2023年4月28日(金)東京・後楽園ホール『Krush.148』にて、第9代Krushスーパー・ライト級王座決定トーナメント・準決勝3分3R延長1Rで塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)と対戦する小嶋瑠久(ARROWS GYM)が公開練習を行った。
小嶋はフルコンタクト空手出身で、K-1甲子園2017 -65kg準優勝を経て2017年5月のKHAOSでプロデビュー。加藤虎於奈、平山迅、堀井翼らに勝利を収めるも、近藤魁成、山崎秀晃、不可思ら上位陣には阻まれている。2021年9月の「第2代K-1ウェルター級王座決定トーナメント」では1回戦で寧仁太・アリに判定負け。1月のトーナメント1回戦では松本篤人に判定勝ち。戦績は9勝(4KO)6敗。
「体がボロボロになるまで追い込めたので、今までの試合の中で一番いいコンディションというか、いい仕上がりに持ってこれましたね」と調整も上手くいったようで、公開練習でもシャドーボクシングを行ない、軽快な動きを披露してみせた。
今年1月『Krush.145』で行なわれたトーナメントの一回戦で松本篤人を破った小嶋だが、試合前に最愛の弟(良羽将)を亡くし、調整もままならない中での試合だった。しかし、そんな状況で、小嶋自身が「気持ちの強い選手で絶対に倒れない選手」と認める松本を判定で破ったのは大きかったという。「自分の穴だったり、もっとこうしたら試合を上手く運べたとかという気付きがたくさんあったので、自分の中で強くなれたと思います。一回戦で松本選手と当たれて凄い感謝していますね」と、身になった試合でもあったようだ。
また「弟の分も全力で生きなきゃいけないし、家族の光にならなきゃいけないなと凄く思って、毎日自分の舞台で輝くことが家族にとってもパワーになると思うので、俺はその光になりたいなという想いで頑張っていますね」と、辛い経験を乗り越えて、よりファイターとして強くなろという気持ちも強くなったという。
そんな中で迎える決勝トーナメントだが、準決勝の相手は塚本拓真だ。塚本について「一回戦の松本選手に近いというか、気持ちがあってどの選手に対しても諦めずに立ち向かっているなっていう印象ですね」と語った小嶋。また、自分が勝ち上がった場合、対抗ブロックから勝ち上がってくるのは、「実力が本当に拮抗しているので確信しているわけではないですけど」と断りを入れつつ、稲垣柊と予想。
その理由として、一回戦を見ていて稲垣が一番ノッていると感じたというが、それ以外にも「稲垣選手とは何度か練習をしたことがあって、知らない仲じゃないので、そこでどっちが強いか決められるのはワクワクもあるし楽しみですね」と、決勝で戦いたい理由もあるようだ。
ただ、準決勝も決勝も「全員KO決着で、どんな試合でも諦めずにぶっ倒していきたいなというのがあります」と果敢にKOを狙っていくと宣言。「2試合を見てとかトータル的にとか余力を残すとか、そんなことは全く考えてなくて、本当に1試合ずつ大事にしっかり戦えるように準備をしています」と、一試合ずつ集中して相手を倒しにいく姿勢で、決勝トーナメントに挑む。
決勝トーナメントに残った他の3選手に比べて、自分が一番強いのは「気持ち」と答えた小嶋。何よりもベルトにかける気持ちが他の誰よりも強いという。「K-1ファイターとして活躍するっていうのは弟の夢でもあったし、弟の憧れでもあったし、自分のことも憧れてくれていたので、とにかくそのベルトを巻いたカッコいい後ろ姿、輝いている姿、てっぺんを獲った姿を弟に見せてやりたいと思うし、一番喜ぶと思う」と、弟や家族の想いも背負うことで、チャンピオンになることへの想いもより一層強くなった。
「今回はしっかり練習してきたし確実に勝ちに行くんで、必ず僕が決勝に上がるし、ベルトを獲るんで覚悟しとけよって感じです」と、悲願のKrush王座戴冠に向けて、力強い言葉を放っていた。