ムエタイ
レポート

【BOM】吉成名高が強敵を華麗なテクニックで鮮やかKO、竜哉もKO勝ち、MIKE JOEが敗れ対抗戦は日本の4勝1敗

2023/04/09 18:04
BOM OUROBOROS 20232023年4月9日(日)東京・大田区総合体育館※U-NEXTでLIVE配信 ▼第5試合 BOMスーパーフライ級(-52.16kg) 3分5R〇名高・エイワスポーツジム(エイワスポーツジム)KO 3R 2分56秒 ※3ノックダウン×ソンチャイノーイ・ゲッソンリット(タイ) “ハマの神童”名高はジュニアキック出身で、日本とタイで試合経験を重ねてきた。2017年4月にWMC世界ピン級王座を獲得すると、2018~2019年にはムエタイの二大殿堂タイトル 「ラジャダムナンスタジアム」と「ルンピニースタジアム」のミニフライ級(47.63kg)でタイトル統一し、外国人で2人目、日本人初の快挙を成し遂げた。2022年7月にはペットニポンをヒジでKOし、タイ国プロムエタイ協会フライ級&WPMF世界フライ級の二冠を奪取して“10冠王”を達成。今年2月には『ラジャダムナン・ワールド・シリーズ』に参戦し、見事なKO勝ちを収めた。戦績は44勝(27KO)5敗1分。現在16連勝中。  対するソンチャイノーイはS-1スーパーフライ級王者の肩書を持つパンチャー。日本では昨年9月にNJKFのリングで塚本望夢から1Rに2回ダウンを取ってKO勝ちしており、今年1月の『ONE Friday Fights 2』ではヨットーイ・カウサムリットから左フックでダウンを奪って勝利している。その試合ではしつこい首相撲も使って相手の攻撃を許さず、崩し技で相手を何度もぶん投げたことから“ビースト(野獣)”とのキャッチフレーズが付けられた。  1R、序盤はローでの探り合い。名高は緩急をつけて速い左ミドルも蹴る。中盤からソンチャイノーイが右ローの威力を強め、この強烈な右ローを狙い撃ちに。名高はソンチャイノーイの右ミドルに右フックを合わせる。  2Rも徹底して強い右ローを連打してくるソンチャイノーイ。名高は三日月を突き刺し、ソンチャイノーイのローに左ストレートを合わせていく。するとこれでソンチャイノーイはローを蹴りにくくなったか、ミドルを蹴り始める。名高もミドルで応戦し、再び三日月蹴り。  3R、さらに圧を強めて右ローと左ミドルを蹴って来るソンチャイノーイに、名高はギアを一段上げてサイドへ素早く動きながら左ストレート、ヒザ、左ミドルと攻撃をしていく。さながら、猛牛の突進をかわす闘牛士のようだ。  その名高のヒザがグサリと突き刺さり、名高は続けて左ボディストレート、左ストレート、左ヒザでダウンを奪う。ここからの猛攻がさらに凄かった。ヒジとヒザでラッシュをかけて瞬く間にダウンを追加すると、最後も左飛びヒザ蹴りからの右ヒジでソンチャイノーイをマットに沈めた。  強敵を相手にKO勝ちを飾った名高は「正直試合前からタイでソンチャイノーイ選手の試合を見ていたんですが強い選手で、皆さんの応援、ジムの皆さんの練習のおかげで自信を持ってリングに立つことが出来ました。ありがとうございます。今年2月に4年ぶりにタイで試合をしましたが、自分はタイではまだまだなのでトップを目指して頑張ります」と、タイでトップを目指していくとマイクで宣言した。 [nextpage] ▼第4試合 BOM-53kg級 3分5R〇竜哉・エイワスポーツジム(エイワスポーツジム)KO 3R 2分41秒 ※左ボディブロー×サンデー・ブンレックシアン(タイ)  竜哉は小学4年生でムエタイを始め、アマチュア時代は約100戦を経験して9本のベルトを巻いた。中1の時にタイでプロデビューを飾り、タイで試合(約20戦)・練習経験を積んで2018年4月に満を持して国内プロデビュー。いきなりWMC世界ピン級王座を獲得して世界王者となった。2019年7月にはタイでIBFムエタイ世界ミニフライ級王座決定戦を制して日本人3人目の同世界王者となり、9月には同じくタイ・ラジャダムナンスタジアムにて日本人として8人目の同スタジアム王者に。2020年2月にKO勝ちでWPMF世界ミニフライ級王座を獲得。怪我で戦列から離れていたが、2022年12月に約1年ぶりの復帰戦で秒殺KO勝ちした。  サンデーは、オムノーイスタジアム認定フライ級王者でラジャダムナンワールドシリーズで名高が対戦したパタックシンと1勝1敗の戦績があり、タイではS級クラスの強豪だという。  1R、竜哉は右ローを狙い撃ち。サンデーの右ハイを何度も寸前でかわしてみせる竜哉に場内からどよめきが起こる。竜哉は右ストレートを打ち、右ローにつなぐ。  2R、竜哉は右ローに加えて左インローも蹴っていく。サンデーの右ミドルをキャッチするとすかさず右ミドルを蹴り返す。さらにサンデーが右ミドルを蹴ってくるとすぐに蹴り返しを見せた。  4R、サンデーが勝負を懸けて前へ出てくる。竜哉は下がりながら右ローとジャブ。前へ出るサンデーへカウンターの左ボディを突き刺し、さらに左ミドルを蹴る。それでも前へ出て左右ミドルを蹴って来るサンデーに右ボディストレート。セコンドからの「ボディ両方効いている」の声を聞くと、竜哉はサンデーの突進をかわしての左ボディ。これが見事に決まり、サンデーは悶絶した倒れた。  見事なKO勝ちを収めた竜哉は「次は自分がタイでサンデー選手に挑みたい。タイにはまだまだ僕より格上の選手がいっぱいいるので、その選手を倒してムエタイの歴史に名前を刻みたいと思っています」と宣言した。 [nextpage] ▼第3試合 BOMミドル級王者決定戦 3分5R×MIKE JOE(BATTLE FIELD/TEAM J.S.A)判定0-3 ※48-49、48-50、47-49〇ヨックペット・カノムチーンモォーペンヴィパ60(タイ)※ヨックペットが新王座に就く。  JOEはアマチュアボクシングからキックボクシングに転向し、MMAにも挑戦した184cmの長身選手。2020年8月のKrush、2021年3月のK-1で共に勝利を収めている。2021年12月のBOMでクリスチャン・ジョセフを5Rに左ボディでKOし、第4代Bigbangスーパー・ウェルター級王座に続きWMCインターコンチネンタル・ミドル級王座を獲得すると、2022年9月には喜多村誠をTKOに破りWPMFインターナショナル・ミドル級王座も獲得して三冠王となった。  ヨックペットはプロムエタイ協会、BBTVトーナメント王者の肩書を持ち、BOMの中川夏生代表は「めちゃくちゃ強く、MIKE選手にとっては試練の一番になりました」と紹介。JOE自身も「相手選手の映像を見たところ、めちゃくちゃ強く、やりがいがある相手なので当日はぶっ倒したい。相手はヒザが鋭く、タイミング、バランスの取れた攻撃をします」と強敵だと認めている。  1R、右に左にと構えを変えるヨックペットは右ミドル、右ローと蹴りを出す。JOEは様子見か、構えをスイッチしながら相手の出方を見ていく。  2RもJOEはフェイントをかけて相手の反応を見るようにするが、手数はほとんど出ない。ヨックペットも軽快してか蹴りの数は少な目。  3Rはジャブを突いて前蹴りを出すJOEだが、やはり手数は少ない。ヨックペットは強い右ミドルを連打し、右ローも蹴る。  4R、ヨックペットの右ロー、左右ミドル、左フックをもらうJOE。セコンドからの「行け」「出ろ」「もう4Rだぞ」と多くの檄が飛ぶが、JOEは手を出さない。  5Rはようやく前へ出てジャブと左ストレートを放って行ったJOEだが、ヨックペットはミドルや前蹴りを返していくと中盤になるとポイントリードを確信して流し始める。前へ出るJOEだがパンチは空を切り、ヨックペットが判定勝ちでBOMミドル級王座を手にした。 [nextpage] ▼第2試合 BOM-51kg級 3分5R〇ジュライ・ウォーワンチャイ(ウォーワンチャイプロモーション)KO 2R 1分47秒 ※左ハイキック×プーム・パコーンPK(タイ)  1R、サウスポーのジュライは左インローを狙い撃ち。プームは左ミドルを蹴って来るが、ジュライは当てさせずにローを蹴っていった。さらにワンツーでプームをロープまで吹っ飛ばす。  2Rも左インローを蹴っていくジュライは綺麗なワンツーで左ストレートをヒットさせていく。その左ストレートと同じモーションで左ハイを蹴り、再び左ストレートを連打していくともう一度左ハイ。これが見事にヒットし、プームは立ち上がるもフラフラでジュライのKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第1試合 BOM-46.5kg級 3分5R〇コウシ・ウォーワンチャイ(ウォーワンチャイプロモーション)TKO 3R 0分58秒 ※左フック×クンデート・シットケオパップーン(タイ)  1R、コウシは右ヒジと左ボディを狙っていき、組んでも組み負けずクンデートをねじ伏せる。右ローをフェイントにして左ボディを叩き込んだ。  2Rもコウシはヒジを放って行き、パンチでも優る。クンデートは組みヒザに活路を求めるがコウシに組み倒される。クンデートもヒジを打つがコウシの優勢が続く。  3R、コウシの左ボディからの右ヒジでクンデートはグラリ。すかさずヒジと左右フックで畳みかけるコウシは左フックでクンデートをダウンさせる。戦意喪失気味のクンデートを見てレフェリーがストップ、コウシがまずは日本チームに1勝をもたらした。
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