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【Bellator】パッチー・ミックスが72秒KOでバンタム級GP優勝&暫定王者に! 女子フライ級マクファーレンが渡辺華奈にスプリット判定勝ち、菊入正行が失神KO勝ちで「日本人ナメんな!」、肩脱臼から復帰ピコがレスリング勝利、イナバ・スミコがオルティアガ破る

2023/04/23 08:04
Bellator 295: Stots vs. Mix 速報 2023年4月22日(日本時間23日8時30分からU-NEXT配信)※21日の「Bellator294」写真も追加米国ハワイ州ホノルル・ニール・S・ブレイズデル・センター※堀口恭司は、対戦相手のレイ・ボーグが体重超過で試合中止に ▼Bellator暫定世界バンタム級選手権試合&バンタム級ワールドGP決勝 5分5R×ラフェオン・ストッツ(米国)王者 19勝2敗[1R 1分12秒 KO] ※左ヒザ〇パッチー・ミックス(米国)18勝1敗※ミックスがGP優勝で100万ドル獲得、バンタム級暫定王者に   メインイベントは、優勝賞金100万ドル(約1億3700万円)の「Bellatorバンタム級ワールドGP」決勝戦&暫定王座戦。  1年前のハワイ大会で開幕したバンタム級ワールドGP。パッチー・ミックスは、堀口恭司を判定で撃破し、12月にマゴメド・マゴメドフも2R ギロチンチョークに極めて決勝に進出した。かつてRIZINでは元谷友貴にも一本勝ちした戦績も持つ。  そして、もう1人の決勝進出者はラフェオン・ストッツ。同じくハワイ大会でフアン・アーチュレッタを3R、左ハイキックでKOし、12月の前戦でダニー・サバテーロをスプリット判定で下して決勝に進出した。  1年ごしのGP決勝を制するのは進境著しい寝技師ミックスか、身長では10cm低いもリーチでは2cm上回るレスリングベースのトータルファイター・ストッツか。  12月大会のメインのストッツvs.サバテーロは、5Rにわたり組んでコントロールしたサバテーロに対し、前進を続けたストッツがワンツーの左、グラウンドヒジ、ヒザ十字をセットし、スプリット判定でバンタム級王座防衛&GP決勝進出を決めた。  圧巻だったのは、コ・メインのパッチー・ミックス(米国)。かつて元UFC世界王者のピョートル・ヤンと1勝1敗の戦績を持つダゲスタンのマゴメド・マゴメドフ(ロシア)を相手にミックスは、2R ギロチンチョークを極めて失神させ、決勝進出。マゴメドフにキャリア初の一本負けを記録させている。  ミックスにとっては、2度目の王座挑戦。今回は賞金100万ドルのGP優勝もかかる。2020年9月にフアン・アーチュレッタとのバンタム級王座決定戦で5R判定負けしたミックスは、当時キャリア14戦目にして初黒星を喫し、王座獲得に失敗。  しかし、その後もアルバート・モラレスを3R 肩固めに極めると、ジェームズ・ギャラガーも3Rにギロチンチョーク葬。堀口恭司にこそ一本勝ちを得ることは出来ずにバックを奪い判定勝ちも、前回のマゴメドフ戦のギロチン勝利で、再び連勝街道に乗っている。  試合後の会見でミックスは「いまの俺は世界中の誰でも極めることが出来る。ジムではタップするのが普通だが、試合ではなかなかタップしない。だから絞め落として気絶させることができるんだ」とギロチンチョークに自信を見せた。ミックスはバンタム級GPで、自身が最もフェイバリットだと信じている。 「この週末、みんなに言っているんだけど、僕はこのトーナメントで優勝候補なんだ。どうする? これからが本番だ。俺が優勝候補なんだ。なぜか知りたいか? 準決勝のあの2人(ストッツvs.サバテーロ)を見てみろ。あいつらも“チョークの先”に連れていける」  ミックスとストッツの勝者は100万ドルの小切手を手にし、暫定バンタム級のベルトを手にする。そこから、ヒザの手術から復帰の正規王者セルジオ・ペティスvs.パトリシオ・ピットブルの「6.16 Bellator297」の勝者との戦いが待っている。  1R、サウスポー構えのミックスがジャブで前に。ストッツもサウスポー構えで左ロー。ミックスは左を振って組んでダブルレッグを狙うも、ストッツは外す。ミックスはフェイントから前蹴り。ストッツは右ボディストレートも突く。  ミックスは、右ジャブ。右で入ろうとしたストッツに、ミックスはカウンターの左ヒザのテンカオ! さらに左ストレートも突くと、ストッツは後方に大の字でダウン! 72秒、ミックスはパウンドに行く素振りもなく、ケージに登った。  試合後、GP優勝で100万ドル獲得&暫定王座についたミックスは、「みんな俺がグラウンドで戦うしか脳がないと思ってたかもしれないけど、ヒザ蹴りの練習をしていたんだ。(6月16日のバンタム級正規王者セルジオ・ペティスvs.フェザー級王者パトリシオ・ピットブルのどちらと戦いたいか?)どちらでも問題ない。見てやるぜ」と語った。  また試合後の会見では、「右ジャブにストッツが右に頭を傾ける癖を研究していて、そこに左ヒザを狙っていた」とも明かした。 [nextpage] 渡辺華奈が再三投げるも、打撃当てたホームのマクファーレンがスプリット判定勝ち ▼女子フライ級 5分3R〇イリマレイ・マクファーレン(米国)13勝2敗[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×渡辺華奈(日本)11勝2敗1分  また、女子フライ級の地元マクファーレンはMMA12勝2敗。2017年11月にエミリー・ダコートを腕ひしぎ三角固めに極めて同級初代王座を獲得すると、アレハンドラ・ララ、ヴァレリー・レターノー、ヴィータ・アルテアガ、ケイト・ジャクソンを相手に4度の王座防衛。  2020年12月にジュリアナ・ヴェラスケスに判定負けを喫し王座から陥落した。2022年4月にはジャスティン・キッシュにも判定負けで連敗も、2022年8月にブルーナ・エレンにスプリット判定勝ちで再起を遂げている。  対する渡辺はMMA11勝1敗1分け。2019年12月のBellator日本大会でイララ・ジョアニに3R TKO勝ち後、2021年4月にアレハンドラ・ララにスプリット判定勝ちで2連勝。  しかし、2021年6月に現王者のリズ・カムーシュに1R TKO負けでキャリア12戦目で初黒星。眼窩底骨折の手術を経て、2022年5月にデニス・キールホルツ戦で復活。2R 三角絞めを極めて再起を果たした。昨年夏にはハワイでアンジェラ・リーと合宿も行っている。  ランキングでは渡辺が上位の2位でマクファーレンが3位。柔道ベースの投げと寝技の強さが際立つ渡辺に対し、マクファーレンもハワイ州高校レスリング王者からサンディエゴの10thプラネット柔術ベースの寝技を誇り、掌底有りのコンバット柔術仕込みのパウンドも武器にする。その分、寝技での時間は渡辺にとっても勝機があるともいえる。  マクファーレンは元王者として打撃にも進化を見せており、そのオーソの打撃に対し、キーホルツ戦で見せたサウスポー構えが組みにも奏功した渡辺にとっては、やはり打撃で遅れを取りたくない。  ガードからの仕掛けも得意とするマクファーレンに対し、そこは渡辺も得意とするところだが、サイドを奪う投げからトップを取るのが勝利への道筋か。  勝って前日にベネットに逆転の一本勝ちを決めた王者カモーシェへの挑戦を決めたい渡辺は、アウェーでの大一番に向け、「4.22 in Hawaii The time is now! That's all! 時は来た!! 相手は元チャンピオン。ベストを尽くして勝ちます! さぁ、行こうか」と意気込んでいる。  柔道衣で入場の渡辺。花道で「行くぞ!」と叫び、ケージイン。マットで前転を見せる。12歳で虐待に遭ったマクファーレンはMMIW活動のビデオをバックに、ハワイ先住民のダンスをバックに入場。マット上でステップして回り、渡辺と拳を合わせる。  コールにブーイングを受けた渡辺は「来い」と強気を見せる。マクファーレンはコールに両手を合わせる。  1R、サウスポー構えから入る渡辺。オーソのマクファーレンは右のダブルから入る。右インローも。右手前の渡辺に左ジャブを当てるマクファーレン。それをかいくぐった渡辺は上組みで奥襟を取って押し込み、脇を潜り、スタンドバックに。  右足をかけようとする渡辺は背中に乗ろうとするが、引手を取って払い腰テイクダウン! そのままバックにつこうとするが、落としたマクファーレン。シングルレッグの渡辺にキムラを狙う。  腕を抜いた渡辺。前重心の顔にワンツーはマクファーレン。渡辺は右目周りをカット。右ストレートを突くマクファーレン。出血が多くなる。  右前手を突く渡辺。ダブルレッグテイクダウン! パスガードからマクファーレンの立ち際にバックにつくと後ろ三角狙いから腕十字に行くもゴング。  2R、前に出る渡辺は距離を詰めて組みに。マクファーレンは右ストレートを突く。シングルレッグの渡辺に、片足立ちで金網背にするマクファーレン。小手に巻くと、渡辺は正対から足払い!  すぐに立つマクファーレンをまたも崩した渡辺に、マクファーレンは下からキムラ狙い。そこをまたいでカウンターの腕十字狙いの渡辺。下のマクファーレンはセンタク挟み狙いも頭を抜く渡辺はサイドから左で枕に、右で細かいパウンド。  ケージを蹴って亀になって立つマクファーレンにすぐについて大内刈テイクダウンは渡辺! インサイドガードには入るが、上からパウンドを狙う。クローズドガードのマクファーレンに左で押して右でパウンドを打ち込む。下からヒジを突くマクファーレン。渡辺は残り10秒で鉄槌も手数が欲しい。  3R、グローブタッチ。詰める渡辺は金網に詰めると右で差して足払い。残すマクファーレンにそこで小手巻く渡辺は内股! しかし左で差すマクファーレンは立ち上がるが、なおも小手に巻く渡辺は内股でマクファーレンを投げて回す。  背中をつかせる渡辺! サイドから亀になって立つマクファーレンにスタンドバックにつく渡辺は左足をかけるが、マクファーレンも正対。  左で差すマクファーレンは離れるも、そこにシングルレッグは渡辺。片足立ちのマクファーレンは左で小手巻き。右で差す渡辺は左で細かいパンチ。一転ダブルレッグにトライする。  凌ぐマクファーレンはヒジを突くが組む渡辺が押し込みゴング。組みの渡辺は2、3Rを投げて削って取ったか。1Rに出血させ、3Rに投げられながらも際の打撃はマクファーレンにも。ストッツ戦のサバテーロのコントロールが評価されなかった試合からも投げての打撃がどこまで有効打があったか。  判定は2-1(29-28×2, 28-29)でホームのマクファーレンが勝利。勝者はコールに小さく首を横に振り、渡辺の右手を掴んであげた。  試合後、マクファーレンは「カナを尊敬する。アメイジング・グラップラーだった。どちらが勝ってもおかしくなかった。テイクダウンされて組みではカナが上だったけど、右のダメージがよりポイントになったと思っている。コーナーたちが適切に右が空いていると言ってくれたから当てられた。ブギー・マルティネス、PJバーチらに感謝したい。(ケージサイドで観戦したカモーシェに)愛している。いずれ王座を争うことになる。12月にハワイで彼女と戦いたい」と、語った。  また、試合後の会見では、「1Rを取って2Rは取られていると思っていた。ストライカーは怖いけど、ワタナベには投げがあるからケージ際でアンダーフックも出来ないほどスペースを潰され投げられた。この展開だと判定で勝てないと思って3Rに行った。トップキープするだけでは勝負は決まらない。有効打も自分の方が多かった」と接戦を振り返っている。 ・渡辺華奈、いざハワイ決戦。レスリング出身マクファーレンの「上を行くようなレスリング力と柔道の力を磨いてきた」 [nextpage] ▼165ポンド契約 5分3R〇ヤンシー・メデイロス(米国)17勝8敗[1R 4分39秒 リアネイキドチョーク] ×チャーリー・レアリー(英国)17勝14敗1分  堀口恭司vs.レイ・ボーグの中止により、メインカードに昇格した165ポンド契約試合。元UFCのメデイロスはホームの大歓声を受ける。2022年4月のハワイ大会でBellatorデビューし、エマニュエル・サンチェスとライト級で対戦し判定勝ち。17勝13敗1分のレアリーはBellatorでは3勝4敗。欧州大会から出場は初。初めて米国大会に出場する。  1R、ともにオーソドックス構え。右ローを突くメデイロス。レアリーはそこに右ストレートを狙う。さらにワンツーの右を当てる。左ボディを打つメデイロス。そこにも右をカウンターで狙うレアリー。ワンツーの右を当てる。左で差して押し込むメデイロスだが、突き放すレアリーが左ジャブを当ててメデイロスの右目周辺を腫らさせる。  右から左のレアリーに右をかぶせて当てたメデイロス! 立ち上がったレアリーは足がふらつく。そこにメデイロスは左ストレートを当てて再びダウンを奪う。さらに立ち上がるレアリーに左右を当てるとレアリーは頭からマットに崩れる。  ここも止めないフランク・トリッグレフェリー。メデイロスはサイドバックからパウンドを連打し、バックにつくと、リアネイキドチョーク! レアリーがタップした。  試合後、メデイロスは「英国人をディスるつもりはないけど、ハワイ大会で俺に勝てるとでも? ハワイ、愛してる!」と語った。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇アーロン・ピコ(米国)11勝4敗[判定3-0] ※30-27×3×ジェイムス・ゴンザレス(米国)10勝6敗  2022年10月のジェレミー・ケネディ戦で左肩を負傷し、試合中に強引にセコンドが脱臼をはめようとするもレフェリーストップとなったフェザー級3位のアーロン・ピコ(米国・10-4)が復帰戦。LFAからBellatorデビューを果たすオットー・ホドリゲス(ブラジル・13-1)と対戦する。  1R、サウスポー構えから左ミドルハイ、右ハイ、右サイドキックを繰り出すゴンザレス。ピコは左を振って金網に詰めて組むが、脇を差せずここは離れる。2度目のワンツーから組むピコ。ここも差さず左ボディ! しかし、ゴンザレスも右フックをテンプルに。バランス崩したピコだが、左右で詰めて左右のボディ打ちで金網に詰める。  後ろ廻し蹴りのゴンザレスを詰めて右ボディアッパー、左ボディ打ちはピコ。ゴンザレスは鼻血。なおも左右で金網に詰めクリンチボクシングで左ボディを2連打。離れると右ハイ。ゴンザレスはサウスポー構えから左ハイ。そこを詰めてダブルレッグテイクダウン。ゴンザレスの立ち際に右ハイを打つ。  2R、サウスポー構えから右前手、大きな左フックを空振りすると、そこに組むピコ。ハイキックを見せてから、脇を潜りボディロックテイクダウン。肩ヒザも立ちのゴンザレスに頭をつけてパウンドも、背中をつけないゴンザレスは立ち上がり際に左を突く。  スタンドで再びシングルレッグテイクダウンのピコ。立ち際を右を浴びて崩れたゴンザレスにパウンドを打ち込むが、手をもたれると押さえ込まずに立ち上がるスタンド勝負に。詰めて左ボディを突くピコ。しかし、ゴンザレスは押し返し前に。そこにスタンドでサイドについてドライブして崩したところでゴング。  3R、開始10秒でシングルレッグテイクダウンはピコ。ここも足ハーフでヒザを腹につけられると自ら立つピコ。2度目のテイクダウンもハーフから立ち上がり、削ることはせず。ゴンザレスの大きな左を掻い潜り、またもテイクダウン。半身のゴンザレスはニーシールドに。ここも離れるピコは徹底したスタンド&テイクダウン勝負か。  右アッパーを当てるピコ。しかしフィニッシュ負けは無いゴンザレスは左右の蹴りで前に。さらに右を振り、後ろ廻し蹴りもかわしたピコが詰めて金網に押し込みクリンチボクシング。ゴンザレスは跳びつき十字も切るピコ。前に出るゴンザレスにピコも応戦しゴング。  判定は3-0(30-27×3)でレスリングで戦ったピコが勝利。試合後、ピコは「タフな相手にコーチの指示通りで安全に戦った。(パトリシオが135ポンドに挑戦している間の)空位のフェザー級王座に挑戦したい」と語った。会見でもジェレミー・ケネディとの暫定王座戦を望んでいる。 [nextpage] 【プレリミナリー】 ▼フェザー級 5分3R〇マッズ・バーネル(デンマーク)17勝5敗[判定3-0] ※30-27×3×ジャスティン・ゴンザレス(米国)14勝2敗  フランク・トリッグがレフェリーとして裁くフェザー級戦。6位のバーネルと7位のゴンザレスが対戦。  1R、ともにオーソドックス構え。ワンツーの右を下から伸ばすゴンザレス。ブロッキングで前に出るバーネルにシングルレッグのゴンザレス。そこに引き込み気味に下になりレッスルアップで上を取り返したバーネルは、サイドを奪うと、ヴォンフルーチョークも狙う。  ハーフから立ち上がり際のゴンザレスを脇差し寝かせるバーネル。上から背中を着かせて細かいパウンド。ゴンザレスが両足を戻してゴング。  2R、いきなりダブルレッグテイクダウンはゴンザレスだが、下から足をかつぎスイープのバーネルが立ち上がり金網まで押し込みテイクダウン。首を抱えるゴンザレスにサイドに出て横四方。ハーフに戻すゴンザレスはブリッジも返せず。半身になるとそこに片手でパウンドし、パスガード、ノースサウスチョーク狙い。そこで立ち上がったゴンザレスにシングルレッグで押し込み。ギロチンを狙うゴンザレスに、自ら引き込みゴング。  3R、左右を突くゴンザレスだが、ダブルレッグを切られそうになるとガードに。セコンドの「テイクダウンに行くな」の指示を聞けず下になると、バーネルは下の手を後ろ手に縛って片手でパウンド。  あえてハーフガードの中に入り、手首をコントロールしたままパウンドで削り、最後はサイドに出てパウンド。ゴンザレスは下からバギーチョークを狙うが、組めず。バーネルが上のままゴング。  判定は3-0(30-27)のフルマークで組みで上回ったバーネルが勝利。アダム・ボリッチ、ペドロ・カルバーリョ戦の判定負けから再起を果たした。ゴンザレスは、カマカ3世、アンドリュー・フィッシャー戦の2連勝でストップ。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇カイ・カマカ3世(米国)11勝5敗1分[判定3-0] ※30-27×3×アドリ・エドワーズ(米国)9勝3敗  1R、右カーフを打つエドワーズ。カマカ3世はスピーディーダブルレッグも、切るエドワーズは右アッパーを突く。さらに四つから小外刈のエドワーズは捨て身気味も互いに同時に立ち上がる。カマカ3世のヒザ蹴りがローブローとなり中断。再開。  右ハイを突くエドワーズにボディロックテイクダウンを狙うカマカ3世。しかしスクランブルですぐに立つエドワーズ。カマカ3世は左ジャブを当てて前に。さらに左ミドルをヒット! 徐々に圧力をかけるカマカ3世。エドワーズは右カーフを2度。  さらに右ロー。しかしカマカ3世も左ハイをブロック上に。カマカ3世も右ローを返し、スイッチして左ミドル。右ストレートを突いてダブルレッグも、差し上げるエドワーズ。カマカ3世は左ボディも離れるエドワーズは左ミドル。その蹴り足をカマカ3世が掴んでゴング。  2R、詰めるカマカ3世は右カーフ.エドワーズも下がりながら右ハイも。左ミドル、左三日月蹴りを腹に突くカマカ3世は、ワンツーの右! さらに右ストレートから左ミドルをヒット。しかしエドワーズも右カーフを返す。左ミドルを腹に突くカマカ3世。下がるエドワーズは左を振ってダブルレッグも、カマカ3世は切ると、左の蹴りをボディに当てる。さらに右スレートから左ミドルを対角線攻撃いを当てる。  3R、巻き返したいエドワーズは前に出て右を振るが、そこにシングルレッグテイクダウンはカマカ3世! スクランブルですぐに立つエドワーズ。右カーフを狙うが、そこにカマカ3世はカウンターの右、さらにダブルレッグでドライブしてテイクダウン! 立ち上がるエドワーズは右ハイ。左フックから組んで右ヒザも、カマカ3世はボディ打ちから右ストレート。最後はノーガードで向き合いゴングを聞いた。  2022年4月にジャスティン・ゴンザレスにスプリット判定負けしたカマカ3世だが、12月のケビン・ボエム戦の3R TKO勝ちに続き、今回のアドリ・エドワーズ戦でも判定3-0で勝利。2連勝を決めた。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇スミコ・イナバ(米国)6勝0敗[判定3-0]×ヴェタ・オルティガ(米国)7勝5敗  1R、オーソドックス構えからワンツーで前に出るイナバ。2連勝中のオルティアガもジャブの刺し合いも、イナバはワンツー、左ハイと蹴りに繋ぐ。  細かいステップで出入りするイナバにカウンターを狙うオルティアガ。しかし、イナバの左ハイにオルティアガは一瞬動きが止まる。出入りから首相撲も見せたイナバは離れて、ワンツー、オーバーフックで組むオルティアガを剥がしてヒジを突く。  イナバの右ヒジをかわして右ストレートを当てるオルティアガ。左ジャブがシャープなイナバは右前蹴り、左ハイ。ワンツーの真っ直ぐのイナバにオルティアガは左バックフィストもかわすイナバ。  2R、ワンツーから踏み込んでの右ストレートを当てるイナバ。オルティアガの右は遠い。ワンツーから左ハイをブロック上に当てるオルティアガ。イナバは上体を立てて、右ストレート、左ミドルハイ! オルティアガは左目尻から出血。さらに左ジャブにオルティアガのアゴが上がる。  右ミドルを掴もうとするオルティアガだが、足を抜くイナバは、ワンツーからオルティアガの打ち返しはバックステップでかわす。イナバはさらに左ジャブのダブルからワンツーの右を当てるとオルティアガの出血が多くなる。強引に詰めるオルティアガは左ジャブの刺し合いからシングルレッグも、足を抜くイナバ。  3R、ジャブを刺すイナバは左ダブルからワンツースリーと連打に繋ぐ。イナバの圧力に金網背にするオルティアガ。いきなりの右も顔面をとらえる。追うオルティアガに、足を動かし、右回りのイナバ。  正確な左ジャブを突き、右ストレートも当てるイナバは、オルティアガの打ち返しはかわす。バックフィストをかわしたイナバは右ストレート! さらに左前手フックも使うイナバは、残り10秒でラッシュ! オルティアガを金網に釘付けにしてゴング。  判定は3-0(30-27×3)のフルマークでイナバが勝利。7位のオルティアガを下した9位のイナバは、精緻なスタンドで一気に上位戦線を狙える勝利を得た。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇アーロン・クルーズ(米国)11勝4敗[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×ボビー・キング(米国)12勝6敗 [nextpage] ▼ヘビー級 5分3R〇ダヴィオン・フランクリン(米国)6勝1敗[判定3-0] ※29-28×3×カシム・アラス(ドイツ)7勝2敗 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇ブルーナ・エレン(ブラジル)7勝4敗[判定3-0] ※29-28×3×イララ・ジョアニ(ブラジル)11勝7敗 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇菊入正行(日本)9勝2敗1分[2R 4分33秒 KO] ※右ストレート×アレクセイ・シュルケヴィッチ(ロシア)13勝6敗  第14代ウェルター級キング・オブ・パンクラシストの菊入は、MMA8勝2敗1分の27歳。184cmの長身を活かしたアマチュアキックボクシングベースの打撃を武器に、NEVER QUITで組み技も強化。2021年10月の村山暁洋戦で判定勝ちし、ウェルター級王者となった。  対するシュルケヴィッチは、MMA13勝5敗の30歳。Bellatorでは2021年10月にグラチク・ボジヤンに1R TKO勝ち。2022年2月の前戦では『Shlemenko FC 3』に参戦し、ヘナト・ゴメスのバックフィストに敗れている。ボジヤンが元LFAのデマルケス・ジョンソンに勝利していることもあり、シュルケヴィッチはウェルター級のランカーではないものの中堅に位置するといえる。  ともにオーソドックス構えで、身長184cmの菊入に対し、9KO・TKOのシュルケヴィッチは身長175cmながら、リーチは184cmと遜色なく、打ち合いも辞さないタフファイター。オーソからの左の打撃、さらに要所で繰り出すヒザ蹴りにも注意が必要だ。  サブミッションでの勝利はRNCが一つだが、組みで上回る相手には積極的に組むこともあり、相手のテイクダウン狙いにはキムラで応戦も見せる。とはいえ、ストライカーであることは間違いなく、菊入としては振って来る相手に精緻な打撃と粘り強い戦いで後半にスタミナ消耗があるシュルケヴィッに競り勝ちたい。  1R、ともにオーソドックス構え。先に右ローは菊入。シュルケヴィッチはそこに右を狙う。右カーフを当てる菊入。右から左で飛び込むシュルケヴィッチ。さばく菊入は、左前手フックも空振りも左前蹴りを腹に突く。さらに右カーフ!  シュルケヴィッチは左ジャブのダブル。さらに速い右。ブロック、額で受ける菊入はシュルケヴィッチの左右にステップバックでかわして左右で押し戻す。互いに左フックの打ち合いからインローが菊入にローブローに。手を挙げる菊入は中断。再開。  詰めて右から左を当ててダウンを奪う菊入! しかし立ち上がるシュルケヴィッチ組んでスタンドバックに。そこで体を入れ替える菊入にクリンチで手首をつかみヒジ、シュルケヴィッチは左フックを当て返して、菊入の動きを止めると、菊入はクリンチで凌ぐ。  2R、シュルケヴィッチの入りに左に抜けて右をかすめる菊入。ジャブ・ローで組み立てる菊入に、シュルケヴィッチも左インロー。ジャブで測る菊入に、前手の左フックはシュルケヴィッチ。それをかわして右から左ボディを突く菊入。左前蹴りを腹に。  前手左フックを右手のガードを上げて防ぐ菊入。ワンツースリーにはステップバック。ワンツーの右をかすめるシュルケヴィッチ。さらにワンツーの右ストレートに菊入は後退! しかし菊入はジャブで押し返し、スイッチしながら左の蹴りを上下に突く。右を互いに当て合う両者!「丁寧に」という安藤代表の声に、ジャブ・ローを突く菊入はワンツーで左ジャブのダブルから右ストレート! アゴを打ち抜かれたシュルケヴィッチが後方に倒れて失神! パウンドで飛び込んだ菊入にすぐにレフェリーが間に入った。  ケージに登った菊入は「日本人ナメんな!」と咆哮。Bellatorデビュー戦で見事、2R 4分33秒、KO勝ちを決めた。  倒し倒されの激闘のなか、右のガードを上げて最後は丁寧にジャブ・ローを突き、左ジャブダブルから右ストレートでKOした菊入は、「振った右が当たった感じ。ランキング入りできるように一つひとつ勝っていくだけです」と語っている。 ・菊入正行「アモソフ? クソ強い。一つひとつ勝てばランカーに手が届くようになる」
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