連敗後、ライト級に転向すると、2019年4月に現Bellatorの菊入正行に1R TKO勝ち。しかし、ライト級暫定王座戦でサドゥロエフ・ソリホンに2R TKO負け。2021年6月に松岡嵩志に1R KO負けで連敗を喫した。しかし、2022年4月に平信一に2R リアネイキドチョークで一本勝ちで再起。12月に葛西の代役の岡野裕城を1R リアネイキドチョークで極めている。  “じょっぱりグラップラー”葛西は8戦2敗。2020年7月から2021年9月まで平信一、小川道的、長田拓也、林源平を相手に怒涛の4連勝も、2022年3月大会では前修斗王者の松本光史にスプリット判定負け。同じ高田馬場でDARANI相手に判定勝ちで再起を果たしている。 粕谷「また勝って子供達と写真を撮ります」 葛西「前回は怪我で欠場してしまいすみせんでした。また試合を組んでいただきありがとうございます。世界で戦っていきたいので必ず勝ちます」  1R、ともにオーソドックス構えから。右ローを突く粕谷に、葛西も声を出しながら左ジャブ&ロー。サウスポー構えかになる粕谷は左ロー、左ミドルをガードの上に突く。一転遠間からダブルレッグテイクダウン。マット中央で背中を着かされた葛西。ハーフガードの葛西に、上から粕谷は右で枕に抱いて押さえ込むと葛西の右手首を掴もうとする。下の葛西はスイープ狙い。3者10-9で粕谷支持。  2R、サウスポー構えから入る粕谷。オーソから右のストレートで飛び込む葛西。粕谷は左ミドルを脇腹に決めて、ダブルレッグテイクダウン。葛西はハーフから腰を切りフルガードに戻そうとするが、上の粕谷はハーフのままこつこつとパウンド。金網まで這う葛西が足を戻そうとしたところにパスガードしてマウントを奪う粕谷は、葛西のブリッジをアゴを押して際を制して上を取るとマウント&パウンドもゴング。この2Rも3者10-9で粕谷支持。  3R、詰める粕谷は早々にダブルレッグテイクダウン。ハーフから葛西に背中を着かせてパウンド、脇差し立ち上がろうとする葛西を潰してマウントから葛西はいったん亀になると立ち上がり、左右を当てて前にそこに組む粕谷を押し倒して上になるも、粕谷も脇差し立ち上がると左ミドルを当てて前に出てホーン。  判定3-0(29-28×2, 30-27)で粕谷が勝利。子供達と公約の記念撮影を行った。 [nextpage] ▼第3試合 ライト級 5分3R〇松岡嵩志(パンクラスイズム横浜)70.65kg 13勝9敗・#5位[判定3-0] ※30-27×3×岡野裕城(マッハ道場)70.5kg 17勝14敗1分・HEAT第6代同級王者  HEAT王者・岡野裕城が、12月の横浜武道館に続き参戦。前回は欠場した同門の葛西和希の代わりにスクランブル参戦し、粕谷優介に敗れたが、今回の試合では違う姿をデガゴンで見せたい。親方・松岡は9月立川での雑賀ヤン坊達也戦での1R TKO負けからの再起戦。勝ってランキングトップ集団に喰らいつき、ベルト挑戦への射程距離に前進したい。 松岡「15分やり切りたいと思います」 岡野「頑張って倒します」  1R、ともにオーソドックス構え。岡野は左ジャブ。松岡は右ロー。岡野は左の縦拳。ジャブ、松岡は踏み込んでの右を振って前に。そこで体を入れ替えた岡野が金網に押し込み。膠着ブレーク。  左ジャブの岡野に左オーバーハンドの松岡は右ストレートで詰める。岡野の右前蹴りを掴んで右ハイを胸に叩き込む松岡。岡野は右ストレートを早く戻す。ジャブの4連打の岡野に額で受けて詰めて右を振る松岡を3者10-9で支持。  2R、ジャブで詰めてシングルレッグで尻着かせた岡野だが、松岡は金網使い立ち上がり。岡野のダブルレッグにすかさずスイッチでバックに回り、シングルレッグからスタンドバックから右足をかける。ボディロックする松岡に正対し体を入れ替えようとする岡野を回転させて松岡が押し込み。シングルレッグに移行し、脇潜りスタンドバックへ。  正対し、ここも体を入れ替えた岡のシングルレッグも頭が下がると松岡はヒジを連打。離れ際に右ヒジを打ち、金網に詰めて右を当てる。3者10-9で松岡を支持。  3R、左右で前に出る松岡。岡野は左ジャブも松岡が左アッパー! 足が泳ぎ後方に下がった岡野に組んだ松岡はスタンドバック。崩して岡野に両手を着かせると右足をかけて引き出し亀にさせる。腰を抱いてコントロールする松岡に岡野はダブルレッグに移行してテイクダウン。岡野を亀の状態にさせて右のパウンドを連打し、ホーン。  判定は3者30-27で松岡が勝利した。 [nextpage] ▼第2試合 バンタム級 5分3R×ジェイク・ムラタ(パラエストラTB/ Fighting Nexus)61.3kg ZST第3代バンタム級王者・12勝10敗1分[1R 4分33秒 KO] ※右ストレート矢澤 諒(ンクラスイズム横浜) 61.4kg 5勝3敗  ムラタは、ZSTとNEXUSで3連勝後、現ONEのソン・ミンジョンに判定負けも、2020年10月に神田T800周一に組み勝ち判定勝ち。しかし、NEXUSで森山壱政に一本負け後、井村塁にも一本負け、平田丈二に1R TKO負けと3連敗。2022年8月の前戦で小蒼卓也に判定勝ちで再起している。  対する矢澤は、三宅輝砂、田嶋椋に判定負けと上田祐起に一本負けで実力者相手に黒星を喫したが、2022年10月に漆間將生を1R KOに下すと、12月の地元横浜大会でも 木本海人を1R TKOと2試合連続秒殺KO勝ちでメインカード枠昇格を決めている。組みのムラタと組みも打撃も勝負する矢澤のバンタム級サバイバルマッチ。 ジェイク「この試合、相手に何もさせる気はありません、以上」 矢澤「しっかり勝ちます。応援よろしくお願いします」  1R、ともにオーソドックス構え。近い距離でワンツーの矢澤に、ムラタはダブルレッグテイクダウン。しぐに立つ矢澤にシングルレッグも切る矢澤が左を当てる! すぐに組むムラタは、両差しで押し込み。  ボディロックで崩してスタンドバックへ。腿にヒジを落として正対を試みる矢澤に、ムラタはクラッチしてダブルレッグへ。持ち上げようとするが矢澤は右手を股間に差し入れスイッチ狙い。ムラタはボディロックして押し込むも正対した矢澤は離れる。  スタンドで矢澤はムラタの左に前足を小さく上げてからワンツーの右ストレート! クリーンヒットし、後方に大の字に倒れたムラタ。パンクラスイズム横浜の矢澤が1R 4分33秒 KO勝ち。北岡悟代表とともに退場した。 [nextpage] ▼第1試合 ストロー級 5分3R×高本千代(高本道場)52.10kg ※デビュー戦[判定0-3] ※27-30×3〇重田ホノカ(パラエストラ柏)52.45kg ※デビュー戦  サラブレッドのデビュー! 高本千代の父はご存知、高本道場師範・高本裕和。幼少期から格闘技に慣れ親しみ、数々のアマチュア大会に出場。「いつデビューするのか?」と各団体から興味を持たれていた高本千代が、ついに地元 立川で参戦。  対する重田ホノカも柔道界でちょっとは知られた存在で、3月4日の東京CAGE FIGHT 07で勝利した腕十字の、流れる様な動きは感動的。18歳と19歳、2人のデビュー戦は後世に語り継がれる予感ひしひし。 高本「デビュー戦で5分3R、戦わせてもらえるのはPANCRASEだけだと聞いています。めいいっぱい使って勝っていきたいと思います」 重田「明日はしっかり勝ちたいと思います。応援よろしくお願いします」  1R、ともにサウスポー構え。右ジャブの重田に、高本は右インロー。左右で詰める重田に高本はサウスポー構えから右の蹴りで迎え撃つ。ワンツー右フックで前に出る重田に、高本はシングルレッグから引き込み、シングルレッグでレッスルアップで立ち上がる。  そこにキムラを狙う重田。離れた高本に跳びヒザは重田。さばく高本は右ミドル。ワンツーで前に出るが、重田も後ろ蹴りから前に。金網に詰めてダブルレッグテイクダウン。高本は下から腕十字を狙うも重田も中央で対処。3者10-9で重田支持。 2R、右前蹴りの重田。ワンツーの左を当てて金網に詰めるとシングルレッグでテイクダウン。手首を掴もうとする高本にパウンド。下の高本はシングルレッグから重田の右足を挟んで立ち上がり。その際で左を突く重田。離れた高本は歩きながら左右の蹴り。その右足を掴んで倒した重田。すぐに足を手繰りに行く高本だが、潰した重田が上に。  足を捌いてパス狙いいも、右で差す高本がスイープして立ち上がり。バック狙いの高本に正対した重田。高本は左右蹴りも詰めた重田がシングルレッグで引き出してテイクダウンしてホーン。2Rも3者10-9で重田のラウンドに。  3R、右前手フックを当てる重田。さらに左ミドルも。蹴りで打ち返す高本はダブルレッグもがぶる重田がヒザ。高師は立ち上がり際に右のかけ蹴りをかすめる。高本の蹴りに右ジャブを合わせる重田。左右の蹴りを当てて前に出る高本は、重田の前進に引き込みオモプラッタ、腕十字狙い。アゴに足を当てて押し込む重田は、腕を抜いてサイドバック。ディープハーフガードの高本との上の取り合いからスタンドバックを狙い。離れるとフルコンテクト空手ばりの近い距離で左右の突き・蹴りもホーン。  判定3-0(30-27×3)のフルマークでプロデビュー戦3Rで重田が勝利した。 [nextpage] 【プレリミナリー】 ※メイン枠前に実施 ▼フェザー級 5分3R×渡辺謙明(パラエストラ東京)65.9kg 7勝12敗[1R 2分18秒 肩固め]〇平田直樹(フリー/初参戦)65.75kg 4勝2敗  DEEPで活躍し、米国大会CFFCバンタム級戦からの再起戦となる平田直樹が、PANCRASEプレリミナリーに参戦。渡辺はメインカード枠への門番としてこのゲートを閉じるか。 渡辺「評価を得るには十分な相手。ガッと勝ちたいと思います」 平田「PANCRASE初参戦になります平田直樹です。明日は宜しくお願いします」 1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブの渡辺に平田は左前蹴り、右オーバーハンドからボディロックテイクダウン。ハーフの渡辺の右肩を流して肩固めへ。渡辺を絞め落とした。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント