MMA
レポート

【PFL】フェザー級リーグ戦・工藤諒司がハイブラエフに判定負け、ラウレーンがモラエスをカーフでTKO、ジェンキンスがウェードに完勝、代役ブラガがピネド下す

2023/04/02 10:04
 2023年4月1日(土・現地時間)、米国ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター ヴァージンホテルにて『PFL 1: 2023 Regular Season』が開催された(DAZN配信)。  フェザー級では、日本から出場の工藤諒司が146ポンド(66.22kg)、対するモヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)が145.8ポンド(66.13kg)でともに前日計量をパス。両者は予選リーグの1回戦で激突し、ハイブラエフがテイクダウン&コントロールで工藤に判定勝ち。ダメージは受けなかった工藤は次戦で巻き返しをはかることになった。  同じフェザー級リーグ戦では、ブレンダン・ラウレーン(英国)vs.マルロン・モラエス(ブラジル)、クリス・ウェード(米国)vs.バッバ・ジェンキンス(米国)、アレハンドロ・フローレス(メキシコ)vs.ダニエル・トーレス(オーストリア)、ヘスス・ピネド(ペルー)vs.チョ・ソンビン(韓国)の全選手が計量をパスも、ソンビンがメディカルチェックをパスできず、代わりにガブリエル・ブラガ(ブラジル)がピネドと対戦している。 『PFL 1: 2023 Regular Season』速報 ▼フェザー級 5分3R〇ブレンダン・ラウレーン(英国)146ポンド(66.22kg)27勝4敗[2R 1分11秒 TKO] ※右カーフキック×マルロン・モラエス(ブラジル)145.4ポンド(65.95kg)23勝12敗  フェザー級リーグ戦。  ラウネーンは、2021年のトーナメント決勝でハイブラエフにスプリット判定負けで準優勝も、2022年シーズンで優勝。予選で工藤諒司との試合でバッティング負傷判定で勝利すると、アゴ・ハシッチ、クリス・ウエイドに判定勝ちで決勝進出。バッバ・ジェンキンスに4RKO勝ちで100万ドルを獲得した。  モラエスは、元WSOFバンタム級王者。UFCでは、2019年6月にヘンリー・セフードとのバンタム級王座決定戦で敗れ戴冠ならず。 ジョゼ・アルドに勝利も、4連敗で2022年11月にPFLに参戦。シェイモン・モラエスとフェザー級で戦い3RTKO負け以来の再起戦となる。  1R、ともにオーソドックス構え。先に中央を取るラウネーンの左ジャブに、モラエスは左インロー。ラウネーンも右ローを返す。モラエスは右を強振もかわすラウネーンはこつこつと右カーフキック。  モラエスも右カーフを返して前に。バックフィストを振る。ラウネーンが左インロー後にアイポークも。モラエスはすぐに再開。右のかけ蹴りからアッパーで前に。かわしたラウネーンは右カーフ!  さらに右ハイをブロック上に突くと右カーフにモラエスがダウン! パウンドもスタンドを望むラウネーン。モラエスは前足を変えてスイッチする。  2R前にモラエスにドクターチェック後、再開。左フックで一気に前に出るモラエスだが、足がついていかず手打ちの飛び込みに。左から右を突くモラエスをかわすラウネーンは、右カーフキック! モラエスが前のめりにダウンし、レフェリーが間に入った。  5Pを獲得したラウネーンは、リーグ戦初戦で工藤を下したハイブラエフに「チャンピオンになる準備は出来ている。5分5Rでマンチェスターアリーナで戦おう」と告げた。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)145.8ポンド(66.13kg)20勝0敗1分1NC[判定3-0] ※30-27×3工藤諒司(日本)146ポンド(66.22kg)11勝5敗1分  フェザー級リーグ戦。  PFL4戦目に臨む工藤は、2022年4月からPFLに参戦し、初戦でブレンダン・ラウネーンからダウンを奪うも頭突きを受けてテクニカル判定負け。  6月の2戦目でフローレスを右オーバーハンドで1R KOでプレーオフ進出を決めたが、8月のジェンキンス戦で、小手巻きでの内股からのスクランブルでバックを奪われリアネイキドチョークで一本負け。2022年シーズンを終えていた。  対するハイブラエフはMMA19勝0敗1分1NCの超強豪。2021年10月のウェード戦以来、2年半ぶりの復帰戦となる。フェザー級決勝でウェードの打撃を、強力なダブルレッグとテイクダウンを織り交ぜたパンチで押し切り優勝したハイブラエフは100万ドルを獲得。  かつてはニュージャージーやフロリダのATTでもトレーニングを行っていたが、近年はダゲスタンのアブドゥルマナプスクールで練習し、2月12日の『UFC 284』でアレクサンダー・ヴォルカノフスキーに判定勝ちしたUFC世界ライト級王者イスラム・マカチェフのスパーリングパートナーを務めていた。  19勝中6KO・TKO、2つの一本勝ちで、11の判定勝ちと競り合いを譲らない。PFLではランス・パーマーにも判定勝ちし、工藤と接戦のラウネーンとはスプリット判定勝ちのハイブラエフは、強いテイクダウンと壁際でのチェーンレスリング、バックコントロールで相手を制圧してくる。この強豪を相手に工藤はどんな間合いから打撃を当てて、テイクダウンを切るか。注目の初戦だ。  1R、ともにオーソドックス構え。右の前蹴りで牽制の工藤に、ハイブラエフはシングルレッグへ。それを切る工藤に引き込み気味に足をつかみレッスルアップで立ち上がりシングルレッグを決めるハイブラエフ。両足を手繰る。金網使い立つ工藤にバック狙いのハイブラエフ。左で小手に巻く工藤を煽ってスタンドバックに。  ボディロックから崩して尻を着かせるが、工藤も立ち上がり。剥がすハイブラエフに正対する工藤。ハイブラエフは両足を手繰り寝かせようとするが、そこで背中を預けて立とうとする工藤。ハイブラエフがバックにつくと、工藤は正対もその際でマウントを奪うハイブラエフ。工藤は腰をずらし正対も、そこでハイブラエフは下を譲らず両足のなかで工藤をコントロール。  2R、ハイブラエフが中央も、工藤はワンツーから右ハイでハイブラエフを下がらせる。左右にステップしながら角度をつる須藤は右前蹴り。ハイブラエフの右の飛び込みをかわし、右を突くが、そこに合わせて胴に組んだハイブラエフがそのファーストアタックで工藤をテイクダウン。  工藤の左足を挟んで、左脇を潜ろうとする。工藤が正対して座ると、両足を引いて支点を無くして細かいパウンド。下の工藤はネルソン狙いから金網使い立ちに行くが、バックを狙うハイブラエフに正対して座る。その両足をヒザの上に乗せて工藤をコントロールし、横に寝かせるハイブラエフ! ついに背中をついた工藤はハーフに。ハイブラエフはボディに細かいパウンド。  3R、ともに狙いを定められないように足を止めず細かいステップから左ジャブの工藤だが、ハイブラエフは右オーバーハンドからニータップでテイクダウン。  金網まで動く工藤をさらに剥がしてテイクダウン。1分30秒で中央に向けて背中を着かせる。工藤は下からパウンドを打ち、エビで金網まで這う。その際で背中を見せて立ち上がる工藤は腕を差し入れてスイッチから正対で下に。  腹に頭をつけて腰を抱くハイブラエフは終始上に。金網まで這う工藤の腰を抱いてコントロールし、細かいパウンド。決定打はもらわず上体を立てる工藤は必死に右手を股の間に差し入れてスイッチを狙うが、ハイブラエフがコントロールしたままゴング。  判定は3-0(30-27×3)のフルマークで、工藤を完封したハイブラエフが勝利。勝ち点3を獲得した。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇バッバ・ジェンキンス(米国)146ポンド(66.22kg)20勝6敗[判定3-0] ※30-27×3×クリス・ウェード(米国)145.6ポンド(66.04kg)22勝9敗  1R、ダブルレッグテイクダウンのジェンキンスはケージ際でウェードの両足をヒザ上に乗せてパウンド。足を着いて背中を見せるウェードにシングルバックを狙うが、ウェードもスイッチ狙い。それをバックにつかせず正対し、座るウェードにジェンキンスは反則のヒザ。  中断後同じポジションで再開。立とうとするウェードのバックを奪うジェンキンスは両足をかけてバックマウント。いったん亀になるウエードが片ヒザ立ちになりゴング。  2R、サウスポー構えから左ハイのジェンキンスは歩きながらスイッチして右を振ってシングルレッグへ。ウエードはノーアームギロチンチョークで後方に回そうとするが金網にひっかかりそのままジェンキンスが上に。上四方からヒザを突き、仰向けから亀になるウエードをコントロール。鉄槌を落とす。  3R、ジェンキンスの右手がアイポークに。再開。一気に詰めるジェンキンスにウェードが打ち返しに来たところにジェンキンスはカウンターのダブルレッグテイクダウン。  背中を見せるウェードに背後から腰を振って余裕を見せると、右手首をコントロールしてバックを取り続ける。ウェードが金網使い立つと、ジェンキンスは再びダブルレッグテイクダウン。中腰からパウンドを落としゴング。判定3-0でウェードをドミネートしたジェンキンスが勝利。勝ち点3を獲得した。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇アレハンドロ・フローレス(メキシコ)145.4ポンド(65.95kg)22勝4敗[判定3-0] ※29-28×3×ダニエル・トーレス(オーストリア)146ポンド(66.22kg)14勝6敗  メキシコのフローレスは、2022年のフェザー級予選1戦目で判定勝ち後、2戦目で工藤諒司に1RKO負け。元KSWフェザー級王者のトーレスはブラジル生まれでオーストリア在住。  フローレスは左ボディ、右ロー、ボディロックテイクダウンに対し、トーレスは右オーバーハンド、大内刈狙いも、フローレスがテイクダウン。フローレスが3点獲得。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇ガブリエル・ブラガ(ブラジル)10勝0敗[判定2-1]※29-28×2, 28-29×ヘスス・ピネド(ペルー)144.6ポンド(65.58kg)20勝6敗1分※チョ・ソンビン(韓国・146ポンド/66.22kg・10勝2敗)は計量パスもメディカルチェックをパスできず欠場  チョ・ソンビンの代役ブラガはLFAを主戦場に10勝無敗。UAE Warriorsを経て、2023年3月の前戦でPFLチャレンジャーシリーズで判定勝ち。  ピネドは2018年にUFCデビューしデヴィン・パウエルに判定勝ち。続くジョン・マクデッシ戦で判定負けでリリース。ローカルで4連勝中。26歳で20勝5敗1分け。  圧力かけるブラガに、ピネダはカーフ。2Rにピネダが反撃もブラガはワンツーの右をヒット。金網に詰まるピネダはラッシュで反撃ももたず。終盤にテイクダウンを奪うもブラガが右を打ち返しゴング。タイムアップ。判定はスプリットでブラガが勝利。3点を獲得した。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント