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レポート

【DEEP×BLACK COMBAT】中村大介がキム・ミンウに衝撃の失神一本負け、対抗戦連勝で五分に戻したキム兄弟は「朝倉兄弟とアジアで誰が最も強い兄弟か、決めたい」

2023/02/14 18:02
 2023年2月4日(土)、韓国スウォンのスウォン・コンベンションセンターにて『Black Combat 5: Song of the Sword』として「BLACK COMBAT」と「DEEP」の5対5の対抗戦が開催された。  BLACK COMBATは、ドラマチックな映像を駆使し、選手のバックボーンとキャラクターを際立たせ、YouTubeでそのストーリーを拡散させることで新たなファンの獲得に成功している韓国の新興MMAプロモーションだ。  日本の「DEEP」は現王者2名と元王者、王座挑戦者を含む5選手を選抜。韓国「BLACK COMBAT」側は、今回の対抗戦に向けて各階級で4選手による選抜戦を行い、代表を決定して対抗戦に臨んだ。  先鋒戦の女子アトム級では、現DEEPミクロ級&DEEP JEWELSアトム級王者の大島沙緒里が、ホン・イェリンに3R、腕十字による一本勝ち。 ▼先鋒戦 女子アトム級 5分3R〇大島沙緒里(AACC)11勝3敗[3R 0分59秒 腕十字]×ホン・イェリン(DK Gym)4勝3敗  続く次鋒戦でも、現DEEPライト級王者の大原樹里が、フェザー級から挑戦したユン・ダウォンに1R KO勝ち。DEEPが2勝を挙げた。 ▼次鋒戦 ライト級 5分3R〇大原樹里(KIBA マーシャルアーツクラブ)32勝18敗3分[1R 4分39秒 KO]×ユン・ダウォン(MMA Story)5勝5敗1分  しかし、中堅戦で、キム・ミンウの兄でMMAに復帰したキム・ジョンフンが、山本聖悟を2R TKOに下し、1勝を獲得。 ▼中堅戦 バンタム級 5分3R〇キム・ジョンフン(MOAI GYM)5勝0敗[2R 0分30秒 TKO]×山本聖悟(Team Cloud)4勝11敗1分  そして、副将戦では、ジョンフンの弟で“コリアンモアイ”の異名を持つMMA10勝2敗のキム・ミンウ(29歳)が登場。元DEEPライト級王者で現正規DEEPフェザー級王者の牛久絢太郎と1勝1敗の戦績を持つ“Uの後継者”中村大介(42歳)と対戦した。 ▼フェザー級 5分3Rキム・ミンウ(MOAI GYM)10勝2敗中村大介(夕月堂本舗)34勝22敗1分  ミンウは、朝倉海と1勝1敗のムン・ジェフン(現ROAD FCバンタム級王者)を相手に2勝1敗と勝ち越している強豪。2017年4月にキム・スーチョルに判定負けも、ジェフンに一本勝ちで再起すると、2019年11月のRoad FCバンタム級王座戦では、ジャン・イクファンを延長R判定で下して戴冠を果たしている。  UFCを目指し、ROAD FC王座返上後の2022年6月に『Road To UFC』バンタム級参戦も、1回戦で対戦予定のシャオ・ロン(中国)の欠場により、体重を作るも不戦勝に。続く、2022年10月の準決勝・風間敏臣戦が2年11カ月ぶりの復帰戦になるはずだったが、今度はミンウが139.5ポンドとまさかの体重超過で欠場となり、UFCへの道が断たれていた。  しかし、DEEPとの対抗戦が決まったBLACK COMBATにフェザー級で電撃参戦。選抜戦では、Double GFCフェザー級王者のパク・チャンス、シン・スンミンを立て続けに下し、代表入りを決めた。 「(『Road To UFC』の)悔しさをここで晴らす。DEEPは昔は良かったけど、いまは少し衰退している。DEEPとの対抗戦の後でもっと大きな団体と交渉をしたい」と、野望を抱くミンウは、ベテランの中村を撃破し、“最後のチャンス”を繋げることが出来るか。中村にとっては、アウェーで13歳年下の強敵の夢を打ち砕き、DEEPを勝利へと導けるか。 [nextpage] キャリア初の計量300gオーバーの中村はラウンド毎に「減点1」  DEEPの2勝1敗で迎えた中堅戦。  先に登場の中村は、白のハチマキに、いつもの黒のショートタイツで登場。続けて黒のBLACK COMBATのジャージを着込んだミンウがケージイン。セコンドに兄のジョンフンがつく。  試合前に、計量で300gを体重超過した中村に「各ラウンドごとに減点1点を受けて試合をすること」がアナウンスされる。中村にとっては、フィニッシュしないと勝利が見えない点差だ。  1R、グローブタッチ、小走りに中央を取るミンウ。ともにオーソドックス構え。高いガードのミンウに対し、低い手の位置の中村はリラックスした構えから左ローを突く。すぐにミンウも右ローの蹴り返し。中村の続く左ローに左ジャブを合わせに行く。  圧力をかける中村に右ローを当てるミンウ。金網に詰めワンツーから右ヒザは中村。しかしミンウはその蹴り足を掴んでスタンドバックに。アームロックを狙う中村に、柔術黒帯のミンウは回して引き込み。中村はミンウの右足をアンクルホールド狙い。  ヒザを曲げて潰してバックに乗り直すミンウに立ち上がる中村。ミンウは右足をかけて左ヒザ裏にひっかけるが、中村のアームロックのプレッシャーに足を解いて着地。ボディクラッチを解いて、左手のリストコントロールに変えると、スタンドで中村のボディに右ヒザ! それを嫌ったか、中村は横につくミンウの右足に右足をかける。  金網際で手首を外し正対する中村は、首相撲からヒザを1発。その首相撲を嫌ったミンウが離れると右ロー。ともに左ジャブの刺し合い。中村の右ローの打ち終わりに、ミンウは左ジャブを当てる。ミンウの右ローを受けながら前に出る中村。右から左をガード上に。ミンウは左ミドルを返す。左ジャブを打ってサークリングし、金網際から離れるミンウは右ローをヒット。中村の右の蹴り返しは避ける。  ガードを上げて、シャープなジャブを突くミンウ。中村の頭を上げさせるが、中村も出所の分かりにくい左ジャブ。ミンウは左ジャブから左ハイが側頭部をかすめる。  ミンウの左ジャブに踏み込んで右ボディストレートを突く中村。さらに互いに返しは胸に当たる。左ヒザを上げて前に出る中村に、ミンウは左ジャブ、左フックのダブルで押し返すと、左ジャブ。それを頭を傾けてかわした中村は、距離を詰めてミンウの後ろ頭を左手で掴むと、跳びつき腕十字へ!  一瞬左腕を巻き込まれたミンウだが腕を抜いて上に。中村の右肩を三角に固め、寝かせて腕十字狙いから固めたまま上から左手で鉄槌を入れながら右腕を伸ばそうとするが、中村は自分の右内腿を掴んで防御。仰向けのままだと動けないため、うつ伏せになるとミンウは足を解除し、サイドバックで右脇をすくいながら左で頭にパウンド。  中村はその右手を脇に挟んで巻き込みの動きから正対へ。バックに乗ろうとしいたミンウを飛行機投げの要領で前に落とそうとするが、頭をマットについて前転しないミンウは左足を中村の胴にかけ直し、右足もかけてバックマウントに。中村は手でミンウの右足を外して、うつ伏せになったところで1R終了のゴング。  減量失敗の影響か、ラウンド間に水を求める中村。 [nextpage] 消耗する中村は「強い──」  2R目も「減点1」からスタートの中村。右ローは空振り。すぐにミンウが右ローを返す。ガードを下げて、頭を倒しながらミンウの左右を避ける中村は、左ジャブ。ミンウのワンツーの右を肩口に避けて右腕を外からかぶせて掴んで、1R同様に引き込み十字へ。  これはミンウがヒジを巻き込ませず腕を抜いて中腰のまま上からパウンド。下の中村は左足を外がけで足関節狙いもミンウは右足を抜く。その際で立つ中村。すぐに詰めて右ハイはミンウもブロックする中村。しかしジャブ&ローを被弾。中村はまたも右を伸ばしてから引き込み十字も、それを読んでいるミンウは中村を落とすと、下から足を手繰る中村を潰して寝かせる。  サイドを譲った中村。亀になって立とうとするが、ここで背中に乗ったミンウがシングルバックに。背後からパウンドを入れながら左でリストコントロールして右でパウンドしながら両足をかけるとボディトライアングル(4の字ロック)へ。バックマウントでパウンドを連打し、仰向けにさせてリアネイキドチョークも狙う。  再びヒザを立てて亀になる中村に、ミンウはバックマウントでパウンド。手で足を外そうとする中村だが、ミンウの長い足は外れず。パウンドを打たれ続ける中村はレフェリー、あるいはタオルで止められてもおかしくない状況に。中村は座り込んで背負ったままゴングに這って自陣に戻る。  セコンドから「大丈夫か?」と問われ、「強い」と答える中村は「行かないと終わる」と口にする。 [nextpage] 「朝倉兄弟。アジアで誰が最も強い兄弟か、まずは彼らと一番最初に競い合いたい」  3R目も中村に「減点1」のコール後、スタート。グローブタッチ。ノーガードでフェイントをいれつつ近づき、ミンウの右にカウンターの右を狙う中村。さらに左ジャブも、回るミンウは左ミドルを返す。左ジャブのミンウに右ボディストレートを突く中村。左ミドルハイから右ストレートへ。ブロッキングするミンウはすぐに右の打ち返しへ。これは読んでいる中村。右ローを2発のミンウ。  詰めて右のテンカオを突く中村だが、再び右ストレートを被弾。それでも詰める中村に、ミンウは後退して距離を取る。ワンツーを打ち込むミンウ。中村はスウェイでかわすと、両腕を降ろしたまま頭と肩を小刻みに揺らせてフェイントで詰めて、ガード上にワンツースリーフォーの4連打から首相撲ヒザと繋ぐ。  振りほどくミンウに遠間から右手を後ろ頭にかけてカニ挟みを狙う中村だが、ミンウは右足が外にかけさせず潰すと、すぐさまバックへ。シングルバックから仰向けにさせて両足をかけたミンウは完全バック。亀まで戻す中村に1、2Rと同様バックマウントを奪取しパウンド。仰向けにさせてボディトライアングルに足を組むと同時に左腕を喉下に。アゴ上から絞めて後ろ頭で組むと、その手を剥がそうとする中村の腕の力が抜けて失神!  すぐに腕を解いたミンウは、中村の足を上げて中村の気を戻すと、中村にハグ。気がついた中村は、上体を起こし、「ソーリー」と300gの体重超過を詫び、「ベリー・ストロング」とミンウを讃えた。「全然、覚えていない」という中村を抱き起こしたミンウはあらためてハグ。  3R 4分39秒、キム・ミンウがリアネイキドチョークでの一本勝ち。  勝ち名乗り後、コリアンモアイは「当初のプランは打撃で終わらせようと思っていたんですけど、相手がグラップリングが上手くて。1R目にグラウンドを混ぜてみたら、私のグラウンドの方がより強いなと思って。中村選手は、ベテランであることを感じたし、明らかにダメージがあるにもかかわらず平気な表情で、ずっとカウンター狙ってるのがすごかったです。難しい試合でした」と中村を讃えると、「復帰戦がうまくいったようで、すごく嬉しいです。兄と私が同時に出場して勝利を収めたから、人生で一番嬉しい日です」と笑顔を見せた。  セコンドのジョンフンも「兄弟で復帰戦だったので、緊張しすぎて集中できなかったんですけど、今、弟が勝つ瞬間を見て、胸が熱くなります」とコメント。  そして、キム・ミンウはケージのなかで、「日本の団体に、すごく有望なスターがいるんですよ、朝倉兄弟。アジアで誰が最も強い兄弟か、まずは彼らと一番最初に競い合いたいです」と、バンタムとフェザーで連勝したキム兄弟は、朝倉兄弟に「アジア最強兄弟」を賭けて戦いたいとした。  続けて、失神一本負けした中村にもマイクが手渡され、「何よりも20年やってきて初めて体重をオーバーしてしまい、ほんとうに申し訳ありませんでした。それでも試合を受けてくれてありがとうございました。結構、自信があったんですけど、何も出来ないくらい強かったんで、ほんとうに世界レベルの選手で、すごいいい経験になったと思うし、自分はまだまだこれから強くなれると思っているので、このくらいのレベルを目指してまだまだ強くなります。すごいいい大会で盛り上がっていると思うので、日本でも韓国でも格闘技がもっと盛り上がるといいと思います。カムサハムニダ」と挨拶。  バックステージでも、「(ミンウは)ROAD TO UFCで優勝候補と聞いていて、彼を相手に3Rのコンディションを作れなかった──それを抜きにしてもこういう強い選手と出来て嬉しいです。単純に強かった。打撃も組みも。でも日本以外で試合をするのはいい経験になります」と試合を振り返った。  2勝2敗と五分に戻された佐伯繁DEEP代表は、「やっぱりキム兄弟は強かった。中村大介の負けはショック。キム・ミンウ以外の選手だったら勝てると思います。フェザー級はミンウより強い選手がいっぱいいますから。日本で敵討ちをします。これで2勝2敗。次ですべてを賭けます。ブラックは3勝2敗で勝つつもりでこの試合順を組んだと思うけど、そうはさせない」と、険しい表情で語った。  メインでは、赤沢幸典(Tristar Gym 日本館/Team Cloud・3勝5敗)が、チェ・ウォンジュン(MMA Story・5勝5敗)と対戦する無差別級戦が残されている。最後に勝ち越すのは、DEEPかBLACK COMBATか。
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