2023年6月3日(土)神奈川・横浜武道館『K-1 WORLD GP 2023』の第一弾対戦カード発表記者会見が、4月14日(金)都内にて行われた。
2021年5月にK-1が横浜武道館で初開催された時に「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」が行われ、K-1バンタム級の歴史が本格的にスタートしたということで、今大会ではバンタム級の4試合が組まれた。
▼スーパーファイト バンタム級 3分3R延長1R黒田斗真(K-1ジム心斎橋チームレパード/K-1 WORLD GPバンタム級王者)ラマダン・オンダッシュ(レバノン/IFMA世界ジュニアムエタイ王者)
黒田は小学3年生で少林寺拳法を学び、その後キックボクシングを始める。しかし次第にドロップアウトし、格闘技から離れていた時期もあったが、兄・勇斗からの『お前と一緒に格闘技をやりたい』という手紙をきっかけに再び格闘技の道へ。2021年5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では圧倒的な強さで優勝を果たした。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではRISEの風音に延長戦の末に判定負けしたが、12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」で優勝し、初代王座に就いた。戦績は11勝(4KO)3敗1分。
オンダッシュは4歳からムエタイを学び、中国・アジア諸国のアマチュア大会で活躍。アマチュアでアラブ・ジュニアムエタイ選手権2016~2018年三連覇など108勝3敗5分の戦績を持ち、SNS上で“天才ムエタイ少年”や“怪物”や“神童”と紹介され、プロデビュー後も3勝(2KO)無敗。の16歳。中村拓己K-1プロデューサーは「名前を検索してもらえれば子供の頃から試合している映像がたくさん出てくるのでぜひ見てもらいたい。他の選手とは持っているものが違うと思わせる才能あふれる選手です。未来のスター候補と言ってもいい選手がK-1のリングに上がることになった」と期待をかける。
そのオンダッシュからは「初めての日本、初めてのK-1で試合が出来ることを嬉しく思う。今回の試合はハッキリ言って楽勝だ。9歳の時に始めてタイで試合をした時にタイ人はみんなビックリしていた。今回もそれと同じことが日本で起きると思う。楽しみにしていてくれ」と、16歳とは思えない太々しいコメントが寄せられた。
迎え撃つ黒田は「K-1王者になってから初めての試合なので、王者にふさわしい試合をしたい。最近KOがないのでしっかりKOして、王者にふさわしい試合をお届けできたらと思います」とKO宣言した。
▼バンタム級 3分3R延長1R池田幸司(ReBORN経堂/Krushバンタム級王者)ペットモンコン・スーンキラーフォイトム(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王者)
池田は幼稚園から始めた空手をバックボーンに持ち、アマチュアでは無敗を誇り、2019年にはK-1カレッジ優勝。同年10月にKrushでプロデビュー。2021年5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では1回戦で黒田斗真にKO負けを喫したが、その後は連勝して2022年3月に壬生狼一輝を判定で破りKrushバンタム級王座に就いた。7月には野田蒼をKO、今年2月には松谷桐をKOして2度の防衛に成功している。2022年12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」では準決勝で石井一成に敗れて3位に。戦績は10勝(6KO)4敗。
ペットモンコンは元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王者の肩書きを持つ22歳で、戦績は59勝(11KO)12敗2分。中村Pは「パンチと蹴りのコンビネーションが得意で、アグレッシブなスタイル。K-1ルールでやっても普段のムエタイとスタイルが変わらないのではないか」と紹介した。
そのペットモンコンからは「K-1ルールで試合をするのは初めてだが楽しみです。池田もムエタイに近い選手だと思うが、私の方が上だということをお見せしよう」とのコメントが読み上げられた。
池田は「元ラジャダムナン王者だということで、世界トップ選手とやれることにワクワクしています。最高の試合を見せたいと思います。今回はバンタム級の選手がたくさん出ますが、この中で僕が倒せる、一番面白い試合をしてきた自負があるので今回もKOで勝ちたいと思います。バンタム級の試合はつまらないなんて俺が言わせない」と断言。
▼バンタム級 3分3R延長1R大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER/Krushフライ級王者)齊藤龍之介(ドージョー☆シャカリキ)
大久保は第11回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス -55kg優勝、第37回K-1アマチュア チャレンジAクラス -55kg優勝、K-1甲子園2021 -55kg優勝とアマチュアで経験を積み、2022年2月のK-1でプロデビュー。6月の『THE MATCH 2022』ではオープニングファイトに抜擢され、那須川龍心に判定勝ちしている。2022年9月の「初代Krushフライ級王座決定トーナメント」で優勝し、初代王座に就いた。その後は大学受験のため戦列から離れていたが、今回復帰。戦績は4勝無敗。
成長期で身体が大きくなったため、今回からバンタム級に階級を上げ、Krushフライ級王座は返上することが発表された。
齊藤は5歳でキックボクシングを始め、数々のアマチュア大会で優秀な成績を収めると、高校在学中にプロデビュー。2021年のK-1甲子園では東日本予選と全日本の決勝で大久保と対戦し、いずれも惜敗。プロ戦績は4勝(2KO)1敗の18歳。
斎藤は「今は大久保選手の方が知名度や実績があると思いますが、今の実力なら自分の方が上だと思うので試合はしっかり勝ちたい」と甲子園での借りを返すとする。
大久保は「今回斎藤選手とプロの舞台で対戦になりましたが、甲子園の時とは別物だと思って欲しいのでお互いしっかり練習して最高の状態で戦えたらと思います」と、成長ぶりを見せたいと話した。
▼K-1バンタム級 3分3R延長1R壬生狼一輝(力道場静岡/第7代Krushバンタム級王者)白幡裕星(K-1ジム総本部チームペガサス/元KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王者)
次ページは記者会見での質疑応答(壬生狼vs.白幡は別稿)。
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黒田「僕もRISE王者の大﨑一貴選手とやりたいと思っている」
――対戦相手の印象は?
斎藤「手足が長くて非常に上手い選手。それくらいです」
大久保「蹴りが上手い選手」
池田「強敵で簡単に倒せる相手ではないと思っていますが、僕のコーチが元ラジャダムナン選手のコーチなので、対策をたててもらおうと思うのと、今回はムエタイスタイルを使う気はなく空手とボクシングを融合した新しいスタイルをお見せしたい」
黒田「9歳でタイでビックリされたと言っていましたが、いつの話をしてんねんって感じ。16歳で勢いはあると思いますが、今回の横浜は必ずKOしようと思っています」
――どんな試合でアピールしたい?
斎藤「自分は蹴りが得意なので、この中で一番強い蹴り、とりあえず蹴りを見て欲しい」
大久保「51kgから上げて53kgに来たので、階級を上げてパワーだったり、どう倒せるようになったかをお客さんに観てもらって、ここにいるトップ選手たちといつか交えられるように頑張っていきたいと思います」
池田「KOショーを見せるのは間違いなくやること。ムエタイ選手vs.自分の技術戦を観てもらいたいですね」
黒田「この4試合、全選手合わせて圧倒的なテクニックの差と、今回は倒すのがテーマなのでそれを観て欲しい」
――バンタム級をさらに盛り上げるために自分はどうしたい?
斎藤「とりあえず面白い試合をするのは当たり前。倒せる選手になれば応援してくれる人も増えると思うので、倒せる選手になりたいと思います」
大久保「今の自分は無敗ですが、いろいろな人と戦って無敗のままで。今いろいろな活動をさせてもらっていて、自分が目立っていくことがK-1のバンタム級が広がっていくことだと思います。まずはしっかりとした強さを持って勝ち続けることと、メディアでも自分がK-1をやってること、強いことを証明することがバンタム級を広めることになると思うので頑張ります」
池田「このまま倒し続けて盛り上げたいと思います」
黒田「まずこの試合を圧倒的に勝って、今RISEとK-1の対抗戦をやってると思いますが、僕もRISE王者の大﨑一貴選手とやりたいと思っているので、いつかそれが出来たらいいなと思っています」