MMA
インタビュー

【RIZIN】金原正徳、山本空良のセオリーから外れたMMAは「うちには所英男がいるので大丈夫」セコンドは所と山本喧一の師弟対決に

2023/04/27 16:04
 2023年4月29日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館にてケージで行われる『RIZIN LANDMARK 5 in YOYOGI』に出場する全選手の個別インタビューが、27日(木)都内にて行われた。  第2試合のフェザー級(66.0kg)5分3Rで、山本空良(パワーオブドリーム)と対戦する金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)は「いつも通りの心境です」とベテランらしい落ち着いた雰囲気。  MMAの試合は2022年4月の摩嶋一整戦以来となるが、強化してきたことを聞かれると「ないです! 強化はしていません。現状維持を保つのに一生懸命がんばりました」という。  山本の印象は「あまり試合を見ていないんです。ギリギリまで見ずに、初めて見たのが1週間前。カイル・アグォン戦や中村大介戦は生でリアルタイムで見ていたけれど、改めて対戦するとなった時に見ていなくて、セコンドに見てもらい組み立てていきましょうという組み立て方をしました。自分は1週間前に見て、この人と試合をするんだと実感しましたね」と、意外な答え。  その理由を聞かれると「どういう感情で試合をしていいか、今回の試合への向き合い方が分からなくて。悪く言っちゃえば、相手どうこうより、自分の気持ちを上げるためのトレーニングでした。ナメてる、ナメてないの問題じゃなく、気持ち作りでしたね。まあ、言いたいことは終わったら言います」と、モチベーションを上げることに難があった様子。  1週間前に見た映像の印象ではとの質問にも「分からないですけれど…本当に何も分からないです。摩嶋くんの時も言ったけれど、自分はいろいろな人といろいろなところで、海外でも日本でもいろいろな人と練習をさせてもらっている環境と、自分のところでやっている環境ってけっこう差が出るなって。特に組み技のことに関しては。いろいろなタイプの人とやった方が絶対に対応できるようになってくるし。やっつける練習とか自分の中のスタイルは強いんだろうけれど、ある程度封じ込められた時の対応力はあまりないのかなってイメージはありますけれど、されたらどうしようかというのは頭に入れてやっておきます」と、ひとつは対応力の低さを指摘した。  試合までに最後に答え合わせはするのかとの問いには「正直、映像を見たからどうこうでもなく、イメージがどうこうでもなく、実際に向かい合って組んでみて肌を合わせないと分からないところが7~8割はあるので。見た中で背が高いとか、右構え・左構えなのか、組み技系なのかストライカーなのかとジャンル分けは出来るけれど、組み力は自分じゃないと分からないところがあるじゃないですか。他人に力強いと言われてもそうでもなかったと思うこともあるし。そういう意味では実際組んでみて、自分の出すカード、勝負するカードを決めていきたい。その分、経験もたくさん、いろいろな人とやってきているし、いろいろな人と練習もしてきたし卓に並べているカードをトレーナーに選択してもらって、その中で当日勝負をしていこうかなってイメージですね」と、相手がどんなカードを出してきてもそれを上回るカードが出せるとのベテランならではの手法で勝負するとした。  続いてテーマを聞かれると「何だろうな…終活への第一歩。本当にいつ終わるか分からないので、負けてもう1回やめると言っちゃうこともあるし、だから悔いのないようにしたいなと思っています。15分間。それだけですね。誰かのためにとか誰かに届けたいという想いは一切なく、自分自身のために最後まで15分一生懸命に戦いたいと思います。テーマはそういうことになりますね」と答える。  イメージする試合展開は「多分、向こうが若いから仕掛けてくると思うし、それを受け止めるのか跳ね返すのかって展開じゃないですかね。打撃で来るのか寝技で来るのか、向こうが選択するべきことが多くなってくるとは思いますけれど、少し隙があったら、そこを突いてガンガン行こうかなと思っています。仕留めたいですよね。今回は圧倒的な内容でフィニッシュしたいというのがあります。それがテーマと言えばテーマですね」と、仕留めて勝つことを目指すとした。 [nextpage] 自分から強さをとったら何も残らない。強さという部分にはこだわっていきたい  山本はMMAのセオリーから外れたリズムだったり、今どき珍しく下になることをいとわないスタイルであるが、「自分の周りにいないタイプではあるので。でもそれも頭にいれながらというか…うちには所英男がいるので大丈夫です(笑)。所英男選手にもたくさん練習してもらっているし、なんちゃって仮想もやってもらっているのでね。本人が一番僕のことを心配していますけれど、彼なりにいろいろ考えてやってくれていると思うので。当日はセコンドに就いてくれるので、クレープ屋さんだけ予約しといてって指示だけしておきました(笑)。と、所と練習を積んできたから大丈夫だとする。  所は山本のセコンドである父・山本喧一のかつての弟子。セコンドとしての師弟対決という図式にもなる。金原は「U系なので」とし、これも試合の見どころのひとつとなった。  金原は以前から、ベテランとして意味のある試合をしたいと言っていたが、今回は意味のある相手だから受けたのかと聞かれると「それはちょっと違うかな。いろいろな事情もあるし、自分が望んだ相手ではないし。その中でもテンションを上げていく、気持ちを作るのは難しい部分でもあって。自分が望んだ相手というのとは少し違う」と否定。  その望む対戦相手として、ダブルメインの4人の中に入りたいのかと聞かれると「それは違うんですね。やりたい相手はもちろんチャンピオンだったりとかいろいろいますけれど、勝ってからじゃないと発言権はないですね。こんなこと言って俺、堀口くんとやりたいと思ってバンタム級で復活して負けちゃったから、こういうのも重なるなっていう部分があって。でも勝ってからじゃないと発言権はないと思うので、そこはまた楽しみにしててください。自分の中で言いたいことは言いたいって感じです」と、勝ってから言いたいと答えた。  若手の勢いvs.ベテランの老獪さとの見方については「そうなるでしょうね。逆だったら、自分がなんでこんなおじさんとやらなきゃいけないんだとなるし。でもそんなのは自分も超えていった壁も先輩方を超えていったこともあるし、逆にそういう壁にならなければいけないこともあるし。でもMMAは不思議なもので、他の競技よりも長く出来ちゃう。一個負けても一個で補えることが出来るので。自分の中ではまだ出来ると思ってリングに戻って来ているので、そこは超えさせないよってところはありますね。自分から強さをとったら何も残らないから、強さという部分にはこだわっていきたい」と、まだまだ超えさせないとキッパリ。  同じフェザー級の2試合がダブルメインの中、第2試合に組まれたことには「そこは俺が決めることじゃない。それは周りのいろいろな事情があってのカードの順番だと思うし。自分のことを言うなら早い方が好きなんですよ。なぜかって言うと試合開始時間って必ず決まっているので、そこから逆算して準備をしていけばいいから。自分の準備段階としては凄くいい。1試合目だろうが、メインだろうが、自分がやるのは自分の中ではメインイベントなので。だから試合順についてどうこう思うことはないですね」と不満はないという。  そして最後に「しっかりとMMAをみんなに見せたい、届けたい。自分の中の最後の作品じゃないけれど、それは見てもらいたいと思ってますけれどね」とのメッセージを残した。
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