【Bellator】コーカー代表、堀口戦で7ポンド超過のボーグに「彼は諦めた。ホリグチほど試合を望んでいなかったのかもしれない」「ホリグチに数カ月後にまた試合を組みたい」、契約解除で引退表明のボーグに榊原CEOは「酷い話」

　2023年4月22日（日本時間23日）米国ハワイ州ホノルル・ニール・S・ブレイズデル・センターで行われる『Bellator 295: Stots vs. Mix』（U-NEXT配信）に出場予定だった堀口恭司（日本）が、対戦相手のレイ・ボーグ（米国）の大幅体重超過（7ポンド/3.17kg）により、試合が中止になった件について、スコット・コーカー代表が声明を発表した。また同日に、ボーグは引退を表明した。 　もともと、フライ級（125ポンド/56.7kg）戦で戦う予定だった両者の試合は、ボーグの申し入れから130ポンド（58.96kg）契約試合に変更。その130ポンドもボーグは守れず7ポンドオーバー。コーカー代表は「いくつか対応を提案（※135ポンドのバンタム級戦に変更案も）をしてみたけど、彼は諦めた。ホリグチほど試合を望んでいなかったのかもしれない」と失望の表情を浮かべた。 　ハワイ入りしたボーグはいったい何kgオーバーしていたのか。体重管理ができなかったマネージメント、その把握が直前になったBellatorは、130ポンド契約に変更していたこともあり、フライ級のバックアップファイターを用意できなかった。 「もしこれが何日か前に分かったら、他の相手を一所懸命探したのだが、試合の前日というのはあまりにもギリギリすぎた。ホリグチに見合う対戦相手を見つけるのは無理だった」とコーカー代表は、険しい表情で語り、「これからダン・ランバート（ATTオーナー）と相談して、我々としてはホリグチに数カ月後にまた試合を組みたいと思っているけど、まだ何も今は決まっていない」と、堀口の試合について語った。 　続けて「対戦相手のレイ・ボーグについては、我々は彼をリリースした。もう既に彼はBellatorの選手ではない」と契約解除を通告したことを明かした。 　同日に、ボーグは自身のSNSで「この週末は予定通りには進まず、私は戦わないことになった。またこのようなことが起これば、引退するだろうと自分に約束していた。だから私は正式に試合から降り、引退する。これまで失望させてしまった人たちに正式に謝罪し、このクレイジーな年月の間、私の側にいてくれた人たちに感謝したい。私はこれから、人生において異なる旅に出ます。いつもチームボーグでいてくれた皆さんに感謝します。愛してます」と引退を表明している。 　現地入りしていた榊原信行CEOは「恭司の試合が流れてしまいました……対戦相手のレイ・ボーグがキャッチウェイトすら作れず引退するそうです。酷い話ですね」と記し、一方で「渡辺華奈の試合は無事、両選手計量パスしました。対戦相手は地元出身の人気選手、イリマ＝レイ・マクファーレン選手なので、明日会場が無茶苦茶盛り上がる一戦となりそうです」と、堀口以外にも2人の日本人選手（渡辺華奈、菊入正行）が出場するハワイ大会を視察していくことを語っている。 　コーカー代表は「実際こんなにひどいのはとてもレアケースなんだ。とにかく堀口は何も間違いを犯していない。本当に申し訳ないと思うし、責任も感じる。必ず穴埋めをしないといけないと思っている」と語り、一息をつくと、「何だかここではそういう事が多く起きている気がしている。ハワイっていうのはやっぱり人ものんびりしてしまうというか、バカンス気分になって、ちょっと体重管理も疎かになるんじゃないだろうか……」とつぶやいた。 　試合中止に、堀口はSNSで「今回の試合流れてしまいました……楽しみにしていた皆様本当に申し訳ありません また、しっかり楽しい試合が見せられるように作ってきます！」とのコメントを発表している。 　フライ級戦に向け体重を作った堀口の次戦はどうなるか。試合をしなくても、そこに向かう練習での追い込みや減量で身体は削られる。そのコンディションをある程度キープして次戦に向かうのか、いったん休息を入れるか。スコット・コーカーBellator代表、そしてRIZIN榊原信行CEOは、堀口の次戦について話し合う予定だ。 [nextpage] 当初の予定から合計12ポンド（5.44kg）増えたことになる。選手にとっては大き過ぎる差だ ──堀口恭司選手とレイ・ボーグ選手の試合が、ボーグ選手の体重超過により、中止となりました。状況を教えてもらえますか。 「本当に残念だけど、レイ・ボーグが体重超過となった。いくつか対応を提案をしてみたけど、彼は諦めた。彼は経験もある選手だったのでいい試合になると思ったんだけれど、堀口ほど試合を望んでいなかったのかもしれない。 　堀口は3カ月ずっとフライ級で準備を続けてきて、何も間違いをしていないから、本当に申し訳なく思う。家族や彼の仲間もわざわざハワイに来てるのに……。もしこれが何日か前に分かったら、他の相手を一所懸命探したのだが、試合の前日というのはあまりにもギリギリすぎた。堀口に見合う対戦相手を見つけるのは無理だった。 　堀口にはこれからダン・ランバート（ATTオーナー）と相談して、我々としては数カ月後にまた試合を組みたいと思っているけど、まだ何も今は決まっていない。対戦相手のレイ・ボーグについては、我々は彼をリリースした。もう既に彼はBellatorの選手ではない」 ──最終的にレイ・ボーグは何ポンドオーバーしたのでしょうか。 「そもそもは125ポンド（フライ級）で戦う予定だった。レイ・ボーグも最初はそれで同意していたんだ。その後、3、4週間後に気持ちが変わったんだろうか、130ポンドの希望を出してきたけど、堀口は130ポンドでも自信があったから受けたんだよ。それから今日に向けて減量をしたんだけど、今日の時点でまだ7ポンド（3.17kg）オーバーしていた。堀口は130で、レイ・ボーグは137。これは重すぎるよ。コミッションも認めていないはずだ。 　選手は基本的に契約体重で戦わないといけないからダン・ランバートと彼のチームは話し合ったと思う。すでにキャッチウェイトでOKをして5ポンドの猶予を与えているのに、それでまた7ポンドなら、当初から合計12ポンド（5.44kg）増えたことになる。契約体重の10％だよ……選手にとってはめちゃくちゃ大きい差だ。1ポンドかもしかしたら2ポンドだったら調整が考えられるかもしれないけど、10％は大きすぎる。そんな大きい差での試合はあり得ないよ」 ──このことについて堀口選手とは話しましたか？ 「朝の時点では、まだキョージとは直接話していないよ。マイク・ブラウンとダン・ランバートに話して謝罪をした。こういう競技の中では起こり得る事だと理解してもらえたが、まぁ、実際こんなにひどいのはとてもレアケースなんだ。本当に申し訳ないと思うし、責任も感じる。必ず穴埋めをしないとといけないと思っている」 ──ハワイ大会はほかにも体重超過がありましたね。 「何だかここではそういう事が多く起きている気がしている。ハワイっていうのはやっぱり人ものんびりしてしまうというか、バカンス気分になって、ちょっと体重管理も疎かになるんじゃないだろうか。とにかく堀口は何も間違いを犯していない。彼には可能な限りのチャンスを与えてあげたいのに、今回は叶わなかった」